9 / 44
第1章
第8話 責任
しおりを挟む
「俺もまだ信じられないが、転移したって考えは妥当だと思う。それに、周りの植物の様子から言って、少なくともここは地球ではないんだろう。」
「つまり、私達は異世界に転移した可能性が高いってことですね。」
俺が言うと、サーヤが確認するように小さく呟く。すると、ミーコとコータが俯いて肩を震わせる。はっきりとサーヤが言葉にしたことで、実感というか、確信したというか、とにかくショックを受けたんだろう。
「みんな、ごめん!あたしのせ「うおおおぉっ!スッゲー!!マジ異世界?魔法とかあんのかな?ぅあ~!やっべー、超楽しみ!」」
ミーコが責任を感じて謝罪の言葉を発するのとほぼ同時にコータが立ち上がり、ガッツポーズで天を仰いで叫ぶ。ショックを受けたわけじゃなく、嬉しさで興奮しているようだ…。
「コ、コータくん?」
ガバっと頭を下げていたミーコが、驚いて恐る恐る顔を上げ、戸惑いがちに声をかける。
「あ、ああああ!ご、ごめん!先輩見つかってなくてこんな事態なのにっ!喜んでる場合じゃないっすよね!ほんっとごめん!」
コータは顔の前で手を合わせ、頭を下げてミーコに謝る。
「え?い、いや、そんな!あたしの方こそ、焦って崖から落ちて、こんなことに巻き込んじゃって、ホントにごめんなさい!サーヤもユウ兄も、ごめんね、あたしのせいで…。」
ミーコは改めて深々と頭を下げ、だんだんと涙声になりながら謝罪を口にする。
「自分は大丈夫っすよ、ホント!そりゃこんなことになるなんてビックリっすけど、自分はもともと剣でモンスターとかをこう、ザシュっと切りまくって、魔法でドカーンと吹っ飛ばしてって感じの勇者に憧れて剣道始めたんっすよ!まぁ、剣道と剣術じゃ全然違うんすけど。いやー、まさか夢が叶うとは!!あ、モチロン子どもの頃の夢っすよ!」
コータはジェスチャー付きで楽しそうに語っているが…、先走りすぎだろ。突っ込みどころ満載過ぎだ!まだ異世界(らしきところ)に来たってだけで、勇者になったわけじゃないんだから、夢は叶ってないだろ!そもそも魔法やモンスターが存在する世界なのかもわからないし。だいたい、子どもの頃の夢とか言ってるが、今もだろ!
…モンスターか。いるなら生態とか詳しく調べてみたいな。食性は肉食が多いのか?いや、生き物を襲う目的が捕食とは限らないよな。むしろそれは少なそうだ。やはり縄張りだとか巣を守ってとか…。
そうだ、生殖活動はどうなってるんだ?そういうものはあるのか?小説やゲームだと勝手に湧いてくるっていうパターンも多いが。求愛行動とか面白そ…って、いやいや、今出遭ったら軽く全滅とかありえるだろ!コータの能天気につられて、危うく妄想の世界に旅立つところだった。年長者なんだからしっかりしろ!
「う、うん…。でも、これから危険な事があるかもしれないし、もう地球に戻れないかもしれないんだよ?家族とか友達とか、彼女とかにも会えないかもだし…。」
コータの勢いに押されたのか、能天気過ぎる発言への戸惑いなのか、ミーコが遠慮がちに言うと、コータは『彼女』というフレーズに赤くなって狼狽える。
「えっ、や、か、か、彼女なんていないっすから!全然!これっぽっちも!
あ~、家族はまぁ心配すると思うっすけど、そこはもうしょうがないし…。」
『これっぽっちも』ってなんだよ。手を握って照れてた時から薄々思っていたが、コイツはチェリー君決定だな。
「ミーコ、確かにあの時崖で無茶をしたのは、あなたが悪いと思うわ。みんなが大怪我するとこだったんだから。でも、異世界に来たのはあなたのせいじゃない。だから、謝るのは無茶をしたことと、みんなの忠告を聞かなかったことよ。」
「でも!私が落ちなきゃ転移なんて起こらなかったかもしれないし、そもそもハル兄を探すのに付きあわせなきゃ「私は自分の意志で春樹さんを探しに付いてきたんだよ。自分で決めて行動したことの責任を、ミーコにとって欲しいなんて思わないわ。それに、きっとミーコが無茶するだろうから、私が止めなきゃって思って付いて行ったの。止められなかった私にも責任があるわ。」」
ミーコは自分のせいだと主張するが、サーヤがそれを遮る。サーヤの理論はちょっと強引だが、彼女らしいな。
「自分も志願して捜索に加わったっすよ!それに、最後は自分で飛び込んだようなもんだし。」
「「「…はぁ!?」」」
予想外のコータの言葉に皆が驚くと、コータは慌てて言い直す。
「あ、いや、自分で飛び込んだ、は言い過ぎっすけど…。あの時自分は崖の上の地面から飛び出した木の根っこに掴まってたんすよ。すぐに這い上がれば自分は吸い込まれなかったかもしれないんすけど、どうしようって迷っちゃって…。」
「迷った?」
俺たちを助けようとしたのか?俺たちとは、ほんの数時間の付き合いでしかない。危険を冒さずさっさと自分だけでも安全確保すればよかったろうに。
「最初はなんとか助けられないかなと思ったんすけど、それは無理そうだったんで、だったら助けを呼んで来なきゃと思ったんすよね。でも自分、方向音痴なんで。一人でちゃんと帰れるかな?とか、助けを呼んでこの祠まで戻ってこれるかな?とか、こんなこと信じてくれる人いるかな?とか、下手したら自分、先輩も含めて4人の殺人容疑とかかけられちゃうんじゃ?とかいろいろ考えちゃって。で、考えてるうちに結局、掴まってた根っこの周りの土も崩れて落ちそうになって、それでビックリして手を離しちゃったっすよ。」
「「「……」」」
「いや~、カッコ悪い感じだったんでなかなか言い出せなくて…」なんて、照れたように頬をポリポリ掻きながら言っているが、ああ、確かに最後はマヌケだな。かける言葉も見つからん。
だが、方向音痴云々はともかく、知り合いと山に入って一人だけ無事戻るなんてことが続いたら、確かに疑われる可能性は高いし、実際に目の当たりにでもしない限り、この怪現象を信じてくれる人はいないだろうな。
仮にコイツが誰にも言わず、何事もなかったように過ごしたとしても、いなくなった事にもなかなか気付かれない俺や森野家の2人はともかく、サーヤの両親はすぐに捜索願いを出すだろうし、調べればコイツに辿り着くのは時間の問題だろうしな。
そう考えれば、コータにとっては最悪の事態を免れたってことか?こうして無事生きてるわけだし、夢が叶ったとか言ってるし…。
さて、いつまでもゆっくり話してるわけにもいかない。幸い(?)コータのおかげで悲観的な空気はないし、じっとしていないで行動をおこさないとな。
そのためにも、まだ表情が硬いミーコをなんとかしないといけないか。2人が責めないから、自責の念が行き場をなくして、どうしたらいいかわからないんだろう。ここは一発お仕置きしておいてやるか。
「よし、とりあえずミーコ、お前は尻叩きの刑だ。ケツ出せやコラ。」
おもむろにミーコに近付き、少し凄んで言う。
「ハア!?ちょ、ユウ兄、ななな、何言ってんのよ急に!」
「いいからケツ出せ!お前ら兄妹のおかげで迷惑被ってんだからおしおきだ!」
逃げようと後ずさるミーコを捕まえて後ろを向かせると、ミーコが必死に抵抗する。サーヤは無表情で傍観しているが、コータは顔が赤くなった後、今度は青くなってオロオロしている。やっぱりコータの反応は面白いな。
「ギャー!ユウ兄の変態!セクハラ!ヤーメーテー!!」
「何がセクハラだ!クソガキの躾は尻叩きと、相場が決まってんだよ!」
「イヤー!!放して~!やっぱり変態メガネじゃんか~。」
お、ミーコもだいぶ調子が戻ったな。あとはゲンコツで勘弁してやろう。
ゴンッ!!「いっったあぁぁっ!!」
手を放して、間髪入れずに強めのゲンコツをくれてやると、ミーコは頭を押さえてうずくまった。ちょっと涙目になっているようだ。
「しょうがないからコレでチャラにしてやる。お前は人の注意をちゃんと聞き入れて、もう突っ走らないように、よ~く反省しろ!」
ミーコに言ってから、今度はサーヤとコータに向き直って話す。
「商店のおばさんのおかげで食料と水分はあるが、日暮れまでになんとか寝る場所を確保する必要がある。それに、まだ帰れないと決まったわけでもないだろうから、まずは周辺を少し調べよう。何があるかわからないから、慎重にな。」
探索範囲はお互い声が届く距離を保つことにして、俺とミーコ、コータとサーヤの二手に分かれ、周辺の探索を開始した。
「つまり、私達は異世界に転移した可能性が高いってことですね。」
俺が言うと、サーヤが確認するように小さく呟く。すると、ミーコとコータが俯いて肩を震わせる。はっきりとサーヤが言葉にしたことで、実感というか、確信したというか、とにかくショックを受けたんだろう。
「みんな、ごめん!あたしのせ「うおおおぉっ!スッゲー!!マジ異世界?魔法とかあんのかな?ぅあ~!やっべー、超楽しみ!」」
ミーコが責任を感じて謝罪の言葉を発するのとほぼ同時にコータが立ち上がり、ガッツポーズで天を仰いで叫ぶ。ショックを受けたわけじゃなく、嬉しさで興奮しているようだ…。
「コ、コータくん?」
ガバっと頭を下げていたミーコが、驚いて恐る恐る顔を上げ、戸惑いがちに声をかける。
「あ、ああああ!ご、ごめん!先輩見つかってなくてこんな事態なのにっ!喜んでる場合じゃないっすよね!ほんっとごめん!」
コータは顔の前で手を合わせ、頭を下げてミーコに謝る。
「え?い、いや、そんな!あたしの方こそ、焦って崖から落ちて、こんなことに巻き込んじゃって、ホントにごめんなさい!サーヤもユウ兄も、ごめんね、あたしのせいで…。」
ミーコは改めて深々と頭を下げ、だんだんと涙声になりながら謝罪を口にする。
「自分は大丈夫っすよ、ホント!そりゃこんなことになるなんてビックリっすけど、自分はもともと剣でモンスターとかをこう、ザシュっと切りまくって、魔法でドカーンと吹っ飛ばしてって感じの勇者に憧れて剣道始めたんっすよ!まぁ、剣道と剣術じゃ全然違うんすけど。いやー、まさか夢が叶うとは!!あ、モチロン子どもの頃の夢っすよ!」
コータはジェスチャー付きで楽しそうに語っているが…、先走りすぎだろ。突っ込みどころ満載過ぎだ!まだ異世界(らしきところ)に来たってだけで、勇者になったわけじゃないんだから、夢は叶ってないだろ!そもそも魔法やモンスターが存在する世界なのかもわからないし。だいたい、子どもの頃の夢とか言ってるが、今もだろ!
…モンスターか。いるなら生態とか詳しく調べてみたいな。食性は肉食が多いのか?いや、生き物を襲う目的が捕食とは限らないよな。むしろそれは少なそうだ。やはり縄張りだとか巣を守ってとか…。
そうだ、生殖活動はどうなってるんだ?そういうものはあるのか?小説やゲームだと勝手に湧いてくるっていうパターンも多いが。求愛行動とか面白そ…って、いやいや、今出遭ったら軽く全滅とかありえるだろ!コータの能天気につられて、危うく妄想の世界に旅立つところだった。年長者なんだからしっかりしろ!
「う、うん…。でも、これから危険な事があるかもしれないし、もう地球に戻れないかもしれないんだよ?家族とか友達とか、彼女とかにも会えないかもだし…。」
コータの勢いに押されたのか、能天気過ぎる発言への戸惑いなのか、ミーコが遠慮がちに言うと、コータは『彼女』というフレーズに赤くなって狼狽える。
「えっ、や、か、か、彼女なんていないっすから!全然!これっぽっちも!
あ~、家族はまぁ心配すると思うっすけど、そこはもうしょうがないし…。」
『これっぽっちも』ってなんだよ。手を握って照れてた時から薄々思っていたが、コイツはチェリー君決定だな。
「ミーコ、確かにあの時崖で無茶をしたのは、あなたが悪いと思うわ。みんなが大怪我するとこだったんだから。でも、異世界に来たのはあなたのせいじゃない。だから、謝るのは無茶をしたことと、みんなの忠告を聞かなかったことよ。」
「でも!私が落ちなきゃ転移なんて起こらなかったかもしれないし、そもそもハル兄を探すのに付きあわせなきゃ「私は自分の意志で春樹さんを探しに付いてきたんだよ。自分で決めて行動したことの責任を、ミーコにとって欲しいなんて思わないわ。それに、きっとミーコが無茶するだろうから、私が止めなきゃって思って付いて行ったの。止められなかった私にも責任があるわ。」」
ミーコは自分のせいだと主張するが、サーヤがそれを遮る。サーヤの理論はちょっと強引だが、彼女らしいな。
「自分も志願して捜索に加わったっすよ!それに、最後は自分で飛び込んだようなもんだし。」
「「「…はぁ!?」」」
予想外のコータの言葉に皆が驚くと、コータは慌てて言い直す。
「あ、いや、自分で飛び込んだ、は言い過ぎっすけど…。あの時自分は崖の上の地面から飛び出した木の根っこに掴まってたんすよ。すぐに這い上がれば自分は吸い込まれなかったかもしれないんすけど、どうしようって迷っちゃって…。」
「迷った?」
俺たちを助けようとしたのか?俺たちとは、ほんの数時間の付き合いでしかない。危険を冒さずさっさと自分だけでも安全確保すればよかったろうに。
「最初はなんとか助けられないかなと思ったんすけど、それは無理そうだったんで、だったら助けを呼んで来なきゃと思ったんすよね。でも自分、方向音痴なんで。一人でちゃんと帰れるかな?とか、助けを呼んでこの祠まで戻ってこれるかな?とか、こんなこと信じてくれる人いるかな?とか、下手したら自分、先輩も含めて4人の殺人容疑とかかけられちゃうんじゃ?とかいろいろ考えちゃって。で、考えてるうちに結局、掴まってた根っこの周りの土も崩れて落ちそうになって、それでビックリして手を離しちゃったっすよ。」
「「「……」」」
「いや~、カッコ悪い感じだったんでなかなか言い出せなくて…」なんて、照れたように頬をポリポリ掻きながら言っているが、ああ、確かに最後はマヌケだな。かける言葉も見つからん。
だが、方向音痴云々はともかく、知り合いと山に入って一人だけ無事戻るなんてことが続いたら、確かに疑われる可能性は高いし、実際に目の当たりにでもしない限り、この怪現象を信じてくれる人はいないだろうな。
仮にコイツが誰にも言わず、何事もなかったように過ごしたとしても、いなくなった事にもなかなか気付かれない俺や森野家の2人はともかく、サーヤの両親はすぐに捜索願いを出すだろうし、調べればコイツに辿り着くのは時間の問題だろうしな。
そう考えれば、コータにとっては最悪の事態を免れたってことか?こうして無事生きてるわけだし、夢が叶ったとか言ってるし…。
さて、いつまでもゆっくり話してるわけにもいかない。幸い(?)コータのおかげで悲観的な空気はないし、じっとしていないで行動をおこさないとな。
そのためにも、まだ表情が硬いミーコをなんとかしないといけないか。2人が責めないから、自責の念が行き場をなくして、どうしたらいいかわからないんだろう。ここは一発お仕置きしておいてやるか。
「よし、とりあえずミーコ、お前は尻叩きの刑だ。ケツ出せやコラ。」
おもむろにミーコに近付き、少し凄んで言う。
「ハア!?ちょ、ユウ兄、ななな、何言ってんのよ急に!」
「いいからケツ出せ!お前ら兄妹のおかげで迷惑被ってんだからおしおきだ!」
逃げようと後ずさるミーコを捕まえて後ろを向かせると、ミーコが必死に抵抗する。サーヤは無表情で傍観しているが、コータは顔が赤くなった後、今度は青くなってオロオロしている。やっぱりコータの反応は面白いな。
「ギャー!ユウ兄の変態!セクハラ!ヤーメーテー!!」
「何がセクハラだ!クソガキの躾は尻叩きと、相場が決まってんだよ!」
「イヤー!!放して~!やっぱり変態メガネじゃんか~。」
お、ミーコもだいぶ調子が戻ったな。あとはゲンコツで勘弁してやろう。
ゴンッ!!「いっったあぁぁっ!!」
手を放して、間髪入れずに強めのゲンコツをくれてやると、ミーコは頭を押さえてうずくまった。ちょっと涙目になっているようだ。
「しょうがないからコレでチャラにしてやる。お前は人の注意をちゃんと聞き入れて、もう突っ走らないように、よ~く反省しろ!」
ミーコに言ってから、今度はサーヤとコータに向き直って話す。
「商店のおばさんのおかげで食料と水分はあるが、日暮れまでになんとか寝る場所を確保する必要がある。それに、まだ帰れないと決まったわけでもないだろうから、まずは周辺を少し調べよう。何があるかわからないから、慎重にな。」
探索範囲はお互い声が届く距離を保つことにして、俺とミーコ、コータとサーヤの二手に分かれ、周辺の探索を開始した。
0
誠に勝手ながら、こちらの作品は、2017年12月1日の投稿をもって無期限の休止にさせていただきます。次話からは2章に突入予定でおりますが、また書き溜めができれば再開するかと思います。気長にお待ちいただければ幸いです。ここまで読んでくださってありがとうございました。
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる