2 / 44
第1章
第1話 騒音
しおりを挟む
だだだだだだっ!ガチャッ!!
「ユウ兄ぃ~っっ!!ユウ兄!ユウ兄!ユウ兄ぃぃぃっ!」
「うるさい!!なんだ朝っぱらから。」
けたたましい足音と乱暴に開けられたドアの音、そしてしつこく俺を呼ぶデカい声に起こされた。サイアクの朝だ。こんなにも不愉快な寝覚めは久しぶりだ。
「聞いてよユウ兄!あのね、ハうぶっ!?「ウルサイって。顔洗ってくるからちょっと待ってろ。」」
俺は間近に迫ってきた騒音の元、ミーコの顔を押しのけつつ、ベッドから身を起こす。サイドボードに置いていた眼鏡をかけて時計を見ると、午前9時前。寝たのが午前4時頃だったから、5時間近くは寝てたか。とりあえず顔を洗うべく階段を下りて洗面所へと向かった。ミ-コは未だに何か喚いているが、コイツが五月蝿いのは今に始まったことではない。どうせまた、「お気に入りのストラップを無くした」だとか「夏休みの宿題がわからない」だとか「お小遣いがピンチ」だとか、そういうしょーもないことでピーピー喚いてるだけだろう。真面目に相手するだけ無駄だ。それにしても、朝っぱらからよくもこれだけテンション高くしていられるものだ。ここまでくると、寝起きの不快感を通り越して感心するよ。
そんなことを考えながら顔を洗い、部屋には戻らずにそのままキッチンへと向かう。途中、玄関に静かにたたずむ少女が目に入った。俺がその姿をみとめたと同時に少女が口を開く。
「おはようございます、優介さん。朝から押しかけてしまってごめんなさい。」
少女はすまなさそうにそう言って、頭を下げる。
「ああ、サーヤも来てたんだ。寝起きの恰好で悪いね。どうぞ、上がって。」
「いえ、ミーコがすみません。止めたんだけどきかなくて。お邪魔しま~す。」
少女、サーヤをリビングへ通し、リビングから続くキッチンへ行って2人分のコーヒーを淹れる。2階で待っているであろうミーコは放置でいいだろう。ウルサイし。どうせ放っておいてもそのうち下りてくるしな。コーヒーができる間にトースターにパンをセットする。冷蔵庫から卵を取り出していると、背後から声がかかった。
「優介さん、目玉焼きですよね。私やりますよ。」
「いや、これくらい自分でできるから座ってていいよ?」
申し出はありがたいが、いつもやっていることだから目玉焼きくらい問題なくできる。昔から知ってる仲とはいえ、会うのはちょっと久しぶりだし、一応お客なんだからさすがに申し訳ない。
「右側、寝癖ついてますよ。私作っておきますから、直してきてください。」
小首を傾げ、優しげな笑みを向けて俺の右側頭部にちょんと触れる。俺の好みではないが、充分カワイイ顔立ちだ。無防備にそんな顔やしぐさをしていたら、男は簡単にコロっと靡いてしまうんじゃないだろうか。
「あ~、じゃあ頼むよ。」
俺は取り出した卵とハムを渡して再び洗面所へと向かった。
今さらだが、俺の名前は早瀬優介。19歳の大学生だ。大学では自然科学を学んでいる。簡単に言うと、動植物の研究なんかをするところだ。俺は動物の匂いとかが苦手なんだが、色々な動物や昆虫やらの生態を知るのは面白い。ま、今は夏休み中なんでのんびりしているが…。
うちは俺と両親の3人家族だが、俺が高校生の頃から両親は二人そろって海外での仕事が主になっている。だから、今はこの戸建てにほぼ一人暮らし状態だ。
今朝うるさく俺を起こしたミーコは、本名を森野美子という。隣の家に住む17歳の女子高生だ。大きくて若干吊り上った目が印象的で、髪はショートカットにしている。ちょっとおバカだが、陸上部ではそこそこイイ成績を出しているらしい。ミーコは「美子」を「みこ」と読んでさらに伸ばした、まぁありがちな経緯でのあだ名だ。
俺がこの家に越してきたのは3歳の時で、その時ミーコはまだ、歩き始めたばかりの頃だった。ミーコには俺と同い年の兄がいて、名前は春樹。越してきてすぐに母親同士仲良くなり、俺と春樹もしょっちゅう一緒に遊んだ。もちろんミーコも一緒に。春樹は妹をずっと猫可愛がりしていて、「ミーコ」とあだ名を付けたのも春樹だった。「猫みたいで可愛いだろ!」とか言ってたな。完全に猫の名前だろ!と思ったが、本人も喜んでたから、まぁいいんだろう。
俺たちが小学校中学年になった頃からうちの母親の仕事が忙しくなり、森野家で夕飯をごちそうになったり春樹と一緒に宿題を見てもらったりと、おばさんにはとてもお世話になった。そういうわけで、コイツらとは16年の付き合い。筋金入りの幼馴染というか、もはや家族に近い感じだな。うちの親が忙しくなってからは「何かあった時のために」と母さんが森野家に合鍵も渡してあって、コイツらよく勝手に出入りしてるからな。
それで、今キッチンで目玉焼きを作ってくれてるのは、水島清夏。艶やかな黒いロングヘアーで、少し小さめだがクリっと丸い目をしている。彼女はミーコ達のイトコだ。タイプは180度違うが二人は昔から仲がいい。家は近所というわけではないが同じ市内で、小学生の頃は長期休暇になると何日も森野家に滞在していた。そういう関係で俺ともよく遊んだ仲だし、うちにも何度も来たことがある。まぁ、彼女たちが中学生くらいになってからは、さすがに一緒に遊ぶようなことはあまりなくなったから、サーヤと顔を合わせる事はかなり少なくなった。それでもたまにこうして顔合わすことはあるし、小さい頃から知ってるから気安い関係ではある。
寝癖を直し終えてキッチンに戻ると、既にトーストにハムと目玉焼きを乗せた物が出来上がっており、皿に盛られてテーブルに運ばれていた。席に着くと、サーヤはすぐにコーヒーを2人分とグラスに入ったジュースを盆に載せて運んできて、俺の向かいに座る。
サーヤに礼を言ってコーヒーを一口。そしてトーストに手をつけようとしたところで、再び騒音が近付いてきた。俺が下に降りてきてから10分ちょっとといったところか。思ったより遅かったな。俺が待ってろと言ったから、辛抱強く待ってたんだろう。素直なのはコイツのいいところだ。
ドドドドドド、ガチャ!
「ちょっとユウ兄!ずっと上で待ってたのに、なんで戻ってこないのよ!しかも優雅に朝ごはんなんか食べちゃって!!」
俺はかまわずトーストにかぶりつく。うん、うまいな。しかも俺の好きな、黄身だけトロリと半熟だ。サーヤ、よく俺の好み覚えてたな。
「ちょっと、ユウ兄、聞いてるの?ねえ!」
「サーヤ、上手いね、この半熟加減。あとで教えてくれる?」
「良かった。こんなのでよければいくらでも!」
「ユ・ウ・に・い!」
「うるさいな。朝から大声で起こされたんだ。朝食くらいゆっくり食わせろよ。」
「朝ったってもう9時じゃん!」
「俺が休みの日は、遅くまで起きてて昼まで寝てるの知ってるだろ。」
「そうだよミーコ。あんな風に起こしたら、そりゃ優介さんだって怒るよ~。とりあえず座ってジュースでも飲んで、ちょっと落ち着きなよ。」
「うぅ~」
サーヤにも注意され、ミーコは不満げながらもサーヤの隣の椅子に座り、目の前のジュースを一息に飲み干す。そしてフゥ~と息を吐くと、そのままグデ~と机に突っ伏して顔だけこちらに向け、「ごめん、ユウ兄。」と謝ってきて静かになった。
やっと落ち着いて食えるな。
再びトーストにかじりついていると、サーヤが持ってきていたビニール袋から何か取り出しながら声をかけてくる。
「優介さん、これお裾分けに持ってきたんですが、デザートに食べます?」
サーヤが持ってきたのは大きな梨だった。
「梨か。久しぶりだな。いいね、いただくよ。ありがとう。」
「ふふっ。じゃあ切ってきますね。」
そう言ってサーヤはキッチンへ向かう。サーヤはいい奥さんになりそうだ。
俺が朝食を食べ終わって一息ついた頃にちょうど、皿に盛った梨と、フォークを3つ持って戻ってきた。サーヤがテーブルに置くやいなや、ミーコが真っ先に一切れ取ってかぶりつく。コイツは嫁の貰い手がなさそうだな…。
「ユウ兄ぃ~っっ!!ユウ兄!ユウ兄!ユウ兄ぃぃぃっ!」
「うるさい!!なんだ朝っぱらから。」
けたたましい足音と乱暴に開けられたドアの音、そしてしつこく俺を呼ぶデカい声に起こされた。サイアクの朝だ。こんなにも不愉快な寝覚めは久しぶりだ。
「聞いてよユウ兄!あのね、ハうぶっ!?「ウルサイって。顔洗ってくるからちょっと待ってろ。」」
俺は間近に迫ってきた騒音の元、ミーコの顔を押しのけつつ、ベッドから身を起こす。サイドボードに置いていた眼鏡をかけて時計を見ると、午前9時前。寝たのが午前4時頃だったから、5時間近くは寝てたか。とりあえず顔を洗うべく階段を下りて洗面所へと向かった。ミ-コは未だに何か喚いているが、コイツが五月蝿いのは今に始まったことではない。どうせまた、「お気に入りのストラップを無くした」だとか「夏休みの宿題がわからない」だとか「お小遣いがピンチ」だとか、そういうしょーもないことでピーピー喚いてるだけだろう。真面目に相手するだけ無駄だ。それにしても、朝っぱらからよくもこれだけテンション高くしていられるものだ。ここまでくると、寝起きの不快感を通り越して感心するよ。
そんなことを考えながら顔を洗い、部屋には戻らずにそのままキッチンへと向かう。途中、玄関に静かにたたずむ少女が目に入った。俺がその姿をみとめたと同時に少女が口を開く。
「おはようございます、優介さん。朝から押しかけてしまってごめんなさい。」
少女はすまなさそうにそう言って、頭を下げる。
「ああ、サーヤも来てたんだ。寝起きの恰好で悪いね。どうぞ、上がって。」
「いえ、ミーコがすみません。止めたんだけどきかなくて。お邪魔しま~す。」
少女、サーヤをリビングへ通し、リビングから続くキッチンへ行って2人分のコーヒーを淹れる。2階で待っているであろうミーコは放置でいいだろう。ウルサイし。どうせ放っておいてもそのうち下りてくるしな。コーヒーができる間にトースターにパンをセットする。冷蔵庫から卵を取り出していると、背後から声がかかった。
「優介さん、目玉焼きですよね。私やりますよ。」
「いや、これくらい自分でできるから座ってていいよ?」
申し出はありがたいが、いつもやっていることだから目玉焼きくらい問題なくできる。昔から知ってる仲とはいえ、会うのはちょっと久しぶりだし、一応お客なんだからさすがに申し訳ない。
「右側、寝癖ついてますよ。私作っておきますから、直してきてください。」
小首を傾げ、優しげな笑みを向けて俺の右側頭部にちょんと触れる。俺の好みではないが、充分カワイイ顔立ちだ。無防備にそんな顔やしぐさをしていたら、男は簡単にコロっと靡いてしまうんじゃないだろうか。
「あ~、じゃあ頼むよ。」
俺は取り出した卵とハムを渡して再び洗面所へと向かった。
今さらだが、俺の名前は早瀬優介。19歳の大学生だ。大学では自然科学を学んでいる。簡単に言うと、動植物の研究なんかをするところだ。俺は動物の匂いとかが苦手なんだが、色々な動物や昆虫やらの生態を知るのは面白い。ま、今は夏休み中なんでのんびりしているが…。
うちは俺と両親の3人家族だが、俺が高校生の頃から両親は二人そろって海外での仕事が主になっている。だから、今はこの戸建てにほぼ一人暮らし状態だ。
今朝うるさく俺を起こしたミーコは、本名を森野美子という。隣の家に住む17歳の女子高生だ。大きくて若干吊り上った目が印象的で、髪はショートカットにしている。ちょっとおバカだが、陸上部ではそこそこイイ成績を出しているらしい。ミーコは「美子」を「みこ」と読んでさらに伸ばした、まぁありがちな経緯でのあだ名だ。
俺がこの家に越してきたのは3歳の時で、その時ミーコはまだ、歩き始めたばかりの頃だった。ミーコには俺と同い年の兄がいて、名前は春樹。越してきてすぐに母親同士仲良くなり、俺と春樹もしょっちゅう一緒に遊んだ。もちろんミーコも一緒に。春樹は妹をずっと猫可愛がりしていて、「ミーコ」とあだ名を付けたのも春樹だった。「猫みたいで可愛いだろ!」とか言ってたな。完全に猫の名前だろ!と思ったが、本人も喜んでたから、まぁいいんだろう。
俺たちが小学校中学年になった頃からうちの母親の仕事が忙しくなり、森野家で夕飯をごちそうになったり春樹と一緒に宿題を見てもらったりと、おばさんにはとてもお世話になった。そういうわけで、コイツらとは16年の付き合い。筋金入りの幼馴染というか、もはや家族に近い感じだな。うちの親が忙しくなってからは「何かあった時のために」と母さんが森野家に合鍵も渡してあって、コイツらよく勝手に出入りしてるからな。
それで、今キッチンで目玉焼きを作ってくれてるのは、水島清夏。艶やかな黒いロングヘアーで、少し小さめだがクリっと丸い目をしている。彼女はミーコ達のイトコだ。タイプは180度違うが二人は昔から仲がいい。家は近所というわけではないが同じ市内で、小学生の頃は長期休暇になると何日も森野家に滞在していた。そういう関係で俺ともよく遊んだ仲だし、うちにも何度も来たことがある。まぁ、彼女たちが中学生くらいになってからは、さすがに一緒に遊ぶようなことはあまりなくなったから、サーヤと顔を合わせる事はかなり少なくなった。それでもたまにこうして顔合わすことはあるし、小さい頃から知ってるから気安い関係ではある。
寝癖を直し終えてキッチンに戻ると、既にトーストにハムと目玉焼きを乗せた物が出来上がっており、皿に盛られてテーブルに運ばれていた。席に着くと、サーヤはすぐにコーヒーを2人分とグラスに入ったジュースを盆に載せて運んできて、俺の向かいに座る。
サーヤに礼を言ってコーヒーを一口。そしてトーストに手をつけようとしたところで、再び騒音が近付いてきた。俺が下に降りてきてから10分ちょっとといったところか。思ったより遅かったな。俺が待ってろと言ったから、辛抱強く待ってたんだろう。素直なのはコイツのいいところだ。
ドドドドドド、ガチャ!
「ちょっとユウ兄!ずっと上で待ってたのに、なんで戻ってこないのよ!しかも優雅に朝ごはんなんか食べちゃって!!」
俺はかまわずトーストにかぶりつく。うん、うまいな。しかも俺の好きな、黄身だけトロリと半熟だ。サーヤ、よく俺の好み覚えてたな。
「ちょっと、ユウ兄、聞いてるの?ねえ!」
「サーヤ、上手いね、この半熟加減。あとで教えてくれる?」
「良かった。こんなのでよければいくらでも!」
「ユ・ウ・に・い!」
「うるさいな。朝から大声で起こされたんだ。朝食くらいゆっくり食わせろよ。」
「朝ったってもう9時じゃん!」
「俺が休みの日は、遅くまで起きてて昼まで寝てるの知ってるだろ。」
「そうだよミーコ。あんな風に起こしたら、そりゃ優介さんだって怒るよ~。とりあえず座ってジュースでも飲んで、ちょっと落ち着きなよ。」
「うぅ~」
サーヤにも注意され、ミーコは不満げながらもサーヤの隣の椅子に座り、目の前のジュースを一息に飲み干す。そしてフゥ~と息を吐くと、そのままグデ~と机に突っ伏して顔だけこちらに向け、「ごめん、ユウ兄。」と謝ってきて静かになった。
やっと落ち着いて食えるな。
再びトーストにかじりついていると、サーヤが持ってきていたビニール袋から何か取り出しながら声をかけてくる。
「優介さん、これお裾分けに持ってきたんですが、デザートに食べます?」
サーヤが持ってきたのは大きな梨だった。
「梨か。久しぶりだな。いいね、いただくよ。ありがとう。」
「ふふっ。じゃあ切ってきますね。」
そう言ってサーヤはキッチンへ向かう。サーヤはいい奥さんになりそうだ。
俺が朝食を食べ終わって一息ついた頃にちょうど、皿に盛った梨と、フォークを3つ持って戻ってきた。サーヤがテーブルに置くやいなや、ミーコが真っ先に一切れ取ってかぶりつく。コイツは嫁の貰い手がなさそうだな…。
0
誠に勝手ながら、こちらの作品は、2017年12月1日の投稿をもって無期限の休止にさせていただきます。次話からは2章に突入予定でおりますが、また書き溜めができれば再開するかと思います。気長にお待ちいただければ幸いです。ここまで読んでくださってありがとうございました。
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる