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弐拾壱:誰も止められない
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「う、うぉぉおぉおおお!」
YOMIの中に猛る男たちの咆哮が響き渡っている。
彼らは自らを鼓舞するように声を荒げながら、自分たちの標的・更科茉莉に向かって拳を振りかざしていた。
しかし、その心持ちとは違って、彼らの攻撃は更科には当たらない。
今、更科は十人の男と対峙していた。先ほどから相手にしていた武器を持つ四人組に加え、新たな刺客が六人追加されたのだ。
乱雑に繰り出される攻撃を、更科は何も苦労することなく、当たり前のように躱していく。その身のこなしは、舞のように美しい。そして、更科はただ相手の攻撃を避けるだけではなく、しっかりと反撃も加えていた。
相手が拳を振る。躱す。相手がバットを大きく振る。躱し、その瞬間の隙を狙って風船を裏拳で割る。別のバットが更科を襲う。半身を翻し、避ける。このような動きを、更科はずっと続けている。
傍から見ると、圧倒的不利な状況である更科は、徐々に、しかし確実に相手の数を減らしていた。
しかも、更科の意識は今対峙している目の前の相手八人――否、たった今変わって七人だけに向いているのではない。YOMI全体に意識を張り巡らせている。
自意識過剰な表現になるかもしれないが、もし誰かが俺に攻撃を仕掛けようとしたら、更科は繰り広げている戦闘を止め、俺を守るために俺の前に立つだろう。
だから、先ほどのようにもう誰も俺の傍に寄ろうとはしなかった。ただひたすら更科をどう攻略するか思案しているようだ。
そう。秦野高校の元々の目的は、俺ではなく、更科だ。わざわざ戦場に迷い込んだ蟻に構って、狩ろうとしていたライオンに喰われるのは誰も望みはしないだろう。
だから、俺はもう完全に傍観者の立場にいる。一番後ろの特等席で、ゲーム全体を俯瞰している――そんな感覚だ。
――俺は邪魔にならないように後ろに下がってるだけだけどな。
YOMIに入る前、俺はこんな言葉を更科に投げかけた。
こんな卑屈めいたことを言ったものの、本当は少しでも手を貸そうかと思っていた。猫の手も借りたい、という訳ではないが、更科も一人より二人の方がいいのではないかと考えていたのだ。
しかし、このまま考えなしに、あの戦場に足を踏み込めば、俺は足手まといにしかならない。
俺が勝手な偽善で飛び出して風船を割られてしまえば、その時点で負けは決まる。
最前線で身を犠牲にして戦う更科よりも、最後方で傍観を決め込んでいる俺の方が風船を割られる可能性が高い。それは確実だ。
しゃしゃり出た結果、一発アウト――という展開だけは避けたい。まじで。
だから、俺はここから離れずに、更科のことを心の中で応援しようと思う。それが、今俺に出来る唯一にして、最善策だ。
そう考えると、本当に何をしにここに来たんだ、俺は……。
いやいやと首を振ると、自嘲する心を抑え、俺は更科に目を移した。
更科はあんなにも激しい動きを取っているにも関わらず、全く疲れている気配がなかった。ゲームが始まってから今まで、更科の動き方はまるで変わっていない。
こうして見ている間も、更科は華麗に相手の攻撃を避け、お返しにとばかりにカウンターを仕掛け、相手の風船を割る。
今更科が対峙している相手は四人。全体で見ると、残り十三人。
それにしても――、
「こんな視界で、あんな動きがよく出来るな……」
仮面ソルジャーのお面に手を触れながら、率直な感想を漏らした。
このお面は友部商店で買ったものだが、当然子供用だ。高校生にもなった俺達向けには作られていなく、視界も狭い。子供用ということもあって、見える視界は極端に限られている。
そんな視界の中、更科は秦野高校の不良達を圧倒しているのだ。
「場数の違い……か」
俺は嘆息しながら呟いた。
狭い視界にも関わらず、あんなに動けるということは、更科が血祭まつり時代に幾重の喧嘩を繰り広げていたことを物語っている。
優しいあいつは、どんな想いで過去生きていたのか、少しだけ想像する。けれど、リアルに感じることが出来なかった。
当たり前だ。血祭まつりと揶揄された更科のことを、俺は知らない。
考えている間に、更科の姿が視界から消える。俺は急いで更科が消えた方向へと顔を向けた。すると、既に一人の風船が割られているところだった。
まさしく電光石火の技だ。
秦野高校の人達は声を荒げるが、更科は手を触れることさえ許さない。
躱し、舞い、割る。
更科が戦場を駆ける姿を、離れて見守ることしか出来ない。
だから俺は、
――負けるな、更科。
俺だけは最後まであいつのことを応援し続けよう。
霜杉を含めて残り十人となったところで、霜杉以外の人間が一斉に攻撃を仕掛ける。もう余計な策を練っている場合ではないと判断したのだろう。更科に向かう九人の中には、この争いのきっかけを生んだ三人もいた。
「よくここまで来たと褒めてやろう」
「けど、お前はもう終わりだ」
「あの時の恨み、晴らしてやんよ」
三人は集団でいることで強気になっているのか、拳と拳を合わせ、闘志を露わにしている。その振舞いから察するに、どうやら路地裏での恨みを晴らそうとしているようだ。
今までの事態を見ていてどうやって自信を持つことが出来るのか……、俺は逆に彼ら三人に同情してしまう。
更科も同じことを思っているのか、一度溜め息交じりに肩を落とす。
「ちィ! 舐めてんじゃねェ!」
「あ、おい! 海野! 河田! 池村! お前ら、ちょっと待てよ――!」
その姿に怒りを爆発させた三人――海野と河田と池村が、折角の数のアドバンテージを有効活用させることなく、突っ込んだ。残りの六人が彼らを制止しようとするが、言うことは聞かない。
更科は避ける素振りさえ見せずに、その場に立ち尽くしたままだ。
「これで終わりだァア!」
それを好機と捉えた三人が、思い切り更科に向けて拳を撃ち込んだ。三方向から鉄拳が風を切りながら、近づいて来る。それでも更科は、全く動じることなく微動だにしない。
そして、更科の風船に三人の拳が到達しようとした直前、更科は河田と池村の拳に触れ、いなした。その流された先、まずは右の河田と左の池村、二人の風船が音を上げて割れる。互いに割り合ってしまったのだ。
拳をいなされた二人が体をよろめかせると、その空いた隙間を、更科は瞬間潜り込み、中央の海野にカウンターを仕掛けた。海野の拳に髪の毛一本も掠めることもなく、更科は風船を割った。
あの時商店街の路地裏で、きっと更科はこんな風にこの三人を完膚なきまでに倒したのだろう。思わずそう思ってしまう。
俺の考えを助長するように、
「――今回は手加減してあげたから」
否、俺の考えを遥かに超えた角度から、風船を割られて目を見開いている三人に対して更科は言い捨てた。これで手加減しているというのか……。
そして、更科は振り返ることなく、残りの敵兵六人に向かって攻撃を仕掛けに行く。
ラストスパートを掛けるような更科の動きは、今日の中で一番速かった。
「うぉぉぉおおおぉおぉお!」
それに対し、秦野高校の六人も吼える。
自分たちがやられれば、リーダー直々に手を出させることになる。その前に、四十人という人数がいたにも関わらず、傷一つ与えることなく終わる、という事実を彼らのプライドが許さないのだろう。
彼らは何とか更科に一矢報いようと、己の限界を超えようと努めている。
しかし、それは叶わない。
連なって攻撃を仕掛ける六人に対し、更科は拳を振ることさえ相手に許さないまま、風船を割っていった。目にもとまらぬ速さで相手とすれ違う瞬間に、音が響く。
それが一度ならぬ、二度響き渡る。更科は振り返らない。そして、三、四、五――六度と風船の割れる音が響いた。渇いた音が、YOMIの中に溶け込んでいく。
音の余韻が響く中、悠然と座る敵将の姿を更科は真っ直ぐ見据えていた。佇む更科の姿には、文字通り傷一つ付いていない。
残りは敵将・霜杉剣児、ただ一人――。
「う、うぉぉおぉおおお!」
YOMIの中に猛る男たちの咆哮が響き渡っている。
彼らは自らを鼓舞するように声を荒げながら、自分たちの標的・更科茉莉に向かって拳を振りかざしていた。
しかし、その心持ちとは違って、彼らの攻撃は更科には当たらない。
今、更科は十人の男と対峙していた。先ほどから相手にしていた武器を持つ四人組に加え、新たな刺客が六人追加されたのだ。
乱雑に繰り出される攻撃を、更科は何も苦労することなく、当たり前のように躱していく。その身のこなしは、舞のように美しい。そして、更科はただ相手の攻撃を避けるだけではなく、しっかりと反撃も加えていた。
相手が拳を振る。躱す。相手がバットを大きく振る。躱し、その瞬間の隙を狙って風船を裏拳で割る。別のバットが更科を襲う。半身を翻し、避ける。このような動きを、更科はずっと続けている。
傍から見ると、圧倒的不利な状況である更科は、徐々に、しかし確実に相手の数を減らしていた。
しかも、更科の意識は今対峙している目の前の相手八人――否、たった今変わって七人だけに向いているのではない。YOMI全体に意識を張り巡らせている。
自意識過剰な表現になるかもしれないが、もし誰かが俺に攻撃を仕掛けようとしたら、更科は繰り広げている戦闘を止め、俺を守るために俺の前に立つだろう。
だから、先ほどのようにもう誰も俺の傍に寄ろうとはしなかった。ただひたすら更科をどう攻略するか思案しているようだ。
そう。秦野高校の元々の目的は、俺ではなく、更科だ。わざわざ戦場に迷い込んだ蟻に構って、狩ろうとしていたライオンに喰われるのは誰も望みはしないだろう。
だから、俺はもう完全に傍観者の立場にいる。一番後ろの特等席で、ゲーム全体を俯瞰している――そんな感覚だ。
――俺は邪魔にならないように後ろに下がってるだけだけどな。
YOMIに入る前、俺はこんな言葉を更科に投げかけた。
こんな卑屈めいたことを言ったものの、本当は少しでも手を貸そうかと思っていた。猫の手も借りたい、という訳ではないが、更科も一人より二人の方がいいのではないかと考えていたのだ。
しかし、このまま考えなしに、あの戦場に足を踏み込めば、俺は足手まといにしかならない。
俺が勝手な偽善で飛び出して風船を割られてしまえば、その時点で負けは決まる。
最前線で身を犠牲にして戦う更科よりも、最後方で傍観を決め込んでいる俺の方が風船を割られる可能性が高い。それは確実だ。
しゃしゃり出た結果、一発アウト――という展開だけは避けたい。まじで。
だから、俺はここから離れずに、更科のことを心の中で応援しようと思う。それが、今俺に出来る唯一にして、最善策だ。
そう考えると、本当に何をしにここに来たんだ、俺は……。
いやいやと首を振ると、自嘲する心を抑え、俺は更科に目を移した。
更科はあんなにも激しい動きを取っているにも関わらず、全く疲れている気配がなかった。ゲームが始まってから今まで、更科の動き方はまるで変わっていない。
こうして見ている間も、更科は華麗に相手の攻撃を避け、お返しにとばかりにカウンターを仕掛け、相手の風船を割る。
今更科が対峙している相手は四人。全体で見ると、残り十三人。
それにしても――、
「こんな視界で、あんな動きがよく出来るな……」
仮面ソルジャーのお面に手を触れながら、率直な感想を漏らした。
このお面は友部商店で買ったものだが、当然子供用だ。高校生にもなった俺達向けには作られていなく、視界も狭い。子供用ということもあって、見える視界は極端に限られている。
そんな視界の中、更科は秦野高校の不良達を圧倒しているのだ。
「場数の違い……か」
俺は嘆息しながら呟いた。
狭い視界にも関わらず、あんなに動けるということは、更科が血祭まつり時代に幾重の喧嘩を繰り広げていたことを物語っている。
優しいあいつは、どんな想いで過去生きていたのか、少しだけ想像する。けれど、リアルに感じることが出来なかった。
当たり前だ。血祭まつりと揶揄された更科のことを、俺は知らない。
考えている間に、更科の姿が視界から消える。俺は急いで更科が消えた方向へと顔を向けた。すると、既に一人の風船が割られているところだった。
まさしく電光石火の技だ。
秦野高校の人達は声を荒げるが、更科は手を触れることさえ許さない。
躱し、舞い、割る。
更科が戦場を駆ける姿を、離れて見守ることしか出来ない。
だから俺は、
――負けるな、更科。
俺だけは最後まであいつのことを応援し続けよう。
霜杉を含めて残り十人となったところで、霜杉以外の人間が一斉に攻撃を仕掛ける。もう余計な策を練っている場合ではないと判断したのだろう。更科に向かう九人の中には、この争いのきっかけを生んだ三人もいた。
「よくここまで来たと褒めてやろう」
「けど、お前はもう終わりだ」
「あの時の恨み、晴らしてやんよ」
三人は集団でいることで強気になっているのか、拳と拳を合わせ、闘志を露わにしている。その振舞いから察するに、どうやら路地裏での恨みを晴らそうとしているようだ。
今までの事態を見ていてどうやって自信を持つことが出来るのか……、俺は逆に彼ら三人に同情してしまう。
更科も同じことを思っているのか、一度溜め息交じりに肩を落とす。
「ちィ! 舐めてんじゃねェ!」
「あ、おい! 海野! 河田! 池村! お前ら、ちょっと待てよ――!」
その姿に怒りを爆発させた三人――海野と河田と池村が、折角の数のアドバンテージを有効活用させることなく、突っ込んだ。残りの六人が彼らを制止しようとするが、言うことは聞かない。
更科は避ける素振りさえ見せずに、その場に立ち尽くしたままだ。
「これで終わりだァア!」
それを好機と捉えた三人が、思い切り更科に向けて拳を撃ち込んだ。三方向から鉄拳が風を切りながら、近づいて来る。それでも更科は、全く動じることなく微動だにしない。
そして、更科の風船に三人の拳が到達しようとした直前、更科は河田と池村の拳に触れ、いなした。その流された先、まずは右の河田と左の池村、二人の風船が音を上げて割れる。互いに割り合ってしまったのだ。
拳をいなされた二人が体をよろめかせると、その空いた隙間を、更科は瞬間潜り込み、中央の海野にカウンターを仕掛けた。海野の拳に髪の毛一本も掠めることもなく、更科は風船を割った。
あの時商店街の路地裏で、きっと更科はこんな風にこの三人を完膚なきまでに倒したのだろう。思わずそう思ってしまう。
俺の考えを助長するように、
「――今回は手加減してあげたから」
否、俺の考えを遥かに超えた角度から、風船を割られて目を見開いている三人に対して更科は言い捨てた。これで手加減しているというのか……。
そして、更科は振り返ることなく、残りの敵兵六人に向かって攻撃を仕掛けに行く。
ラストスパートを掛けるような更科の動きは、今日の中で一番速かった。
「うぉぉぉおおおぉおぉお!」
それに対し、秦野高校の六人も吼える。
自分たちがやられれば、リーダー直々に手を出させることになる。その前に、四十人という人数がいたにも関わらず、傷一つ与えることなく終わる、という事実を彼らのプライドが許さないのだろう。
彼らは何とか更科に一矢報いようと、己の限界を超えようと努めている。
しかし、それは叶わない。
連なって攻撃を仕掛ける六人に対し、更科は拳を振ることさえ相手に許さないまま、風船を割っていった。目にもとまらぬ速さで相手とすれ違う瞬間に、音が響く。
それが一度ならぬ、二度響き渡る。更科は振り返らない。そして、三、四、五――六度と風船の割れる音が響いた。渇いた音が、YOMIの中に溶け込んでいく。
音の余韻が響く中、悠然と座る敵将の姿を更科は真っ直ぐ見据えていた。佇む更科の姿には、文字通り傷一つ付いていない。
残りは敵将・霜杉剣児、ただ一人――。
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