30 / 42
第七話「お買い物行くのですよ?」⑥
しおりを挟む
ひとまず、次回の地上降下は……入門編って事で、地上の管理キャンプ場でのキャンプに決定。
……管理人が常駐してて、おトイレやシャワー、水道なんかもある至れり尽くせり的なところなのです。
おまけに、防犯ロボや警戒ドローンなんかも配備されてる上に、緊急避難用シェルターなんてのまである。
とっても安心、安全なのです。
「トコロザマキャンプ場……。思いっきり管理されてるところなんですのね」
「せやなぁ……。観光地みたいな感じやけど、こんなんでええのか?」
「ユ、ユリはこう言うところでまったりしたいのですよ?」
ハセガワさんのとこにパンフレット置いてあって、皆でそれを見ながら、口々に評価する。
大きな山の麓で、クオンの地上では貴重な湖なんかもあって、緑も豊富で風光明媚なところなのです。
でも、エリーさんとアヤメ先輩の二人はちょっと不満な感じ。
そりゃ、なにもないところでも、寝るところやおトイレはエトランゼ使えば、済むんだけど……。
ユリ的には、無警戒にまったりゆるーくテント泊とかやってみたいのです。
塹壕で歩哨立てながら、皆一塊になって、毛布かぶってーとかしんどいのです。
「まぁまぁ、アンタ達だけでいきなり管理区域外でなんて無謀よ。いくらエルトランやユリちゃんとかいるからって、頼り切りは良くない。自分達は何も解らない初心者だって自覚しなさい」
「せやなぁ……。こないだもユリちゃん、色々苦労させてしもうたしな。あ、ご飯作りならあたし得意なんやで! さすがにカップラーメンとかは悲しすぎるで……」
「なら、定番のカレーとかどう? と言うか私らの時は、いつもそればっかり。まぁ、基本よね」
「俺達はバーベキューとかやってるぞ。何と言っても地上だと直火使い放題だからな。コロニーの電熱調理器で焼いた肉と違って、炭火焼き肉ってのは、独特の風味が付くから、最高に美味いんだぞ?」
「ええなそれっ! そかそか、直火ならではの料理とかも地上だと作り放題なんやな」
「美味しそうですわね! お母様とかにも聞いてみますわ」
確かに……電熱調理器でも火は通るんだけど、どこかマイルドなのです。
でも、野外でお肉というと……。
「……蛇とかトカゲさんの丸焼き?」
ユリの知ってるバーベキューはそんななのですよ。
「……エ、エスクロンのキャンプって、そんななの?」
ダンさんが引き気味な感じで聞いてくる。
レジャーキャンプとかだと、普通の食材で美味しくご飯とかそんな感じらしいんだけど、お父さんがやってたガチキャンプだと、基本は現地調達……。
「こんなセミなんかも食べたのですよ」
手で30cmくらいの大きさを示してみる。
……エスクロンのジャングルには、そんな感じの巨大セミがいたりなんかする。
近くにいると、めちゃくちゃうるさいので、大抵追い払うか、撃ち落として食べちゃうのです。
中身ほとんど空っぽで、手足や羽を動かす筋肉の部分だけ食べるんだけど、大きいからそれだけでも食べごたえがあるのです。
味は……鳥のささ身? 塩振って焼くだけで、意外と美味しいのです。
「エ、エグいなエスクロン……。もしかして、ユリちゃんってかなりの玄人キャンパー?」
「お父さんが現地調達キャンプ大好きで良く付き合わされたのですよ」
またの呼び名を「ガチ過ぎるキャンプ」……「がちキャン」とか言うそうなのです。
「見ろよ、これ……すげぇな……エスクロンって。入植から数百年の年月が経ってるから、独自生態系が発展してるとかで、訳の判らん生物だらけ……おまけに重力が5割増し……。事前のナノマシン身体強化措置とクラス2以上の武装を推奨、管理区域外での地上活動は文字通り命がけ……どんだけだよ?」
シュワさんがネットで調べてくれたみたいで、携帯端末を手にしながら、そんな感想を漏らす。
複数星系を股にかけて、あちこちでキャンプとかやってる人の情報サイトっぽいのです。
キャンプ難易度SSとか評されてるのですよ?
……そ、そこまで酷くないと思うのです。
ちなみに、クラス2の武装ってのは、重機関銃とか対戦車プラズマキャノンとか。
携行できる武装としては、限りなく最強レベルの重装備を指す。
巨大昆虫系とか巨大爬虫類って、外殻が固いから、それくらいは無いとたしかに危ないのです。
拳銃なんて、文字通り豆鉄砲なので、威嚇程度にしかならないのです……。
「慣れれば、結構なんとかなるのですよ?」
「な、ならないよっ! クラス2装備なんて、対戦車装備じゃないか! 軍人でもないと無理って事じゃん」
ダンさん、結構詳しいのです。
ミリオタ?
「エスクロンにもこんな感じの観光キャンプ地とかあって、その辺は戦闘ロボットとかが24時間警備してるから、そこまで物騒じゃないのですよ? クラス2装備なんて、管理区域外に行く一部の物好きや探検隊くらいしか使わないのですよ」
実際問題、ガードロイドの一体でも貼り付けとけば、よほどの規格外生物でもない限り、なんとかしてくれるので、人間様はテントで寝てても問題ないのです。
お父さんキャンプの場合は……お父さんと交代で寝ずの番とかやってたけど。
クラス2装備が必要な相手なんて、早々お目にかかれないから、ハンドレールガンやフラッシュグレネード程度でもなんとかなるのですよ。
ハンティングとか言って、超巨大生物に好き好んで喧嘩売る人もいるみたいなのですが……。
たまに出る死人は大抵、そう言う人達で、自己責任の一言で終わるのです。
スリルを求めて、死んでちゃ世話ないし、基本エスクロンのアウトドアマンは無益な殺生とかしないのですよ。
「……世界が違いますのね。なんと言うか」
「せ、せやな。クオンの地上はその辺どうなんや? 先輩……ヤバい生物とかいたりするんか?」
「まぁ、管理や監視がちゃんとしてる所はほぼ問題ないわよ。ただ、管理外区域になると、最近ちょっと物騒なのよね。だからこそ、私達も管理区域内のキャンプ場をお勧めしてるのよ」
「こないだも盗賊団が出たとか、言ってたしなぁ……。どうもコロニーからのはみ出しモノみたいな奴らが色々悪さしてるらしいんだ。それに、何処ぞの軍隊みたいなのが勝手に拠点作ってるなんて話も聞く。まぁ、赤道直下は環境も悪くないし、衛星の監視網もちゃんとしてるから、管理区域外に行かなきゃ問題ないと思うよ」
むぅ、なんだか要注意的な情報なのです。
所属不明の軍隊が拠点ってどう言うことなのです?
普通、エーテル空間から通常空間に来るには、ゲートを経由しないといけないから、そんな正体不明の軍隊なんて、簡単には入ってこないはずなのです……。
クオンのゲート管理が杜撰なのか、買収でもされたのか。
クオン政府って仕事してないのです……。
そもそも、こんな開発中の惑星……降下しても、何がある訳でもなし……。
何が目的なんだか……。
むー、気になるのですよ。
なにより、クリーヴァの工作員だって、入り込んでる可能性はあるし……さすがにユリは安心安全なんて、のほほんとしてられないのです。
懸念点はあるものの……それは脇に置いとくのです。
どうせ、ユリに出来ることなんてたかが知れてるのですよ……。
エリコお姉さまにでも、懸念情報として報告しとけばいいと思う。
とりあえず、環境シールド付きのテント、燃料棒、ランタンとかの照明、調理機材とか買い込んで、エトランゼに送付を依頼。
受け取りや管理は、おまかせで何とでもしてくれると思うのです。
防寒装備なんかについては、男性向けのヘビーデューティ仕様のものしか置いてないとかで、遠慮したのですよ。
女性向けとなると、普通のところで買ったほうがオシャレだと助言されたので、ショッピングモールに行くことなったのです!
話によると、今年からコロニーに冬期設定ってのが導入されて、11月くらいから気温が10度台になるんだとか。
コロニーの温度設定をちょっと下げるだけでも全然省エネになるし、ファション業界とか家電メーカーから冬物売りたいし、地上世界はむしろ寒いんだから、年中一定とかじゃなく変動させるべきとプッシュがあったとかなんとか。
それにクオン自体が楕円形の公転軌道で、近日点・遠日点の差が結構ある。
その関係で、コロニー自体の受ける熱量差から、四季と言うものが本来存在するのです。
今までは、遠日点よりの時は、暖房強化で対応してたんだけど、それを少し緩めにするって話で、誰も損はしないのです。
一応、納得の理由。
そう言うことなら、地上ももうすぐ冬到来……と言うことなのです。
結論、冬ファッションゲットは必須!
そんな訳で、冬ファッションを調達すべく、ユリ的待望のショッピングモールに場所移動っ! なのです。
……管理人が常駐してて、おトイレやシャワー、水道なんかもある至れり尽くせり的なところなのです。
おまけに、防犯ロボや警戒ドローンなんかも配備されてる上に、緊急避難用シェルターなんてのまである。
とっても安心、安全なのです。
「トコロザマキャンプ場……。思いっきり管理されてるところなんですのね」
「せやなぁ……。観光地みたいな感じやけど、こんなんでええのか?」
「ユ、ユリはこう言うところでまったりしたいのですよ?」
ハセガワさんのとこにパンフレット置いてあって、皆でそれを見ながら、口々に評価する。
大きな山の麓で、クオンの地上では貴重な湖なんかもあって、緑も豊富で風光明媚なところなのです。
でも、エリーさんとアヤメ先輩の二人はちょっと不満な感じ。
そりゃ、なにもないところでも、寝るところやおトイレはエトランゼ使えば、済むんだけど……。
ユリ的には、無警戒にまったりゆるーくテント泊とかやってみたいのです。
塹壕で歩哨立てながら、皆一塊になって、毛布かぶってーとかしんどいのです。
「まぁまぁ、アンタ達だけでいきなり管理区域外でなんて無謀よ。いくらエルトランやユリちゃんとかいるからって、頼り切りは良くない。自分達は何も解らない初心者だって自覚しなさい」
「せやなぁ……。こないだもユリちゃん、色々苦労させてしもうたしな。あ、ご飯作りならあたし得意なんやで! さすがにカップラーメンとかは悲しすぎるで……」
「なら、定番のカレーとかどう? と言うか私らの時は、いつもそればっかり。まぁ、基本よね」
「俺達はバーベキューとかやってるぞ。何と言っても地上だと直火使い放題だからな。コロニーの電熱調理器で焼いた肉と違って、炭火焼き肉ってのは、独特の風味が付くから、最高に美味いんだぞ?」
「ええなそれっ! そかそか、直火ならではの料理とかも地上だと作り放題なんやな」
「美味しそうですわね! お母様とかにも聞いてみますわ」
確かに……電熱調理器でも火は通るんだけど、どこかマイルドなのです。
でも、野外でお肉というと……。
「……蛇とかトカゲさんの丸焼き?」
ユリの知ってるバーベキューはそんななのですよ。
「……エ、エスクロンのキャンプって、そんななの?」
ダンさんが引き気味な感じで聞いてくる。
レジャーキャンプとかだと、普通の食材で美味しくご飯とかそんな感じらしいんだけど、お父さんがやってたガチキャンプだと、基本は現地調達……。
「こんなセミなんかも食べたのですよ」
手で30cmくらいの大きさを示してみる。
……エスクロンのジャングルには、そんな感じの巨大セミがいたりなんかする。
近くにいると、めちゃくちゃうるさいので、大抵追い払うか、撃ち落として食べちゃうのです。
中身ほとんど空っぽで、手足や羽を動かす筋肉の部分だけ食べるんだけど、大きいからそれだけでも食べごたえがあるのです。
味は……鳥のささ身? 塩振って焼くだけで、意外と美味しいのです。
「エ、エグいなエスクロン……。もしかして、ユリちゃんってかなりの玄人キャンパー?」
「お父さんが現地調達キャンプ大好きで良く付き合わされたのですよ」
またの呼び名を「ガチ過ぎるキャンプ」……「がちキャン」とか言うそうなのです。
「見ろよ、これ……すげぇな……エスクロンって。入植から数百年の年月が経ってるから、独自生態系が発展してるとかで、訳の判らん生物だらけ……おまけに重力が5割増し……。事前のナノマシン身体強化措置とクラス2以上の武装を推奨、管理区域外での地上活動は文字通り命がけ……どんだけだよ?」
シュワさんがネットで調べてくれたみたいで、携帯端末を手にしながら、そんな感想を漏らす。
複数星系を股にかけて、あちこちでキャンプとかやってる人の情報サイトっぽいのです。
キャンプ難易度SSとか評されてるのですよ?
……そ、そこまで酷くないと思うのです。
ちなみに、クラス2の武装ってのは、重機関銃とか対戦車プラズマキャノンとか。
携行できる武装としては、限りなく最強レベルの重装備を指す。
巨大昆虫系とか巨大爬虫類って、外殻が固いから、それくらいは無いとたしかに危ないのです。
拳銃なんて、文字通り豆鉄砲なので、威嚇程度にしかならないのです……。
「慣れれば、結構なんとかなるのですよ?」
「な、ならないよっ! クラス2装備なんて、対戦車装備じゃないか! 軍人でもないと無理って事じゃん」
ダンさん、結構詳しいのです。
ミリオタ?
「エスクロンにもこんな感じの観光キャンプ地とかあって、その辺は戦闘ロボットとかが24時間警備してるから、そこまで物騒じゃないのですよ? クラス2装備なんて、管理区域外に行く一部の物好きや探検隊くらいしか使わないのですよ」
実際問題、ガードロイドの一体でも貼り付けとけば、よほどの規格外生物でもない限り、なんとかしてくれるので、人間様はテントで寝てても問題ないのです。
お父さんキャンプの場合は……お父さんと交代で寝ずの番とかやってたけど。
クラス2装備が必要な相手なんて、早々お目にかかれないから、ハンドレールガンやフラッシュグレネード程度でもなんとかなるのですよ。
ハンティングとか言って、超巨大生物に好き好んで喧嘩売る人もいるみたいなのですが……。
たまに出る死人は大抵、そう言う人達で、自己責任の一言で終わるのです。
スリルを求めて、死んでちゃ世話ないし、基本エスクロンのアウトドアマンは無益な殺生とかしないのですよ。
「……世界が違いますのね。なんと言うか」
「せ、せやな。クオンの地上はその辺どうなんや? 先輩……ヤバい生物とかいたりするんか?」
「まぁ、管理や監視がちゃんとしてる所はほぼ問題ないわよ。ただ、管理外区域になると、最近ちょっと物騒なのよね。だからこそ、私達も管理区域内のキャンプ場をお勧めしてるのよ」
「こないだも盗賊団が出たとか、言ってたしなぁ……。どうもコロニーからのはみ出しモノみたいな奴らが色々悪さしてるらしいんだ。それに、何処ぞの軍隊みたいなのが勝手に拠点作ってるなんて話も聞く。まぁ、赤道直下は環境も悪くないし、衛星の監視網もちゃんとしてるから、管理区域外に行かなきゃ問題ないと思うよ」
むぅ、なんだか要注意的な情報なのです。
所属不明の軍隊が拠点ってどう言うことなのです?
普通、エーテル空間から通常空間に来るには、ゲートを経由しないといけないから、そんな正体不明の軍隊なんて、簡単には入ってこないはずなのです……。
クオンのゲート管理が杜撰なのか、買収でもされたのか。
クオン政府って仕事してないのです……。
そもそも、こんな開発中の惑星……降下しても、何がある訳でもなし……。
何が目的なんだか……。
むー、気になるのですよ。
なにより、クリーヴァの工作員だって、入り込んでる可能性はあるし……さすがにユリは安心安全なんて、のほほんとしてられないのです。
懸念点はあるものの……それは脇に置いとくのです。
どうせ、ユリに出来ることなんてたかが知れてるのですよ……。
エリコお姉さまにでも、懸念情報として報告しとけばいいと思う。
とりあえず、環境シールド付きのテント、燃料棒、ランタンとかの照明、調理機材とか買い込んで、エトランゼに送付を依頼。
受け取りや管理は、おまかせで何とでもしてくれると思うのです。
防寒装備なんかについては、男性向けのヘビーデューティ仕様のものしか置いてないとかで、遠慮したのですよ。
女性向けとなると、普通のところで買ったほうがオシャレだと助言されたので、ショッピングモールに行くことなったのです!
話によると、今年からコロニーに冬期設定ってのが導入されて、11月くらいから気温が10度台になるんだとか。
コロニーの温度設定をちょっと下げるだけでも全然省エネになるし、ファション業界とか家電メーカーから冬物売りたいし、地上世界はむしろ寒いんだから、年中一定とかじゃなく変動させるべきとプッシュがあったとかなんとか。
それにクオン自体が楕円形の公転軌道で、近日点・遠日点の差が結構ある。
その関係で、コロニー自体の受ける熱量差から、四季と言うものが本来存在するのです。
今までは、遠日点よりの時は、暖房強化で対応してたんだけど、それを少し緩めにするって話で、誰も損はしないのです。
一応、納得の理由。
そう言うことなら、地上ももうすぐ冬到来……と言うことなのです。
結論、冬ファッションゲットは必須!
そんな訳で、冬ファッションを調達すべく、ユリ的待望のショッピングモールに場所移動っ! なのです。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
関白の息子!
アイム
SF
天下一の出世人、豊臣秀吉の子―豊臣秀頼。
それが俺だ。
産まれて直ぐに父上(豊臣秀吉)が母上(茶々)に覆いかぶさり、アンアンしているのを見たショックで、なんと前世の記憶(平成の日本)を取り戻してしまった!
関白の息子である俺は、なんでもかんでもやりたい放題。
絶世の美少女・千姫とのラブラブイチャイチャや、大阪城ハーレム化計画など、全ては思い通り!
でも、忘れてはいけない。
その日は確実に近づいているのだから。
※こちらはR18作品になります。18歳未満の方は「小説家になろう」投稿中の全年齢対応版「だって天下人だもん! ー豊臣秀頼の世界征服ー」をご覧ください。
大分歴史改変が進んでおります。
苦手な方は読まれないことをお勧めします。
特に中国・韓国に思い入れのある方はご遠慮ください。
Solomon's Gate
坂森大我
SF
人類が宇宙に拠点を設けてから既に千年が経過していた。地球の衛星軌道上から始まった宇宙開発も火星圏、木星圏を経て今や土星圏にまで及んでいる。
ミハル・エアハルトは木星圏に住む十八歳の専門学校生。彼女の学び舎はセントグラード航宙士学校といい、その名の通りパイロットとなるための学校である。
実技は常に学年トップの成績であったものの、ミハルは最終学年になっても就職活動すらしていなかった。なぜなら彼女は航宙機への興味を失っていたからだ。しかし、強要された航宙機レースへの参加を境にミハルの人生が一変していく。レースにより思い出した。幼き日に覚えた感情。誰よりも航宙機が好きだったことを。
ミハルがパイロットとして歩む決意をした一方で、太陽系は思わぬ事態に発展していた。
主要な宙域となるはずだった土星が突如として消失してしまったのだ。加えて消失痕にはワームホールが出現し、異なる銀河との接続を果たしてしまう。
ワームホールの出現まではまだ看過できた人類。しかし、調査を進めるにつれ望みもしない事実が明らかとなっていく。人類は選択を迫られることになった。
人類にとって最悪のシナリオが現実味を帯びていく。星系の情勢とは少しの接点もなかったミハルだが、巨大な暗雲はいとも容易く彼女を飲み込んでいった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる