24 / 42
第六話「地上世界のアフターカーニバル」③
しおりを挟む
空気が帯電してるみたいで、髪の毛がふわふわし始める。
これは急がないと危険。
『ユリコ様、警告……地表と空間び電位差が急激に上昇中……。急ぎ雷撃防御を推奨致します』
「周辺マップ表示……エルトラン、ナビ」
……エルトランが即時に周辺マップデータを転送してくれて、私のサブシステムに反映。
視界の隅に周辺の俯瞰マップが表示される。
先輩二人は……すでにエトランゼに到着。
あっちは問題ない。
さて、雷撃防御……雷の危険性については、とにかく、直撃しない限りはまず問題ない。
至近距離だと、流れ弾みたいに帯電する場合もあるけど、直撃による心停止ってのが、雷での死因の大半。
それくらいなら、ユリなら耐えられるんだけど……。
痛いし熱いし、見た目もかなり痛々しい事になる……さすがに、それはイヤ。
問題は、何処に落ちるか?
低めの木がぞろぞろと並んでるって感じなので、正直何処に落ちるか解らない。
エルトランのデータからは、周辺数百mの範囲内に落ちるのは、ほぼ確定。
はっきり言って、安全なところなんて無い……確率の問題で何処かに落ちる。
少し窪んだ所があるので、そこに滑り込んでしゃがみ込む。
軍事教練でこんなのやらされたなぁ……塹壕に潜り込んでの砲爆撃防御って……。
この時代でも、塹壕に潜るだけでそれなりに生存率が上がるとかで、地上戦の基本なんだとか。
けど、砲爆撃防御で塹壕にこもるのとは、ちょっと違って踵をくっつけて、地面につま先立ちするような感じで姿勢を低くする……被雷防御姿勢。
これは接地面積を可能な限り、少なくする為。
エスクロンでも、バスタブでもひっくり返したような豪雨を伴う、スーパー雷雲……雷嵐もちょくちょく発生する。
市街地なら、高いビルや避雷針もあちこちにあるから、まず心配ないのだけど。
郊外に出た時に遭遇すると、割と洒落にならない状況に陥る。
なので、生きて行くための基礎知識として、雷対策はちゃんと教えられてるから、ユリもちゃんと分かってるのです!
ドン、ドン……と遠雷が響き始める。
ゴロゴロゴロと空中放電の唸りもかなり近いところで聞こえてくる。
腕の産毛が逆立ち、顔の表面がジワジワするような感触。
思いっきり空気が帯電し始めた……さ、さすがに、これは怖いのですっ!
この分だと近くに落ちる……。
直撃されたら、さすがに無事じゃすまないし、怪我なんてしたら先輩達が責任感じちゃう。
ここは、無傷でサラッと乗り切らないとっ!
「こ、こう言うときは……」
ボタンサイズの誘電素子を取り出す……。
こんな事もあろうかと思って、ちゃんと用意してきてたんです。
決して、お財布に入りっぱなしだったのを見つけて、ポケットにたまたましまい込んでたとか、そんな事はないのです。
人差し指と薬指の先から、電磁誘導ラインを形成した上で、爪で弾いて加速……簡易レールガンのようなものなのだけど。
ユリはこんな真似くらい出来ちゃうのです。
音速を超える速度で誘電素子が飛んでいき、岩に当たりめり込む。
空中に微細カーボンワイヤーが展開され、放電を開始……エスクロンで使われている雷嵐遭遇時対策の簡易避雷針と言ったところなのです。
案の定、誘電素子がめり込んだ岩に雷光が直撃する。
ワンテンポ遅れて、ピンと言った金属音のような音と共に、爆音のような音が轟き、大気を震わせる。
距離にして、50mくらいのところだったけど、流石に迫力ある。
『……ユリコ様、大丈夫ですか? 50mほどの距離に着雷致しました』
大丈夫……うまく逸らせた。
あれだけ近くに落ちたなら、しばらくは大丈夫だし、次が来ても高確率で誘電素子に落ちるから、直撃の可能性は激減したはず。
備えあれば憂いなしなのです!
光が遮られて……いよいよほとんど真っ暗闇になる。
パチパチと当たる砂粒がうっとおしいけど、問題にはならない……。
呼吸器系に砂が入ると、後々厄介だから、ハンカチで口元を覆う……この程度でも問題ない。
地形データは、エルトランが送ってきてくれてるので、暗闇の中でも視覚補正が入る事で障害物や地形も手に取るように解るようになる。
私自身のサブシステムの仕様もちゃんと読み取って、即席の支援システムを組んでくれたらしい。
エルトラン……さすが、いい仕事をしてくれている。
エトランゼ号の側まで来ると、搭乗ハッチが開くので、急いで駆け込む。
髪の毛をバサバサとやると、砂がパラパラと落ちる。
制服を叩くと、やっぱり砂……下着にまで砂が入ってとっても、気持ち悪い。
口の中もジャリジャリする……お耳の中も砂砂……うわぁ、シャワー浴びたいー。
「ユ、ユリちゃーんっ! 大丈夫かいな……ひぃっ!」
アヤメ先輩が駆け寄ろうとした瞬間、近くに落雷。
と言うか、直撃したような感じ……エトランゼ号は高さもあるし、大気圏航行機能付きなら、当然誘電素子くらいあるだろうから、そりゃあ……ね。
「な、なんですのこれっ! ば、爆発ですか? よくあんな中を……ちょっと退避が遅れてたら……」
「せ、せやっ! 今のはなんなんやっ! 思いっきり地面が揺れたで! 早く飛び立たんとアカンのと違うか?」
うーん、砂嵐と雷のコンボの中を飛び立つとかいくら宇宙機でも、ちょっと無謀。
何気に今も、雷が直撃したっぽいけど、宇宙戦闘用に作られたような艦なんだから、地上の雷程度痛痒にも感じないと思う。
私は……ちょっと無茶することになってしまって、やや反省。
危機を感じたら、安全確保が最優先なのに……後片付けとか要らないことに時間を食って、ちょっと危うかった。
『お二人とも落ち着いてください。今のは雷……自然現象の一種です。本艦は、雷程度で問題になるようなヤワな作りはしていません。実際、直撃いたしましたが、問題になっておりません。現在、上空の気流が乱れておりますので、今の時点で離陸は推奨いたしません。嵐が落ち着くまで待ってからにするべきです』
「エルトランの言う通りなのです……。アヤメさん、抱きつかれると砂付いちゃいますよ?」
ポケットを裏返すと、砂がバサッと出て来る。
艦内の廊下も私が歩いてきたところに砂が点々と……。
「せ、せやけど……あたしがもたもたしとったせいで……」
逃げ遅れたのは、ユリの自業自得なのです。
と言うか、こんな猛烈な速さで砂嵐が来るなんて、想定外なのですよ……。
「エルトラン、ゴメン。砂だらけにしちゃったのです……」
『お気になさらず。後で掃除ロボットに片付けさせます。申し訳ない……私も少々見積もりが甘かったようです。こうも早く砂嵐が押し寄せるとは……。上空管制は監視の目が足りず、警報が遅れたと申しております』
まぁ……開発中惑星だからねぇ……。
上空からの観測網も雑だろうし、地上の観測スポットもまばらだろうから、完全な天候予測なんて無理がある。
元々クオン人自体がテクノロジーに、依存しないようにしたがってる感じもする……。
開発中惑星への降下なんて、推奨もされてない……当然ながら、地上の天候予測用の観測網とかも最低限のようだった。
……そこら辺は、期待しちゃいけない。
「そこは仕方ないのです。エルトラン……砂落としたい……シャワーとか借りれる?」
『申し訳ない。今回は急なフライトで日帰り想定だったので、水の余裕がまったくありません。オゾンシャワーでよければ可能です』
防疫用装備だよね……それ。
確かに、宇宙ではキレイな水は貴重。
クオンは見た感じ水もまだまだ不足してるみたいだし、贅沢言っちゃいけないか。
とりあえず、制服を脱ぎ脱ぎ……。
長袖Tシャツとレギンスだけという全身タイツみたいなカッコになる。
何とも女子力足りない……男の子とかいたら、幻滅されること間違いなし。
「ユ、ユリちゃん……いきなり、脱がんでも……」
「そ、そうですわっ! はしたないですのっ!」
……なんか、二人に怒られた。
「す、砂落としたいのですよ……」
『サンドストームで砂浴び状態になってましたからなぁ……。そちらのボックスにそのままお入りください。風圧洗浄を実施しますので、少しはマシになるかと』
……入り口脇の洗浄室と札の付いた1m四方程度のボックスに入る。
オゾンのツンとした臭気をまとった湿った風が頭の上から勢いよく吹き付ける。
ものの10秒程度で済むんだけど、その間は息を止めておくのが大事。
オゾンって、強烈な殺菌効果があるんだけど、それって毒でもあるってこと。
直接吸い込むと、身体にとっても悪い。
次回、地上降下の際は下着も含めて、着替え持参必須……この惑星、結構砂砂。
エルトランとも相談して、シャワーとかも使えるようにしないと、このジャリジャリのままで何日もとか辛いのですよ……。
とにもかくにも、記念すべき宇宙活動部の初降下はこんな風に割とグダグダに終わったのです。
教訓……準備も何もなしで勢いだけでとか、駄目!
入念な準備、いくつものこんな事もあろうかと思ってを用意しとく!
とにかく、準備、準備、準備ーっ! なのですっ!
ユリは負けないのですーっ!
これは急がないと危険。
『ユリコ様、警告……地表と空間び電位差が急激に上昇中……。急ぎ雷撃防御を推奨致します』
「周辺マップ表示……エルトラン、ナビ」
……エルトランが即時に周辺マップデータを転送してくれて、私のサブシステムに反映。
視界の隅に周辺の俯瞰マップが表示される。
先輩二人は……すでにエトランゼに到着。
あっちは問題ない。
さて、雷撃防御……雷の危険性については、とにかく、直撃しない限りはまず問題ない。
至近距離だと、流れ弾みたいに帯電する場合もあるけど、直撃による心停止ってのが、雷での死因の大半。
それくらいなら、ユリなら耐えられるんだけど……。
痛いし熱いし、見た目もかなり痛々しい事になる……さすがに、それはイヤ。
問題は、何処に落ちるか?
低めの木がぞろぞろと並んでるって感じなので、正直何処に落ちるか解らない。
エルトランのデータからは、周辺数百mの範囲内に落ちるのは、ほぼ確定。
はっきり言って、安全なところなんて無い……確率の問題で何処かに落ちる。
少し窪んだ所があるので、そこに滑り込んでしゃがみ込む。
軍事教練でこんなのやらされたなぁ……塹壕に潜り込んでの砲爆撃防御って……。
この時代でも、塹壕に潜るだけでそれなりに生存率が上がるとかで、地上戦の基本なんだとか。
けど、砲爆撃防御で塹壕にこもるのとは、ちょっと違って踵をくっつけて、地面につま先立ちするような感じで姿勢を低くする……被雷防御姿勢。
これは接地面積を可能な限り、少なくする為。
エスクロンでも、バスタブでもひっくり返したような豪雨を伴う、スーパー雷雲……雷嵐もちょくちょく発生する。
市街地なら、高いビルや避雷針もあちこちにあるから、まず心配ないのだけど。
郊外に出た時に遭遇すると、割と洒落にならない状況に陥る。
なので、生きて行くための基礎知識として、雷対策はちゃんと教えられてるから、ユリもちゃんと分かってるのです!
ドン、ドン……と遠雷が響き始める。
ゴロゴロゴロと空中放電の唸りもかなり近いところで聞こえてくる。
腕の産毛が逆立ち、顔の表面がジワジワするような感触。
思いっきり空気が帯電し始めた……さ、さすがに、これは怖いのですっ!
この分だと近くに落ちる……。
直撃されたら、さすがに無事じゃすまないし、怪我なんてしたら先輩達が責任感じちゃう。
ここは、無傷でサラッと乗り切らないとっ!
「こ、こう言うときは……」
ボタンサイズの誘電素子を取り出す……。
こんな事もあろうかと思って、ちゃんと用意してきてたんです。
決して、お財布に入りっぱなしだったのを見つけて、ポケットにたまたましまい込んでたとか、そんな事はないのです。
人差し指と薬指の先から、電磁誘導ラインを形成した上で、爪で弾いて加速……簡易レールガンのようなものなのだけど。
ユリはこんな真似くらい出来ちゃうのです。
音速を超える速度で誘電素子が飛んでいき、岩に当たりめり込む。
空中に微細カーボンワイヤーが展開され、放電を開始……エスクロンで使われている雷嵐遭遇時対策の簡易避雷針と言ったところなのです。
案の定、誘電素子がめり込んだ岩に雷光が直撃する。
ワンテンポ遅れて、ピンと言った金属音のような音と共に、爆音のような音が轟き、大気を震わせる。
距離にして、50mくらいのところだったけど、流石に迫力ある。
『……ユリコ様、大丈夫ですか? 50mほどの距離に着雷致しました』
大丈夫……うまく逸らせた。
あれだけ近くに落ちたなら、しばらくは大丈夫だし、次が来ても高確率で誘電素子に落ちるから、直撃の可能性は激減したはず。
備えあれば憂いなしなのです!
光が遮られて……いよいよほとんど真っ暗闇になる。
パチパチと当たる砂粒がうっとおしいけど、問題にはならない……。
呼吸器系に砂が入ると、後々厄介だから、ハンカチで口元を覆う……この程度でも問題ない。
地形データは、エルトランが送ってきてくれてるので、暗闇の中でも視覚補正が入る事で障害物や地形も手に取るように解るようになる。
私自身のサブシステムの仕様もちゃんと読み取って、即席の支援システムを組んでくれたらしい。
エルトラン……さすが、いい仕事をしてくれている。
エトランゼ号の側まで来ると、搭乗ハッチが開くので、急いで駆け込む。
髪の毛をバサバサとやると、砂がパラパラと落ちる。
制服を叩くと、やっぱり砂……下着にまで砂が入ってとっても、気持ち悪い。
口の中もジャリジャリする……お耳の中も砂砂……うわぁ、シャワー浴びたいー。
「ユ、ユリちゃーんっ! 大丈夫かいな……ひぃっ!」
アヤメ先輩が駆け寄ろうとした瞬間、近くに落雷。
と言うか、直撃したような感じ……エトランゼ号は高さもあるし、大気圏航行機能付きなら、当然誘電素子くらいあるだろうから、そりゃあ……ね。
「な、なんですのこれっ! ば、爆発ですか? よくあんな中を……ちょっと退避が遅れてたら……」
「せ、せやっ! 今のはなんなんやっ! 思いっきり地面が揺れたで! 早く飛び立たんとアカンのと違うか?」
うーん、砂嵐と雷のコンボの中を飛び立つとかいくら宇宙機でも、ちょっと無謀。
何気に今も、雷が直撃したっぽいけど、宇宙戦闘用に作られたような艦なんだから、地上の雷程度痛痒にも感じないと思う。
私は……ちょっと無茶することになってしまって、やや反省。
危機を感じたら、安全確保が最優先なのに……後片付けとか要らないことに時間を食って、ちょっと危うかった。
『お二人とも落ち着いてください。今のは雷……自然現象の一種です。本艦は、雷程度で問題になるようなヤワな作りはしていません。実際、直撃いたしましたが、問題になっておりません。現在、上空の気流が乱れておりますので、今の時点で離陸は推奨いたしません。嵐が落ち着くまで待ってからにするべきです』
「エルトランの言う通りなのです……。アヤメさん、抱きつかれると砂付いちゃいますよ?」
ポケットを裏返すと、砂がバサッと出て来る。
艦内の廊下も私が歩いてきたところに砂が点々と……。
「せ、せやけど……あたしがもたもたしとったせいで……」
逃げ遅れたのは、ユリの自業自得なのです。
と言うか、こんな猛烈な速さで砂嵐が来るなんて、想定外なのですよ……。
「エルトラン、ゴメン。砂だらけにしちゃったのです……」
『お気になさらず。後で掃除ロボットに片付けさせます。申し訳ない……私も少々見積もりが甘かったようです。こうも早く砂嵐が押し寄せるとは……。上空管制は監視の目が足りず、警報が遅れたと申しております』
まぁ……開発中惑星だからねぇ……。
上空からの観測網も雑だろうし、地上の観測スポットもまばらだろうから、完全な天候予測なんて無理がある。
元々クオン人自体がテクノロジーに、依存しないようにしたがってる感じもする……。
開発中惑星への降下なんて、推奨もされてない……当然ながら、地上の天候予測用の観測網とかも最低限のようだった。
……そこら辺は、期待しちゃいけない。
「そこは仕方ないのです。エルトラン……砂落としたい……シャワーとか借りれる?」
『申し訳ない。今回は急なフライトで日帰り想定だったので、水の余裕がまったくありません。オゾンシャワーでよければ可能です』
防疫用装備だよね……それ。
確かに、宇宙ではキレイな水は貴重。
クオンは見た感じ水もまだまだ不足してるみたいだし、贅沢言っちゃいけないか。
とりあえず、制服を脱ぎ脱ぎ……。
長袖Tシャツとレギンスだけという全身タイツみたいなカッコになる。
何とも女子力足りない……男の子とかいたら、幻滅されること間違いなし。
「ユ、ユリちゃん……いきなり、脱がんでも……」
「そ、そうですわっ! はしたないですのっ!」
……なんか、二人に怒られた。
「す、砂落としたいのですよ……」
『サンドストームで砂浴び状態になってましたからなぁ……。そちらのボックスにそのままお入りください。風圧洗浄を実施しますので、少しはマシになるかと』
……入り口脇の洗浄室と札の付いた1m四方程度のボックスに入る。
オゾンのツンとした臭気をまとった湿った風が頭の上から勢いよく吹き付ける。
ものの10秒程度で済むんだけど、その間は息を止めておくのが大事。
オゾンって、強烈な殺菌効果があるんだけど、それって毒でもあるってこと。
直接吸い込むと、身体にとっても悪い。
次回、地上降下の際は下着も含めて、着替え持参必須……この惑星、結構砂砂。
エルトランとも相談して、シャワーとかも使えるようにしないと、このジャリジャリのままで何日もとか辛いのですよ……。
とにもかくにも、記念すべき宇宙活動部の初降下はこんな風に割とグダグダに終わったのです。
教訓……準備も何もなしで勢いだけでとか、駄目!
入念な準備、いくつものこんな事もあろうかと思ってを用意しとく!
とにかく、準備、準備、準備ーっ! なのですっ!
ユリは負けないのですーっ!
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
関白の息子!
アイム
SF
天下一の出世人、豊臣秀吉の子―豊臣秀頼。
それが俺だ。
産まれて直ぐに父上(豊臣秀吉)が母上(茶々)に覆いかぶさり、アンアンしているのを見たショックで、なんと前世の記憶(平成の日本)を取り戻してしまった!
関白の息子である俺は、なんでもかんでもやりたい放題。
絶世の美少女・千姫とのラブラブイチャイチャや、大阪城ハーレム化計画など、全ては思い通り!
でも、忘れてはいけない。
その日は確実に近づいているのだから。
※こちらはR18作品になります。18歳未満の方は「小説家になろう」投稿中の全年齢対応版「だって天下人だもん! ー豊臣秀頼の世界征服ー」をご覧ください。
大分歴史改変が進んでおります。
苦手な方は読まれないことをお勧めします。
特に中国・韓国に思い入れのある方はご遠慮ください。
Solomon's Gate
坂森大我
SF
人類が宇宙に拠点を設けてから既に千年が経過していた。地球の衛星軌道上から始まった宇宙開発も火星圏、木星圏を経て今や土星圏にまで及んでいる。
ミハル・エアハルトは木星圏に住む十八歳の専門学校生。彼女の学び舎はセントグラード航宙士学校といい、その名の通りパイロットとなるための学校である。
実技は常に学年トップの成績であったものの、ミハルは最終学年になっても就職活動すらしていなかった。なぜなら彼女は航宙機への興味を失っていたからだ。しかし、強要された航宙機レースへの参加を境にミハルの人生が一変していく。レースにより思い出した。幼き日に覚えた感情。誰よりも航宙機が好きだったことを。
ミハルがパイロットとして歩む決意をした一方で、太陽系は思わぬ事態に発展していた。
主要な宙域となるはずだった土星が突如として消失してしまったのだ。加えて消失痕にはワームホールが出現し、異なる銀河との接続を果たしてしまう。
ワームホールの出現まではまだ看過できた人類。しかし、調査を進めるにつれ望みもしない事実が明らかとなっていく。人類は選択を迫られることになった。
人類にとって最悪のシナリオが現実味を帯びていく。星系の情勢とは少しの接点もなかったミハルだが、巨大な暗雲はいとも容易く彼女を飲み込んでいった。
お尻たたき収容所レポート
鞭尻
大衆娯楽
最低でも月に一度はお尻を叩かれないといけない「お尻たたき収容所」。
「お尻たたきのある生活」を望んで収容生となった紗良は、収容生活をレポートする記者としてお尻たたき願望と不安に揺れ動く日々を送る。
ぎりぎりあるかもしれない(?)日常系スパンキング小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる