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第六話「別れた時のあなたのままで」PART4
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固有魔術により、強化されたミリアの斬撃は、甲冑を着込んだ騎士を両断し、岩をも打ち砕くほどのモノ!
その一撃を白い騎士は平然と受け止めていた。
「あらあら……邪魔が入ってしまいましたか……この速さ……普通じゃないですね……人間にしては、随分な手練なようで……」
どこかのんびりとした口調。
鍔迫り合いの体勢にも関わらず、余裕の様子だった。
恐るべき使い手……いや、化物だとミリアも瞬時に悟る。
「なんでもいいっ! 私が抑えているから、やれっ! 巻き込むつもりで構わんっ! コイツをッ! 殺せぇええッ!」
ミリアが叫ぶと、レインが詠唱を開始し、サレナ達も弾かれたように反応する。
「来たれ! 来たれ! 来たれ! 煉獄の炎よ……我が手に集いて、我が敵を討ち滅ぼす力となれ!」
まず、ファトリが爆炎系の詠唱を始める。
その両手の間に赤い炎が灯る……。
「其は雷! 其は轟く雷鳴! されど、其の雷は我が意のままに! 豪雷・集!」
ほぼ同時のタイミングで、サレナが呪文を唱えると、サレナの構えた矢に雷光が纏わり付く……それを見たミリアは小瓶を白い騎士に叩きつけると素早く剣を切り上げると、後ろに下がる。
「サレナさん! ファトリさん! お手伝いさせていただきます! 我が力を……我が友に託す……聖光贈与! 彼の者に限界を超えた先の力を与えたまえっ!」
レインが祈りの言葉を放つと、キラキラとした光が二人へ放たれ纏わり付くと、二人の魔術回路の輝きが増す!
それを合図に、サレナが雷を纏った矢を放つ……一発や二発ではなく五本纏めてつがえて、一斉に放つ!
「荒ぶれっ! 疾風! 縦横無尽に駆け抜けよっ! 五星の矢ッ!」
その矢は青白い雷光を軌跡のように残しながら、凄まじい速さで物理法則を無視したかのような複雑な軌道を取る!
「征けっ! そして……喰らい尽くせ! 炎蛇ッ!」
こちらは地面を高速で走る炎……こちらも10本ほどに別れて、螺旋を描くように白い騎士へと迫る!
初手から、二人がかりの最大攻撃による連続技を迷わず選択したようだった……伊達に、Cクラスではないなとミリアも感心する。
雷撃魔法を仕込んだ矢は凄まじい威力があったようで、白い騎士の触手や矢が当たった箇所の装甲が吹き飛び、更にその足元に爆炎魔法が直撃し、天井を穿つほどの勢いで火柱が立つ!
更に小瓶の中身の液体に引火したらしく、白い騎士は真っ白な炎を上げて、盛大に燃え上がる!
聖光教会の魔技師アメリア謹製の燃える水……以前、サトルがベルクリアに使った物に、更なる改良を加え、一瞬で1500度もの高熱と白い炎を生み出す。
普通の人間はもちろん、強化スライムでも焼き尽くす程の火力。
……更にレインが浄化の炎の術式を完成させて放つ……異形の騎士は白と青の業火に包まれる。
さすがにこれは仕留めたはず……そう思いながらもミリアは、油断なく目を離さない。
後ろのサレナとファトリは、予想外の威力だったらしく呆然としている……。
魔術回路の限界を超える増強……レインの使った支援魔術の一種なのだが……地味に凶悪だった。
欠点としては、オーバーブーストさせた魔力回路の負荷が大きいのと、魔力が根こそぎ無くなることらしいけど、この場の選択としては、最大火力の全力攻撃……それ以外にあり得ない。
これで倒せないようなら、もはや打つ手などない……サトルを連れて、全力で撤退……その心つもりだった。
サトルは……と言うと、壁に張り付けられた状態からは解放されたようなのだけど、ずり落ちた体勢のまま動こうとしない。
レインがサトルの方へ駆け出すと、ルークがカバーするように後を追う。
ルークについては、サトルが何も言わない上に、彼はその行動で十分に証明してくれた……勇敢で優秀な冒険者だった。
そんな彼を疑うような真似をした事に、ミリアは騎士として深く恥じ入った。
けれど、一瞬注意を逸した瞬間……地面スレスレを伸びてきていた触手がミリアを掠める……強化された動体視力で辛うじて見切れたものの、胸甲に浅い角度で入って、うまく滑ってくれたからこそ無傷で済んだだけ……その速度は尋常でなかった。
見ると、とっさにレインの盾になったルークと、ミリアの後ろに居たファトリが触手の直撃を食らったようで、ルークはシールドと鎧で受け止めたものの壁に叩きつけられて壁に半ばめり込み、ファトリも触手に貫かれた腹を押さえながら、血を吐いて倒れ込む所だった。
難を逃れた無傷のサレナが慌てて触手を叩き切るとファトリに駆け寄る……レインは、サトルへ向かうべきか、ルークを助けるべきか一瞬迷ったらしく、立ち止まって固まってしまう……。
「レインっ! 立ち止まるなっ! 避けろっ!」
ミリアは叫びながら、大剣を構えて渾身の一撃を加えようと前に出る!
けれども、放たれた触手はまっすぐレインへと迫るっ!
その一撃を白い騎士は平然と受け止めていた。
「あらあら……邪魔が入ってしまいましたか……この速さ……普通じゃないですね……人間にしては、随分な手練なようで……」
どこかのんびりとした口調。
鍔迫り合いの体勢にも関わらず、余裕の様子だった。
恐るべき使い手……いや、化物だとミリアも瞬時に悟る。
「なんでもいいっ! 私が抑えているから、やれっ! 巻き込むつもりで構わんっ! コイツをッ! 殺せぇええッ!」
ミリアが叫ぶと、レインが詠唱を開始し、サレナ達も弾かれたように反応する。
「来たれ! 来たれ! 来たれ! 煉獄の炎よ……我が手に集いて、我が敵を討ち滅ぼす力となれ!」
まず、ファトリが爆炎系の詠唱を始める。
その両手の間に赤い炎が灯る……。
「其は雷! 其は轟く雷鳴! されど、其の雷は我が意のままに! 豪雷・集!」
ほぼ同時のタイミングで、サレナが呪文を唱えると、サレナの構えた矢に雷光が纏わり付く……それを見たミリアは小瓶を白い騎士に叩きつけると素早く剣を切り上げると、後ろに下がる。
「サレナさん! ファトリさん! お手伝いさせていただきます! 我が力を……我が友に託す……聖光贈与! 彼の者に限界を超えた先の力を与えたまえっ!」
レインが祈りの言葉を放つと、キラキラとした光が二人へ放たれ纏わり付くと、二人の魔術回路の輝きが増す!
それを合図に、サレナが雷を纏った矢を放つ……一発や二発ではなく五本纏めてつがえて、一斉に放つ!
「荒ぶれっ! 疾風! 縦横無尽に駆け抜けよっ! 五星の矢ッ!」
その矢は青白い雷光を軌跡のように残しながら、凄まじい速さで物理法則を無視したかのような複雑な軌道を取る!
「征けっ! そして……喰らい尽くせ! 炎蛇ッ!」
こちらは地面を高速で走る炎……こちらも10本ほどに別れて、螺旋を描くように白い騎士へと迫る!
初手から、二人がかりの最大攻撃による連続技を迷わず選択したようだった……伊達に、Cクラスではないなとミリアも感心する。
雷撃魔法を仕込んだ矢は凄まじい威力があったようで、白い騎士の触手や矢が当たった箇所の装甲が吹き飛び、更にその足元に爆炎魔法が直撃し、天井を穿つほどの勢いで火柱が立つ!
更に小瓶の中身の液体に引火したらしく、白い騎士は真っ白な炎を上げて、盛大に燃え上がる!
聖光教会の魔技師アメリア謹製の燃える水……以前、サトルがベルクリアに使った物に、更なる改良を加え、一瞬で1500度もの高熱と白い炎を生み出す。
普通の人間はもちろん、強化スライムでも焼き尽くす程の火力。
……更にレインが浄化の炎の術式を完成させて放つ……異形の騎士は白と青の業火に包まれる。
さすがにこれは仕留めたはず……そう思いながらもミリアは、油断なく目を離さない。
後ろのサレナとファトリは、予想外の威力だったらしく呆然としている……。
魔術回路の限界を超える増強……レインの使った支援魔術の一種なのだが……地味に凶悪だった。
欠点としては、オーバーブーストさせた魔力回路の負荷が大きいのと、魔力が根こそぎ無くなることらしいけど、この場の選択としては、最大火力の全力攻撃……それ以外にあり得ない。
これで倒せないようなら、もはや打つ手などない……サトルを連れて、全力で撤退……その心つもりだった。
サトルは……と言うと、壁に張り付けられた状態からは解放されたようなのだけど、ずり落ちた体勢のまま動こうとしない。
レインがサトルの方へ駆け出すと、ルークがカバーするように後を追う。
ルークについては、サトルが何も言わない上に、彼はその行動で十分に証明してくれた……勇敢で優秀な冒険者だった。
そんな彼を疑うような真似をした事に、ミリアは騎士として深く恥じ入った。
けれど、一瞬注意を逸した瞬間……地面スレスレを伸びてきていた触手がミリアを掠める……強化された動体視力で辛うじて見切れたものの、胸甲に浅い角度で入って、うまく滑ってくれたからこそ無傷で済んだだけ……その速度は尋常でなかった。
見ると、とっさにレインの盾になったルークと、ミリアの後ろに居たファトリが触手の直撃を食らったようで、ルークはシールドと鎧で受け止めたものの壁に叩きつけられて壁に半ばめり込み、ファトリも触手に貫かれた腹を押さえながら、血を吐いて倒れ込む所だった。
難を逃れた無傷のサレナが慌てて触手を叩き切るとファトリに駆け寄る……レインは、サトルへ向かうべきか、ルークを助けるべきか一瞬迷ったらしく、立ち止まって固まってしまう……。
「レインっ! 立ち止まるなっ! 避けろっ!」
ミリアは叫びながら、大剣を構えて渾身の一撃を加えようと前に出る!
けれども、放たれた触手はまっすぐレインへと迫るっ!
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