忠犬ポチは人並みの幸せを望んでる!

Lofn Pro

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【8】

【中】始まりの日

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 両足で布団を蹴りとばした。身体を支えていた両腕をも振り払い、勢いよく床板へ降りる……つもりだったが、思うように身体へ力が入らず重力の成すがまま「べしょっ」と崩れ落ちた。

(あ…あれ……?)

 幽霊なのに浮かない。何故だ。幼い双葉から新芽が伸びるように段々とプロっぽい幽霊っぽくなっていって、ランクが上がると透明になったり空を飛んだり、部屋の影からコンニチハ♥が出来るようになるとか??
 幽霊は初心者なので、わからないことだらけだ。

「おい、いきなり何やってんだ……!危ねぇだろっ」

 男は慌てたようにベッドから降りると手を伸ばしてきた。それが自分を捕まえる為だとすぐ察したポルトは手を払うように暴れ、不服を全面に出しつつ首を振る。

「や…止めて下さい……!私、行かなくちゃ……!!」
「行く?行くって何処へ……」
「ファールン城っ」

 もう魂は肉体から離れたというのに身体が重い。そういえば影達も最初はやけにゆっくりと動いていたっけ。
 そうか、二足歩行が駄目なら四足歩行で……!とズリズリと床を這いながら扉へ向かう。

「ぐぬぬぬぅうぅうぅう………っっ!!」
 
 なるほど、これは動きづらい。変な声のひとつも出したくなる。
 悪夢の中で影達の這いずっていた姿を思い出し、兄妹の絆をそこはかとなく感じた。

「おい!まさかそのまま行くつもりかっ?まだここで休んで――……」
「駄目です!すぐです……!すぐ行くんです……!早く……会いに……!!」
「会いにって誰に?狼か?」
「!!」

 瞬間、脳裏に二匹のふわふわとした毛と丸い金色の目が脳裏に浮かぶ。換毛期にフイゴで吹くと綿毛のように散っていくアンダーコート。朝、扉を明けた瞬間の二匹の顔。甘える時の口元や舌、鳴き声、眠る時に側に来た時の温かさ……。
 そんなの…会いたいに決まっているけれど――……

「あ・あの子達にも会う…っ!でも最初に行きたいのはそこじゃなくて……!」
「まさか…お前が大嫌いって言った奴に?」
「っ!」

 男のどこか意地の悪い物の言い方にくっと奥歯を噛むが、切り返すように「うるさい!!」っと床板にドンッと拳を叩きつけた。冷たい床板が一度激しく振動する。

「私…もう死んじゃったんだから文句ないでしょ……!?誰の邪魔にもならないんだから……!どっか行って!」

 大きな声をあげて驚いたのだろうか、見下ろす男が目を丸くする。奴は迎えに来たつもりだろうが、今ここで大人しく天に召されるつもりはない。
 ズリズリという色気のない音(きっと世間的にこれがポルターガイストというやつだと思う)を立てながら床を這い進むと、後ろから襟首を掴まれた。
 
「そんな格好で来られてもキモいわ!やめろ!」
「キモくても良いのっ!どーせ見えないんだから良いの!離して!!」
「駄目!駄目ったら駄ー目!!」
「やだ!!やだったらやーだ!!」

 段々と覚醒してきた頭と身体。二人の攻防はやや強引に連れ戻されたベッドの上へと戦場を移す。
 暴れるポルトの身体は、話で聞いていたイメージより随分と荒っぽい真似をする神様によって、羽交い締めのように押さえられてしまった。
 耐えきれず不満をぶちまける。

「どうして…どうして邪魔するんですか……!?」
「あん!?」
「私、今まで頑張ったじゃないですか……!!ずっとずっと頑張ってきたじゃないですか……!死んでもまだ駄目なんですか!?」

 力で敵わない悔しさと、駆け出せないもどかしさ。何より一分一秒でも早くあの人に会いたい気持ち。
 やっと全てから解放されて自由になったのに……!
 爆発しそうな程の感情も目の前の相手には伝わらない。もどかしさで息が止まりそうだ。

(何で?何で?何で?何で!?)

 もう何一つ手放せるものも無い。
 子供に戻ったように同じ言葉が反復し、洪水になって体中を暴れまわる。
 まさか生前の身分が死後も適用されて、いつか王族に生まれ変わらないと会えないとか??
 それまでずっと…ずっと離れ離れのまま?

(そんなの――……)

 振り払えない腕の中で奥歯を噛み締める。でもそんなことでは到底我慢できるものでもなかった。

「――……ぃ……」
「い?」

 堪えきれない。
 もう、無理だ。
 肺がパンパンになるまで大きく息を吸うと――… 

「ぃぃいいいやだぁああぁああああッッッッ!!!」

 生きていた時はありえなかった程の大きな声が、咆哮のようにあがった。

「バカァああぁあああぁぁあぁああッッッッ!!!!!わぁああぁあああぁああーーーーーーーん!!!!!」
「あん!?」
「大っ嫌ぃぃぃいい!!神様いじわるうぅぅぅぅーーーー!!!!わあぁあああーーーーーーん!!!」

 過去の記憶の中でも、これほど激しい感情を吐き出したことは無い。
 頬の上を大粒の涙がボロボロとこ溢れ落ちて、狂ったように手足を動かし男の腕から逃れようとする。

「私は……!殿下に会いに行くのぉぉおーーーーーー!!」
「ポチ!!」
「アンタがその名を呼ぶな!!やだやだやだやだぁああああ!!!!帰るうぅぅううーーーーーー!!!!わぁああああーーーーーん!!!!」 

 そのあまりの大声に慌てたのだろう。男はまるで幼子を慰めるように腕の中に抱きしめる…ような気持ちで、暴れる酔っ払いを取り押さえる憲兵のごとく、更に力ずくで抑え込む。
 身動きが取れなくなりながらも不屈の闘志でモガモガッと暴れ続けるポルト。男は諭すようにその顔を見た。

「ポチ!わかった……!わかったから……!!ポチ、落ち着け、そんなに『鈴』を鳴らすな……!俺はここにいる……!」
「!」

 その言葉に小さな身体が反応する。
 涙でびしょ濡れになっている両頬を大きな手が包み、親指が雫をぬぐう。そして丸い額に少し長めのキスを落とすと濡れた金色の瞳にしっかりと男は自分の顔を映した。

「ほら、ポチ。前にもこうやってしてやったろ?俺だよ俺……!色がちょっと違うだけじゃねぇか。な?」
「――……」
「な?」
「ふ」
「ふ?」
「……ふっざけんなぁッ!!うちの殿下はこんなに美白じゃないぃいい!!詐欺師ぃぃいいい!」

 ゴスッ!!という鈍い音と共にポルトは男に頭突きすると、互いに低い唸り声を出しながら額を押さえて背を丸める。

「この石頭女め……!!この色はなぁ……、あー、ホラ、あれだ。なんだっけっ?あ、そうそう、イメチェン!!」
「はぁ!?目ん玉までイメチェンできるかぁ!嘘つきは地獄に落ちろぉ!!」
「お前は頭も悪ィが口も悪ィな!」
「第一…本物はこんな所に来ない!だって…殿下はもう私のこと大嫌いになってるもん!!」
「!」

 自分の言葉に胸が張り裂けそうだ。

 こんな奴の前で醜態を晒したくはないが、ボロボロと落ちる涙は袖で拭いても拭いても間に合わないし、理性的な問答も出来そうにない。

 もし自分が生きていたならこの気持ちが鈴の音になって彼に知らせていただろう。でももう全部終わったのだ。この身を縛っていた過去からもしがらみからも開放され、自由になったのだ。
 今まで我慢していた分、己の望むままに心の中をあの人でいっぱいにしてやる。
 右手でシーツをぐしゃりと掴んだ。

「本物の殿下とはちゃんと別れてきたもん!私を迎えには来ない!……だから私が行く!幽霊は透明だからバレないし、怒られない…!だから会いに行くの……!もう神様にだって邪魔させない!!」
「!」

 無様に足掻く亡者の姿が余程面白かったのだろうか、一瞬驚いた顔を見せた後に神様は大声で笑った。

「っ!!」

 笑いたい奴は笑えば良いのだ。こんな人の心がわからないゲスい神様なんて神様じゃない。もうこいつは悪魔だ。邪神だ。相手にするのはやめそう。
 悪魔はひとしきり笑った後、目尻に滲んだ涙を軽く拭った。
 
「つーか、残念なお知らせになるかもしれねえけど、お前全然死んでないからね?まだまだピンピンしてるからね?」
「っ?」
「わかんねぇのか、阿呆。俺様以外にお前をポチって呼ぶ奴がいるのか?」
「呼ぶなっ」
「呼ぶさ。これからも何度だって。俺だけが呼ぶ、お前の名だ。『ポチ』」
「っ!」
「それとも『ポルカー』の方が良いか?『ポレット』っていうのもあったな。あぁ、あとな、ベッドの下に隠してあった胸パッド、ネズミに齧られてたぞ」
「なっ!?!?!?」
「食いもんと一緒に床に置いておくからだ、阿呆」
「な…な……」

 愕然とするポルトの姿に男は本当に楽しそうに笑った。

「――っ……」

 男が話すのは、王子しか知らないことばかり。何より意地悪さが混じった笑顔はあまりにもあの人そっくりで……身体が固まった。
 それに気がついた大きな手が白い頬をを包み、小さな身体を引き寄せたかと思うと口唇が重なった。汲み上げた水のように冷たい唇。しかし優しく愛おしそうに柔らかい輪郭を味わう感触は以前にも覚えがあって……。まるで彼本人のような……。
 かすかに離れたかと思うとまた軽く触れ合う、それを数度繰り返して男は口元に微笑を浮かべた。

「指輪の間でも大聖堂でも牢でもしたろ?忘れたのか?」
「!」
 
 心臓が激しく鼓動を打ち、頬だけでなく耳の奥まで熱を持つ。
 寸分も見間違えないように彼の顔をじっと見つめ続けた。
 色は違うが、肌や髪型は…記憶の中の彼と全く同じ。笑い方や手の起き方、頬に触れる指の動きまで全部……。
 でも。

「違う……。あの人は……来ない……」

 来るわけがない。もう希望に浮かれて甘えて傷つくことはしなくない。現実的に考えれば、誰だってそう思うだろう。

「来たぞ」
「違う。来るわけない」
「来るさ。どこにいても、どれだけ離れていても。だってお前……」
「―――……?」
「俺がいなきゃ、寂しくて死んじゃうだろ?」

 それは北塔の檻の中でも聞いたあの人・・・の言葉。
 濃い金色の髪を、男は片手を伸ばしてガシガシとかき混ぜる。

「!」

 熱をまるで持たない手は、それでもポルトの理性の奥を刺激する。 
 これは…この撫で方は、城でいつも彼がしてくれた……大好きなやつだ。
 今もガシガシと頭を撫でる、大きな手。

「でん…か………?」

 ふにゃりと緩んだ口元から言葉がこぼれた。

「うん」
「ほんもの……?」
「俺様みたいな芸術品、二人もいてたまるか」

 返ってきた笑顔。こんなに自信満々で馬鹿なこと言う男、一人しか知らない。

「――……!」

 自覚する前に、彼の胸に飛び込んでいた。
 鼻の骨が折れるんじゃないかと思うほど顔を押し付けて、いくらするともわからない高級な上着を思い切り鷲掴みし、やっと母親が見つかった迷子みたいに大声で泣いた。
 他の言葉などすっかり忘れたかと思うほど、何度も何度も彼の名を呼ぶ。
 その度に返事は返ってきた。

 色々聞きたいことはある。でも今はどうでも良い。
 ただただ、目の前の唯一の存在をきつくきつく抱きしめた。

 懐かしい香りで何度肺を満たしただろう、落ち着いた頃合いを見計らった王子が我慢しきれないようにキスをする。唇に深く一度、そして溢れる涙を拭うように両頬に数度。
 その度にまた泣いて、落ち着くのを待って……。
 それを何度繰り返しただろうか。もう数えることすら出来なくなっていた。

「でんか……」
「何だ」
「でんか……」
「うん」



 泣き疲れた身体は、それでもしっかりと王子の身体にしがみついたまま。もうこのままくっついてしまえば良いのにとさえ思う。

 涙でたっぷりシャツを濡らし終わると気持ちも徐々に落ち着きを取り戻し、状況が整理できるようになってきた。
 ……今は酷い顔をしているはず。女として…というか生き物としてもきっと見るに耐えない状態になっているに違いない。少し恥ずかしくなってきた。
 一方、王子は至極機嫌が良さそうに髪に鼻先を埋めたり、耳の後ろに口唇を這わせては軽いキスを繰り返していた。ふっと触れる吐息と柔らかい感触がくすぐったくて、時々目を閉じる。

「なんでここに……?」
「お前がいるからな」
「なんで…白いの……?」
「イメチェン」
「…………」

 「白銀の王子っつーのもミステリアスで格好いいだろう?」、半ばうっとりするような目をして自分自身の為にゆっくりと感嘆の息を吐く。

「……嗚呼、またこれモテちゃうわ。今までも最高にカッコ良かった俺様が更に俺様を越えてきたわ。ヤベーわマジで。俺様最強だわ」

 とりあえず今のセリフでこれ・・が神様などという崇高な存在ではなく、うちの阿呆殿下である確信が持てた。

 良くも悪くも急に冷静を取り戻し、ここがカールトンと泊まっていたあの宿屋であることに気が付く。
 そういえば、出産用のタオルを探して、この部屋にも入ったことがあったじゃないか。
 どうやら自分は死ぬこと無くずっとこの部屋で寝かされていたらしい。

 それにしても、道中衛兵と小競り合いを起こしたこともないのに、何故王子はこの場所がわかったのだろう。
 それを聞く口は重かったが確かめずにはいられない。

「もしかして…鈴…ですか?」
「?」
「鈴で私が呼んでしまったのですか?」

 行き先は誰にも言わなかった。この宿屋ですら「ポルト」の名を使ったこともない。そんな中、城から遠く離れた国境まで来るなんて……超能力でも無ければ無理だ。しかし王子は首を振る。

「……いや、それは違う。鈴はコンパスみたいな役目は持ってないみたいでな。まぁ…たまに音は聞こえてたけど……」
「……っ」

 ここまでの道中、彼を思い出した数を思うと罪悪感しか生まれない。胸元に顔を押し付けて「ごめんなさい」と呟く。

「なんで?」
「うるさかった…でしょ?」

 あれだけ悪態をついて城を出てきたのだ。彼の中の『思い出したくない人間ランキング』の上位ランカーにだってなっていたはず。
 それはあながち間違ってもいなかったようで、フォルカーも表情をやや曇らせる。

「……確かに聞こえなきゃいいとは思ったよ」
「……」
「なんつーか、俺自身、なんだかんだ言ってもやっぱり気になっちまってな。……でも、俺に心配されたってお前嫌がるだろうから、何でも無いフリはしてた」
「白いのは?」
「イメチェン」
「「……………」」

 何度も同じ答えを繰り返す王子。髪はまだしも、眼球の…しかも虹彩部分の変色だなんて目薬を使ってどうにかできるものでもないだろう。
 例えば毛染め薬みたいに、王族が使う何か特別な飲み薬があったとか?体の内側から効くような新しい薬をガジンが作ったとか?まさか、入れ墨を入れるように直接針を打ち込んだ……?想像するだけでも身震いがする。
 
「でも…身体から色が無くなっちゃったような――……って……まさか……」

 思わず出た自分の言葉がふっとある記憶に繋がる。
 そうだ、人間がそんなこと出来るわけない。身体から色が…身体の一部が消えたのだ。
 そんなこと出来るのは――

「……あの指輪を使ったの?」
「……………………………………………」

 わかりやすくスライドされた視線。

「うそ……」

 さっきまで幸せだった気分は突風に煽られたみたいに何処かへ吹き飛んだ。
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