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【7】
【中】リベンジ(★)
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扉を開き、足早に部屋を出ていく妹の背中をカールトンは横目で見送る。
過去に何度か剣を交え、その姿を見て知ったのは、彼女は実戦に慣れているということだ。自分より体格の良い者ばかりを相手にしてきたのだろう、正面から挑むというよりは相手の隙を突き死角から狙う奇襲的な作戦をとることが多い。自分より格上の相手をより高い確率で制圧するのに有効な方法と言える。ただ、この方法は一度でも気付かれてしまえば対多数との戦闘へと即座に移行。一気に形勢不利になる。実際、野盗の野営地で捕えられ戦った時は逃げることで精一杯だった。
今回の相手も不特定多数.。そして攻撃対象ではない村人も紛れている。簡単では済まないだろう。
――しかし。訓練の一つだと思えばそれはそれで構わない。城の生活で緩んだ頭を引き締めるためにも、一度でも多く剣を振ってくると良い。
「――……」
カールトンは窓枠に足をかけ、慣れた様子で屋根の上へと登った。雪の匂いを含んだ風が炎を空へと舞い上がらせ、それはカールトンの黒髪も宙で遊ばせる。
地上に目を向ければポルトが外周を囲む柵に沿うように走って行くのが見えた。恐らく大回りして火が大きい反対側へと向かうのだろう。同時に、逃げ惑う人々がネズミの様に通路を走っている。
(逃げるなら真東に進んだ方が良さそうだな。まだ静かだ)
もし野盗がこの宿まで来たとしても自分一人で対処はできる。しかし火を放たれ荷物を焼かれるのは面倒だ……。カールトンは部屋へ戻ると腰の革巾着から木炭を出す。白い壁に『東。柵の外で待つ』と走り書きをして、荷物をまとめ直す。野盗連中の狙いはこの村だ。柵の外に出てしまえばしばらくは巻き込まれることはないだろう。
階段を足早に降りる。しかし、そこである光景が目に入った。主人が入り口をテーブルで塞いでいたのだ。カールトンの眉間に一瞬不快な皺が寄る。これでは扉を使えないではないか。
「あ…!あんた!大変だよ!お連れさんが…!止めるのも聞かないで裏から出て行っちまった!」
「……放っといて良い。俺もここを出る。そこをどけ」
「馬鹿か!今外へ出てっちゃなんねぇ!野盗が村を襲いに来てんだ…!妻と一緒に奥の部屋に隠れてろ!」
「……」
「あんた、この辺のモンじゃねぇ。どっか…遠い国の人間だろ?」
店主はカールトンの顔…正確に言うとその肌の色を見た。
「確かにこの辺にゃ色んな国の人間が来る。でもな、アンタ程違うと……わかるだろう?連中に捕まっちまったら殺されるよりひどい目にあうかもしれねぇ。裏口もあるが、きっと外に出た所で連中に見つかっちまう。おとなしく籠もっていりゃ、そのうち諦めてどっか行くだろうさ……っ」
「さ、おにいさん、こっちおいで!」
店主の妻がカールトンの腕を引っ張っると、先程まで彼らが眠っていた寝室へと案内される。部屋に一歩踏み入れた所で視線があるものに止まった。白い天蓋付きの…ベビーベッドだ。
「あ・ああ……、ホラ、私もうすぐだから」
妻はそう言って笑うと大きく膨らんだ腹を撫でる。
天蓋付きのベッドは富裕層の家でこそよく見かけるものであり、こんな貧相な宿屋には似合わない代物だ。恐らくこの夫婦が手作りでこしらえたものだろう。天井から吊られたカーテン、それを縫った手がカールトンの腕を今もしっかりと掴んでいる。
「うちの旦那はね、雄羊でも軽々持ち上げられる位力持ちなの!だからきっと私達のことも守ってくれるわ。もちろん、この子のこともね」
「――……」
ベッドの中には木で作られた玩具が置かれている。ロウソクの淡い光に照らされているそれは、どれも形がいびつだ。これも夫婦がまだ見ぬ子供のために作ったものだろう。
カールトンの瞳がじっとベビーベッドを見つめる。淡いローソクの光。小さなベッドに白い天蓋。そして…母親。
それは否が応でもあの光景につながって――……。
「――おいっ」
「!」
気が付かない内に呆けていたのか、寝室に入ってきた主人の声に我に返った。
「ちょっと静かになってきたみたいだ。もしかして、連中がどっかいっちまったかもしれねぇ」
「ええ?でも早すぎない?」
「こんな小さな村じゃ、襲うにも朝までかからなかったのかもな!俺、ちょっと外へ行って、怪我をしている奴がいるかどうか見てくる。おい、あんちゃん、悪ィけど湯を沸かしておいてくれねぇか?水は調理場の樽に入ってるからよ」
「待って…!危ないわ!」
腕をまくり部屋を出ようとする夫を妻が引き止める。
「大丈夫だって。俺がその辺のなまっちょろい連中と違うことくらい知ってるだろ?おい、アンタの連れの様子も見てきてやるよ」
「でも……!」
店主は不安げな妻を一度ぐっと抱きしめた。「それじゃ行ってくる」、そう言って店主は入り口の家具を下ろし、狩猟用の鉈と掃除用の箒を両手に持つと家を出ていった。
「あなた……」
閉められた扉を女が心配そうな瞳で見つめている。他人の言うことに従う気など露程もなかったが、こんな腹をした女に水汲みをさせる気もなんとなく起きず……。カールトンはひとまず荷物をロビーの床に下ろし、鍋に水を汲むと竈の火にかけた。
「怪我をしている人が来るなら…包帯とかタオルとかあった方が良いわよね。あなたも手伝ってくれない?」
このまま沈んでいても仕方ない、そうとでも言うように重い足を動かして女は支度を始める。しかし、棚から布を引っ張り出す手は小刻みに震えていた。決して低くない確率で起きるであろう「もしも」の事態……。女は明らかに落ち着きを無くしていた。
「嫌だわ、これから母親になるっていうのに。こんなんじゃこの子にも怒られてしまうわね」
そう言って笑う。見るからに無理をしている笑顔だ。
寝室へ戻ると、ロウソクを床板に置いて光が外へと逃げないようにした。布を裂き、止血帯を作る。その束がある程度まとまった数になった時だった。
激しい音と振動で扉が揺れた。店主が出ていった正面からだ。用心深く窓の隙間から外の様子を見るが死角になっていてよくわからない。それでも女はベッドに腕を付きながら重い腹を抱えて立ち上がる。
「きっと…あの人が怪我人を連れてきたんだわ……。私、開けてくる!」
「待て、俺が――…」
「顔の知らない男が中にいたら、皆が盗賊だと間違えちゃうかもしれないから…扉は私が開けるわ。あなたは傷ついた人を支えて欲しいの。一緒に来てくれると嬉しいわ」
「――……」
女に促され、カールトンは仕方なく閂が入ったままの扉の前に立つ。確かにこの木の扉の向こう側に人の気配を感じるが……突然カールトンが閂を外す妻の手を抑えた。そして「静かにしろ」という様に人差し指を口に当てた。
「……っ?」
女は驚いた様子だったが素直に従う。
カールトンは耳をすませ、全ての感覚を扉の向こう側にいる何かに向ける。
外で火が燃える音が強い風のようにゴォッと聞こえた。その中で小さく交じるのは…触れ合うような金属音。カールトンの脳内が瞬時に状況を整理する。
出ていった店主が持っていた武器の中で金属音が鳴りそうなのものは鉈だけ。甲冑を着ているわけでもないのに、何故そんな音がする?負傷した村人が何か持っているのか?もし主人なら「俺だ、あけろ」位の言葉を言っても良いだろうに。
カールトンは女を寝室へ戻らせ、絶対に出てくるなと念を押した。「あなたが勘違いで襲われるかもしれない」、そう女は声を殺しながら言ったが、村民程度が何人来た所でどうにかなる自分ではない。彼女の忠告は心配の延長でしかなかったので、問題ないと一言返しただけで寝室を閉めた。
一人、扉の前で軽く指を動かす。目の前にいる人間を無作為に殺していくのは簡単だが……。まさか自分が妹と同じ状況に陥るとは思はなかった。
求められるのは殺さず、且つ迅速に、相手を戦闘不能状態にすること。
(……面倒だが仕方ないか)
ドンドンドン、と、もう一度扉は叩かれた。そして「おい!誰かいるのか!?」という男の声。店主のものとは明らかに違う。
ふっと呼吸を整え、カールトンは外にいる誰かの要望通りに扉を開いた。
過去に何度か剣を交え、その姿を見て知ったのは、彼女は実戦に慣れているということだ。自分より体格の良い者ばかりを相手にしてきたのだろう、正面から挑むというよりは相手の隙を突き死角から狙う奇襲的な作戦をとることが多い。自分より格上の相手をより高い確率で制圧するのに有効な方法と言える。ただ、この方法は一度でも気付かれてしまえば対多数との戦闘へと即座に移行。一気に形勢不利になる。実際、野盗の野営地で捕えられ戦った時は逃げることで精一杯だった。
今回の相手も不特定多数.。そして攻撃対象ではない村人も紛れている。簡単では済まないだろう。
――しかし。訓練の一つだと思えばそれはそれで構わない。城の生活で緩んだ頭を引き締めるためにも、一度でも多く剣を振ってくると良い。
「――……」
カールトンは窓枠に足をかけ、慣れた様子で屋根の上へと登った。雪の匂いを含んだ風が炎を空へと舞い上がらせ、それはカールトンの黒髪も宙で遊ばせる。
地上に目を向ければポルトが外周を囲む柵に沿うように走って行くのが見えた。恐らく大回りして火が大きい反対側へと向かうのだろう。同時に、逃げ惑う人々がネズミの様に通路を走っている。
(逃げるなら真東に進んだ方が良さそうだな。まだ静かだ)
もし野盗がこの宿まで来たとしても自分一人で対処はできる。しかし火を放たれ荷物を焼かれるのは面倒だ……。カールトンは部屋へ戻ると腰の革巾着から木炭を出す。白い壁に『東。柵の外で待つ』と走り書きをして、荷物をまとめ直す。野盗連中の狙いはこの村だ。柵の外に出てしまえばしばらくは巻き込まれることはないだろう。
階段を足早に降りる。しかし、そこである光景が目に入った。主人が入り口をテーブルで塞いでいたのだ。カールトンの眉間に一瞬不快な皺が寄る。これでは扉を使えないではないか。
「あ…!あんた!大変だよ!お連れさんが…!止めるのも聞かないで裏から出て行っちまった!」
「……放っといて良い。俺もここを出る。そこをどけ」
「馬鹿か!今外へ出てっちゃなんねぇ!野盗が村を襲いに来てんだ…!妻と一緒に奥の部屋に隠れてろ!」
「……」
「あんた、この辺のモンじゃねぇ。どっか…遠い国の人間だろ?」
店主はカールトンの顔…正確に言うとその肌の色を見た。
「確かにこの辺にゃ色んな国の人間が来る。でもな、アンタ程違うと……わかるだろう?連中に捕まっちまったら殺されるよりひどい目にあうかもしれねぇ。裏口もあるが、きっと外に出た所で連中に見つかっちまう。おとなしく籠もっていりゃ、そのうち諦めてどっか行くだろうさ……っ」
「さ、おにいさん、こっちおいで!」
店主の妻がカールトンの腕を引っ張っると、先程まで彼らが眠っていた寝室へと案内される。部屋に一歩踏み入れた所で視線があるものに止まった。白い天蓋付きの…ベビーベッドだ。
「あ・ああ……、ホラ、私もうすぐだから」
妻はそう言って笑うと大きく膨らんだ腹を撫でる。
天蓋付きのベッドは富裕層の家でこそよく見かけるものであり、こんな貧相な宿屋には似合わない代物だ。恐らくこの夫婦が手作りでこしらえたものだろう。天井から吊られたカーテン、それを縫った手がカールトンの腕を今もしっかりと掴んでいる。
「うちの旦那はね、雄羊でも軽々持ち上げられる位力持ちなの!だからきっと私達のことも守ってくれるわ。もちろん、この子のこともね」
「――……」
ベッドの中には木で作られた玩具が置かれている。ロウソクの淡い光に照らされているそれは、どれも形がいびつだ。これも夫婦がまだ見ぬ子供のために作ったものだろう。
カールトンの瞳がじっとベビーベッドを見つめる。淡いローソクの光。小さなベッドに白い天蓋。そして…母親。
それは否が応でもあの光景につながって――……。
「――おいっ」
「!」
気が付かない内に呆けていたのか、寝室に入ってきた主人の声に我に返った。
「ちょっと静かになってきたみたいだ。もしかして、連中がどっかいっちまったかもしれねぇ」
「ええ?でも早すぎない?」
「こんな小さな村じゃ、襲うにも朝までかからなかったのかもな!俺、ちょっと外へ行って、怪我をしている奴がいるかどうか見てくる。おい、あんちゃん、悪ィけど湯を沸かしておいてくれねぇか?水は調理場の樽に入ってるからよ」
「待って…!危ないわ!」
腕をまくり部屋を出ようとする夫を妻が引き止める。
「大丈夫だって。俺がその辺のなまっちょろい連中と違うことくらい知ってるだろ?おい、アンタの連れの様子も見てきてやるよ」
「でも……!」
店主は不安げな妻を一度ぐっと抱きしめた。「それじゃ行ってくる」、そう言って店主は入り口の家具を下ろし、狩猟用の鉈と掃除用の箒を両手に持つと家を出ていった。
「あなた……」
閉められた扉を女が心配そうな瞳で見つめている。他人の言うことに従う気など露程もなかったが、こんな腹をした女に水汲みをさせる気もなんとなく起きず……。カールトンはひとまず荷物をロビーの床に下ろし、鍋に水を汲むと竈の火にかけた。
「怪我をしている人が来るなら…包帯とかタオルとかあった方が良いわよね。あなたも手伝ってくれない?」
このまま沈んでいても仕方ない、そうとでも言うように重い足を動かして女は支度を始める。しかし、棚から布を引っ張り出す手は小刻みに震えていた。決して低くない確率で起きるであろう「もしも」の事態……。女は明らかに落ち着きを無くしていた。
「嫌だわ、これから母親になるっていうのに。こんなんじゃこの子にも怒られてしまうわね」
そう言って笑う。見るからに無理をしている笑顔だ。
寝室へ戻ると、ロウソクを床板に置いて光が外へと逃げないようにした。布を裂き、止血帯を作る。その束がある程度まとまった数になった時だった。
激しい音と振動で扉が揺れた。店主が出ていった正面からだ。用心深く窓の隙間から外の様子を見るが死角になっていてよくわからない。それでも女はベッドに腕を付きながら重い腹を抱えて立ち上がる。
「きっと…あの人が怪我人を連れてきたんだわ……。私、開けてくる!」
「待て、俺が――…」
「顔の知らない男が中にいたら、皆が盗賊だと間違えちゃうかもしれないから…扉は私が開けるわ。あなたは傷ついた人を支えて欲しいの。一緒に来てくれると嬉しいわ」
「――……」
女に促され、カールトンは仕方なく閂が入ったままの扉の前に立つ。確かにこの木の扉の向こう側に人の気配を感じるが……突然カールトンが閂を外す妻の手を抑えた。そして「静かにしろ」という様に人差し指を口に当てた。
「……っ?」
女は驚いた様子だったが素直に従う。
カールトンは耳をすませ、全ての感覚を扉の向こう側にいる何かに向ける。
外で火が燃える音が強い風のようにゴォッと聞こえた。その中で小さく交じるのは…触れ合うような金属音。カールトンの脳内が瞬時に状況を整理する。
出ていった店主が持っていた武器の中で金属音が鳴りそうなのものは鉈だけ。甲冑を着ているわけでもないのに、何故そんな音がする?負傷した村人が何か持っているのか?もし主人なら「俺だ、あけろ」位の言葉を言っても良いだろうに。
カールトンは女を寝室へ戻らせ、絶対に出てくるなと念を押した。「あなたが勘違いで襲われるかもしれない」、そう女は声を殺しながら言ったが、村民程度が何人来た所でどうにかなる自分ではない。彼女の忠告は心配の延長でしかなかったので、問題ないと一言返しただけで寝室を閉めた。
一人、扉の前で軽く指を動かす。目の前にいる人間を無作為に殺していくのは簡単だが……。まさか自分が妹と同じ状況に陥るとは思はなかった。
求められるのは殺さず、且つ迅速に、相手を戦闘不能状態にすること。
(……面倒だが仕方ないか)
ドンドンドン、と、もう一度扉は叩かれた。そして「おい!誰かいるのか!?」という男の声。店主のものとは明らかに違う。
ふっと呼吸を整え、カールトンは外にいる誰かの要望通りに扉を開いた。
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