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私の予想は的中していた。
城には、
傷を負った隊員達と
慌てる国王とその側近達。
あの後
すぐに
パレードに参加をしていた下級隊員から
伝達魔術で伝令映像が届いた。
カ イ ト と エ マ
が さ ら わ れ た
序盤、
順調に進んでいた
馬車は急に動きを止める。
カイトとエマの乗った馬車の1つ前
の馬車の様子がおかしいと気づいた隊員が
見に行くと、
中にいた
勇者従者の1人
弓使いのジルが居ない。
変わりに居たのは、
魔王側近のメデューサだった。
メデューサはすぐに馬車から外へ出ると、観衆は叫び声を上げた。
「…魔眼。岩におなりよ」
彼の閉じた眼が開くと、
隊員諸共その一帯にいた人達は固まり、
岩となった。
…バンッッ!!!
後方の
違う馬車が破壊される
中から出てきたのは大聖女クリスタル。
クリスタルの様子もおかしい。
その姿のままで
「…皆、眠れ」
そう呟くと、バタバタと民衆は倒れていく
グーグー…
と寝息を立てて気持ちよさそうに、
一斉にその場で寝始めた。
ジャスティンは
魔族が先手を打ってきたと
先頭から中央部分の、
馬車に居るカイトを守る為
駆けつけたが
すでに遅し、
中に居たのは泣きじゃくる
ライナー王子だけだった
映像を見終えて、
ジャスティンは
「俺がついていながらすまない…」
と悔しそうに言った。
「ウワーン…お母様ぁぁ…カイトォ…」
と一部始終を目撃した
ライナー王子様は嗚咽交じりで
大声で泣いている。
「…ライナー王子、ごめんね。きっとエマは私と間違われて連れて行かれたんだ…」
ライナー王子を抱き締める。
カイトの温もりとはまた違う
子供の暖かさ。
この子から母親を取ってしまった
罪悪感から
今すぐに私も心配で泣きだしてしまいたいが、
涙が出なかった。
それに、
あの人がカイトを殺めるだろうか。
魔王なんてヤッテイルのは驚いたが、
あの時は私に優しかった記憶がある。
それに、
怖い見た目で子供が好きだったのだ。
ふと、昔の記憶が蘇る。
お金の無い私達はよく
公園でただお喋りだけのデートをした。
周りには沢山の子供達とその親。
母親達はあの人の容姿を見て
浮かれだっている
「少し体を動かすか」
なんて言って
その辺に居た子供達と
かけっこやボール遊びをするのだ。
綺麗な見た目で
泥がつこうがお構いなしで遊ぶ姿に
将来、
子供が出来た一緒にこうして遊んでくれるのかな?
と思っていた。
まあ、逃げられましたけど。
だが、
2人が無事で居る確証は無い
あの姿は仮のもので、
岩になった隊員や王族を見ると
不安がどっとこみ上げる。
「すぐに行こう!魔王の居る城へ」
と私は拳を握り締めながら
ジャスティンに、言った
強く握りしめすぎた手のひらは、
爪が食い込んで血が出ている。
「…よし!騎士団員武器を取れ!直ちに魔王城へ向かう」
ジャスティンの声を聞いた隊員達は
うおおおおお!!!
と気合いを入れの、雄叫びをあげる
城中に響いて、すこし地鳴りがするほどだった。
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私の予想は的中していた。
城には、
傷を負った隊員達と
慌てる国王とその側近達。
あの後
すぐに
パレードに参加をしていた下級隊員から
伝達魔術で伝令映像が届いた。
カ イ ト と エ マ
が さ ら わ れ た
序盤、
順調に進んでいた
馬車は急に動きを止める。
カイトとエマの乗った馬車の1つ前
の馬車の様子がおかしいと気づいた隊員が
見に行くと、
中にいた
勇者従者の1人
弓使いのジルが居ない。
変わりに居たのは、
魔王側近のメデューサだった。
メデューサはすぐに馬車から外へ出ると、観衆は叫び声を上げた。
「…魔眼。岩におなりよ」
彼の閉じた眼が開くと、
隊員諸共その一帯にいた人達は固まり、
岩となった。
…バンッッ!!!
後方の
違う馬車が破壊される
中から出てきたのは大聖女クリスタル。
クリスタルの様子もおかしい。
その姿のままで
「…皆、眠れ」
そう呟くと、バタバタと民衆は倒れていく
グーグー…
と寝息を立てて気持ちよさそうに、
一斉にその場で寝始めた。
ジャスティンは
魔族が先手を打ってきたと
先頭から中央部分の、
馬車に居るカイトを守る為
駆けつけたが
すでに遅し、
中に居たのは泣きじゃくる
ライナー王子だけだった
映像を見終えて、
ジャスティンは
「俺がついていながらすまない…」
と悔しそうに言った。
「ウワーン…お母様ぁぁ…カイトォ…」
と一部始終を目撃した
ライナー王子様は嗚咽交じりで
大声で泣いている。
「…ライナー王子、ごめんね。きっとエマは私と間違われて連れて行かれたんだ…」
ライナー王子を抱き締める。
カイトの温もりとはまた違う
子供の暖かさ。
この子から母親を取ってしまった
罪悪感から
今すぐに私も心配で泣きだしてしまいたいが、
涙が出なかった。
それに、
あの人がカイトを殺めるだろうか。
魔王なんてヤッテイルのは驚いたが、
あの時は私に優しかった記憶がある。
それに、
怖い見た目で子供が好きだったのだ。
ふと、昔の記憶が蘇る。
お金の無い私達はよく
公園でただお喋りだけのデートをした。
周りには沢山の子供達とその親。
母親達はあの人の容姿を見て
浮かれだっている
「少し体を動かすか」
なんて言って
その辺に居た子供達と
かけっこやボール遊びをするのだ。
綺麗な見た目で
泥がつこうがお構いなしで遊ぶ姿に
将来、
子供が出来た一緒にこうして遊んでくれるのかな?
と思っていた。
まあ、逃げられましたけど。
だが、
2人が無事で居る確証は無い
あの姿は仮のもので、
岩になった隊員や王族を見ると
不安がどっとこみ上げる。
「すぐに行こう!魔王の居る城へ」
と私は拳を握り締めながら
ジャスティンに、言った
強く握りしめすぎた手のひらは、
爪が食い込んで血が出ている。
「…よし!騎士団員武器を取れ!直ちに魔王城へ向かう」
ジャスティンの声を聞いた隊員達は
うおおおおお!!!
と気合いを入れの、雄叫びをあげる
城中に響いて、すこし地鳴りがするほどだった。
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