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朝日がカーテンの隙間から入る眩しさで 
目が覚めた

たくさんイキすぎた私は全身が筋肉痛 


特に腰が痛い

寝ていたベッドは所々湿っていて
昨晩の情事を思い出させる。
 


「ジャン、起きて」

とまだ寝ているジャスティンを起こす。 


「ん…まだイキたらねぇのか?」

と寝ぼけているが目をゆっくりと開ける

どうやらあの術は、 
私の気が済んだのか今は何ともない 

なんであんなに淫乱になったのだろうかと聞いたところ


サキュバスの呪い 

というヤツだったらしく 

解いて貰わないと 
定期的にあんな風になってしまうらしい 



ブルッ


何も着ていない身体は肌寒い。 

フワッ 

と毛布をかけてくれるジャスティン 


そのまま彼の腕の中にすっぽり埋まってしまう。

「…ちょっと、なんかあたってるんですけど?」

カレのモノはまた硬くなっていた。 
それが私の太ももにあたる

「男の生理現象だ。気にするな」 

と言ってキツく私を、抱きしめる。
ふわりと香る彼の香り。
 
見つめれば、見つめ返してくる。

2人はクスッと笑い合う。

「お前、またあんなんなったら困るからこれ、付けとけ」

と言われ 
ベット脇のテーブル上にあった 
ネックレスを渡された。 
 


「お前が寝た後、俺の魔力を込めて精製した。コレで少しは押さえられるだろう。」


そういって首元に付けてくれる。 

キラキラと輝く赤い色をした宝石が 
とても綺麗。
 


「これでダメならこの次は抱く」 



そう。 
結局ジャスティンは私に入れなかった 



自分で果てたのも1回のみ、 
ずっと私に奉仕をしているだけだった
 



彼の指はふやけていて、白くなっている。

それを見ると昨日の自分が恥ずかしい 


今も我慢させてしまっていると思うと 
申し訳なく思い、 

「…今抱いてもいいよ?」
と言った。
 


「ばーか。そんなお情けで抱けるか!!」
と鼻を摘ままれる。

「…ごめん」

お情けというか 
昨晩の彼を見ていると 
本気で抱かれてもいいかもと思った。 

 

時々意地悪を言いながらも、 
触れる手はすごく優しかった。

彼に感じている間
水に浮いている様な気持ちよさがあった。

今もこうしてピタッとくっついている 
肌は 
お互いを求めるかの様に吸い付く。


まだ日は昇ったばかり 
起床時間には早く 


2人は抱き合いながら 
互いの体温が心地よく、 


また眠りに着くのだ 


ーーーーーー 
ーーーー 
ーー… 



「おっはよう!!!お二人共!!昨晩はいいがだったかね!?甘いひと時だったのだろう?」 

まだ寝ている2人がいる部屋に  

大変元気のよろしすぎるスワロフが 

ノックをせずに入ってきた。

「きゃあ!!」
と驚く私だが 

ジャスティンは

「うるせー」
と慣れている様子。

どうやら喘ぎ声が聞こえなくなって 
しばらく立ったのに  

いくら待っても出てこない2人に、 
心配で隊員達が声をかけたそうだ。


城でカイトが今にも泣きだしそうと 
言うので 
急いでシャワーで汗を流す 
 


シャワーを浴びている時 
外の2人の会話が聞こえた。 



「しかし、私の結界を破って魔族が入ってくるとはな」

「あぁ、今魔王の力がすぐそこまでせまってるって事だろう」

「急がねばな…他の従者にも戻る様、連絡をした所だ」

最初会ったときに 
騎士団では数ヶ月持つか分からない 
と言われていたのを思い出す

それを幼いカイトのペースに合わせて 
ゆっくり訓練をしていたのだ。 




それにまだ勇者やります! 
って宣言をした訳ではない。 



正直言うとここまで来て 
迷っているのは確かなのだ。 



「で、どうだった?」

「なにが?」

「昨晩の事だよ」

「…言わねー」

「教えていくれたまえよ!友人じゃないか!どうだったのだ?女を、初めて抱いた感想だよ」


初めて!?
だいぶ慣れた様な手つきだったけど 
初めてだったの!?
 


まあ、でも最後までしてないけど

ロジャーからモテると聞いていたので 
遊びまくってると思ってたけど…。 



私が初めて?


そう聞くとなんだが特別な気がして 
気持ちが高ぶるのが分かった。 



でも、 
サキュバスの呪いのせいで 
仕方なくって感じだし 
この間の瘴気抜きと同じで 
治療って訳だし、 
深くは考え無いようにしよう。

決して、 
あの優しく触れる手は 
私を、愛してなどくれない。
 



私はもう二度と恋なんてしない。
 


昨晩触れた唇を、 
思い出すと術にかかったかの様に  


また少しだけ  


体が熱くなった気がした。
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