山姥DRIVE

ぱんち

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第6話 山ドラへ

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山姥DRIVE東京本部 通称、山ドラ 

数年前までは、山姥及び山爺による日本侵略対策東京本部と呼ばれていた公安裏組織であったが、あまりに名称が長くダサい為、名称変更が施された。
山姥をドライブアウェイする、つまりは山姥を払い除けるという意味から現在の呼び名に変更されたのだった。
 
炎たちは今、その山ドラへ向かっている途中である。
 
運転手を勤めているのは、山ドラ東京本部チームアイラ専属ドライバーの足立カケルさん。
メカニックもこなす腕利きドライバーでチームアイラの足として欠かせない存在らしい。
ドライバーになる為に生まれてきたような名前である。

「あっ、低山炎と言います、よろしくお願いします。」

「おう!俺は足立カケルだ、このチームの専属ドライバーだ。ドライバーに相応しい名前ですねとか言うなよっ。」

(ネタにしてんのかな、それともコンプレックスでもあるのかな。まっいいか。)

山ドラへ向かう道中の車内で挨拶を交わした。
車内での人の配置は、助手席に大和、運転席の後ろには姶良、真ん中に炎、助手席後ろには将軍だった。
そして、間もなくして姶良が話を始める。
 
「炎くん、山姥と山爺について話しときたいから聞いてくれるかい。」

「はい。」

姶良が車の外を眺めながら話を続ける。

「OK、じゃあ話すよ。」

「お願いします。」

「おとぎ話に出てくる姥捨山って知ってるかい?」

「あの年老いた人を口減らしの為に山に捨てるという話ですか。」

「そう。あれはお上によるお触れによって始まった事なんだよね。」

「そうなんですね。」

「ああ、山に捨てられた老人はお上を怨み、憎しみながら餓死していった。それに、捨てなければならなかった家族は、ずっとその苦しみや悲しみを背負って生きていかなければならなかった・・・とても悲しい事だね・・・。」

「・・・・・。」

「でもこの話はここで終わらないんだ。実は、姥を捨てきれなかった一家は、家族ともども罰せられたり、その場で切り捨てられていた、という史実が残っていたんだ。」

「ひでぇ話だよな。」将軍が発する。

「姥捨が始まってしばらくした頃、山内で死体となった人々や処刑された家族の者たちの回収が始まり、一つの場所に集められるようになっていった。
さらに姥捨が続くに連れ、死体が増えていき、一つの死山を形成するようになった。その場所では腐敗臭がひどく、誰も近づく者はいなかった。
唯一いるとすれば、お上の命を受けた役人数人くらいだった。そして姥捨から数月が経つと、いつの間にか大きな死山に変わっていた。」

「想像したら気持ち悪いっすね。」

俺は車に揺られているのもあり、少し気持ち悪くなった。

姶良はコクっと頷き、話を続ける。

「そして1人の役人が、死山の頂きに闇というか歪みみたいな物がある事に気付いたんだ・・・なんだ、気味が悪いけど、気にする事はないか・・・とその役人は報告もせず放っておいた。しかし、姥捨が進んで、死体の数が増えるに連れて歪みも拡大していった。いつしか歪みは死山を覆えるほど大くなってしまっていた。
流石にこれは報告しなければと思った役人が、お上様への下へ報告へ訪れる。その報告を聞いたお上一行がその場に訪れる。
全員が到着し、唖然としてしまっている時、ゴゴゴゴゴゴゴゴという音と共に周辺が揺れ始める。
地震かと思った一行は構えるが、しばらくしすると音と揺れは止まった。
何だったんだ?そう思っていると、再びゴゴゴゴゴゴゴゴという音と共に周辺が揺れ始める。
何だか頭上の方から音が聞こえると思い、お上一行は上空を見る。すると、歪みが死山に向かって少しずつ動き出していた。お上一行は何をする事もできず、ただ、歪みが死山を飲み込でいくのを見守る事しかできなかった。歪みが死山を飲み干した後、収束し消滅した。
何だったんだろうと思い、皆で顔を見合わせた。忽然と大量の死体が消えてくれた事で処分する手間が省けた事に安心していると、上空から何か気配を感じた為、パッと上空を見ると、1人の美しい見た目の淑女が宙に浮いていた。
スゥッと降りてきた淑女からは途轍もなく禍々しい何かを感じたお上と一部の部下。
しかし殆どの部下達が美しさに心奪われていた。お上がその淑女からふと目を逸らした瞬間、後部から、ぎゃあああああ!という叫び声が聞こえてくる。
ハッと気付き後ろを見ると、血飛沫が次々と上がっており、一行はパニック状態になっていた。」

俺たちは息を飲む展開に真剣に耳を傾けた。
姶良は、大和からペットボトルを差し出され、一口飲んで喉を潤してから話を続ける。

「そのパニックになった一行は、突如となく現れた淑女に次々と殺されていった。その姿を見たお上が、姥捨の呪いだと理解し、自分が狙われていると悟ったお上が、気が狂ってしまいその場から逃げてしまった。
いつしか単身で山の奥の方まで逃げていた。すると、とある所に小さなボロ屋が見えてきた。
ずっと霧掛かっていた周囲が晴れてきていた。身も心疲れたお上がようやくボロ屋の前にやって来た時に、ふと背後が気になったので振り返って見た。その瞬間、びっくりして腰を抜かしそうになる。
なんと、お上を囲うようにして見た事もないような生物が立っていた。中には人間らしき人物がいたので、その者に向かって、お主らは何者じゃ、と問うが、何も言う事なくニヤニヤしている。
怖くなったお上は、慌ててボロ屋の中に入り、引戸の鍵を閉める。動転する頭を整理しようと引戸の前で固まっていると、背後から声が聞こえてきた。
ビクッとしたお上は、おどろおどろ後ろを振り向くと、あの淑女がそこに立っていた。
何かを言っているが聞こえないので、ゆっくりと近づいていくお上。やと声が聞こえるくらいの距離まで来て、耳を潜めると静かに聞こえる。お前だけは骨の許さぬ。骨の髄までゆっくりと痛ぶり尽くしてやる・・・。
その言葉に目を大きくし、その場から逃げようと引戸まで逃げるも開かなかった。ゆっくりと詰め寄って来る淑女。
いよいよ、腰を抜かし動けなくなったお上は、片目ずつ順番にイグられ、爪の皮を剥がされ、ゆっくりゆっくりと長い時間を掛けて殺されたそうな。」

「・・・・・。」

身も心も縮み上がるような恐怖話に俺の体温もすっかり下がってしまっていた。

「その淑女が後に山姥として人間に恐怖を与え続けるんだけど・・・その後も人を喰らい続けていた山姥は、人の恨みや憎しみを食い物にして日増しに強くなっていったんだ。
人を食らうその姿はまさに鬼のようで、別名鬼姥とも呼ばれていたらしい。
山姥は体内に憎悪や怨念を蓄積する事が出来るらしいんだが、これが定量値を超えると排泄物を出す、既に察したと思うがその排泄物が山爺だ・・・。
僕らにとってここが一番重要な部分になるかな。そして山姥は山爺を増やしていって山々を支配していった。
そうやって恐怖と怨恨に支配された姥捨山が誕生したんだ。哀れなことにそのきっかけを作り出したのは人間そのものだった、とは情けない話だよね・・・。」

「そうですね。」

俺は相槌を打った。

そのまま姶良が少しうつむいて話を続ける。

「いつしか、人の脅威となった山姥に対抗する手段がなくなってしまい人々は絶望していた。そんな時に1人の救世主が現れたんだけど、それが精霊術師の始まりと言い伝えられている術祖様だったんだ。
その術祖様が山姥切(後に伝えられる刀)を持って単身で姥捨に乗り込んだんだ。精霊術会最強と謳われた術祖様 対 山姥・山爺との戦いが姥捨で行われた。結果、山姥を追い込むところまでようやく来た。
しかし、術祖様も体力の限界を迎えようとしており、このままでは山姥抹殺は困難と判断した術祖様は、悩んだ末、最後の手段として、己自身を人柱として最後の力を振り絞る事で山姥切の力を最大限使い、姥捨ごと山姥を封印する事に成功したんだ。
この戦いは後に姥捨の聖戦として語り継がれる事になったんだ。」

「すごい歴史ですね・・・でも、術祖様の死で精霊族は最初で最後になったんじゃないんですか?」

「そこなんだけど、実は、術祖様には実子がいたんだ。そこから血が継承され、精霊族が繁栄して来れたんだ。」

少し興奮気味な姶良。

(姶良さん、自分が精霊族である事に誇りを持ってるんだな。)

「と言う事は、その後の精霊族繁栄と共に、山姥切による封印と姥捨の聖戦による歴史が引き継がれて来たという事で間違いなさそうですね。」

「うん、そうだね!君、察しがいいね~。」

とても嬉しそうに俺の顔を見て話す姶良。

「アイちゃん、俺は俺は?」と負けじと張り合ってくる将軍。意外と負けず嫌いの性格のようだ。

「将軍も頑張ってるよ~、えらいえらい。」と姶良に軽くあしらわれていた。

そこで俺はふと核心に迫る質問を投げる。

「・・・山爺は元は人間という事ですよね?」

少し無言の間が空いた後、「そういう事になるね。」と答える姶良。

(くそ!そしたら俺はどこに怒りをぶつけりゃいいんだ。)

俺の心の中になんとも言えない感情が湧いてくる。
そんな炎の姿を見て、姶良が優しくて力強い声を掛ける。

「炎くん、何が悪いのか、どうすれば良いのかわからなくなったんじゃないか?・・・でもさ、俺たちは何も気に止める必要は無いし、闘う事に躊躇してはいけない。躊躇は破滅を招く事になるよ。
それに元はと言えば、僕たち人間がしでかした事なんだ・・・人間の手できっちり終わらせる。ただそれだけで十分なはずだよ。君も理解してるだろ?」

姶良さんの掛けてくれた言葉で、俺の気持ちは楽になった。

「・・・はい、そうですね。苦しむのは俺たちまでで十分ですもんね。」

「分かればよろしい。」

そう言って姶良は炎にニッコリした。
大和と将軍もこちらを向いて笑顔をくれた。
ドライバーのカケルさんもインナーミラー越しにこちらを見て、うんうんと頷いてくれていた。
でもあなたは前を向いて運転してくれないかな、危ないから。と内心ツッコんでいた。

「じゃあ続きをもう少し話すよ。」

「はい。」

「術祖様のおかげで姥捨の封印に成功したんだが、そこから数百年の時を経て、危機が訪れようとしているんだ。
ここ十数年の間で、今まで殆ど目撃される事がなかった山爺の目撃情報が増えてきているんだ。この数字は警察庁の行方不明者数の増加に比例しているからまず間違いない。」

「最近では、姥捨と現世との間に亀裂が生じているのではないかと考えられている。しかも角丸のような四天角まで出て来れると言う事は、一部風穴になっているのかもしれない。完全に風穴になるのは時間の問題かもしれない。
それがどういう意味かというと・・・実は、山ドラでは、数日前、山爺が近々人間殲滅にうごきだすのではないかという情報をキャッチしていたんだ。」

俺は軽く相槌を打つ。

「その矢先、氷川の精霊族が狙われたんだ__。もっと早く場所の特定できていたら、もっと沢山の人が救えたはずなのに・・・我々の非力さが情けないよ。」

少し車内に沈黙が流れた後、キーという車のブレーキ音が聞こえてくる。

「到着しました。」

速水さんが全員に声を掛けると、俺たちはバタンとドアを閉め、車を降りた。
顔をあげると目の前にある建物は、都内にある国立サイエンス博物館だった。
クジラのオブジェのインパクトが印象的な博物館だ。
俺は3人が歩いて行く方向について行くと、博物館入口前で一旦立ち止まった。
そして姶良が話し出す。

「ようこそ、僕らのアジト、山ドラ本部へ!」

どこぞのアニメばりの紹介をかましてくる姶良に少し鳥肌が立つ。
ここが山ドラのアジトかーと思ったが、夜の為少し暗くてわかりにくかったので感動が半減した。

「よし!ここからは山ドラ先輩の俺たちが説明するよ。」と大和と将軍がグイッと来る。

「おっ、お願いします。」

俺は改めて2人に挨拶をする。

「任せろ!先輩だからな!」

やたら先輩風を吹かせる将軍の言ってる事は軽くスルーした。

「目の前にある入口は、術士の門言うてな、覚醒した術士で山ドラと契約したも者しか入れんようになってるんや。」

「へ~、じゃあ俺はどうやって入るの?」
質問を投げかける。

「未契約者が中に入るには、契約者の同行の元、必ず加入するという不確定な仮契約がされているという事が条件なんや。」

その言葉を聞いて少し考えた後、俺は尋ねる。

「要するに、今みんなの前で、必ず加入しますと公言すれば良いって事?」

「そう言うこっちゃ。炎は理解力が高いなぁ、誰かと比べたらダンチやで、ほんまに。」

将軍の方を見ながらそう答える大和。

「お前ぶっ飛ばすぞ!コラー」と怒る将軍に対して、「うるさい!」と姶良がチョップする。

「はっ、す、すいまてん。」

「噛んでるやないかw」とツッコミを入れる大和。
ムキー!と怒って突っかかろうとする将軍に対して、
「だから、うるさいっていってるだろ!何時だと思ってんだ。」と飛び蹴りを食らわす姶良。

「す、すいません。」

・・・・・。

そんな将軍を横目に話を進めていく大和。

「そしたらまず宣言する前に、確認しときたい事が一つだけあるんやが。ええか?」

「う、うん。」
 
(改まってなんだろう?)少しドキドキしてきた。
 
「まず初めに山ドラに加入するかの選択は自由だという事。一度加入すれば、脱退する事は許されない。山姥と山爺を全滅するまでは何があっても絶対だ!それでも脱退しようとした時は排除の対象となる。まあ、昔の抜忍みたいなもんやな。それを聞いてもウチに加入する覚悟はあるか?」
 
(婆ちゃんがあいつらに殺られてるんだ、元より答えなんて決まってる。)
 
「ああ、俺は山ドラに加入する。」

その言葉を聞いた後、姶良が炎の方に歩み寄って来る。

「炎くん。断られたらどうしようかと思ったよ。良かった!」

俺はその含みのある言い方に「え?」と驚いていると、姶良が続けて話す。

「実はさ、この山ドラの施設を知った以上、炎くんには加入するしか選択肢って無かったんだよね。もし断ってたら処分しなくちゃいけなかったからさ~、本当に安心した、良かった~。」
 
(は?何言ってんの?)そう思って俺は少し時が止まっていた。

「え~と、それは、どういう・・・。」と俺はたじろぎながら尋ねようとしたが、将軍が割り込んで来る。

「良かったな、炎!俺は信じてたけどな!」と言って、ニカっとしながら肩を組んできた。

「ああ、ほっとしたよ。でもさ、本当に処分するつもりだったの?姶良さん」

「・・・まあ、良いじゃねぇか、そんなの。中に入るぞ!」

話を流してさっさと行ってしまう将軍。
 
(まあ、元々断る気がなかったからいいんだけど・・・本当に殺す気だったの?大丈夫?山ドラって。なんか先行き不安だなぁ。)
そう思いながら皆の後を付いて行く。
 
姶良さんが先導して説明してくれる。

「君はあっちの柱に。」

「あ、はい」

2本の柱が立っている内の1本に姶良、もう1本に炎が移動する。

「柱に手を触れて、精霊エネルギーを流し込んでみて。すると柱の色は変化して行くだろう。」

柱に手を当てて精霊エネルギーを流し込むと、柱が輝きながら白から青に変わった。

「・・・はい、青に変わりました。」

するとクジラのオブジェの目が光り出した後、鳴き声が響く。

「そこの扉を開けて中に入れば、その先が山ドラの本部だよ。さあ、入って。」

皆と顔を見合わせるようにした俺は、ゆっくりと扉を開ける。
扉の中は眩い輝きで覆われており、その先は見る事ができなかった。

「え、何これ?どうなってんの?」と俺が言うと、「いいから入ってみろよ。」将軍が答える。

恐る恐るその輝きの先に進んでみると・・・その先には綺麗なレトロ風のホールが見えてきた。
そして一番目立つ場所に受付がある。
ホールの中心には女性が1人座って仕事している様子だった。

「へ~、ここが山ドラか~。」
俺は目を輝かせて周りに目をやる。

「なんだか駅のホールみたいだな。」
第一印象を言葉に出してみる。
すると、後から入ってきた姶良がそれに答える。

「そうだよね。山ドラのホームって事で、駅のホテルをイメージして作られたからね。どうだい、落ち着く雰囲気だろ?」

「そうですね、リゾートみたいでとても安らぎます。」

「だろ!ここいいよな!」と将軍も中に入って来た。

そして最後に大和が入って来た後、何やらツカツカと受付の女性がこちらに向かって歩いてきた。
セミロングの黒髪、身長は160くらい、黒いスーツ姿の素敵な女性だった。

「お待ちしておりました、低山炎さんですね。私、道安内流(どうあんないる)と申します。よろしくお願いいたします。」

その道安さんが俺の方をパッと見て、「あの、お連れ様のマルコ様はいらっしゃらないのでしょうか?・・・。」
と尋ねて来た。 

その直後、くるりんぱっとマルコ登場!

「わしゃはここです、このバカたれといつも一緒におりますんで大丈夫ですぞい。」

「はぁ?誰がバカたれだ、このハゲまるが!」

「うぬは口が悪いの、本当にぃ。」

「それはお前も一緒だろぉ!」

なぜかほっぺをつねりながらやり取りをする2人。
少し驚いた様子で、そのやり取りにクスッとする道安。
2人とも照れて、あっすいません、みたいな感じになっている。
 
「なんだこいつ。」ニョキッと将軍が出てくる。

「これが炎の守護精霊か?具現化できたって本当だったんだな。」

「あいつと同じようなやっちゃな」

マルコが将軍と大和に捕まってわちゃわちゃされている。
道安さんが話を切り出す。

「それでは、改めて・・・チームアイラに本部長より言伝を授かっておりますので、お伝えいたします・・・。チームアイラは帰還次第、直ちに低山炎と共に本部室へ集合するように。との事でございます。」
 
「せっかちだな、本部長は・・・ちょっとくらい本部内見学してからでもいいじゃんね。」

炎の方を見ながらブスッとする姶良。
「まっ、仕方ねぇか。とりあへず本部長んとこ行きますかね。」

「あ、はい。」

「じゃあ、ナイルちゃんありがとね!今日も可愛かったよん、じゃね。」

「もう、姶良さんったら、皆の前でやめて下さい!そういうこと言うの。」

少し恥ずかしそうにしている内流。
 
(姶良さんってスゲーな、俺、女子にあんな絡みできないな。羨まっ!)
 
そして俺は、道安の方に軽く会釈して歩を進めた。
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