じゃあパパでいいよ。

吉井春樹

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45おかたづけきらい。

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自宅のリビングで

ムスメがひとりパズルをしていて、

僕とオクサンはそれぞれ

ムスメとは別のことをしてました。


しばらくすると、

ムスメがパズルのピースを

投げ散らかし始めまして。

怒ってるんです。


「どうしたの?」

と聞いても黙って答えず、

パズルを投げるのはやめたけど

不満があるみたいでした。


「うまくいかないからかな」とか


「そうやって遊んでるのかな」とか

勝手に想像しながら少し待っていると

「ひとりでおかたづけするのきらい」

って、教えてくれました。


=====================

コトバの成長は
ココロの成長です。

=====================

教えてくれて、ムスメのキモチがわかって
いっしょにパズルを片付けて
それからいっしょに遊びました。

これってきっと、
コトバを覚える前のムスメなら
わからないままだったかもしれないな、

って思えるできごとで、
ムスメの成長をひしひし感じて、
うれしく感じたのでした。

僕たちオトナはあたりまえのように
コトバをつかってコミュニケーションをとります。

でも、もしかしたら
ジブンの本当のキモチって
コトバで大切に扱えて
いないときもあるように思います。

言わなくてもわかってくれる、
と期待してしまったり。
こういう意味だと誤解したまま
決めつけてしまったり。

子供ってジブンの気持ちをこんなにも
ちゃんと味わってコトバで
表すことができる存在なんだ、
って、感動させられるんです。

ボキャブラリーは乏しいし、
文法やレトリックのようなもの、
あるはずがないのはもちろんなのに。

なんでジブンが苛立ってるか、
なんでジブンが泣いているのか、
なんでジブンが笑っているのか
それをオトナにわかってほしくて、
伝えようと、少ない言葉の中から、
考えて、考えて、伝えてくれてる。

どれくらい理解できてるかは
もちろん正確にわからないけど、
でもそんな風にいっしょうけんめい、
伝えてくれるわが子とそのコトバを
愛しく感じているのでした。

与えてもらったコトバという
幸せに生きるための道具を
もっともっと大切に、
差し出したり、受け取ったり、
してゆきたいなと、思うのです。

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子育て中のママはもちろん、
仕事や恋愛で、いつもいつも、
がんばっている女性へのささやかなエール。
ちょっとほっこり、ちょっと幸せになる
小さな、小さな、きっかけになればいいなと
書き残してきたメッセージです。

【 絵本ひろば 】にて公開中
・「ママに早く会いたくて」(第10回絵本大賞・読者賞受賞」
・「ぼくはお金くん」
●ホームページで「フォト エッセイ」作品公開中
 http://haruki-yoshii.com 
●Twitter/https://twitter.com/harukiyoshii

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