じゃあパパでいいよ。

吉井春樹

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30はーと。

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「はーとがいっぱい」

河川敷をムスメと散歩していて、

ムスメが教えてくれました。


僕はすぐに

「ん?どこ?」

「ハートどこにあるの?」

ときょろきょろしてましたが、

なかなか見つけられません。



するとムスメは

「鳥さんのはーと」

と言い直してくれました。


すると、

数えきれないほどのハトが

防波堤のところに佇んでいる

その光景が目に飛び込んできました。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

言った言わないのまえに
「どう伝わってたんだろう」と
想像してみることからわかりあう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ムスメは僕が「ハート」だと
勘違いしていることを
察してくれたんですね。

「ハ「ト」だけだと
ハートと捉えたり、ハトと捉えたり、
他にもあるかもしれません。

いろいろな選択肢が、聞こえ方によって、
あるいは場所によって
または相手への先入観によって、
そう聞こえ(たような気がす)る
ことってあります。

そのときに、
「相手に対してどのように伝わってるんだろう?」
って、

相手の仕草とかリアクションとか
出てくる言葉とかによって、
伝わり具合を推し量るって、
コミュニケーションをとるうえで
とても大切なことですよね。


そのうえで、
「わかってもらうためには」
ということで
相手によりそって、

言葉の伝え方を選ぶ、
っていうのは
ものすごく基本的で
でもなかなかできてないケースが
多いんじゃないかな、と思う場面でした。

伝わらないときって、
相手が悪い、自分が悪い、
っていう犯人探しはどうでもよくて。

もっと伝わるためには
どうしたらいいんだろう?って
相手をお互いに思い遣る気持ちから
選ぶコトバ、解釈する意味、
というのは、変わってくるんですね。


ボキャブラリーが多い、
とか、
表現力が乏しい、
とか、
そんなものはもしかしたら
さほど重要ではなくて。

言葉の数を減らして、
子どもの語彙くらいの中で、
いかに組み合わせに
工夫をしていくかによって、
もっともっと、
大切な人との想いの循環が
かんたんにできるのかもしれません。

わかってもらえないのは
言葉の数が足らないんじゃなく、
言葉の使い方の選択肢が、
少し足りないだけなのかもしれません。

「は」「と」に
”心の”とつくと
それは「ハート」を
連想させやすくなる。
「は」「と」に
”鳥の”と添えると
それは「鳩」を連想させやすくなる。

伝わるって、相手によりそうこと。
相手によりそって言葉を選ぶこと。

それは自分をなくする、
っていうことにはならず。

自分らしさを
しっかりと保ったまま
相手によりそって
自分を伝えていく。

それができたとき
たまらなく相手に愛された感覚を味わえる。
あるいは相手が自分に対して
わかってもらおうと言葉数を尽くすのでなくて、

こちらによりそって
選びぬかれた言葉を
手向けてくれるとき。

深く考えずともあっさりと
自分がどれだけ大切に想われているかを
実感できる、ように思います。





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子育て中のママはもちろん、
仕事や恋愛で、いつもいつも、
がんばっている女性へのささやかなエール。
ちょっとほっこり、ちょっと幸せになる
小さな、小さな、きっかけになればいいなと
書き残してきたメッセージです。

【 絵本ひろば 】にて公開中
・「ママに早く会いたくて」(第10回絵本大賞・読者賞受賞」
・「ぼくはお金くん」
●ホームページで「フォト エッセイ」作品公開中
 http://haruki-yoshii.com 
●Twitter/https://twitter.com/harukiyoshii

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