指先で描く恋模様

三神 凜緒

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そして、悶絶へ~(体調やや戻って来たのでリハビリがてら途中まで投稿)

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「空がまぶしいな~」
「美桜~何を言っとるの?」
「う~ん、心ここにあらずって感じだよね」
「とりあえず、湯たんぽ作ったからその上に清潔なタオルを敷いて…その上に子猫を乗せて?」

落ち込めば人は活動力がなくなり、有頂天になればどんな無茶な行動でも出来る。
空を仰げばいつでも空には太陽が…今は夜だから月か。
いや、ここは室内だからか蛍光灯の明かりしか見えないんだけど、アタイにはそれが太陽のように眩しく、目を細めて見つめていた。

何かスゴく、スゴく、ドキドキして楽しい事や、すごく大変で危機的な事が一度に起こって、頭の中がグチャグチャになっているんだけど…あ…思い出すと…

「だめだ…何があったのかよく思い出せない…」
「美桜姉ちゃん…上を仰いでいると思っていたら、顔を真っ赤にして頭を抱えて悶絶してる…」
「美桜の事だ…焦ってたから、うまく理性が働かずに大胆な事でもしたんじゃない? それにしてもこの子…結構元気良さげかな? 撫でれば、声を出せるぐらい体力あるよ」

みぃ~みぃ~と部屋に響く声が、何を伝えようとしてるのか分からないが、体が震えているのも、ある意味震える程の体力が残ってる証拠。ここからミルクを与えてエネルギーを与えれば、持ち直せそうだ…とか聞こえたが…そんな事はどうでも良かった。

「――――氷雨先輩は柔らかな笑みを浮かべていた。それにホっとしたのかな~!きっとそうだよね! そっちじゃないとアタイがあんな…あんな…ウウッ…!」
「人肌に温めたミルクをスポイトに吸って…飲んでくれるかな…おお!?」
「綺麗に舐めとってるね…まだ目も開いてないのに~♪」

相変わらず姉妹揃って仲の良い事で…運んでる間下手に振動を与えたら首が折れるかなと、静かに走っていたんだけど…大丈夫だったみたいだ…良かった。
何てチラチラと子猫の世話をする二人を眺めていると、おばさんはのんびりと夕飯の準備をしていた…

「平常心というか…何があっても焦ってる所を観た事がない…」
「――――ああいう風に、余裕持って構えられたら良いんだけど~はあ~~~変な子だって思われてないかな…ううっ…」
「箱に入れて…中に温度計を入れて…ふたを閉めて…ヨシ…おわり」
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