8 / 64
休み時間の雑談 その2
しおりを挟む
時の流れというのは、人の感覚によって長くも短くもなる。
よく、楽しい時間はあっという間に過ぎ去ると言う。きっと、授業が退屈だと言ってる人たちはきっとその時間を楽しんでいないんだろうな~?
大人になると、何かを学べる時間と云うのが如何に大切かを子供に伝えているけど、学生に戻れば分かる…やっぱり興味のない授業はやっぱり退屈で眠くなってしまう。
この数学の授業を楽しんでいる生徒は一体どれぐらいいるのか…少ないのではないかな?
この教室にいる生徒はどうにも数学の問題が得意ではないのかな? 先程からボク以外が黒板の前に立って問題を解こうとしない…何でだろう?
まあ…ボクも普段はそこまで手をあげるタイプの子じゃないけど、今日は何となくあげていたんだ…誰も手をあげないと、先生はそこそこ数学の点数がイイ生徒を指さして答えさせるんだけど、答えが出ない場合も多い。つまり…普段はわりと授業時間がオーバーする事が多いのである…だが…!
その日の一時限目はどういう訳なのか、普段よりも5分早く終わったみたい。
きっと『今日は早く終わりたいな♪』という先生へのボクの純な訴えが通じたのだろう…
やっぱり人間まごころで動くとイイ事があるんだな~って思った(*’▽’)
「ええ~、皆授業に大変やる気があるのは結構だが、何事も息切れしないようにほどほどに頑張るよ~~~~うにっ! ………ふうううっ~~~」
しかしどういう訳か、先生はやや疲れ様な表情のまま、こちらに少しだけ怪訝な眼差しを向けていたっぽい(*_*;)
出席簿と教科書を持ち、教壇を後にする先生…その後ろ姿は何か大きな事を成し遂げたような清々しいものだった。
「さて…お手洗い行ってこようっと~」
軽く声を出して、教室を出る理由を口にする。少しだけ注目されており、何となく皆誤解しているんじゃないかな? って思ったのではっきりと周りに伝えてから、扉を開けて、今回は気分で少し遠くのトイレへと足を向けた…
――――
「一体何に対しての言い訳なんだ…あれは? 素直に彼に逢いに行くって言えば良いのに…」
「乙女だよね~♪ 恋は盲目になると人は言うけどさ…樹もパワーあるわよね…」
「ほんとよね~♪ 可愛いから良いじゃない~!(^^)!」
――――
「最近運動不足だし、ちょっと長く歩くぐらい普通だよね…うん…」
廊下と教室は扉一枚隔てただけなのに、別世界に変わる感じがするのはボクだけかな?
誰も聴いていないのに、安心出来ず口の中で自分の行為の正当性を訴える。
最初の一歩は勢いをつける為に大股に! だがすぐに小幅な歩きに変わる。そして、彼のクラスのプレートの下で一度立ち止まり…、締まっている彼の扉に指を滑らせ、力を込めて横にスライドを…
「あれ…可笑しいな…指が取っ手に届かない…おかしいな~? なはははは…」
ボクの腕がそんなに長くないのが原因なのか、扉の取っ手に指先がギリギリ届かない…!
まるで足元が崖のなってるかのような仕草で、プレートの先から足が動かず、上半身を傾け腕を伸ばすが…!! 届かない………
「いや…普通に一歩前に進めば良いんじゃないか? 一人漫才でもしているのか?」
「東谷君!! いつの間に…!?」
教室には二つ扉がある。彼は多分、もう一つの扉から出たらボクを見掛けて声を掛けたんだろうけど…一体いつからそこで見ていたんだ…!
ああ~~、何でボクはこんな至近距離に近づかれるまで気づかなかったんだよ~(´;ω;`)
「相変わらず、漫才好きだよな~いや…これはコントなのかな?」
「あうあうあ…<以下翻訳>(いや、どっちでもなく、ただ他のクラスに顔を出す難易度に今更気づいて怖気づいていただけです(;’∀’))」
こちらが伝えようとして、何かの理由で伝えられない事を察したらしい。
ボクの様子を穏やかな顔で見つめていると、そっと頭の上に手を置き、軽く撫でながら『ちょいと職員室まで行くんだが一緒に来るか?』と無理にそれを追求しようとはしなかった。
「今日も結構冷え込んだよな…もうすぐ冬って感じだ…」
「そうだね…今朝も、寒くて凍えそうだったよね…」
彼の隣を歩きながら、ゆっくりと階段を降り一回の職員室へと向かっていく。
ガチガチに緊張しているボクとは違い、彼の姿はリラックスしているがよく分かる。
まるでそれが当たり前のように、男友達と一緒にいるような感じ。唯一の救いは楽しそうにしているのが分かる事だろうか?
いつもいきなり訪れるのに、いつも爽やかに楽しそうに一緒にいてくれている…
「こんな寒いのに本当に、紅葉狩りなんてやるのかな…? しかも俳句や短歌を秋の山で作れなんて…難しいよね…でも…」
「だよな~俺、サッカーとかスポーツ全般は出来るけど、文系はサッパリでさ~まいっちゃうよ…」
「そうだよね…多分これも、どの宗派か忘れたけど大僧正である校長先生の趣味だろうね~。よく昨今の若者は大和心が足りないって言ってたから…」
どうしたら、イイんだろうって他のクラスメイトは騒いでいたよね? 確か…でも、ボクたちはそんなモノ忘れて、恋バナしていたんだよね~もう最初から捨ててた…!
だって、努力しても小学生並みのモノしか作れないって思ったもん!
「出来れば、周りをギャフンを言わせるようなモノを作ってみたいよな? 知的な女性って…男から見れば魅力的だしさ…」
「そっ…そうだよね!! うんうん…やっぱり知的な感じの短歌を作って、皆をびっくりさせたいよね(‘◇’)ゞ ボクも友達と色々と季語とか辞書で調べていたんだよね!」
OH~~~(;’∀’)! 言ってはならない事を言ってしまったような気がするぞっ!
いや、まだだ…まだ大丈夫。調べたけど、あまり綺麗な言葉が見つからなかったとか言い訳をすればまだ、間に合う…!!
「そうなのかっ! いや~やっぱり女の子してる子って文系が多いのかな? 工藤先生も古典が専門だから色々と知っていてさ。前の休み時間も色々と教えて貰っていたんだよね♪ 良かったら一緒に訊ねてみないか?」
「うっ…うん…わかったよぉ~~ううう…」
「どうしたんだ…? 一体…」
東谷君が美人女教師とマンツーマンでお勉強をするだと…!! これはいよいよ、後に退けなくなってしまった…絶対に妨害しちゃる…!!
よく、楽しい時間はあっという間に過ぎ去ると言う。きっと、授業が退屈だと言ってる人たちはきっとその時間を楽しんでいないんだろうな~?
大人になると、何かを学べる時間と云うのが如何に大切かを子供に伝えているけど、学生に戻れば分かる…やっぱり興味のない授業はやっぱり退屈で眠くなってしまう。
この数学の授業を楽しんでいる生徒は一体どれぐらいいるのか…少ないのではないかな?
この教室にいる生徒はどうにも数学の問題が得意ではないのかな? 先程からボク以外が黒板の前に立って問題を解こうとしない…何でだろう?
まあ…ボクも普段はそこまで手をあげるタイプの子じゃないけど、今日は何となくあげていたんだ…誰も手をあげないと、先生はそこそこ数学の点数がイイ生徒を指さして答えさせるんだけど、答えが出ない場合も多い。つまり…普段はわりと授業時間がオーバーする事が多いのである…だが…!
その日の一時限目はどういう訳なのか、普段よりも5分早く終わったみたい。
きっと『今日は早く終わりたいな♪』という先生へのボクの純な訴えが通じたのだろう…
やっぱり人間まごころで動くとイイ事があるんだな~って思った(*’▽’)
「ええ~、皆授業に大変やる気があるのは結構だが、何事も息切れしないようにほどほどに頑張るよ~~~~うにっ! ………ふうううっ~~~」
しかしどういう訳か、先生はやや疲れ様な表情のまま、こちらに少しだけ怪訝な眼差しを向けていたっぽい(*_*;)
出席簿と教科書を持ち、教壇を後にする先生…その後ろ姿は何か大きな事を成し遂げたような清々しいものだった。
「さて…お手洗い行ってこようっと~」
軽く声を出して、教室を出る理由を口にする。少しだけ注目されており、何となく皆誤解しているんじゃないかな? って思ったのではっきりと周りに伝えてから、扉を開けて、今回は気分で少し遠くのトイレへと足を向けた…
――――
「一体何に対しての言い訳なんだ…あれは? 素直に彼に逢いに行くって言えば良いのに…」
「乙女だよね~♪ 恋は盲目になると人は言うけどさ…樹もパワーあるわよね…」
「ほんとよね~♪ 可愛いから良いじゃない~!(^^)!」
――――
「最近運動不足だし、ちょっと長く歩くぐらい普通だよね…うん…」
廊下と教室は扉一枚隔てただけなのに、別世界に変わる感じがするのはボクだけかな?
誰も聴いていないのに、安心出来ず口の中で自分の行為の正当性を訴える。
最初の一歩は勢いをつける為に大股に! だがすぐに小幅な歩きに変わる。そして、彼のクラスのプレートの下で一度立ち止まり…、締まっている彼の扉に指を滑らせ、力を込めて横にスライドを…
「あれ…可笑しいな…指が取っ手に届かない…おかしいな~? なはははは…」
ボクの腕がそんなに長くないのが原因なのか、扉の取っ手に指先がギリギリ届かない…!
まるで足元が崖のなってるかのような仕草で、プレートの先から足が動かず、上半身を傾け腕を伸ばすが…!! 届かない………
「いや…普通に一歩前に進めば良いんじゃないか? 一人漫才でもしているのか?」
「東谷君!! いつの間に…!?」
教室には二つ扉がある。彼は多分、もう一つの扉から出たらボクを見掛けて声を掛けたんだろうけど…一体いつからそこで見ていたんだ…!
ああ~~、何でボクはこんな至近距離に近づかれるまで気づかなかったんだよ~(´;ω;`)
「相変わらず、漫才好きだよな~いや…これはコントなのかな?」
「あうあうあ…<以下翻訳>(いや、どっちでもなく、ただ他のクラスに顔を出す難易度に今更気づいて怖気づいていただけです(;’∀’))」
こちらが伝えようとして、何かの理由で伝えられない事を察したらしい。
ボクの様子を穏やかな顔で見つめていると、そっと頭の上に手を置き、軽く撫でながら『ちょいと職員室まで行くんだが一緒に来るか?』と無理にそれを追求しようとはしなかった。
「今日も結構冷え込んだよな…もうすぐ冬って感じだ…」
「そうだね…今朝も、寒くて凍えそうだったよね…」
彼の隣を歩きながら、ゆっくりと階段を降り一回の職員室へと向かっていく。
ガチガチに緊張しているボクとは違い、彼の姿はリラックスしているがよく分かる。
まるでそれが当たり前のように、男友達と一緒にいるような感じ。唯一の救いは楽しそうにしているのが分かる事だろうか?
いつもいきなり訪れるのに、いつも爽やかに楽しそうに一緒にいてくれている…
「こんな寒いのに本当に、紅葉狩りなんてやるのかな…? しかも俳句や短歌を秋の山で作れなんて…難しいよね…でも…」
「だよな~俺、サッカーとかスポーツ全般は出来るけど、文系はサッパリでさ~まいっちゃうよ…」
「そうだよね…多分これも、どの宗派か忘れたけど大僧正である校長先生の趣味だろうね~。よく昨今の若者は大和心が足りないって言ってたから…」
どうしたら、イイんだろうって他のクラスメイトは騒いでいたよね? 確か…でも、ボクたちはそんなモノ忘れて、恋バナしていたんだよね~もう最初から捨ててた…!
だって、努力しても小学生並みのモノしか作れないって思ったもん!
「出来れば、周りをギャフンを言わせるようなモノを作ってみたいよな? 知的な女性って…男から見れば魅力的だしさ…」
「そっ…そうだよね!! うんうん…やっぱり知的な感じの短歌を作って、皆をびっくりさせたいよね(‘◇’)ゞ ボクも友達と色々と季語とか辞書で調べていたんだよね!」
OH~~~(;’∀’)! 言ってはならない事を言ってしまったような気がするぞっ!
いや、まだだ…まだ大丈夫。調べたけど、あまり綺麗な言葉が見つからなかったとか言い訳をすればまだ、間に合う…!!
「そうなのかっ! いや~やっぱり女の子してる子って文系が多いのかな? 工藤先生も古典が専門だから色々と知っていてさ。前の休み時間も色々と教えて貰っていたんだよね♪ 良かったら一緒に訊ねてみないか?」
「うっ…うん…わかったよぉ~~ううう…」
「どうしたんだ…? 一体…」
東谷君が美人女教師とマンツーマンでお勉強をするだと…!! これはいよいよ、後に退けなくなってしまった…絶対に妨害しちゃる…!!
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
ボロボロになった心
空宇海
恋愛
付き合ってそろそろ3年の彼氏が居る
彼氏は浮気して謝っての繰り返し
もう、私の心が限界だった。
心がボロボロで
もう、疲れたよ…
彼のためにって思ってやってきたのに…
それが、彼を苦しめてた。
だからさよなら…
私はまた、懲りずに新しい恋をした
※初めから書きなおしました。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる