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最終話 星と海
最終話 星と海⑧
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背中に爪を立てながら、必死にしがみついて俺の名を呼ぶ流星が愛おしくて仕方なかった。何度も何度も腰を打ち衝け、流星の柔らかな肉壁が茎を絞めつける快感に絶頂へと高まっていくのを感じた。
「ッ、流星……出す、ぞ……!」
「ひ、あッあぁッ……!」
流星の腰ががくがくと激しく痙攣する。中が強く締めつけられ快感が突き抜け、絶頂に達する寸前で茎を引き抜いた。流星の腹や胸の辺りまで飛沫が飛び散る。
肩で息をしながら、流星の身体とそれを汚している白濁を眺めた。自分でも引くくらいの量だが、その官能的な肢体に思わず吐息を溢した。
「……気持ちよかった?」
流星は自らの精液塗れの有様を見て、俺を見上げて言う。
「ああ……これ以上ねえくらいにな」
そう答えると、流星は「よかったぁ」と嬉しそうに笑った。その幸せそうな表情に安堵し、唇にそっと口付けた。
その後完全に腰が砕けて動けない流星を抱えて、汗と白濁を洗い流し二人寄り添ってベッドに横になった。俺の腕の中で眠る流星の健やかな寝顔に、俺はそっとキスと落として目を瞑った。
「母ちゃん」
翌日ホテルを出ると、流星が親父に会いに行きたいと言うので、一度自宅に戻り服を着替えてから病院に向かった。病室には午前中にも関わらず、母さんと部屋住みの洸祐が側についていた。
「早いわね」
親父はベッドの上に横たわったまま、静かに呼吸を繰り返していた。流星は母さんに手を挙げて挨拶するとベッドの前に向かい、親父の手を握った。そして、決意を籠めた瞳で真っ直ぐに見詰めた。
「父ちゃん、ごめんな。俺、ヤクザになるよ」
母さんが息を呑む音と心電図の音だけが聞こえる。
「だって俺、兄ちゃんが好きだから。重い荷物、半分俺も背負いてえんだ」
そう言って流星は笑った。
俺が今まで抱えてきたものが、急に軽くなったような感覚と、流星の気持ちに心が打ち震え胸の奥がじんわりと温かくなるような感覚に、小さく息を吐いた。
と、その時だった。親父の瞼がぴくぴくと動いたと思うと、薄っすらと目を開けたのだ。
「あなた……!」
母さんが親父の傍らに寄り添うと、親父はゆっくりと顔を横に向けて母さんの顔を見詰めた。
洸祐が「お、俺看護師さん呼んできます!」と部屋を飛び出していく。親父は酸素マスク越しに「乃梨子」と小さな声で囁いた。
その後主治医が駆け付けて、診たところ、体力は寝たきり状態だったために衰えているものの、脳も呼吸も脈も問題ないということだった。ベッドサイドモニターと酸素マスクはすぐに外され、リハビリの経過次第では早期の退院も見込めるという話だ。
「……そうか」
親父は流星がもう一度家を継ぐために極道になると告げると、静かにそう言った。
「父ちゃんが起きたら聞こうと思ってたんだけど、何で兄ちゃんにだけ家を継がせようって思ったんだよ?」
「そりゃあ……一海が俺と乃梨子に言ったんだよ。『二人がもう泣かなくていいように、お父さんみたいに人を守れるヤクザになるから』ってよ。四歳のガキが、一丁前に」
親父はそう言って喉を鳴らして笑った。流星が驚いたように俺を見る。俺の中から記憶ごとすっぽりと抜け落ちているようだが、もしかしたら霊安室で打ちひしがれている大人を慰めようと言ったのかもしれない。
「ッ、流星……出す、ぞ……!」
「ひ、あッあぁッ……!」
流星の腰ががくがくと激しく痙攣する。中が強く締めつけられ快感が突き抜け、絶頂に達する寸前で茎を引き抜いた。流星の腹や胸の辺りまで飛沫が飛び散る。
肩で息をしながら、流星の身体とそれを汚している白濁を眺めた。自分でも引くくらいの量だが、その官能的な肢体に思わず吐息を溢した。
「……気持ちよかった?」
流星は自らの精液塗れの有様を見て、俺を見上げて言う。
「ああ……これ以上ねえくらいにな」
そう答えると、流星は「よかったぁ」と嬉しそうに笑った。その幸せそうな表情に安堵し、唇にそっと口付けた。
その後完全に腰が砕けて動けない流星を抱えて、汗と白濁を洗い流し二人寄り添ってベッドに横になった。俺の腕の中で眠る流星の健やかな寝顔に、俺はそっとキスと落として目を瞑った。
「母ちゃん」
翌日ホテルを出ると、流星が親父に会いに行きたいと言うので、一度自宅に戻り服を着替えてから病院に向かった。病室には午前中にも関わらず、母さんと部屋住みの洸祐が側についていた。
「早いわね」
親父はベッドの上に横たわったまま、静かに呼吸を繰り返していた。流星は母さんに手を挙げて挨拶するとベッドの前に向かい、親父の手を握った。そして、決意を籠めた瞳で真っ直ぐに見詰めた。
「父ちゃん、ごめんな。俺、ヤクザになるよ」
母さんが息を呑む音と心電図の音だけが聞こえる。
「だって俺、兄ちゃんが好きだから。重い荷物、半分俺も背負いてえんだ」
そう言って流星は笑った。
俺が今まで抱えてきたものが、急に軽くなったような感覚と、流星の気持ちに心が打ち震え胸の奥がじんわりと温かくなるような感覚に、小さく息を吐いた。
と、その時だった。親父の瞼がぴくぴくと動いたと思うと、薄っすらと目を開けたのだ。
「あなた……!」
母さんが親父の傍らに寄り添うと、親父はゆっくりと顔を横に向けて母さんの顔を見詰めた。
洸祐が「お、俺看護師さん呼んできます!」と部屋を飛び出していく。親父は酸素マスク越しに「乃梨子」と小さな声で囁いた。
その後主治医が駆け付けて、診たところ、体力は寝たきり状態だったために衰えているものの、脳も呼吸も脈も問題ないということだった。ベッドサイドモニターと酸素マスクはすぐに外され、リハビリの経過次第では早期の退院も見込めるという話だ。
「……そうか」
親父は流星がもう一度家を継ぐために極道になると告げると、静かにそう言った。
「父ちゃんが起きたら聞こうと思ってたんだけど、何で兄ちゃんにだけ家を継がせようって思ったんだよ?」
「そりゃあ……一海が俺と乃梨子に言ったんだよ。『二人がもう泣かなくていいように、お父さんみたいに人を守れるヤクザになるから』ってよ。四歳のガキが、一丁前に」
親父はそう言って喉を鳴らして笑った。流星が驚いたように俺を見る。俺の中から記憶ごとすっぽりと抜け落ちているようだが、もしかしたら霊安室で打ちひしがれている大人を慰めようと言ったのかもしれない。
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