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リクエスト番外編

リクエスト1: イケメンで優しいスパダリ攻と健気受の話 1

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イケメンで優しいスパダリ攻と健気受の話
※アーヴィングとリシェで書かせていただきました。
※後日談2後の時間軸です。



【side: リシェ】






「ただいまリシェ」

「ぁ、おかえりなさいっ、アーヴィング様」

「起きていたのか」

夕食後「少し陛下に呼ばれた、先に寝るといい」と出て行った番を、なんとなく本を読んで待っていた。

「まだ寝ないか?」

「あと数ページで切りがいいところなので、もう少しだけ」

「そうか……ん?」

近づいてきた大きな手が、テーブルの上のものを取る。


「この栞、手づくりか。この花…は……」


「……ふふ。覚えてらっしゃいますか?」






それは、まだ僕がパドル様の元にいて、王妃を殺す計画を何も聞かされていなかったときのこと。

『ほら、見てくれ』

『わぁ……!』

その日、アーヴィング様は不思議な色をした花束を持っていた。

『この辺じゃ当たり前に咲いてるんだが、王妃様は見たことがないそうでな。大分遠くの地から来られたらしい。
俺みたいな奴が花なんて似合わないだろうが、手が空いたのでつい買ってきてしまった』

(王妃、様)

ということはーー


『これは、王妃様へ……?』


『あぁ。喜んでいただけるといいんだが』


『っ、』


その花束は、王妃様のもの。
僕のαが別のΩへと買った、贈り物。

ちゃんと分かってる。
王妃様の護衛なんだからあの子が1番だって、ちゃんと。
ーーでも、

(いい……な)

僕も貰ってみたい。
そんな大きくなくていい、小さいの。
あなたからの想いがつまったそれは、きっとびっくりするほど綺麗で…泣いてしまうくらい、嬉しくてーー


『喜んでいただけますよ。大丈夫です』


ジクリと痛み出した胸を隠すよう笑ってみせた。

(『俺には似合わない』なんて、そんなわけない)

大事そうに花束を持つ姿は、眩しいくらいにかっこいい。
本当に……その想いの先が僕ならいいのにと思うほどに。

『有難う。
しかし、リシェも珍しいんだな。王妃様同様遠くから来たのか。
良かったら一輪あげよう。部屋に飾るといい』

『えっ』

『無くなっても然程おかしくはないだろう?
暇ができたら外に行ってみるといい。きっと多くの発見があるはずだ』

花束から抜いてくださるのを慌てて受け取る。

戯れだとしても、それが本当に嬉しくて。


『~~っ、有難う、ございます。大事にしますね』


ふわりと、両手で抱きしめた。



そう、これは


「あの時の、ものか……?」

「はいっ」





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