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普通にオーケーかと思ってて、茫然としてしまう。
告白した子も同じだったみたい。
茫然とトシさんを見ていて。
「ぇ、ちょ、あんた今フリーでしょ? 何で!?」
応援してた女の子の方が必死に問いかけてた。
トシさんはそれを見つめながら、はぁー……とため息をついて
「俺さ、サッカー頑張ってんの、知ってるでしょ?」
「ぅ、うん……」
「うん。俺ね、将来サッカー選手になりたいのな」
子どもみたいだろ?って困った笑みを浮かべて、話し始めた。
「まぁサッカー選手なんてさ、実際なれんのほんの一握りな訳で。もしかしたら将来は普通にリーマンしてたりしてさ。
でも、それでも、もし今ここで頑張ってたら、将来何か変わるかもしんないじゃん。夢は叶えらんなくても、ちょっとでも近づいたりできるかも、とか」
そう話すトシさんの顔は、子供みたいにキラキラしてて。
「俺、いま行きたい高校あんだよね。サッカーすっげぇ強いの、先生たちにお願いしてスポーツ推薦してもらってさ、もうすぐ実技試験とか、テストとか始まって、いろいろ大変で。
だから、多分今付き合ってもかまってられる時間とか無いと思うんだよね。だから、ごめん」
いつも気だるげにしてて、あくびをしてて、そんなトシさんが綺麗に頭を下げてて
僕は、涙も止まって、ただただそれを見てた。
女の子たちもすごく驚いてるみたいだ。
でも、静かに帰っていった。
そのまま、トシさんも帰っていって
僕だけが、駅にポツンと残った。
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