4 / 7
4
しおりを挟むそれから色んなお店を回って、ようやく納得のいく品物を購入して。
「なぁ、まだ何かあんの?」
「あぁ……次はこっちだな」
連れて行かれた先は、何とも可愛らしいケーキ屋さん。
「お前、チョコレートのケーキ好きだよな」
「ぇ、うん、好き」
「どのチョコケーキが美味そうに見える?」
「は?」
ガラスケースの中にずらりと並べられている、小さなサンタクロースが乗ったクリスマスケーキ達。
ぇ、嘘でしょ。
まさか、その子もチョコレートケーキ好きなのか?
くそっ、悪魔め……
ズキズキと痛む胸が、どうしようもない。
なに、俺が選んだケーキをその子と一緒に食べんの?
「っ、」
やだ、俺が一緒に食べたい。
切らずに、そのままフォークでつついて幸せ食いしたい。
食べさせ合いなんてのも……してみたい。
「美味い?」「甘いね」なんて笑いながら、食べてみたい。
でもーー
「こ、これが良いと思うよっ」
パッと指差したのは、如何にも女ウケしそうな、クリームでレースが描かれてる可愛らしいケーキ。
「ふぅん…こういうのが好きなのか……」
「ばっか、そうに決まってんだろうが見てわかんねぇのかよ!」
女の子は、こういう可愛らしい見た目に弱いんだ!
お前いっぱい付き合ってるくせしてわかんねぇのかよ……
本当、不器用やろうが。
会計を済ませる大好きな背中を、泣きそうになりながら見つめた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
ロンドンの足長おじさん
花町 シュガー
BL
『これが僕らの〝出会い〟、僕らの運命。
ーーでも、こんな形があってもいいと思うんだ。』
シルクハットの似合う長身のおじさんが、僕の運命の番でした。
運命の番との出会いを断る大人の、長い長い言い訳の物語。
〈おじさん × 高校生〉オメガバース
この作品は、Blove様主催【第一回短編小説コンテスト】にてグランプリをいただきました。
-------------------------------------------------
※「それは、キラキラ光る宝箱」とは?
花町が書いた短編をまとめるハッシュタグです。
お手すきの際に覗いていただけますと幸いです。
前世の記憶がありまして。
花町 シュガー
BL
『ただ、真っ直ぐに貴方のことを愛してる。
それだけ……知っててほしいだけ。』
人魚姫だったことを覚えている子と、王子様だったことを覚えていない医者の話。
優しい大人 × 一途子ども
〈篠塚先生(シルウィズ) × 凛(リーシア)〉
-------------------------------------------
※「それは、キラキラ光る宝箱」とは?
花町が書いた短編をまとめるタグです。
よろしければお手すきの際に覗いてみてください。
繋ぐ
花町 シュガー
BL
『どうか、君の未来を守らせて。』
俺はここ最近、不思議なおっさんにストーカーされている。
まったく意味がわからないけど、なにか理由がありそうで……
----------------------------------------------------
※「それは、キラキラ光る宝箱」とは?
花町が書いた短編をまとめるハッシュタグです。
お手すきの際に覗いていただけますと幸いです。
その、梔子の匂ひは
花町 シュガー
BL
『貴方だけを、好いております。』
一途 × 一途健気
〈和孝 × 伊都(梔子)〉
幼き日の約束をずっと憶えている者同士の話。
梔子の花言葉=喜びを運ぶ・とても幸せです
---------------------------------------------
※「それは、キラキラ光る宝箱」とは?
花町が書いた短編をまとめるハッシュタグです。
お手すきの際に覗いていただけますと幸いです。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる