Merry Christmas.

花町 シュガー

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そうして、着いた先は。

「ショッピングモール…ですか……」

どこもかしこもセールセールで人がごった返してる中を、リッキーはズンズン進んでいく。
はぐれないよう懸命に着いて行くと、1つの雑貨屋さんへと入って行った。

んー?ここに何か用か?

見てみると、何やら可愛らしい動物の置物を手にとって悩んでいる様子。

「どしたのリッキー、何してんの?」

「いや、可愛いなと思って」

そんなファンシーな物見ながら「可愛い」なんて言ってる貴方が1番可愛いです、はい。
くそーイケメンだからって何でも似合いやがって。

「うん、まぁ可愛いけど……なになに? 誰かにあげんの?」


「あぁ、


ーーーー〝好きな奴〟に似合うかなって」



「ーーっ、」



ドクリ、と心臓が嫌な音を立てた。

これまで、リッキーは恋愛に関して来るもの拒まず去る者追わずで、リッキー自身から動いたことはなかった。

そんな彼が、今、好きな奴の為に動いている。
本気なんだな…次は……

マミちゃんとは終わってたのか。
本命できたら、そら振られるわなぁ……

いつかは、こういう日が来ると思ってた。
でも、まさかクリスマスの今日言われるなんて。

ははっ、やっぱ俺、運無いな。

朝からのワクワクしてた気持ちが、一気に沈んでいく。
でも、顔には絶対に、出さない。

「へぇぇそっかぁ!遂にリッキーにも好きな奴が!どんな子なの?」

「……優しくて、天然で、暖かい奴かな」

優しくて、天然で、あったかい…かぁ……
そんなの、絶対いい子じゃんか。

キュゥっと胸が軋む。

「そっか、成る程ねぇ…それで動物系なの?」

「あぁ、でもよくわかんねぇな……」

なんとなく、呼ばれた理由が分かってきた。

恐らく今日の夜、その子と会うのだろう。
それでクリスマスプレゼントを渡すから、そのプレゼント選びの為に俺が呼ばれてるんだ。

ははっ、痛いなぁもう。
でも……頼ってくれるのが嬉しいなんて、俺もどうにかしてる。

恋愛に全く興味のなかったリッキーが、やっと自分から動いた相手。
絶対に、リッキーと上手くいってくれないと困る。

悲しむ顔は、見たくないしな。

「おし、俺に任せろ! 」

痛む心に蓋をして、ニヤッ!と笑った。



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