3 / 7
3
しおりを挟むそうして、着いた先は。
「ショッピングモール…ですか……」
どこもかしこもセールセールで人がごった返してる中を、リッキーはズンズン進んでいく。
はぐれないよう懸命に着いて行くと、1つの雑貨屋さんへと入って行った。
んー?ここに何か用か?
見てみると、何やら可愛らしい動物の置物を手にとって悩んでいる様子。
「どしたのリッキー、何してんの?」
「いや、可愛いなと思って」
そんなファンシーな物見ながら「可愛い」なんて言ってる貴方が1番可愛いです、はい。
くそーイケメンだからって何でも似合いやがって。
「うん、まぁ可愛いけど……なになに? 誰かにあげんの?」
「あぁ、
ーーーー〝好きな奴〟に似合うかなって」
「ーーっ、」
ドクリ、と心臓が嫌な音を立てた。
これまで、リッキーは恋愛に関して来るもの拒まず去る者追わずで、リッキー自身から動いたことはなかった。
そんな彼が、今、好きな奴の為に動いている。
本気なんだな…次は……
マミちゃんとは終わってたのか。
本命できたら、そら振られるわなぁ……
いつかは、こういう日が来ると思ってた。
でも、まさかクリスマスの今日言われるなんて。
ははっ、やっぱ俺、運無いな。
朝からのワクワクしてた気持ちが、一気に沈んでいく。
でも、顔には絶対に、出さない。
「へぇぇそっかぁ!遂にリッキーにも好きな奴が!どんな子なの?」
「……優しくて、天然で、暖かい奴かな」
優しくて、天然で、あったかい…かぁ……
そんなの、絶対いい子じゃんか。
キュゥっと胸が軋む。
「そっか、成る程ねぇ…それで動物系なの?」
「あぁ、でもよくわかんねぇな……」
なんとなく、呼ばれた理由が分かってきた。
恐らく今日の夜、その子と会うのだろう。
それでクリスマスプレゼントを渡すから、そのプレゼント選びの為に俺が呼ばれてるんだ。
ははっ、痛いなぁもう。
でも……頼ってくれるのが嬉しいなんて、俺もどうにかしてる。
恋愛に全く興味のなかったリッキーが、やっと自分から動いた相手。
絶対に、リッキーと上手くいってくれないと困る。
悲しむ顔は、見たくないしな。
「おし、俺に任せろ! 」
痛む心に蓋をして、ニヤッ!と笑った。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
ロンドンの足長おじさん
花町 シュガー
BL
『これが僕らの〝出会い〟、僕らの運命。
ーーでも、こんな形があってもいいと思うんだ。』
シルクハットの似合う長身のおじさんが、僕の運命の番でした。
運命の番との出会いを断る大人の、長い長い言い訳の物語。
〈おじさん × 高校生〉オメガバース
この作品は、Blove様主催【第一回短編小説コンテスト】にてグランプリをいただきました。
-------------------------------------------------
※「それは、キラキラ光る宝箱」とは?
花町が書いた短編をまとめるハッシュタグです。
お手すきの際に覗いていただけますと幸いです。
前世の記憶がありまして。
花町 シュガー
BL
『ただ、真っ直ぐに貴方のことを愛してる。
それだけ……知っててほしいだけ。』
人魚姫だったことを覚えている子と、王子様だったことを覚えていない医者の話。
優しい大人 × 一途子ども
〈篠塚先生(シルウィズ) × 凛(リーシア)〉
-------------------------------------------
※「それは、キラキラ光る宝箱」とは?
花町が書いた短編をまとめるタグです。
よろしければお手すきの際に覗いてみてください。
繋ぐ
花町 シュガー
BL
『どうか、君の未来を守らせて。』
俺はここ最近、不思議なおっさんにストーカーされている。
まったく意味がわからないけど、なにか理由がありそうで……
----------------------------------------------------
※「それは、キラキラ光る宝箱」とは?
花町が書いた短編をまとめるハッシュタグです。
お手すきの際に覗いていただけますと幸いです。
その、梔子の匂ひは
花町 シュガー
BL
『貴方だけを、好いております。』
一途 × 一途健気
〈和孝 × 伊都(梔子)〉
幼き日の約束をずっと憶えている者同士の話。
梔子の花言葉=喜びを運ぶ・とても幸せです
---------------------------------------------
※「それは、キラキラ光る宝箱」とは?
花町が書いた短編をまとめるハッシュタグです。
お手すきの際に覗いていただけますと幸いです。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる