155 / 536
夏休み編
2
しおりを挟む「はぁぁぁ…本当にすんのか……?」
「今更何言ってるんですか、当たり前でしょうっ!?」
「元はと言えば会長から言い始めたんですからねっ」と話し始めたハルたちに、俺たちはみんな〝?〟状態だ。
「ーーと、あっ、まだ説明してなかったね。ごめんごめん」
「?? ハル……何するの?」
「どうして俺たちはここへ呼ばれたんだ?」
「えぇっとね、ザックリ言うと会長の為なんだよねぇ」
「会長の…為……?」
事の発端は、生徒会長龍ヶ崎レイヤがハルに「人の内側について教えろ」と言ってきた事にあるらしい。
会長はこれまで人の外側しかみておらず、最近ようやく中身を見る事の重要性に気づいた、と。
それで、会長にいろんな性格の人の内側を知って学んでもらおうとハルの知り合いを呼んだ、とのこと。
(で、今に至るわけか……)
人の中身、ねぇ。
この俺様会長がそんなこと言うとは…信じらんねぇな。
「ーーと言うことでね、今日はみんなとわいわいお話ししながらお茶を楽しんで、お互いの理解を深めれたらと思って」
「クスッ、まるで親衛隊のお茶会のようですね。ハル様、龍ヶ崎、お招きいただき有難うございます」
「いえいえっ、来てくださって有難うございます先輩」
「でも、今回呼ばれたのはハルの知り合いだけなの…? 会長の知り合いも一緒にお呼びした方が…その……もっといろんな人が集まると思うんだけど……」
「そう、本当それ、それなんだよねイロハ!」
言いづらそうに意見した丸雛に「よくぞ言ってくれた!」とハルが同意した。
「あのね、実は会長にはね、
〝友だち〟と呼べる存在がいないそうで……」
「………ぇ」
「はぁぁぁ……」とわざとらしくハルがため息を吐く。
「ぇ、そ、そうなんですか……!?」
「うんうん、だから僕の知り合いしか呼べなかったんだよねぇー。ねー会長っ?」
「…っせぇな。別にいらねぇと思ったんだよ。友人付き合いなんざだるいだけだ」
「っと、まぁこんな感じのお人だから、これまで友だちがひっっっとりも出来なかったみたいで」
(い、今すごい〝ひとり〟って部分にアクセントついたよね……)
(ハ、ハル…大丈夫なのか……?)
(ハル様……!?)
みんなが脳内で呟いてる言葉がすっげぇ想像できる。
月森先輩は、この空間を楽しんでいるように終始ニコニコしていて。
「だからね?」
「う、うん………?」
「みんなには、あわよくば〝友だち〟になってもらいたいなぁーって」
「ぇ、だ、だれと……?」
「ん? 会長とだよっ?」
「「「「…………はぁっ!?」」」」
「っ、クスッ、ふふふふっ」
0
お気に入りに追加
352
あなたにおすすめの小説
同室のイケメンに毎晩オカズにされる件
おみなしづき
BL
オカズといえば、美味しいご飯のお供でしょ?
それなのに、なんで俺がオカズにされてんだ⁉︎
毎晩って……いやいや、問題はそこじゃない。
段々と調子に乗ってくるあいつをどうにかしたいんです!
※がっつりR18です。予告はありません。
白い部屋で愛を囁いて
氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。
シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。
※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。
彼の理想に
いちみやりょう
BL
あの人が見つめる先はいつも、優しそうに、幸せそうに笑う人だった。
人は違ってもそれだけは変わらなかった。
だから俺は、幸せそうに笑う努力をした。
優しくする努力をした。
本当はそんな人間なんかじゃないのに。
俺はあの人の恋人になりたい。
だけど、そんなことノンケのあの人に頼めないから。
心は冗談の中に隠して、少しでもあの人に近づけるようにって笑った。ずっとずっと。そうしてきた。
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした
雨宮里玖
BL
《あらすじ》
昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。
その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。
その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。
早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。
乃木(18)普通の高校三年生。
波田野(17)早坂の友人。
蓑島(17)早坂の友人。
石井(18)乃木の友人。
春を拒む【完結】
璃々丸
BL
日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。
「ケイト君を解放してあげてください!」
大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。
ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。
環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』
そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。
オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。
不定期更新になります。
運命と運命の人【完結】
なこ
BL
ユアンには10歳のときに結ばれた婚約者がいる。政略でも婚約者とは互いに心を通わせ、3日後には婚姻の儀を控えていた。
しかし運命と出会ってしまった婚約者はそれに抗うこともできず、呆然とするユアンを前にその相手と番ってしまう。
傷ついたユアン、運命の番たち、その周りにいる人々の苦悩や再生の物語。
『孕み子』という設定のもとに書かれております。孕み子と呼ばれる男の子たちは、子どもを産むことができる、という、それぐらいの、ゆる~い設定です。
3章ぐらいまでは、文字数が少ないので、さくさく読めるかと思います。
R18シーンありますが、下手くそです。
長い話しになりそうなので、気長にお付き合いいただける方にお楽しみ頂ければと思います(◞‿◟)
*R18の回にRつけました。気になる方はお避け下さい。そんなに激しいものではありませんが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる