ハルとアキ

花町 シュガー

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期末テスト編

sideアキ: 次の業務は……

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ピッ


ガチャ


「失礼します」

「ん、おう」

体育大会が終わって生徒会の仕事が通常業務に戻っても、ハルの体育の時間には必ず会長がいる。

(まぁ、別にいいけど……)

ちょっとはハルに興味を持ってくれたのかな?
婚約者としてまだまだたくさん興味をもたせて、ハルを大切にしてくれないと困るなぁ。

でも、そんな甘々な雰囲気になってしまうと〝俺〟が困るわけで……

(うぐぐ…どうするかな……)

ここは羞恥心に耐えてもっと近づいていくべきか…でも俺があいつと甘々になるとか、本当ありえない……
でも…ぐぬぬぬ……


「おい小鳥遊」

「っ、はぃ」

「お前、テスト勉強は順調か?」

「? えぇ、勿論ですよ」

「ククッ、そうか。 

ーーならいいな」


(………?)


え?

なにやら大量の書類を持って俺の机まで歩いて来る会長。
そのままドサッ!と目の前に置かれる。

「悪りぃな小鳥遊。
実は生徒会や風紀は、夏休み前のこの時期と冬休み前の時期が1番忙しいんだ」

「…………え?」

(体育大会より、忙しい…の…か……?)

「毎年7月始めと12月終わりがこの学園の決算締め切りだ。
だから各行事とか各部活動とかがどんな事にいくら使って、後いくら予算が余ってんのかをそれぞれ計算して、理事長に提出しなきゃならねぇ」

な、なるほど……
それで目の前の書類が全部領収書とかなのか……

学園だってしっかりとした1つの会社、組織だ。
後援会の方々に向けて行う年2回の決算報告会の為、生徒会と風紀は理事長から書類の提出を求められているらしい。

「で、これはほんのひと握りの領収だ」

「……ぇ?」

「まだ未提出の奴らがいっぱいいんだよ」

そいつらは大抵金を使いすぎてる奴らだから、捕まえて何にいくら使ったのかしっかりと正さないといけないそう。

「まぁ、そんなこんなでこの時期はとにかく忙しい。わかったか」

「はい」

(体育大会の次は、決算締め切りか……)

それにしても期末テストがある7月と12月が1番忙しいって…
そりゃぁ生徒会も風紀も、頭いいやつじゃないと選出されないわけだ……

(体育大会より忙しいのか……)

……しょうがない。
俺も生徒会の一員だし、やるしかないな。

「まぁ、生徒会では決算に関しては基本的に会計が仕切って業務をするのが一般的…なんだが……」

「……?」

「あいつら、3年だろうが」

3年生は大学進学の為この時期は猛勉強中で、テストを1つでも落とすことができない。

「だから、今回の決算に関しては全部俺たちで片付けてしまうぞ。いいな」

「っ、ふふふふっ」

「……? んだよ」

「クスクスッ、いいえっ」

会計さんたちに気を使ってるのか、なぁんだ。

(やるじゃん、会長)


「お優しいんですね」


誰かに気を使えるようになった会長が嬉しくて、ふふふと微笑む。

「っ! るせぇな……わかったらさっさとその領収まとめやがれ」

「クスッ、はいっ」

会長は顔を真っ赤にしながら「はぁぁ……」とため息を吐いて、席に戻っていった。

「俺とお前なら業務も早えぇから、放課後とかに無駄に残んなくても合間合間で終わらせれるだろ。

ーーさっさと片付けるぞ、いいな」


「わかりました」


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