ハルとアキ

花町 シュガー

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婚約者編

sideアキ: 初めまして、担任さん 1

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ガラッ

「てめぇら、席つけ」

「あっ、先生来た!またね!」

さっきのホストが入ってきて、バタバタとみんなが席についた。

「おし早ぇな、いつもそんくらい早く行動しろ、いいな。じゃぁ軽くホームルームするぞ。 
俺の名前はーー」

カツカツカツ……

真新しい綺麗な黒板に、白いチョークで書かれる美しい文字。

梅谷うめたにシュントだ。このクラスの担任になった。担当は現国、てめぇら赤点取ったら許さねぇからな」

ま、このクラスじゃなさそうだけどな。

あーしっかし式典肩凝ったなぁ……とゴキゴキ肩を回す先生。

(先生…ゆっる)

「因みに俺はれっきとした教師だ、ホストじゃねぇからな」

自分で言うのか!

ポツリ
「かっこいぃ………」

「ぇ」

隣を向くと、目がハートマークのクラスメイト。

まじかよ……
学校の特色か。
本当大丈夫なのかよこの学校、ハル安心して通えるかなぁ…

(婚約者から担任から生徒まで、初日からなんなんだ……)

「ま、今日は入学式とホームルームで終わりだからこれで終了だ。明日に備えて今日は真っ直ぐ帰れ。いいな、くれぐれも問題だけは起こすなよ」

クラスの自己紹介は各々で適当にやっとけ、他のクラスはまだ終わってねぇだろうから静かに帰れよ。

「じゃ、また明日」と言って、先生は気だるげに出て行った。
教室がザワザワと、またうるさくなる。

(ほ、本当に軽くホームルーム終わった…)

「すっごい先生だねぇ……」

「うん……」

不安しかないんだけど…

「取り敢えず、俺たちも帰るか」

「うん帰ろう!わーそれにしても早い早い、これから何しよっか!」

「イロハ、さっき先生言ってただろ部屋戻るぞ」

「えぇーそんなの勿体無いよ!ね、佐古くんハル!」

「俺は帰って寝る」

「僕も部屋でゆっくりしようかな」

「えぇー!?」

(もう、今日は休みたい……)

いろんなことがあり過ぎて、キャパが崩壊しそうだ………


ガラッ


「そうだった、小鳥遊ーまだいるか?」

「え?」

「いるな、ちょっと付いて来い」

先生?なんだろう……

「ごめんみんな、先に帰ってて?」

「え、いいよ待っとくよ!」

「でも、」

「あー、俺が送って帰るから。
それなら安心だろてめぇら」

丁度寮行く用事あるし、さっさと行くぞ。という先生。

「な、何かそういうことみたいだからっ、また明日ね!」

「ぁ、ハル……!」








[side イロハ]


「ねぇハル行っちゃったよ、大丈夫かな……」

「だな…」

どうしよう、守るって誓ったのに。
初日からこんななんて……っ。

不安になるおれの頭を、落ち着けとカズマがかき回す。

「ね、カズマ…まさかあの先生、ハルに……」


「それはない」


「佐古くん……?」

さっきから律儀に待ってた佐古くんが、呆れながら俺たちを見てた。

「はぁぁ…ったく。帰んだろ、ほら行くぞ」

「ぇ、ちょ、ちょっと待って、佐古くん梅谷先生のこと知ってるの!?」

なんで? いつ知り合ったの? 一体どんな……

「あ?……知ってるもなにも…あいつはーー」




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