ハルとアキ

花町 シュガー

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友だち編

3

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なんだこいつらは、なんで俺の名前を知ってるんだ。

「あ、こちらはカズマとイロハ。僕の友だちなんだ!」

固まってる俺に気づいたのか、慌ててあいつが紹介する。

「初めまして佐古くん!どうぞよろしくね?」

「よろしく、佐古」

「………」

いや、よろしくする気ねぇし。

(つかどーなってんだ……)

テーブルに置かれたたくさんの食器。
台所にあるいろんな種類の鍋や食材。

なんだこれは?

「…ここで何してんだお前ら」

「ふふっ。実はね、今からここで〝料理教室〟するんだー!」

「……は?」

楽しそうにニコニコと答えるあいつ。
言ってる意味がわからない。

「そうなの! おれたち3人とも得意料理が違うからね、みんなで教え合おうってことになって!
あ、おれはお菓子が得意なんだよー!」

「俺は和食で」

「僕が洋食なんだよね」

(いや、訊いてねぇけど)

まぁでもなんとなくは集まってる理由は分かった。
要するにこの部屋であいつがダチたちと料理教室?をやるってことだよな。

(俺関係ねぇな)


「ん? 何処行くの佐古くん」


部屋行くかと回れ右した俺を、あいつが止める。


「佐古くんも参加するんだよー。
せっかく今日早く帰ってきたんだし、一緒にしよう?」

「は?」

「そうだよー!おれたちと一緒にしよう!!」

「佐古はどんな料理が得意なんだ?」

わくわくした様子の3人。

(なんでナチュラルに俺が参加する流れになってんだ…)

意味わかんねぇ……

「…悪りぃけど俺やんねぇし、部屋行くかrーー」

「んんん??」

「っ、」

(くっそ…お前その笑顔ずりぃぞ!)

あいつに一昨日見た黒い笑顔を浮かべられて、たじたじになってしまう。

「っ、俺料理できねぇからっ!だから得意料理とかもねぇし」

「それなら尚更一緒にやろ!ほら、僕佐古くんのエプロンまで用意してるんだよー!」

は?
俺の分の、エプロン…だと……

(ま、さかチューリップとか付いてねぇよな!?)

バッと広げられたそれを念入りに見ると、ただのシンプルなワインレッド。
よかった、なにも付いてねぇ。

「あれ? やっぱりチューリップ付けて欲しかった?そっかそっか!実は丁度これと一緒にチューリップのアップリケ買ったんだよね。
今からアイロンで付けてこよっkーー」

「っ、やめろ!」

呪いのような恐ろしいことを言われ、慌ててあいつの手からエプロンをもぎ取って。


(っ、しまっ)


思わず、受け取ってしまった……


呆然とあいつを見ると、優しく笑っていて。


「ふふっ、良かった受け取ってくれて。

ーーそれじゃあ始めよっか」


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