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友だち編
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「何で……そこまでしてくれるの?」
全くわからない。
何で、2人の時間を俺にくれるの?
俺、こんななのに。
「「そんなの、友だちだからに決まってる」」
「ーーっ!」
『ねーねーアキ、〝友だち〟って僕らとどう違うのかな? アキお外行くし友だちいないの?』
『いないよ。お母さんとお父さんがつくっちゃだめって言うからつくってない』
『そっかぁ……』
『でも俺にはハルがいるから、全然寂しくないよ?』
『僕もアキいるし全然寂しくない!
……でも、いつか僕らと友だちになってくれる人…いるのかなぁ?』
『いるといいねぇ!
友だちって、どんな感じなんだろう』
『ねー! 会ってみたいなぁ』
(…………っ、ハル)
「大体! さっきも言ったけどもうおれたち友だちなの!だから本当に何でも言ってほしい。
遠慮されるのは嫌、絶対!我慢されるのはもっと嫌!」
「友だちってそういうものじゃないのか? どちらか一方が我慢して関係を築くのは違うと思う。
だから、俺たちはハルに無理してほしくない、本当に」
ーー嗚呼、こういう時…なんて言えばいいんだろう。
「……っ」
胸がいっぱいすぎて、言葉が出てこない。
「それとも何? 本当におれたちよりこんなペラペラのパンフレットと一緒のほうがいいの?」
「っ!ちがっ」
(ぁ、)
そんなわけない!と2人を見ると、安心したように笑っていた。
「はぁぁやっと言った……それじゃ、行こ?」
左手を、イロハに。
「安心した。パンフレットに負けるとか、それこそショックだった…」
右手を、カズマにとられる。
「っ、~~っ」
優しく触れてくれるそれに
もう胸がいっぱいいっぱいすぎて。
本当に、どうにかなりそうで。
(あったかい……)
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