上 下
1 / 1

心霊体験の話・小学校修学旅行

しおりを挟む
私の小学校の修学旅行では沖縄に行くことになっていた。
でも私は骨折していておじいさんの家にいた。
おじいさんが畑仕事に出るとき、トラクターの後ろに乗っていた。
おじいさんは畑のブドウのつるを切っていた。
私はギブスの足をハンドルの上に置いて、体を伸ばして、おじいさんが何本かつるを切っているのを眺めていた。
1本のつるを切った時、「キャー」という声がした。
おじいさんは「しまった、精霊さんを切ってしまった。聞こえたか?」と言った。
聞こえたけど、怖かったので返事が出来ずにいた。
おじいさんはこの木は腐るので、と「ごめんな、ごめんな」と言いながら根っこから切った。
その度に「ぎゃ、にゃ、」と声がした。
その時切った切りくずは持ち帰って風呂のかまどにくべた。
おじいちゃんは私に「おまえも声が聞こえるんだね。」と言った。
お姉ちゃんも2人入ってきて、3人で五右衛門風呂に入っていた。
するとお姉ちゃんがブドウのにおいがすると言った。
振り返るとかまどから火が立ち上り、火の粉が蝶のようになって羽ばたく姿が見えた。
でもお姉ちゃんには煙にしか見えない。
おじいちんが精霊さんに御免なさいと言ってた。
その翌日、修学旅行に行っていた友達が帰ってきた。
そのまた翌日から授業だ。
学校で会った友達は、みんな顔がげっそりしていて、元気がなかった。
聞くと、帰る前の日の夕食でブドウが出たが、なぜかみんな食あたりしたそうだ。
家に帰るとおじいちゃんは、切ってしまったブドウの精霊のために、祠を建てていた。
おじいちんが誤ってブドウの精霊さんのつるを切ってしまったので、友達が食中毒になったのだと思った。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

実体験したオカルト話する

鳳月 眠人
ホラー
夏なのでちょっとしたオカルト話。 どれも、脚色なしの実話です。 ※期間限定再公開

心の悪魔は真夜中に呟く…

ゆきもと けい
ホラー
まるで路地裏の公衆電話のように、誰にも気づかれない店がある。夜に現れるというその店は、ある条件を満たした者だけが見つけることができる。その条件とはいったい何か…その店を見つけた者はどうするのか…最後はどいう結末になるのか…5話完結です。読んで頂けたら幸いです。

ソウサクスルカイダン

山口五日
ホラー
創作怪談(時々、自分の実体験や夢で見たお話)になります。 基本的に一話完結で各話1,000~3,000字ほどで、まるで実体験のように書いたり、人から聞いたように書いたりと色々な書き方をしています。 こちらで投稿したお話の朗読もしています。 https://www.youtube.com/channel/UCUb6qrIHpruQ2LHdo3hwdKA/featured よろしくお願いいたします。 ※小説家になろうにも投稿しています。

怪異少女は愛が欲しい

偽物道化師@アルファポリス
ホラー
【恋】それは、愛情。 【恋】それは、言葉にできない思い。 【恋】それは、病気だと思っていまう苦しさ。 そんな、【恋心】は果たして人間以外の存在においても起こる感情なのでしょうか? A.だったら創りましょう、その物語を!!by.作者 恋なんて一度もしたことのない作者が書く、人外(妖怪、霊、化け物.etc..)と人間【恋(笑)】のホラー物語。 #ホラー #男主人公 #怖くない?

怪談実話 その2

紫苑
ホラー
本当にあった怖い話です…

やわらかなつの

遥々岬
ホラー
鬼のツノは柔らかい。 イラストから生まれたお話です。 怖い話、ほっこりする話、色々

死刑囚ピエロ

近衛いさみ
ホラー
※ホラー作品のため、できる限り残酷になるように物語を作っています。苦手な方はご遠慮ください。また、この作品は殺人を快楽的に行う描写が多く盛り込まれていますが、殺人を助長する物ではありません。 少年と少女。二人は見知らぬ森で目覚める。そこは深く暗い森。そして恐ろしく残酷な森。狂気の殺人ピエロが徘徊するこの森で皆は生き残れるのか? なぜ少年達はここに連れてこられたのか。

社宅

ジョン・グレイディー
ホラー
 寂れた社宅  3連列の棟に形成された大規模な敷地  両脇の2連の棟は廃墟となり、窓ガラスには板が打ち付けられ、黒いビニールシートで覆われている。  ある家族がこの社宅の5号棟に引っ越して来た。  初めての経験  初めての恐怖  どこまでも続く憎しみ  怨霊に満ちた呪縛  ほぼ実話に基づく心霊現象を描くホラー小説

処理中です...