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安らかなる眠り?を手に入れた!

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「…ここはどこ…あなたが…私の主?」

 えーと?うん気のせいだよな! 俺は今ベッドを召喚したはずだ! 銀髪の美少女なんて召喚してない! 断じてしてない! そう思い込み、召喚された彼女をまじまじと見つめていると…

 シュッ! ぱらっ…

 今、間一髪のところでかわしたが俺の首を落とそうと、剣が横一閃に振るわれた気がするんだが気のせいだろうか?気のせいだと思いたい!

「チっ首を落とし損ねたか…で? なぜ貴様は全裸の女性をまじまじと舐めるように見ているのかご教授願おうか? んんん?」

 そう言うとリリアはまたそれはそれは濃密な赤いオーラを出し、俺の前で仁王立ちをしていた。今度は背後に般若が見える。こいつアーサー王召喚したはずなんだけどな…

「ちょっ!? リリア! 今俺の説明より先に剣が出てたから! 俺死ぬから!」

「ならこの銀髪の女はなんだというのだ?説明してみろ!」

 今にも噴火前の火山といった形相でリリアがこちらを見てくる。

 (そう言われたらかなり困るな…真名もベッドのやつは適当に言ったし…いや待てよ! こいつはもしや!?)

「これはベッドの化身だ! 安らかなる眠りと永遠の癒やしを与えてくれる俺の一生のパートナーです!」

 と人生最高峰のドヤ顔で言い放つ。ふふふ決まったぜ! するとリリアは、

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

 またリリアからかつてないほどのオーラが溢れだす。びっくりして鳥たちも逃げていくほどだ。

「それで…? ベッドの化身なら女の裸を舐めるように見てもいいとそう思ったわけか? ほおぉう? いい度胸してるじゃないか?」

「こいつはベッドの化身だから別に舐めるように見てもいいんですぅぅ!」

(なんでこいつこんなにおこってるんだ?たかが裸だろ!リリアもちっちゃい頃俺と裸の付き合いしてただろ?なにがちがうんだ!?わからんぞおおお!)

グスッヒック…うっうううう…
今なんか女の子の泣き声が聞こえてきた気が…?

「今度はなんだ!?」

 後ろを振り返ると、銀髪の女の子がポロポロと涙を流し、泣いていた。えっ…うそぉぉぉぉぉ!?

「クロア…お前女の子を泣かすとはろくでなしにも程があるだろ…」

「今俺を殺そうとしてたやつが言う言葉じゃないよね!? 大丈夫!? 泣かないで!えーと? 泣くと幸せが飛んでっちゃうよ!」

 俺はベッドの化身? の前にしゃがみ込み、なでなでする。そうするとちょっとずつ泣きやんできてこう言った。

「…こいつじゃないもん…ベッドの化身でもないもん…主様…? カザリーっていう名前があるもん…」

 ズドオオオオオン!俺の頭に雷が落ちた!ベッドの化身じゃないだとぉぉぉぉ!気づけば俺はその場に突っ伏していた。そして、気づけば俺はだらしなく顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。

「うううう…ひぐ…うっ…」

「クロア…そこまで泣くことないじゃないだろ?ほらカザリーちゃんは美少女だぞ? 美少女がパートナーだぞ?」

「うるせえ! ベッドが一生のパートナーだっておれはずっと思い込んで生きてきたんだ! それなのに…それなのに…ううっ…」

 すると今度は見かねたカザリーが近くまで来てくれて、逆に頭をなでなでしてくれていた。

「…よしよし…大丈夫だよ…? それに…『安らかなる眠り』と『永遠の癒やし』が主様のベッドへの存在意味なら…私でも主様に与えること…できるよ…?」

 それを聞くやいなや、クロアは泣いていたことは嘘かのように目をキラキラ輝かせ始め、新しいおもちゃを見つけた子供のようになった。

「えっまじで!? なら今すぐ頼む! つかれてるんだ! しっかり深めに与えてくれ! よろしく頼む!」

 床にめり込む勢いで土下座を繰り出しクロアは懇願した。

「…ん…わかった…じゃあいくよ…」

 すると彼女は俺を見て、親指と人差し指をくっつける動作をした後こう言った。

「"ピチュン"」と。

 クロアの意識は完全にフェードアウトしたのだった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

俺はまたプカプカ浮かんでいた。ああ死後の世界ってこんなもんか…いやまて!

「おい待て! ここさっきもきたぞ!」

「あらあらまたくるとおもっていましたよ?忙しいですね? ふふっ」

 前を見るとあの喋るシャボン玉がプカプカ俺の前に現れた。でも何故か来るのがわかっていたかのような口ぶりだ。

「あのときの話の続きでもします? それとも…私とイチャイチャします? ふふっ」

「うるせえシャボン玉! 人の姿でもねえのにイチャイチャできるか!?」

 それを聞くと彼女は、こう言った。

「なら人の姿になればいいのね?」

 そういった瞬間に周りのシャボン玉達が突如光、集まり始め、人の形を成していった。

「これならイチャイチャできるわね? ふふふっ♪」

「いや人の姿になってもしませんから…ね…?」

 そこに現れたのは、なんと…金髪のお姉さんだった。えっ…嘘…美人なんですけど…たゆんたゆんなんですけど…

「ええええええええええええええええ!? 巨乳のグラマーだったのかああああ!」

 衝撃のあまり叫んでしまった。とても恥ずかしい。

「しないならしょうがないわね? かなしいわ…」

 彼女は神殿につかえる聖女のような服を来ておりパッツンパッツンだ! 俺にとって効果抜群だ!
(おちち…じゃない…おちつけ! 理性を保つんだ!)

「しませんから! 早くあのときの話の続きをお願いします!」

 俺は語気を強めて言う。そうじゃないと理性のダムが決壊してしまう。

「なんなのもう! せっかくク・ロ・ア・く・ん・とイチャイチャできるとおもったのに!」

 プクーと頬を膨らますカザリーはなぜか俺の名前を知っていた。あれ? なんでだ?

「なんで俺の名前知ってるんだ?」

 俺は不思議でならなかった。この人とは一回しかあったことがないし、変なやつだとしか思っていない。でも何故か、とても大事な人のような気がした。

 そして彼女は真剣な顔でこう言った。

「それは秘密かな? でもヒントをあげる。あなたは私の"想い"から生まれてきた。はいヒント終了!」

 気づけば彼女は天真爛漫な笑顔になっていた。

「ついでにあなた今意識失ってるから意識を戻すわ。ではばいなら~!」

「えっ俺なんで意識失ってるの? なんで!?おいちょっと待…まだ話はおわってないぞ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 クロアはいつの間にか消えていて、その場には彼女だけとなっていた

「いいのかエレナ。クロアを行かせてしまって…」

 彼女の後ろに突如、全身黒スーツにきっちり着込んだ男性が現れていた。体格はガッチリしており、いかにも格闘家のような風貌で髪は黒く、誰かに面影が似ていた。

「いいのよ! だってあの子は私の"希望"だから! ふふっ今日もお仕事がんばっちゃうぞお!」

 クロアはまだ知らなかった。彼女と黒スーツの男が自分にとってどんな存在なのかを。
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