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1章 日常になっていく日々

7話

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 はい、私は今なぜか副団長と二人で馬に乗っています。どうして、って私も思っている。馬車だと時間がかかるから馬に乗ってくれないか、そういわれた時もちろん自分は乗れないといった。結果こうなったわけでして。
 どうやら副団長が言っていた魔獣狩りというのは本当に私のリハビリ用のものだったらしく、まさかの副団長と二人で出かけることになったのだ。どうりでララさんが微妙な顔をしていたはずだよ! 一応婚約者がいる身。ほかの男性と二人乗りはちょっと……、と断った私の案は当人であるヴァークの許可の元却下されてしまったのだ。

「二人ならそうと初めから言ってくださればよかったのに……」

「いや、すっかり伝えた気になっていたよ。
 申し訳ない」
 
 さすがに素直に謝ってくる副団長を責めることはできませんでした。副団長が私が思っていた以上に今回の一件に責任を感じているとわかってしまったしね。私にとって魔法の師でもある副団長にはなかなか弱いかもしれない。

 しばらく馬に乗っていると、前回よりも大分短い時間で例の森に着く。馬から降りることはできたけれど、自然と体が固まってしまうのが自分でも分かった。あの時の恐怖とか痛みとかを思い出してしまうのだ。

「大丈夫、今回はずっとそばにいるから」

 そっと肩をたたかれて、力強くそういう。それに私はうなずいた。あの時すぐさま助けてくれた先生の強さはわかっている。うん、大丈夫、大丈夫。

「魔獣の倒し方も教えるよ」

 先導して副団長が森を進みながら、ときどきこちらに来る魔獣に的確に魔法で攻撃をしていく。副団長が強いのか魔獣が弱いのか、その両方かもしれないけれど、とにかく次々と魔獣が倒れていった。

 さてここで一つ問題が。先ほども言ったとおり、副団長という地位にいるだけあって、その実力は確かなものだ。だから私がなんの技を使っているのか判断する前に次々と魔獣が倒れていってしまう!!いや、これどうやって倒しているんだろう?

「さて、こんな感じだ!」

 いや、こんな感じって!? ぜんぜんわからないよ……。

「すみません、わからなかったです……」

「え!?
 ええと……」

 私のことばに副団長はあわててしまう。本当にどう説明すればいいのかわからないみたいだ。あ、なんかきいたことあるかも……。天才って感覚だけで色々こなせるから、凡人に教えるのは向いていないって。

「あの、その状態で一年生の方に教えることできているのですか?」

 その言葉に副団長は明らかに動揺する。さてはうまくいってないな。

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