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五章 学園生活 1‐1

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    現在私は魔法実技の教室の前にいます。
 
    お昼に会った時、兄様に放課後もやることがあるので先に帰っていてほしいというと、待っているよ、と即答されてしまった。
 これには二人も苦笑していたな、うん。
 兄様の意志は硬いようで、でもと言っても待っているとしか返してくれなかったから諦めた。
 ということで、兄様もまだ学園内にいるはずだ。

 扉の前で一度深呼吸をしてから、ノックをすると少しして先生が出てきてくれた。
 
「よく来ましたね、オリベルトさん」

 そう言ってチェスト先生はにこりと笑った。
 授業での失敗もあり、少なからず緊張をしていたのだが、先生の優しそうな空気に段々と緊張が薄れていくのを感じた。

「さて、では先程の続きからやりましょうか。
    今度はこちらを使ってください」

   渡されたのは先程と同じ大きさの石だったが色が違っていた。
    どんな違いがあるのだろう?

「違いが気になりますか?
    こちらの石は魔力を貯めることができるのは同じなのですが、貯めることができる魔力量が全く違うのです。
    先程見た限りですと、魔力を流し込むときの蛇口の調整ができていないようでしたので」

「蛇口の調整......?」

「はい。
    本来は魔力解放のあとすぐは、もっと少しずつしか魔力を使えないはずなのです。
    そのため、ふつう自分の魔力の全てを引き出せるようになる頃には、コントロールもできるようになります。
    ですが、あなたは既に自分の膨大な魔力の半数ほどを使うことができています。
    しかしながら、コントロールがまだ上手くいかないため、使う際の蛇口の開け方は栓を全開するか、閉めるか、その二択しかないようです。
    そのために石はすぐに割れ、熱を持っていた可能性が高いです」

    ほう......。
    なんとなく言いたいことはわかった。
    つまり、丁度いい量での放出ができていないということなんだね!

   それは確かにまずい事態だ。
   いざ使おうとした時に役に立たないのは嫌だな。
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