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四章 お買い物

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 そんなことがありつつも、賑やかに三人で食事を続けていく。
 話題はいろいろと移り変わり、学園のことだったり、リュラのことだったりした。
 騎士特進科である2人は、中等部から本格的に大変になるらしい。
 体力作りのためのいわゆる体育の割合が多いうえ、その種類は多岐に渡る。
 一般教養もこなしつつのため、始めのうちはばててしまう人も多い。
 私が入る予定の魔法特進科についてはあまり接点がないため、よくわからないと言っていた。

 先程測ってきた制服も初等部は科が分かれているとはいっても、同じセーラーだったのだが、中等部からはそれぞれのものになるようだ。
 騎士特進科は及び騎士科は騎士の正装の簡略化したもののようで、とてもかっこいいそうだ。
 ちなみに特進科か否かは制服についている紐みたいなものの色でわかるみたい。
 魔法科は?と聞くと入ってからの楽しみと言われてしまった。

「そろそろ、ケーキ持ってきてもらう?」

 三人が大体食べおわったところで、兄様がそう聞く。
 はい!と元気に答えると、すぐに店員さんを呼んでくれる。

 運ばれてきたケーキはどれもとてもおいしそう。
 さっそく一口食べてみると、濃厚だがさっぱりとしたチーズと、ブルーベリーがよくあう。

「ん~、おいしい!」

 思わず声を出してしまった私を2人は微笑ましく見守っていた。
 
「アーネは本当においしそうに食べるね。
 一口もらっていいかい?」

 兄様の言葉に少し赤くなりながら、お皿を兄様の前に持っていく。
 代わりに兄様の皿が私の前に来た。
 遠慮無く一口食べる。
 タルト生地がさくさくで、フルーツの軽い酸味と下のクリームを一緒に食べるととてもおいしい!

「うん、チーズケーキもおいしいね」

 さわやかに笑う兄様はなかなかの破壊力でした……。

「こっちも食べる?」

 ミハルトさんの申し出もありがたく受け取り、一口食べる。
 前世だと、こんな風に味見させてもらえる仲だったのは一人くらいだったから、この時間がとても楽しかった。

 ……日向さんは、今どうしているのだろう。
 久しぶりに思いだした元婚約者は、二度と会えない人。
 でも、日向さんは恋人と言うより、いいパートナーという感じだったけど。

「アーネ、大丈夫かい?」

 兄様の声にはっとする。
 どうやらぼーとしていたみたいだ。
 食べ終わったし、行こうかというミハルトさんの言葉に私たちは立ち上がった。
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