175 / 193
2章 学園生活
175話 2回目の王妃のお茶会(1)
しおりを挟む
文章がおかしなことになっていたので修正いたしました(9.19)
_____________________________________
さて、今日は一年ぶりの王妃様主催のお茶会です! 朝からお屋敷に向かっているのでとても眠い……。お屋敷についたとたん、準備万端だったルナベレークに速攻でお風呂に入れられて、磨かれて、ドレスを着せられました。朝からもうくたくた。
「とてもお可愛らしいです、ウェルカ様!」
完成した私をみて満足げにうなずくルナベレークに私は力なく笑うことしかできなかった。
玄関ホールへと向かうとすでにお母様もお兄様ももう来ていた。なんだかこの感じも懐かしい。って、私はお父様に用事があったんだ。
「お父様?」
にっこりときれいな笑みを意識してお父様の方へ向く。どうしてそんなにひきつった表情をしているんだろうか。
「先日の件で、何か手を出されたそうで?」
「あ、ああ。
それは、だな」
「ウェルカ?
あまりお父様をいじめてはだめよ。
あなたのために、そして我が家の威厳のために動いただけなのだから」
まさかのお母様に止められました。それにしても我が家の威厳?
「学園内でのことは、確かにこちらが口を出すべきではありません。
ですが、今回の件はあまりにも行き過ぎていました。
命を落としていてもおかしくなかったのですよ?」
お母様、随分と詳しくご存じだったのですね。そして、私が思っていたよりもあの暴走はひどい行動だったみたいです。
「すみません、でした」
私の考えが足りなかったのか、と素直に頭を下げる。すると、本当に無事でよかった、と抱きしめられました。
「こんにちは、迎えに来ました」
ちょっとした暴走に申し訳ない気持ちになりながらもお母から離れる。ちょうどそのタイミングでヴァークが迎えに来てくれた。そう、今回はお母様たちとはいかずに、ヴァークと行くことになっているのだ。
「こんにちは、ヴァーレクト殿。
今日は娘を頼むよ」
はい、と礼をすると私の手を引いて馬車までエスコートしてくれた。
「あの、何か言いたいことがあるの?」
「いえ、あの……」
パーティー用の近衛騎士団の制服、はじめて見たんだ。だから知らなかったんだって! なんというか、かっこいい。
「ウェルカ?」
お、思わず顔をそらしてしまった。いや、うん仕方ないよね。
「顔真っ赤。
もしかして、この格好好みだった?」
図星をあてられても困る。はい、とは答えたくなくて結局そのまま顔をそらしていました。
_____________________________________
さて、今日は一年ぶりの王妃様主催のお茶会です! 朝からお屋敷に向かっているのでとても眠い……。お屋敷についたとたん、準備万端だったルナベレークに速攻でお風呂に入れられて、磨かれて、ドレスを着せられました。朝からもうくたくた。
「とてもお可愛らしいです、ウェルカ様!」
完成した私をみて満足げにうなずくルナベレークに私は力なく笑うことしかできなかった。
玄関ホールへと向かうとすでにお母様もお兄様ももう来ていた。なんだかこの感じも懐かしい。って、私はお父様に用事があったんだ。
「お父様?」
にっこりときれいな笑みを意識してお父様の方へ向く。どうしてそんなにひきつった表情をしているんだろうか。
「先日の件で、何か手を出されたそうで?」
「あ、ああ。
それは、だな」
「ウェルカ?
あまりお父様をいじめてはだめよ。
あなたのために、そして我が家の威厳のために動いただけなのだから」
まさかのお母様に止められました。それにしても我が家の威厳?
「学園内でのことは、確かにこちらが口を出すべきではありません。
ですが、今回の件はあまりにも行き過ぎていました。
命を落としていてもおかしくなかったのですよ?」
お母様、随分と詳しくご存じだったのですね。そして、私が思っていたよりもあの暴走はひどい行動だったみたいです。
「すみません、でした」
私の考えが足りなかったのか、と素直に頭を下げる。すると、本当に無事でよかった、と抱きしめられました。
「こんにちは、迎えに来ました」
ちょっとした暴走に申し訳ない気持ちになりながらもお母から離れる。ちょうどそのタイミングでヴァークが迎えに来てくれた。そう、今回はお母様たちとはいかずに、ヴァークと行くことになっているのだ。
「こんにちは、ヴァーレクト殿。
今日は娘を頼むよ」
はい、と礼をすると私の手を引いて馬車までエスコートしてくれた。
「あの、何か言いたいことがあるの?」
「いえ、あの……」
パーティー用の近衛騎士団の制服、はじめて見たんだ。だから知らなかったんだって! なんというか、かっこいい。
「ウェルカ?」
お、思わず顔をそらしてしまった。いや、うん仕方ないよね。
「顔真っ赤。
もしかして、この格好好みだった?」
図星をあてられても困る。はい、とは答えたくなくて結局そのまま顔をそらしていました。
12
お気に入りに追加
1,223
あなたにおすすめの小説
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
領主の妻になりました
青波鳩子
恋愛
「私が君を愛することは無い」
司祭しかいない小さな教会で、夫になったばかりのクライブにフォスティーヌはそう告げられた。
===============================================
オルティス王の側室を母に持つ第三王子クライブと、バーネット侯爵家フォスティーヌは婚約していた。
挙式を半年後に控えたある日、王宮にて事件が勃発した。
クライブの異母兄である王太子ジェイラスが、国王陛下とクライブの実母である側室を暗殺。
新たに王の座に就いたジェイラスは、異母弟である第二王子マーヴィンを公金横領の疑いで捕縛、第三王子クライブにオールブライト辺境領を治める沙汰を下した。
マーヴィンの婚約者だったブリジットは共犯の疑いがあったが確たる証拠が見つからない。
ブリジットが王都にいてはマーヴィンの子飼いと接触、画策の恐れから、ジェイラスはクライブにオールブライト領でブリジットの隔離監視を命じる。
捜査中に大怪我を負い、生涯歩けなくなったブリジットをクライブは密かに想っていた。
長兄からの「ブリジットの隔離監視」を都合よく解釈したクライブは、オールブライト辺境伯の館のうち豪華な別邸でブリジットを囲った。
新王である長兄の命令に逆らえずフォスティーヌと結婚したクライブは、本邸にフォスティーヌを置き、自分はブリジットと別邸で暮らした。
フォスティーヌに「別邸には近づくことを許可しない」と告げて。
フォスティーヌは「お飾りの領主の妻」としてオールブライトで生きていく。
ブリジットの大きな嘘をクライブが知り、そこからクライブとフォスティーヌの関係性が変わり始める。
========================================
*荒唐無稽の世界観の中、ふんわりと書いていますのでふんわりとお読みください
*約10万字で最終話を含めて全29話です
*他のサイトでも公開します
*10月16日より、1日2話ずつ、7時と19時にアップします
*誤字、脱字、衍字、誤用、素早く脳内変換してお読みいただけるとありがたいです
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
『まて』をやめました【完結】
かみい
恋愛
私、クラウディアという名前らしい。
朧気にある記憶は、ニホンジンという意識だけ。でも名前もな~んにも憶えていない。でもここはニホンじゃないよね。記憶がない私に周りは優しく、なくなった記憶なら新しく作ればいい。なんてポジティブな家族。そ~ねそ~よねと過ごしているうちに見たクラウディアが以前に付けていた日記。
時代錯誤な傲慢な婚約者に我慢ばかりを強いられていた生活。え~っ、そんな最低男のどこがよかったの?顔?顔なの?
超絶美形婚約者からの『まて』はもう嫌!
恋心も忘れてしまった私は、新しい人生を歩みます。
貴方以上の美人と出会って、私の今、充実、幸せです。
だから、もう縋って来ないでね。
本編、番外編含め完結しました。ありがとうございます
※小説になろうさんにも、別名で載せています
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる