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2章 学園生活
126話 城めぐり(2)
しおりを挟む「次は騎士団に行きましょうか。
この時間でしたら訓練場にいると思うのですけれど。
そう、隣には魔法師団もあるのですよ」
騎士団と魔法師団が隣接……。騎士団と魔法師団は何かと合同作戦があるみたいだし、隣のほうが作戦とか立てやすいのかな。まあ、どこに何が立っているのかにそこまで深い意味はないのかもしれないけれど。
「では僕はそこで別れよう。
そろそろ稽古に行く時間だ」
騎士団がある場所は執務区からは少し遠くて、話しながら歩いているとだんだんと疲れてくる。予想外に城めぐりをしていることもあって、意外と体力がなくなっている気もするんだよね。正直休みたい気持ちもあるけれど、こんな機会そうそうないからそれはもったいないんだよね……。
「ウェルカ?」
「はい?」
ふと、アーサベルス殿下の声が近くで聞こえる。下がっていた視線を上げると、心配そうにこちらをのぞき込む殿下がいた。
「え、え?
あの?」
「ぼんやりしていたが大丈夫か?」
何とかはい、と答えるとならいいが、とまた離れていく。び、びっくりした。心臓がまだバクバクとしている……。殿下の様子に周りも驚いているようだけれど、特に何かを言うことはなかった。気まずさを感じながらも歩いていると、ようやく騎士団へと着いた。
建物に入っていくと、エントランスになっていて、そこには一人の男性が立っていた。
「おや、これはこれは。
ごきげんよう、アーサベルス殿下。
ランフェル殿下やお客人がこちらにいらっしゃるのは珍しいですね」
えっと、誰だろうか。
「ごきげんよう、団長。
今日は城を案内しているのです」
そうでしたか、と笑う団長はにこにこと笑っている。顔は怖いし、体つきもがっちりとしている人だけれど不思議とそんなに怖くない。
「では準備を、アーサベルス殿下」
そういうとアーサベルス殿下が団長とともに去って行ってしまった。稽古って言っていたから、これからやるのだろう。
「私たちも訓練場に行きましょう。
この奥にあるのです」
ランフェル殿下の後についていくと、だんだんと勇ましい声が聞こえるようになってきた。二階から訓練場に入ると、観覧席についたようだ。下にはいたるところで打ち合っている騎士たちが見えた。声を上げながら戦っている人も多くいて、訓練場が揺れるようだ。
「す、すごいですね」
「ええ。
こうして毎日鍛えているのですって」
その熱量に圧倒されている中、ランフェル殿下はまっすぐに騎士たちを見つめていた。
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