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2章 学園生活

120話 1年生の長期休み(1)

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 さて、結局あれから実技の授業を受けることなく初めての長期休みを迎えることになりました! 私やマンセルトさんはもともと休みに入れる程度は魔力の扱いを身に着けていたから特に問題はないそうだ。そして、実はあれからマンセルトさんとはちゃんと話せていない。それは正直気がかりだけど、まあ仕方ないよね。

 魔法基礎の授業に関してはテストがあったけど、それに関しては特になんの問題もなく合格することができた。

 長期休みの初日、私は王都のチェルビース家に帰ることになっていた。そして城へのお茶会を済ませた後は領地へと向かうことになっている。初めての領地だ! お姉さまも一緒に帰れるかは微妙なところだそう。

「ウェルカ様、ご支度が整いました」

 しばらく開けるということで、朝から忙しそうにしていたイルナもひと段落着いたそうでどこか疲れた顔をして、そう報告に来てくれる。ここにいる間はちゃんとした休みをあたえられていないから、この休暇中で一度は休ませてあげたいなと思いながら私は書室を出た。

 また帰ってくるので、帰宅中は使わない衣装や生活用品は置いていくので、ここに来た時よりは少ない荷物を持って下に降りると、寮室のカギを管理人に渡したら準備完了だ。一緒に帰るセイットももう下で待っていてくれたのですんなりと出立することができた。

「それにしても、もう懐かしく感じます。
 皆さん元気にしていらっしゃいますかね?」

「そうですね。
 寮に入ってしまうとなかなか帰るタイミングもありませんから」

 言いながら、セイットの顔はいつも通りだ。きっとセイットにとってはあの家は帰る家、という認識ではないのだろう。馬車は順調に走っていき、すぐに屋敷の前へと着く。待ち構えていたようにお出迎えの人々が立っていた。

「おかえりなさいませ、ウェルカ様、セイット様」

 馬車を降りるとそろった礼で迎えてくれる。まだこの様子は緊張してしまうのだ。

 セイットと声をかけながら屋敷の中に入ると、侍女に自室ではなく応接室へと案内される。中にはお母様とお父様が待っていた。

「ただいま戻りました」

「戻りました」

「ああ、よく戻った。
 まずは無事なようで何よりだ」

 ほっとした様子のお父様に、何か心配されるようなことがあっただろうかと首をかしげる。特に思い当たらないんだよね。

「二人ともが、ハレンクトラ伯爵領に向かったと聞かされた時は肝が冷えましたわ。
 本当に無事でよかった」

 ああ! そういえば、報告はしたと聞いていたけど、私は寝込んでしまった関係でここに戻ることなく寮に戻ってしまったんだ。自分が思っていた以上に心配をかけていたようで申し訳なかった。
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