乙女ゲームの世界に転生しました！でも、なんでヒロイン⁉そこは悪役令嬢でしょう⁉

赤ちゃん時代

お腹が膨れたら

ふぅー、
もうお腹いっぱい…
「ユリエル、もうお腹いっぱい？」
「あう！」
なんか、《あう》しか言えないのも中々大変だな…
伝えたい事を伝えられない…
「あなた、少しユリエルをお願いしてもいいかしら？」
「勿論だ！ユリエル！おいでー」
お父さん少し苦手…
「あー！」
まぁ、仕方ないなー
「天使…」
お父さん？
私は天使ではないよ？
「あぁ、可愛い…」
お父さん、確かに乙女ゲームのヒロインですし、可愛いとは思うけど…
そんなにデレデレしないで欲しい…
「ありがとうね。さぁ、ユリエル。おいで」
お母さん！
やっぱりお母さんが良いよ！
「うぅー」
「ユリエルー（泣）」
「あら？甘えん坊ねーユリエルは」
だって…
お父さんがキモい…
「う！」
「ユリエルに拒否された…」
「あなたがベタベタしてるのが分かるんじゃない？ねー？」
はい！
わかる！
「あぅー！」
「あら、本当に理解してるみたいだわ！」
そりゃ、中身は高校生だもん！
「ユリエルは天才なんだな！」
この世界の知識がどのくらいかはわからないけど、中学生レベルまでなら、大丈夫な気がするよ！
え？
出来ないと馬鹿すぎるだって？
これでも、前世の高校だと毎回成績はトップなんですよ…？
あれ…
眠くなってきた…
「あら？ユリエル、お眠？」
「あぅ…」
そっか、赤ちゃんだから、お腹が膨れると眠くなるんだね…
中々に不便…
「ぅ…」
「おやすみなさい、ユリエル」
おやすみなさいです…
お母さん…
「ユリエル、おやすみ」
お父さんは…
少しうっとおしいけど…
「うぅ…」
ギュー
「ユ、ユイカ！ユリエルが俺の手を‼」
やっぱりうっとおしい
まぁ、いいか…
おやすみなさい！