悪役令嬢に転生してしまいましたっ！

第五話

トントン

「失礼いたします」

部屋の中には、17歳くらいの男性が、20歳くらいの男性を後ろに立たせていました

「お待たせいたしました。マリア・マーガレットと申します。この度はご足労頂き、ありがとうございます」
「あぁ。サイス・ナスアーだ」

は？
なんで座ったまま？
普通は立って、握手でもするものでしょう⁉
確かにカイお兄様が言ったことが分かりました

「それで、この度はどのような御用で？」

知っているにしろ、一度聞き直しといた方がいいでしょう

「マリア・マーガレット、貴様に婚約を申し込む！」

はぁ⁉
何その上から目線
すごくムカつくんですが！

「失礼ですが、理由をお聞きしても？」

我慢、我慢

「理由などどうでもいいだろう！とにかく、この俺が直々に申し込んでやってるんだ！勿論、婚約するだろう！」

はぁ⁉
何こいつ！

「横から失礼しますが、」

サイハお兄様？

「直々に起こし頂いた事には誠に感謝いたしますが、ここはマキーラ王国ではありません。自国では無い所で、その様な態度はお控え頂きたくございます」

あら？
何気に切れていますね

「なっ！お前、この俺に指図するのか⁉俺はマキーラ王国の第一王子だぞ⁉」
「その態度を控えろって言ってんのー」

カイお兄様も言い出しゃいましたね…

「お前ら…揃いも揃って俺を馬鹿にするな！」

は？
先にこっちを下に見ていたのはそっちでしょう？

「いい加減にしろ。バカ王子！」

サイハお兄様が切れた！
嫌だな…

「なっ！この俺をバカ王子だと⁉この、無礼者め！」

ウザ…
私も切れそうです…

「それは、あなたでしょう？」

ルイハお兄様…
我慢の限界だったのでしょうね
ずっと拳が震えていましたもんね

「この俺にこんな事を言ってただで済むと思うなよ！お前らの家なんて、俺がアルス王国の国王に言えば、すぐにでも潰せるんだからな！」

へぇー

「やれるものなら、やってみてください」
「なに‼」

マキーラ王国なんぞの小国の王子の意見をあの国王様が聞くとは思えないですしね

「ただ、一つ覚悟をしていてくださいね。マーガレット家を敵に回したことを後悔させて差し上げます」

魔力を少し漏らして言う

「ふん！もういい！行くぞ！」
「はっ！」

あら…
もう行ってしまうのですか？

「あ、婚約の件ですが、お断りさせて頂きます」

念には念を入れておかないと、ですものね

「そんなもの、こちらからお断りだ！」