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第3章 ―旅情初編―
大陸最強
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アディオンから言われた出発日の朝を迎えたセナは、メディーと共にブレイダー家の人々に見送られた。
「セナ様?お気を付けて、実り多い旅となりますよう、お祈り申し上げますわ。メディーも気を付けるのですよ?」
「セナ殿、後のことは任されよ!完成の際には必ず知らせるぞ!」
迅風に跨るセナと馬車に乗るメディーに、エミルとギルスが見送りの挨拶をし、セナとメディーが頷き答えた。
そして、セバスやガルハルト、レイファに挨拶をした二人はアディオンとの待ち合わせ場所の門へと向かった。
「おっ!?来た来た!こっちこっち!」
迅風に跨るセナをみつけたアディオンが、手を振りセナ達を招いた。
「おっそいぞ!」
「お待たせして申し訳ありません」
腰に手を当て言うアディオンに、セナが迅風から降りて謝罪した。
「アディオン様、おはようございます!」
馬車から降りたメディーが挨拶をした。
「やぁ、メディー。急な誘いで悪かったね?」
アディオンがメディーににこやかに挨拶をしている間にセナは、アディオンの荷物を馬車に積み込んだ。
「さすがセナ君。気が利くね」
「いえ、それじゃぁ行きましょうか?」
アディオンが満足げにいうと、セナが笑顔で返した。
「お気をつけて!」
門を出る際に騎士が敬礼しながらセナ達を見送った。
「セナ君、メディーも今回は最短距離でジルネイを目指すよ?」
「じゃぁ、このまままっすぐ南下するんですね?」
「そうなるね」
しばらく進んで昼食をとりながらアディオンが今後のルートをいい、セナとメディーは頷いた。
「道が少し悪くて馬車に負担をかけてしまうけど、寒くなる前にはジルネイの中心部に着きたいからね」
「なるほど、それでメディーにもついてきてもらったんですね?」
アディオンの言葉にセナが納得したように言った。
「それもあるけど、さすがに男女二人旅は外聞が悪いし、なによりアリアが怒りそうだからね」
「そうですねぇ。アディオン様にセナ様がいつ襲われるかわかりませんし……」
アディオンの言葉にメディーが、神妙な顔で頷き言った。
「ほぅ?随分いうようになったじゃないか……次からはメディーの代わりにスターシャでも連れて…」
「嘘です!冗談です!いやぁ!アディオン様に誘っていただけて幸せだなぁ!!」
目を細め不敵に笑いながらいうアディオンの言葉を遮り、メディーがわざとらしく両腕をあげながら大きな声で言った。
「ところで、アディオンさん?僕に合わせたい方ってどんな方なんですか?」
「ん?言ってなかったっけ?」
「はい。聞いてないですね」
アディオンとメディーのやり取りに苦笑しながらも、セナが話題をかえて話しかけた。
「んっとね?ジルネイの首相だよ」
「え゛っ!?」
何気なく言ったアディオンの言葉に、セナが驚き硬直した。
「えっと、ジルネイの首相って確か…12英傑の一人ですよね?」
「うん。そうだよ」
「ナンバーズって何ですか?」
メディーの言葉にアディオンが、肯定を示しセナが疑問の言葉を口にした。
「えっ?セナ様。ナンバーズを知らないんですか?」
「うん……勉強不足で申し訳ない」
メディーの言葉にセナが申し訳なさそう言った。
「仕方ないですねぇ、お教えしましょう!ナンバーズとは、大陸最強の12人のすごい人たちのことです!」
「最強が12人もいるんですか?」
「う゛っ!そ、それは……」
胸を張り言ったメディーに、セナが素朴な疑問をぶつけると、メディーは目を泳がせ言葉に詰まった。
「ふふふっ。12人それぞれ得意なことが違うのさ。そして3人のケンオウが認めた者がナンバーズと呼ばれるようになり、国の柵もなく好き勝手やってるということなんだよ」
苦笑しながらアディオンが、補足した。
「へぇ、ケンオウ様ですか……というか随分お詳しいですね?」
「えっ?セナ様……本気でいってます?」
「ん?」
セナが感心したように言うと、メディーが信じられないものをみるようにセナを見ながら言った。
「いやいやいや!ナンバーズはそれぞれに1~12番まで番号がついていて、1~3までが3ケンオウ様で、そこにいらっしゃるアディオン様はナンバー4じゃないですか!」
「えぇ!!??」
メディーの言葉にセナが驚き立ち上がった。
「ふっふっふ!見直したかい?惚れてしまってもいいのだよ?ん?なんなら今日から子づくりでも…」
「いえ、惚れはしませんけど、驚愕の事実すぎてびっくりしました」
「ばっさりだね!僕はそっちのほうが驚きだよ!」
胸を張ったアディオンに、セナがばっさりと真顔で答えると、慄くようにアディオンが言った。
「セナ様!いいですか?No1は全てのナンバーズの長と言われている賢王様で、2が剣王様、3が拳王様です。そして永遠の27歳アディオン様がNo4なんですよ!?一体いつから27歳なのかすら誰も知らないんですからね!」
「え、永遠の27歳……」
「……メディー?本人を前に……いい度胸しているよ君」
「ひ、ひぃ!!」
メディーが興奮気味にいうと、セナが地面の一点を見つめながらつぶやくと、全身をワナワナと震わせ暗い緑色の魔力を滾らせたアディオンがメディーに、殺気を放ちながら近づいた。
「さ、さぁ!そろそろ出発しましょう!さぁ!急いで急いで!」
メディーがパンパンと手を叩き、忙しそうに食事の後片付けをはじめた。
「……永遠の27歳」
「セナ君?世の中には気にしちゃいけないこともあるんだよ?……ふふふ」
「は、はいっ!」
今だつぶやくセナに、なぜか見る者の全身に震えがくる笑顔を浮かべたアディオンが言うと、セナはメディーの元へ走り後かたずけを手伝った。
「さぁ!ジルネイに向けて出発!」
いそいそと馬車に乗ったメディーが、握りこぶしをあげ元気よくいい。セナ達はジルネイへと向かった。
====================================
これにて第3章終了です。
次章からはジルネイでの話となります。
「セナ様?お気を付けて、実り多い旅となりますよう、お祈り申し上げますわ。メディーも気を付けるのですよ?」
「セナ殿、後のことは任されよ!完成の際には必ず知らせるぞ!」
迅風に跨るセナと馬車に乗るメディーに、エミルとギルスが見送りの挨拶をし、セナとメディーが頷き答えた。
そして、セバスやガルハルト、レイファに挨拶をした二人はアディオンとの待ち合わせ場所の門へと向かった。
「おっ!?来た来た!こっちこっち!」
迅風に跨るセナをみつけたアディオンが、手を振りセナ達を招いた。
「おっそいぞ!」
「お待たせして申し訳ありません」
腰に手を当て言うアディオンに、セナが迅風から降りて謝罪した。
「アディオン様、おはようございます!」
馬車から降りたメディーが挨拶をした。
「やぁ、メディー。急な誘いで悪かったね?」
アディオンがメディーににこやかに挨拶をしている間にセナは、アディオンの荷物を馬車に積み込んだ。
「さすがセナ君。気が利くね」
「いえ、それじゃぁ行きましょうか?」
アディオンが満足げにいうと、セナが笑顔で返した。
「お気をつけて!」
門を出る際に騎士が敬礼しながらセナ達を見送った。
「セナ君、メディーも今回は最短距離でジルネイを目指すよ?」
「じゃぁ、このまままっすぐ南下するんですね?」
「そうなるね」
しばらく進んで昼食をとりながらアディオンが今後のルートをいい、セナとメディーは頷いた。
「道が少し悪くて馬車に負担をかけてしまうけど、寒くなる前にはジルネイの中心部に着きたいからね」
「なるほど、それでメディーにもついてきてもらったんですね?」
アディオンの言葉にセナが納得したように言った。
「それもあるけど、さすがに男女二人旅は外聞が悪いし、なによりアリアが怒りそうだからね」
「そうですねぇ。アディオン様にセナ様がいつ襲われるかわかりませんし……」
アディオンの言葉にメディーが、神妙な顔で頷き言った。
「ほぅ?随分いうようになったじゃないか……次からはメディーの代わりにスターシャでも連れて…」
「嘘です!冗談です!いやぁ!アディオン様に誘っていただけて幸せだなぁ!!」
目を細め不敵に笑いながらいうアディオンの言葉を遮り、メディーがわざとらしく両腕をあげながら大きな声で言った。
「ところで、アディオンさん?僕に合わせたい方ってどんな方なんですか?」
「ん?言ってなかったっけ?」
「はい。聞いてないですね」
アディオンとメディーのやり取りに苦笑しながらも、セナが話題をかえて話しかけた。
「んっとね?ジルネイの首相だよ」
「え゛っ!?」
何気なく言ったアディオンの言葉に、セナが驚き硬直した。
「えっと、ジルネイの首相って確か…12英傑の一人ですよね?」
「うん。そうだよ」
「ナンバーズって何ですか?」
メディーの言葉にアディオンが、肯定を示しセナが疑問の言葉を口にした。
「えっ?セナ様。ナンバーズを知らないんですか?」
「うん……勉強不足で申し訳ない」
メディーの言葉にセナが申し訳なさそう言った。
「仕方ないですねぇ、お教えしましょう!ナンバーズとは、大陸最強の12人のすごい人たちのことです!」
「最強が12人もいるんですか?」
「う゛っ!そ、それは……」
胸を張り言ったメディーに、セナが素朴な疑問をぶつけると、メディーは目を泳がせ言葉に詰まった。
「ふふふっ。12人それぞれ得意なことが違うのさ。そして3人のケンオウが認めた者がナンバーズと呼ばれるようになり、国の柵もなく好き勝手やってるということなんだよ」
苦笑しながらアディオンが、補足した。
「へぇ、ケンオウ様ですか……というか随分お詳しいですね?」
「えっ?セナ様……本気でいってます?」
「ん?」
セナが感心したように言うと、メディーが信じられないものをみるようにセナを見ながら言った。
「いやいやいや!ナンバーズはそれぞれに1~12番まで番号がついていて、1~3までが3ケンオウ様で、そこにいらっしゃるアディオン様はナンバー4じゃないですか!」
「えぇ!!??」
メディーの言葉にセナが驚き立ち上がった。
「ふっふっふ!見直したかい?惚れてしまってもいいのだよ?ん?なんなら今日から子づくりでも…」
「いえ、惚れはしませんけど、驚愕の事実すぎてびっくりしました」
「ばっさりだね!僕はそっちのほうが驚きだよ!」
胸を張ったアディオンに、セナがばっさりと真顔で答えると、慄くようにアディオンが言った。
「セナ様!いいですか?No1は全てのナンバーズの長と言われている賢王様で、2が剣王様、3が拳王様です。そして永遠の27歳アディオン様がNo4なんですよ!?一体いつから27歳なのかすら誰も知らないんですからね!」
「え、永遠の27歳……」
「……メディー?本人を前に……いい度胸しているよ君」
「ひ、ひぃ!!」
メディーが興奮気味にいうと、セナが地面の一点を見つめながらつぶやくと、全身をワナワナと震わせ暗い緑色の魔力を滾らせたアディオンがメディーに、殺気を放ちながら近づいた。
「さ、さぁ!そろそろ出発しましょう!さぁ!急いで急いで!」
メディーがパンパンと手を叩き、忙しそうに食事の後片付けをはじめた。
「……永遠の27歳」
「セナ君?世の中には気にしちゃいけないこともあるんだよ?……ふふふ」
「は、はいっ!」
今だつぶやくセナに、なぜか見る者の全身に震えがくる笑顔を浮かべたアディオンが言うと、セナはメディーの元へ走り後かたずけを手伝った。
「さぁ!ジルネイに向けて出発!」
いそいそと馬車に乗ったメディーが、握りこぶしをあげ元気よくいい。セナ達はジルネイへと向かった。
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これにて第3章終了です。
次章からはジルネイでの話となります。
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