86 / 323
第3章 ―旅情初編―
再度
しおりを挟む
ジルネイの国境からリネアの国境へと戻ってきたセナ達に、リネア側の検問所の騎士スレッガーが声をかけてきた。
「セナ様?もうお戻りですか?…それにその子供たちは?」
「はい。あぁ、この子たちは保護した子達で、マルンまで仲間に連れて行ってもらうために一度戻ってきたんですよ」
セナはスレッガーにこれまでの経緯と今後の予定を伝えた。
「そんなことがあったんですか…わかりました。皆さんお通り下さい」
「ありがとうございます」
スレッガーの言葉に礼をいい、セナ達はリネアへと入国し、待っていたメディーたちの元へ向かった。
「あっ!セナ様!結構時間かかったみたいですね?」
たまたま馬車から顔を出したメディーが、セナ達を見つけ手を振りながら声をかけてきた。
「ただいまメディー。遅くなってすみません」
「いえいえ、それで?その子達が?」
子供たちに目がいったメディーが笑顔を浮かべながら、セナへと聞くと、セナは頷きながら答えた。
「そうです。それで今日はあと少しで、日が暮れるので今日はここで過ごして、明日の朝マルンへ向かってもらえますか?」
セナの言葉にメディーが頷き、話声が聞こえたのかコニーも馬車からでてきた。
「セナ様おかえりなさい。無事に合流できたようでなによりです」
コニーはセナを見ると笑顔を浮かべ無事を喜んだ。
「それじゃぁ、子供たちを紹介しようか」
セナがメディーとコニーに声をかけると、リリスが子供たちに挨拶をするように促した。
「ほら、おめがだ、ちゃんと挨拶どごして」
※(ほら、お前たち ちゃんと挨拶をして)
リリスの言葉に子供たちはモジモジと恥ずかしそうにしながら、メディーとコニーを見上げてリリスに話しかけた。
「だんだども、姉っちゃ、おい しょしくって」
※(だけど、お姉ちゃん、私恥ずかしくって)
子供たちの反応を見て、メディーとコニーが腰を曲げ、子供たちに目線を合わせ笑顔で話しかけた。
「私はメディーといいます。こっちはコニー、皆さんをマルンという街に送り届けるように、セナ様に頼まれたの、だから明日からよろしくね?」
ニッコリ笑いながら言うメディーをみて、子供たちは顔を真っ赤にした。
「ふわぁ~…綺麗な姉っちゃだなぁ、さすが都会のふとだなぁ」
※(綺麗なお姉ちゃんだなぁ、さすが都会の人だな)
女の子の一人が二人に見とれながらつぶやいた。
「ん?私たちのこと?」
「…んだ」
コニーが少女に聞きなおすと、少女は恥ずかしそうに頷いた。
「セナ様!聞きましたか!?私達、都会の大人な美人ですって!」
少女の言葉に気をよくしたコニーが勢いよくセナへ振り向き声をあげた。
「ん?コニーさん、どうしました?」
しかしセナは、明日からリリスと別れマルンに向かう子供たちのために、今ある食材で栄養があり、おいしいと思われるものをマジックバッグ中から必死に選んでいた。
「……なんでもないです」
コニーはセナの行動に言葉をなくし、マインとエリスがそれをみて声を殺し笑っていた。
そして、マイン、コニー、メディーが料理をつくり、子供たちの前に差し出した。
「さぁ皆、晩御飯だよ!お腹いっぱい食べてね?」
コニーの言葉に、目の前に並べられた料理を見て、子供たちがゴクンと生唾を飲みながらも、戸惑いがちにリリスへと声をかけた。
「姉っちゃ、ほんとにこんたすごいご馳走ぐってもえの?」
※(お姉ちゃん、本当にこんなすごいご馳走食べてもいいの?
しかし、聞かれたリリスもあまりの豪華さにキョロキョロとセナ達の顔を見ていた。
「食べていいんだよ?沢山食べてね」
セナが柔らかい笑顔を浮かべいうと、コニーたちも笑顔で頷いた。それをみて、リリスが涙を浮かべながらも子供たちに笑顔をむけ、言葉をかけた。
「もぢろん!お腹いっぱい食わねぁど、明日がらの旅にだえられねぁよ?」
※(もちろん!お腹いっぱい食べないと!明日からの旅にたえられないよ!?)
その言葉を聞き、子供たちは嬉しそうにすごい勢いで食事を食べ始めた。
「ふふふっ。おいしいですか?まだまだ沢山ありますから、ゆっくり食べても大丈夫ですよ?」
笑顔でご飯をかっこむ子供たちにマインが笑顔で声をかけ、メディーたちが次々おかわりをよそって回った。
「肉だ!姉っちゃ、おい こんたすごい肉ぐったごどねぁよ!」
※(肉だ!お姉ちゃん、俺こんなすごい肉たべたことないよ!」
「おいも!」
※(私も)
男の子がフォークに肉を突き刺し、リリスに向かって笑顔を向け、周りにいた子達も同意の言葉をあげていた。
「姉っちゃ、んめぇね」
※(お姉ちゃん、おいしいね)
最初にリリスに抱き着いた女の子が、柔らかい笑顔をリリスに向け言った。
「そうだね、しったげ んめぇね」
※(そうだね、すごくおいしいね)
リリスも優しい笑顔をうかべ答えた。
「こんな、野外での簡単な食事にも、こんなにも感動しちゃうなんて……ただのスープとパン、簡単に焼いたお肉だけなんですよ……?これまでのこの子たちの生活が、これまでの道のりが、どれほど過酷だったんですかね……」
メディーがリリスと子供たちの食事の風景を見ながら、悲しそうな顔でつぶやいた。
「未だあの子たちのような境遇の子達が多くいると思われます……少しでも手助けしたくなりますね」
メディーの言葉にマインが悲痛な表情でいうと、エリスとコニーも真剣な眼差しで頷いた。
「僕たちにどれほどのことが出来るのか…わからないけど……せめて目に映る範囲だけでも手助けしたい……」
そんな皆の様子にセナが、力強い眼差しでいった。
「そうですね」
「はい!」
「やれるだけやりましょう!セナ様!」
「がんばります!」
セナの言葉にマイン達がそれぞれの言葉で同意した。
そして、食事が終わり子供たちを寝かせるためセナ達が馬車へと案内しようとしたところ。
「よし!只今より夜間野外想定の訓練を実施する!」
突然、検問所の詰所からスレッガーと騎士たちが外へ出てきて、スレッガーの声に敬礼をし、次々テントを立て始めた。
「お?おぉ!これはセナ様!」
わざとらしくスレッガーがセナへと声をかけた。
「スレッガーさん?これからなにを?」
セナが不思議に思い話しかけると、スレッガーはわざとらしく大げさに話し始めた。
「いや、王都でのスタンピードの件もありますし、我々辺境の国境を守る騎士も緊張感や有事に対した際、どう動くかなどの訓練をせねばと思いましてね?」
「はぁ」
ニヤリと笑いながら言うスレッガーに、理解が追い付かないセナが気のない返事を返した。
「それで、本日は夜間の有事を想定した訓練をすることにしたのです」
「な、なるほど」
セナが無理やり納得したような言葉を返したとき、一人の騎士がセナとスレッガーの元へきた。
「隊長!テント設営終了しました!」
「うむ!ごくろう!」
敬礼をして報告した騎士にスレッガーが満足げに答えた。
「ただ、一つ問題もあります!」
「なんだ?言ってみろ!」
「はっ!詰所が空で防犯上よろしくありません!」
騎士が笑いをこらえながら報告すると、スレッガーはわざと大声で対応した。
「なにごとですかね?」
「さぁ?」
その光景をみていたメディーがエリスに尋ねるが、エリスもわからず首を傾げた。
「な、なんと!盲点だったわ!……んー、誰か信用できる人物が詰所にいてくれればなぁ!」
「そうですねぇ~。大人10人子供10人は余裕で寝れる場所もあるんですけどねぇ~」
スレッガーと騎士がチラチラとセナを見ながら話し合っていた。
「ぷっ!そういうことですか」
マインが吹き出しながらスレッガー達の考えを理解し言葉を発した。
「お忙しい所申し訳ありません」
「ん?なにかね?」
「差し出口申し訳ありませんが、もしよろしければ我々が訓練の間、詰所を守りましょうか?」
マインとスレッガーが棒読み感丸出しで話し出した。
「おぉ!それは助かる!英雄のセナ様一行なら信頼もできる!すまんが頼めますかな?」
「わかりました」
マインがスレッガーとの会話を終わらせ、セナの元へと戻ってきた。
「セナ様、スレッガーや騎士たちの心遣いに甘えましょう。子供たちを詰所に寝かせてあげましょう」
「はい」
マインの言葉にセナが笑顔で返事をし、スレッガーたちの好意に甘え、子供たちと共に詰所へと移動した。
「さすがリネアの騎士だねぇ」
「いいとこあるわぁ」
メディーとコニーが騎士たちの横を通り過ぎるときに聞こえる様にほめて行った。
「暖げえ」
詰所の中へ入った子供たちが嬉しそうに声をあげた。騎士たちは子供たちのために少し時期的には早いが、薪を焚いていてくれていたようだった。
「ベッドだぁ!」
そして、綺麗なシーツなどに変えられていたベッドがいくつもあり、その一つに子供が飛び込んだ。
「こら!よごしてしまうだべ!」
リリスが焦りながらベッドに飛び込んだ子供を叱った。
「いや、大丈夫みたいですよ?」
リリスにセナが置手紙をヒラヒラ見せながら言った。手紙にはベッドはご自由に、とだけ書いてあった。
「ありがとうございます……リネアにこれて私たちは幸せです……」
手紙をみてリリスが涙を流しながらいうと、メディーたちがリリスを囲みそれぞれ抱きしめた。
「リリスさん?これからですよ?」
「はい」
マインの言葉に、涙をぐっとこらえ決意新たにした眼差しでリリスが返事をした。
そして、よろこびすぎてテンションがあがり、なかなか寝付けなかった子供たちを寝かせるのに幾ばくかの苦労をし、セナ達も眠りについた。
「セナ様?もうお戻りですか?…それにその子供たちは?」
「はい。あぁ、この子たちは保護した子達で、マルンまで仲間に連れて行ってもらうために一度戻ってきたんですよ」
セナはスレッガーにこれまでの経緯と今後の予定を伝えた。
「そんなことがあったんですか…わかりました。皆さんお通り下さい」
「ありがとうございます」
スレッガーの言葉に礼をいい、セナ達はリネアへと入国し、待っていたメディーたちの元へ向かった。
「あっ!セナ様!結構時間かかったみたいですね?」
たまたま馬車から顔を出したメディーが、セナ達を見つけ手を振りながら声をかけてきた。
「ただいまメディー。遅くなってすみません」
「いえいえ、それで?その子達が?」
子供たちに目がいったメディーが笑顔を浮かべながら、セナへと聞くと、セナは頷きながら答えた。
「そうです。それで今日はあと少しで、日が暮れるので今日はここで過ごして、明日の朝マルンへ向かってもらえますか?」
セナの言葉にメディーが頷き、話声が聞こえたのかコニーも馬車からでてきた。
「セナ様おかえりなさい。無事に合流できたようでなによりです」
コニーはセナを見ると笑顔を浮かべ無事を喜んだ。
「それじゃぁ、子供たちを紹介しようか」
セナがメディーとコニーに声をかけると、リリスが子供たちに挨拶をするように促した。
「ほら、おめがだ、ちゃんと挨拶どごして」
※(ほら、お前たち ちゃんと挨拶をして)
リリスの言葉に子供たちはモジモジと恥ずかしそうにしながら、メディーとコニーを見上げてリリスに話しかけた。
「だんだども、姉っちゃ、おい しょしくって」
※(だけど、お姉ちゃん、私恥ずかしくって)
子供たちの反応を見て、メディーとコニーが腰を曲げ、子供たちに目線を合わせ笑顔で話しかけた。
「私はメディーといいます。こっちはコニー、皆さんをマルンという街に送り届けるように、セナ様に頼まれたの、だから明日からよろしくね?」
ニッコリ笑いながら言うメディーをみて、子供たちは顔を真っ赤にした。
「ふわぁ~…綺麗な姉っちゃだなぁ、さすが都会のふとだなぁ」
※(綺麗なお姉ちゃんだなぁ、さすが都会の人だな)
女の子の一人が二人に見とれながらつぶやいた。
「ん?私たちのこと?」
「…んだ」
コニーが少女に聞きなおすと、少女は恥ずかしそうに頷いた。
「セナ様!聞きましたか!?私達、都会の大人な美人ですって!」
少女の言葉に気をよくしたコニーが勢いよくセナへ振り向き声をあげた。
「ん?コニーさん、どうしました?」
しかしセナは、明日からリリスと別れマルンに向かう子供たちのために、今ある食材で栄養があり、おいしいと思われるものをマジックバッグ中から必死に選んでいた。
「……なんでもないです」
コニーはセナの行動に言葉をなくし、マインとエリスがそれをみて声を殺し笑っていた。
そして、マイン、コニー、メディーが料理をつくり、子供たちの前に差し出した。
「さぁ皆、晩御飯だよ!お腹いっぱい食べてね?」
コニーの言葉に、目の前に並べられた料理を見て、子供たちがゴクンと生唾を飲みながらも、戸惑いがちにリリスへと声をかけた。
「姉っちゃ、ほんとにこんたすごいご馳走ぐってもえの?」
※(お姉ちゃん、本当にこんなすごいご馳走食べてもいいの?
しかし、聞かれたリリスもあまりの豪華さにキョロキョロとセナ達の顔を見ていた。
「食べていいんだよ?沢山食べてね」
セナが柔らかい笑顔を浮かべいうと、コニーたちも笑顔で頷いた。それをみて、リリスが涙を浮かべながらも子供たちに笑顔をむけ、言葉をかけた。
「もぢろん!お腹いっぱい食わねぁど、明日がらの旅にだえられねぁよ?」
※(もちろん!お腹いっぱい食べないと!明日からの旅にたえられないよ!?)
その言葉を聞き、子供たちは嬉しそうにすごい勢いで食事を食べ始めた。
「ふふふっ。おいしいですか?まだまだ沢山ありますから、ゆっくり食べても大丈夫ですよ?」
笑顔でご飯をかっこむ子供たちにマインが笑顔で声をかけ、メディーたちが次々おかわりをよそって回った。
「肉だ!姉っちゃ、おい こんたすごい肉ぐったごどねぁよ!」
※(肉だ!お姉ちゃん、俺こんなすごい肉たべたことないよ!」
「おいも!」
※(私も)
男の子がフォークに肉を突き刺し、リリスに向かって笑顔を向け、周りにいた子達も同意の言葉をあげていた。
「姉っちゃ、んめぇね」
※(お姉ちゃん、おいしいね)
最初にリリスに抱き着いた女の子が、柔らかい笑顔をリリスに向け言った。
「そうだね、しったげ んめぇね」
※(そうだね、すごくおいしいね)
リリスも優しい笑顔をうかべ答えた。
「こんな、野外での簡単な食事にも、こんなにも感動しちゃうなんて……ただのスープとパン、簡単に焼いたお肉だけなんですよ……?これまでのこの子たちの生活が、これまでの道のりが、どれほど過酷だったんですかね……」
メディーがリリスと子供たちの食事の風景を見ながら、悲しそうな顔でつぶやいた。
「未だあの子たちのような境遇の子達が多くいると思われます……少しでも手助けしたくなりますね」
メディーの言葉にマインが悲痛な表情でいうと、エリスとコニーも真剣な眼差しで頷いた。
「僕たちにどれほどのことが出来るのか…わからないけど……せめて目に映る範囲だけでも手助けしたい……」
そんな皆の様子にセナが、力強い眼差しでいった。
「そうですね」
「はい!」
「やれるだけやりましょう!セナ様!」
「がんばります!」
セナの言葉にマイン達がそれぞれの言葉で同意した。
そして、食事が終わり子供たちを寝かせるためセナ達が馬車へと案内しようとしたところ。
「よし!只今より夜間野外想定の訓練を実施する!」
突然、検問所の詰所からスレッガーと騎士たちが外へ出てきて、スレッガーの声に敬礼をし、次々テントを立て始めた。
「お?おぉ!これはセナ様!」
わざとらしくスレッガーがセナへと声をかけた。
「スレッガーさん?これからなにを?」
セナが不思議に思い話しかけると、スレッガーはわざとらしく大げさに話し始めた。
「いや、王都でのスタンピードの件もありますし、我々辺境の国境を守る騎士も緊張感や有事に対した際、どう動くかなどの訓練をせねばと思いましてね?」
「はぁ」
ニヤリと笑いながら言うスレッガーに、理解が追い付かないセナが気のない返事を返した。
「それで、本日は夜間の有事を想定した訓練をすることにしたのです」
「な、なるほど」
セナが無理やり納得したような言葉を返したとき、一人の騎士がセナとスレッガーの元へきた。
「隊長!テント設営終了しました!」
「うむ!ごくろう!」
敬礼をして報告した騎士にスレッガーが満足げに答えた。
「ただ、一つ問題もあります!」
「なんだ?言ってみろ!」
「はっ!詰所が空で防犯上よろしくありません!」
騎士が笑いをこらえながら報告すると、スレッガーはわざと大声で対応した。
「なにごとですかね?」
「さぁ?」
その光景をみていたメディーがエリスに尋ねるが、エリスもわからず首を傾げた。
「な、なんと!盲点だったわ!……んー、誰か信用できる人物が詰所にいてくれればなぁ!」
「そうですねぇ~。大人10人子供10人は余裕で寝れる場所もあるんですけどねぇ~」
スレッガーと騎士がチラチラとセナを見ながら話し合っていた。
「ぷっ!そういうことですか」
マインが吹き出しながらスレッガー達の考えを理解し言葉を発した。
「お忙しい所申し訳ありません」
「ん?なにかね?」
「差し出口申し訳ありませんが、もしよろしければ我々が訓練の間、詰所を守りましょうか?」
マインとスレッガーが棒読み感丸出しで話し出した。
「おぉ!それは助かる!英雄のセナ様一行なら信頼もできる!すまんが頼めますかな?」
「わかりました」
マインがスレッガーとの会話を終わらせ、セナの元へと戻ってきた。
「セナ様、スレッガーや騎士たちの心遣いに甘えましょう。子供たちを詰所に寝かせてあげましょう」
「はい」
マインの言葉にセナが笑顔で返事をし、スレッガーたちの好意に甘え、子供たちと共に詰所へと移動した。
「さすがリネアの騎士だねぇ」
「いいとこあるわぁ」
メディーとコニーが騎士たちの横を通り過ぎるときに聞こえる様にほめて行った。
「暖げえ」
詰所の中へ入った子供たちが嬉しそうに声をあげた。騎士たちは子供たちのために少し時期的には早いが、薪を焚いていてくれていたようだった。
「ベッドだぁ!」
そして、綺麗なシーツなどに変えられていたベッドがいくつもあり、その一つに子供が飛び込んだ。
「こら!よごしてしまうだべ!」
リリスが焦りながらベッドに飛び込んだ子供を叱った。
「いや、大丈夫みたいですよ?」
リリスにセナが置手紙をヒラヒラ見せながら言った。手紙にはベッドはご自由に、とだけ書いてあった。
「ありがとうございます……リネアにこれて私たちは幸せです……」
手紙をみてリリスが涙を流しながらいうと、メディーたちがリリスを囲みそれぞれ抱きしめた。
「リリスさん?これからですよ?」
「はい」
マインの言葉に、涙をぐっとこらえ決意新たにした眼差しでリリスが返事をした。
そして、よろこびすぎてテンションがあがり、なかなか寝付けなかった子供たちを寝かせるのに幾ばくかの苦労をし、セナ達も眠りについた。
10
お気に入りに追加
6,944
あなたにおすすめの小説
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
異世界でチート能力貰えるそうなので、のんびり牧場生活(+α)でも楽しみます
ユーリ
ファンタジー
仕事帰り。毎日のように続く多忙ぶりにフラフラしていたら突然訪れる衝撃。
何が起こったのか分からないうちに意識を失くし、聞き覚えのない声に起こされた。
生命を司るという女神に、自分が死んだことを聞かされ、別の世界での過ごし方を聞かれ、それに答える
そして気がつけば、広大な牧場を経営していた
※不定期更新。1話ずつ完成したら更新して行きます。
7/5誤字脱字確認中。気づいた箇所あればお知らせください。
5/11 お気に入り登録100人!ありがとうございます!
8/1 お気に入り登録200人!ありがとうございます!
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
勇者に恋人寝取られ、悪評付きでパーティーを追放された俺、燃えた実家の道具屋を世界一にして勇者共を見下す
大小判
ファンタジー
平民同然の男爵家嫡子にして魔道具職人のローランは、旅に不慣れな勇者と四人の聖女を支えるべく勇者パーティーに加入するが、いけ好かない勇者アレンに義妹である治癒の聖女は心を奪われ、恋人であり、魔術の聖女である幼馴染を寝取られてしまう。
その上、何の非もなくパーティーに貢献していたローランを追放するために、勇者たちによって役立たずで勇者の恋人を寝取る最低男の悪評を世間に流されてしまった。
地元以外の冒険者ギルドからの信頼を失い、怒りと失望、悲しみで頭の整理が追い付かず、抜け殻状態で帰郷した彼に更なる追い打ちとして、将来継ぐはずだった実家の道具屋が、爵位証明書と両親もろとも炎上。
失意のどん底に立たされたローランだったが、 両親の葬式の日に義妹と幼馴染が王都で呑気に勇者との結婚披露宴パレードなるものを開催していたと知って怒りが爆発。
「勇者パーティ―全員、俺に泣いて土下座するくらい成り上がってやる!!」
そんな決意を固めてから一年ちょっと。成人を迎えた日に希少な鉱物や植物が無限に湧き出る不思議な土地の権利書と、現在の魔道具製造技術を根底から覆す神秘の合成釜が父の遺産としてローランに継承されることとなる。
この二つを使って世界一の道具屋になってやると意気込むローラン。しかし、彼の自分自身も自覚していなかった能力と父の遺産は世界各地で目を付けられ、勇者に大国、魔王に女神と、ローランを引き込んだり排除したりする動きに巻き込まれる羽目に
これは世界一の道具屋を目指す青年が、爽快な生産チートで主に勇者とか聖女とかを嘲笑いながら邪魔する者を薙ぎ払い、栄光を掴む痛快な物語。
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから
ハーーナ殿下
ファンタジー
冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。
だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。
これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる