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第1章 降り立つ

無事に冒険者になりました

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 盛大に吹き出したレイファに、話の内容がわからずとも、自身を笑われたと認識したサイスが、ジト目でみてくる中。

 「どうしたの?おねぇちゃん」

 「コホンっ…。オリファ、なんでもないわ」

 咳ばらいを一つし、真顔になったレイファがいう。

 「まぁいいわ。それでは、セナ様の冒険者登録が終わりました。こちらがギルドカードとなります」

 セナが礼を言いながら、オリファからカードを受け取る。

 「記載内容に間違いはございませんか?こちらのカードはセナ様の身分証としてもお使いいただけますので、紛失等ないようお気をつけください」

 オリファからの言葉にセナがカードを確認すると。

 ●氏名 セナ=タチバナ
 ●年齢 30
 ●種族 人族
 ●LV 15
 ●職業 剣客・D級冒険者

 セナは記載を確認すると、オリファへ質問した。

 「オリファさん、1つ質問いいですか?職業にD級冒険者とあるんですが?」

 「はい、冒険者は実力と実績等により、A~Fまでのランク分けがされておりまして、登録されたばかりの初心者の方は、F級からのスタートとなっております」 

 「えっ?でも僕は今日登録したのにD級ですよ?」

 オリファの答えに、記載ミスだと思ったのかセナがカードを返そうとする。

 「セナ様の実力と実績につきましては、ブレイダー公爵家が責任を持ち証明すると、先ほど書簡をいただきました。
 それに対し、当ギルドのギルドマスター、サイスが許可をだしたので、セナ様はD級からのスタートとなっております」

 オリファからの回答に驚きながら、セナが振り返ると、レイファが笑顔で頷ずいた。

 「それと、ギルドと本人しか確認できない機能と、本人しか確認できない機能がございます」

 セナの視線が自身に戻ったのを、了承の意と受け取ったオリファが話を続ける。

 「まず、ギルドとカードの持主本人が確認できる事項とは、現在請け負っている依頼内容、過去の依頼達成件数と不達成件数、討伐モンスターとその数、ギルドでお預かりしている個人の資産となっております」

 「えっと、依頼の不達成に伴うペナルティーがあれば教えてください」

 ここまでの話で問題はないか?という表情をしたオリファにセナが質問する。

 「不達成については、どのような経緯で不達成になったのかを証明してもらい、依頼達成報酬の全額、半額と罰則金を、ギルドが依頼不達成をした冒険者へ請求をいたします」

 「簡単に言えばな?イレギュラーなことが起こって達成できなかったのか、自分たちの力を過信して達成できなかったのか話を聞いて、ギルドが嘘の証言ではないと審査したのち、罰則金を請求するってことだ」

 オリファの話にサイスが続ける。

 「まぁ…、簡単に述べるとマスターの言う通りです。それと不達成数が規定数に達するとランクが下がったり、場合によっては、除名となりますのでお気を付けください」

 オリファの話にセナが頷くと、サイスがバン!とセナの背中を勢いよく叩き。

 「達成すりゃぁいいだけの話だ!それと、個人のスキルはカードの裏面に書いてある。
 カードに魔力をちょろっと流せば見れるから、あとでみとけ」

 「セナ様?詳しい話は屋敷に戻る際、私がお教えいたしましょうか?」

 サイスの言葉に、セナがカードの裏面を見ながら不思議そうな顔をしていると、レイファがそう言ってきたので、セナは素直に礼をいう。

 「他にご質問等なければ、これで説明を終了させていただきます」

 セナとレイファのやり取りをみたオリファが、二人にそういい一礼した。


 セナがサイスとオリファに挨拶をし、ギルドをでて再び馬車でブレイダー家の屋敷へと戻ると。

 「セナ様、おかえりなさいませ。結構お時間のほうが、かかったようでございますね?」

 門の前でセバスがセナの帰りを迎え入れてくれ、レイファがギルドでのやり取りを説明した。

 「ふふっ…。いや、失礼。サイス様を盗賊とは……。セナ様はやはり面白い方でございますね」

 セバスが心から面白いといった笑顔をセナに向けた。

 「いや……だって……見る人、見る人、全員ムキムキで、山のような方々ばかりだったんですよ?」

 セナが二人に、ばつの悪そうな顔をしながら言った。

 「ふふふっ。たしかにガンボという冒険者もそうでしたし、ギルドマスターに至っては、ズルムケで顔に傷もありますからね」

 「ぐふっ!レイファ…。やめてください」

 レイファが面白そうにいうと、セバスは笑いをこらえ嗜めた。

 その後、屋敷内を進み、ギルスに推薦状の礼と、無事に冒険者登録ができたことを報告し終えると。

 「午前の予定は以上ですね?午後からは当騎士団が、セナ様の魔法適正の確認と、魔力の使い方を教えてくださるそうです」

 セバスの言葉に、今後の活動方針が決まると、内心ドキドキしながら、セナは一旦あたえられている部屋へと戻った。

 

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