318 / 323
第8章 救出編
まだまだ足りない
しおりを挟む
「な、なんと!」
「それでイース様後見人の件いかがでしょうか」
「儂などでいいのなら喜んで引き受けさせてもらいたい!」
「よかった…」
「セナ様、そのマウアですが私から正直にこれまでのことをお話したいと思いますので……申し訳ありませんがこちらまでお連れしてくださいませんか?」
魔界でセナが捕まえていた従魔を呼び出し高速で移動しエターニャにつくとアディオンにより腕が元通りにくっついていたイースと話をきき覚悟を決めた顔をしたペドロがセナに頭をさげマウアをつれてくるように頼んだ。
「ただいま戻りました」
「セナ様おかえりなさいませ」
エターニャでの話を終えザラタンの元へもどったセナをレイファが出迎えた。
「あれ?皆さんは?」
「外にて談笑しております」
「そうなんだ、あ!そろそろ戻ろうと思うんだけどアキラさんたちに知らせなきゃ!」
「アイリーンがすでに知らせにいき、メディーより魔界用の結界を受け取ったリョウ様もご一緒に一度ドラニスタへとすでにお向かいになられております」
「そうですか、では我々も一度ドラニスタにもどりましょう」
「かしこまりました」
セナの言葉を聞きレイファは全員にセナが帰ってきてドラニスタに戻ることを告げザラタンを発進させた。
「セナ様お疲れ様でした!」
「メディー、みんなもただいま戻りました、マウアさんと随分打ち解けたみたいだね」
「はい!マウアさんはものすごく話のわかるいい方ですから!」
「話がわかる?よくわからないけど仲良くなってよかったよ」
「はい!」
「それでなんだけどイース様がマウアさんの後見人を引き受けてくれたしエターニャで保護もしてくれるそうだよ」
「やった!セナありがとう!」
「セナ様ありがとうございます!」
「だから言ったでしょう?マウア、セナ様にお任せしておけば必ず大丈夫なのですわ」
「そうそう!私もセナにはいっつも迷惑かけちゃって申し訳ないけど頼りにしちゃうんだ!」
「はい!カトリーヌそうですね!ってアリアったら!」
「3人は随分仲がいいね」
「それはそうだよ!マウアは幼馴染だしカトリーヌは親友だもん!二人ももう親友みたいなものだよ!」
「そうですわね」
「二人にそう思ってもらえるなんて嬉しいです」
当然のように答えたアリアとカトリーヌにはにかみながら嬉しそうにしたマウアをみてセナは優しい笑顔を浮かべていた。
「セナ様…今後についてですが1つお願いがあります」
「ん?なんですか?」
「カーバンクルの主をアリアに代えてください」
「それは構わないけどいいのかい?」
「はい、今回のこと自分なりに考えました…アリアを守るにはそばにいるだけではだめだと思いました」
「え?コルネちょっとまってよ!」
「今後はセナ様と行動を共にし大元をたたくことにしました…アリア勝手に決めてごめん」
「そう…」
「うぅ……寂しいけど…すっごく寂しいけど!私のことを思ってコルネが決めたことなら私が邪魔しちゃダメだから……コルネいままで守ってくれてありがとう」
「アリアごめん……カーバンクル……アリアとマウアをお願い」
「キュゥ!」
涙目で頷くアリアに申し訳なさそうにカーバンクルを差し出したコルネの気持ちを汲みセナは主をアリアに変えた。
「アリアに何かあったらコルネも私たちも必ず駆けつけるわ」
「そうよ、私たちだって居るしセナ様の屋敷にはいつでも来てくれていいんだから」
「そうです!私たちだってアリアの親友なんですから気兼ねは不要ですよ!」
「うん…皆ありがとう」
「マウアも気兼ねなど必要ないのよ?いつでも遊びにきてね」
「はい!」
エリス、マイン、コニーそしてスカーレットの言葉でアリアとマウアは笑顔をうかべた。
「グルルルル」
「ブルルルル」
「ふふっ!話が聞こえていたみたいですね!」
「うん、そうみたいだね」
「メディー?セナ様もなにがですか?」
「グラニールも迅風もアリアに何かあったら駆けつけるといっているんですよ」
「おぉ!さすがですね!」
「グラニールも迅風もありがとう!!大好き!!!」
コニーが絶賛する中、外に向けてアリアが2頭に向けて大きな声で感謝すると2頭も嬉しそうに一鳴きした。
「アリアはみんなに愛されているのね」
「え?えへへへへへ……そうかな?」
「なにをおっしゃってるんですの?もうマウアも私たちの親愛なる友ではありませんか」
「カトリーヌの言う通りね、マウアになにかあっても私たちが必ず駆けつけるわ」
「カトリーヌ…スカーレットさんありがとう!」
「すっかりなじんできてますね」
「ふふふ、セナ様のお話などで盛り上がり意気投合なさっていたようですよ?」
「え?僕の話ですか?」
「はい!セナ様がいかに尊いお方かしっかりマウアに説明しておきました!」
「コニー…それってどういう…」
「ほかには帝国の濡れ衣を晴らすこと」
「それとペドロ叔父さんのことも話したんだぁ…」
「そうなんだ」
「帝国についてはわかっていたんです…けどあの軍服をみると怖くて」
「わかるよ…カトリーヌには悪いけどいまだにちょっと怖いよ」
「アリア…マウア…」
「カトリーヌ、ドラニスタにつくまでまだまだ時間がありますよ?」
「メディーどういう意味ですの?」
「今の帝国はすでに昔の帝国ではないでしょう?」
「ええ、そうですわね…何が言いたいんですの?」
「軍服を新たにデザインしてかえてしまえばよくないですか?」
「え?歴史ある帝国の軍服をかえることなど!」
「帝国の伝統とは物や格式というよりその強い心だとおもっていましたが残念ながら違うのですね、物などにすがるような伝統しかないというのならば仕方ありませんが、伝統というのはすべてを守るものなのですか?必要な部分だけ守り、あとは変える、変わるそのようなターニングポイントを見誤るだけならそのようなものは要らないとおもうのですけどねぇ」
「なっ!」
「メディー!帝国の服装が古臭くてダサいことは皆触れないようにしていたんですよ!カトリーヌに悪いじゃないですかっ!」
「なっ!なっ!コ、コニーまで!!」
「そうかな?私はカッチリしていて結構かっこいいと思っていたけど」
「エリス?セナ様がお召しになられていたスーツと比べてどうですか?」
「え?それはスーツのほうがいいに決まってるじゃないっていうかセナ様を引き合いに出さないでくれる?」
「くぅ!」
「カトリーヌはどう思うの?想像してみてくださいセナ様が帝国の軍服とスーツを着ているのを見比べて」
「くっ…ス、スーツのほうが素敵ですわ」
「そうでしょう、そうでしょう…というわけでこちらです!」
「え?」
悔しそうなカトリーヌにメディーが何かを取り出し見せた。
「本当はリネアで国王様やブレイダー家用にとデザインしていたのですがカトリーヌと私の仲なので特別にこのデザインをおゆずりしますよ」
「え?え?」
「リネアですらまだ採用されていない今!帝国が時代を先取りですよ!」
「え?なんか素敵じゃない?」
「そうね、カトリーヌが居ないならジルネイに欲しいわね」
バンと自身のマジックバッグから取り出したスーツタイプの制服を取り出すとエリスとスカーレットが褒めた。
「これを帝国の軍服の濃い緑色にしたらたしかに素敵かもしれないですね」
「…………」
「カトリーヌ今想像しましたね?」
「そ、そんなことはっ!」
「はぁ~…仕方ないですね…素直になれないカトリーヌのために素直になれるように最強の手助けをしてあげましょうか」
「メディーそんなのがあるの?」
「ありますよ?この世の人だれであれ必ず頷くとっておきの方法が」
「ふふふっ…さようにございますな」
「ま、まさかメディー…」
メディーが言いたいことがわかったヤオがクスクス笑うと察したカトリーヌが驚きの表情をした。
「セナ様ぁ~」
「ん?メディーなに?」
「セナ様は私が作ったこの制服どうおもわれますか?」
「ん?凄くかっこいいと思うよ、僕も作ってもらいたいくらいだよ」
「ありがとうございます!セナ様のスーツはすでにいくつか作ってあるのでご安心ください!」
「え?そうなの?」
「当然ですよ!」
朗らかに笑い礼を言うセナにメディーも満面の笑みで答えた後、鼻をフフンとならしカトリーヌをみた。
「セナ様からもカトリーヌにお願いしてください!せっかく帝国が生まれ変わったんですから見た目でも変わったと周りにアピールしたほうがいいと思うんです!」
「ああ、なるほどね!そうだねせっかくいい出来だし戻ったらレオ様にもお願いしに行ってみようか」
「はい!…………それでカトリーヌはどうおもいますか?素直になれそうですか?」
「メディー卑怯ですわっ!」
「カトリーヌ諦め時ですよ、セナ様がお出になられた時点で摘んでます」
「ふふふっそうね」
「くぅ~!わかりましたわ!メディーあとで型をゆずってください」
「任せてください!」
「セナ様って本当におすごい方なのね」
「でしょ!」
「ええ、あのように優しく接しながら世の中を変えていける方なのね」
「そうだよ!セナはあんなに強いのに力で抑えつけたりしないよ!セナはいつも優しさで人も周りもあったかく変えてくれるすごい人なんだよ」
「みんなが言っていたこと、改めてわかった気がする」
勝ち誇った顔をしたメディーとどんなことでも負けたことに憤慨するカトリーヌを微笑ましく見ている全員を遠巻きに見てマウアもいつのまにか笑顔になっていた。
===========================================
「マウアさんもだいぶ慣れてきたようですね」
「はい、最近では従魔たちとも触れ合えるようになってきているようです」
「そうなんですね」
出発して1週間、ザラタンの上では全員が来る時と同じように襲ってきた魔物を狩ったりそれぞれ修行したり魔界とつながったことで戻っていった従魔たちを呼び出し触れ合ったりしていた。
「魔界ってもっと暗くて怖いところだと思っていました」
「そのような場所もありますわ」
「でもアイリーンさんのお城は豪華で素敵でした」
「ありがとうございます、いつでもお越しになられて構いませんわ」
「そうですよ!まだまだ部屋数もあいてますから気軽にいっちゃいましょう!」
「メディーさんまるで自分の家のようにしてましたものね」
「それはそうですよ!アイリーンさんとはセナ様にお仕えする仲間というよりもう私たちは家族ですから!」
「え?」
「私たちはセナ様にお仕えしていますがぶっちゃけセナ様の家族みたいなものですから!私は敬っていますけど変に遠慮しないことにしているんです!」
「はぁ~…メディーさん大変うれしくは思いますがセナ様には気を使ってくださって」
「使ってます!皆さんにも使ってますが変に使うのをやめただけです!」
「メディーさんって何かすごいですね……」
「ええ、メディーさんですから……」
マウアが驚いてつぶやくように言った言葉に目線をそらしアイリーンが答えると周りで聞いていたヴァルキューレの面々もそれぞれがかみしめるようにうなずいていた。
「それでイース様後見人の件いかがでしょうか」
「儂などでいいのなら喜んで引き受けさせてもらいたい!」
「よかった…」
「セナ様、そのマウアですが私から正直にこれまでのことをお話したいと思いますので……申し訳ありませんがこちらまでお連れしてくださいませんか?」
魔界でセナが捕まえていた従魔を呼び出し高速で移動しエターニャにつくとアディオンにより腕が元通りにくっついていたイースと話をきき覚悟を決めた顔をしたペドロがセナに頭をさげマウアをつれてくるように頼んだ。
「ただいま戻りました」
「セナ様おかえりなさいませ」
エターニャでの話を終えザラタンの元へもどったセナをレイファが出迎えた。
「あれ?皆さんは?」
「外にて談笑しております」
「そうなんだ、あ!そろそろ戻ろうと思うんだけどアキラさんたちに知らせなきゃ!」
「アイリーンがすでに知らせにいき、メディーより魔界用の結界を受け取ったリョウ様もご一緒に一度ドラニスタへとすでにお向かいになられております」
「そうですか、では我々も一度ドラニスタにもどりましょう」
「かしこまりました」
セナの言葉を聞きレイファは全員にセナが帰ってきてドラニスタに戻ることを告げザラタンを発進させた。
「セナ様お疲れ様でした!」
「メディー、みんなもただいま戻りました、マウアさんと随分打ち解けたみたいだね」
「はい!マウアさんはものすごく話のわかるいい方ですから!」
「話がわかる?よくわからないけど仲良くなってよかったよ」
「はい!」
「それでなんだけどイース様がマウアさんの後見人を引き受けてくれたしエターニャで保護もしてくれるそうだよ」
「やった!セナありがとう!」
「セナ様ありがとうございます!」
「だから言ったでしょう?マウア、セナ様にお任せしておけば必ず大丈夫なのですわ」
「そうそう!私もセナにはいっつも迷惑かけちゃって申し訳ないけど頼りにしちゃうんだ!」
「はい!カトリーヌそうですね!ってアリアったら!」
「3人は随分仲がいいね」
「それはそうだよ!マウアは幼馴染だしカトリーヌは親友だもん!二人ももう親友みたいなものだよ!」
「そうですわね」
「二人にそう思ってもらえるなんて嬉しいです」
当然のように答えたアリアとカトリーヌにはにかみながら嬉しそうにしたマウアをみてセナは優しい笑顔を浮かべていた。
「セナ様…今後についてですが1つお願いがあります」
「ん?なんですか?」
「カーバンクルの主をアリアに代えてください」
「それは構わないけどいいのかい?」
「はい、今回のこと自分なりに考えました…アリアを守るにはそばにいるだけではだめだと思いました」
「え?コルネちょっとまってよ!」
「今後はセナ様と行動を共にし大元をたたくことにしました…アリア勝手に決めてごめん」
「そう…」
「うぅ……寂しいけど…すっごく寂しいけど!私のことを思ってコルネが決めたことなら私が邪魔しちゃダメだから……コルネいままで守ってくれてありがとう」
「アリアごめん……カーバンクル……アリアとマウアをお願い」
「キュゥ!」
涙目で頷くアリアに申し訳なさそうにカーバンクルを差し出したコルネの気持ちを汲みセナは主をアリアに変えた。
「アリアに何かあったらコルネも私たちも必ず駆けつけるわ」
「そうよ、私たちだって居るしセナ様の屋敷にはいつでも来てくれていいんだから」
「そうです!私たちだってアリアの親友なんですから気兼ねは不要ですよ!」
「うん…皆ありがとう」
「マウアも気兼ねなど必要ないのよ?いつでも遊びにきてね」
「はい!」
エリス、マイン、コニーそしてスカーレットの言葉でアリアとマウアは笑顔をうかべた。
「グルルルル」
「ブルルルル」
「ふふっ!話が聞こえていたみたいですね!」
「うん、そうみたいだね」
「メディー?セナ様もなにがですか?」
「グラニールも迅風もアリアに何かあったら駆けつけるといっているんですよ」
「おぉ!さすがですね!」
「グラニールも迅風もありがとう!!大好き!!!」
コニーが絶賛する中、外に向けてアリアが2頭に向けて大きな声で感謝すると2頭も嬉しそうに一鳴きした。
「アリアはみんなに愛されているのね」
「え?えへへへへへ……そうかな?」
「なにをおっしゃってるんですの?もうマウアも私たちの親愛なる友ではありませんか」
「カトリーヌの言う通りね、マウアになにかあっても私たちが必ず駆けつけるわ」
「カトリーヌ…スカーレットさんありがとう!」
「すっかりなじんできてますね」
「ふふふ、セナ様のお話などで盛り上がり意気投合なさっていたようですよ?」
「え?僕の話ですか?」
「はい!セナ様がいかに尊いお方かしっかりマウアに説明しておきました!」
「コニー…それってどういう…」
「ほかには帝国の濡れ衣を晴らすこと」
「それとペドロ叔父さんのことも話したんだぁ…」
「そうなんだ」
「帝国についてはわかっていたんです…けどあの軍服をみると怖くて」
「わかるよ…カトリーヌには悪いけどいまだにちょっと怖いよ」
「アリア…マウア…」
「カトリーヌ、ドラニスタにつくまでまだまだ時間がありますよ?」
「メディーどういう意味ですの?」
「今の帝国はすでに昔の帝国ではないでしょう?」
「ええ、そうですわね…何が言いたいんですの?」
「軍服を新たにデザインしてかえてしまえばよくないですか?」
「え?歴史ある帝国の軍服をかえることなど!」
「帝国の伝統とは物や格式というよりその強い心だとおもっていましたが残念ながら違うのですね、物などにすがるような伝統しかないというのならば仕方ありませんが、伝統というのはすべてを守るものなのですか?必要な部分だけ守り、あとは変える、変わるそのようなターニングポイントを見誤るだけならそのようなものは要らないとおもうのですけどねぇ」
「なっ!」
「メディー!帝国の服装が古臭くてダサいことは皆触れないようにしていたんですよ!カトリーヌに悪いじゃないですかっ!」
「なっ!なっ!コ、コニーまで!!」
「そうかな?私はカッチリしていて結構かっこいいと思っていたけど」
「エリス?セナ様がお召しになられていたスーツと比べてどうですか?」
「え?それはスーツのほうがいいに決まってるじゃないっていうかセナ様を引き合いに出さないでくれる?」
「くぅ!」
「カトリーヌはどう思うの?想像してみてくださいセナ様が帝国の軍服とスーツを着ているのを見比べて」
「くっ…ス、スーツのほうが素敵ですわ」
「そうでしょう、そうでしょう…というわけでこちらです!」
「え?」
悔しそうなカトリーヌにメディーが何かを取り出し見せた。
「本当はリネアで国王様やブレイダー家用にとデザインしていたのですがカトリーヌと私の仲なので特別にこのデザインをおゆずりしますよ」
「え?え?」
「リネアですらまだ採用されていない今!帝国が時代を先取りですよ!」
「え?なんか素敵じゃない?」
「そうね、カトリーヌが居ないならジルネイに欲しいわね」
バンと自身のマジックバッグから取り出したスーツタイプの制服を取り出すとエリスとスカーレットが褒めた。
「これを帝国の軍服の濃い緑色にしたらたしかに素敵かもしれないですね」
「…………」
「カトリーヌ今想像しましたね?」
「そ、そんなことはっ!」
「はぁ~…仕方ないですね…素直になれないカトリーヌのために素直になれるように最強の手助けをしてあげましょうか」
「メディーそんなのがあるの?」
「ありますよ?この世の人だれであれ必ず頷くとっておきの方法が」
「ふふふっ…さようにございますな」
「ま、まさかメディー…」
メディーが言いたいことがわかったヤオがクスクス笑うと察したカトリーヌが驚きの表情をした。
「セナ様ぁ~」
「ん?メディーなに?」
「セナ様は私が作ったこの制服どうおもわれますか?」
「ん?凄くかっこいいと思うよ、僕も作ってもらいたいくらいだよ」
「ありがとうございます!セナ様のスーツはすでにいくつか作ってあるのでご安心ください!」
「え?そうなの?」
「当然ですよ!」
朗らかに笑い礼を言うセナにメディーも満面の笑みで答えた後、鼻をフフンとならしカトリーヌをみた。
「セナ様からもカトリーヌにお願いしてください!せっかく帝国が生まれ変わったんですから見た目でも変わったと周りにアピールしたほうがいいと思うんです!」
「ああ、なるほどね!そうだねせっかくいい出来だし戻ったらレオ様にもお願いしに行ってみようか」
「はい!…………それでカトリーヌはどうおもいますか?素直になれそうですか?」
「メディー卑怯ですわっ!」
「カトリーヌ諦め時ですよ、セナ様がお出になられた時点で摘んでます」
「ふふふっそうね」
「くぅ~!わかりましたわ!メディーあとで型をゆずってください」
「任せてください!」
「セナ様って本当におすごい方なのね」
「でしょ!」
「ええ、あのように優しく接しながら世の中を変えていける方なのね」
「そうだよ!セナはあんなに強いのに力で抑えつけたりしないよ!セナはいつも優しさで人も周りもあったかく変えてくれるすごい人なんだよ」
「みんなが言っていたこと、改めてわかった気がする」
勝ち誇った顔をしたメディーとどんなことでも負けたことに憤慨するカトリーヌを微笑ましく見ている全員を遠巻きに見てマウアもいつのまにか笑顔になっていた。
===========================================
「マウアさんもだいぶ慣れてきたようですね」
「はい、最近では従魔たちとも触れ合えるようになってきているようです」
「そうなんですね」
出発して1週間、ザラタンの上では全員が来る時と同じように襲ってきた魔物を狩ったりそれぞれ修行したり魔界とつながったことで戻っていった従魔たちを呼び出し触れ合ったりしていた。
「魔界ってもっと暗くて怖いところだと思っていました」
「そのような場所もありますわ」
「でもアイリーンさんのお城は豪華で素敵でした」
「ありがとうございます、いつでもお越しになられて構いませんわ」
「そうですよ!まだまだ部屋数もあいてますから気軽にいっちゃいましょう!」
「メディーさんまるで自分の家のようにしてましたものね」
「それはそうですよ!アイリーンさんとはセナ様にお仕えする仲間というよりもう私たちは家族ですから!」
「え?」
「私たちはセナ様にお仕えしていますがぶっちゃけセナ様の家族みたいなものですから!私は敬っていますけど変に遠慮しないことにしているんです!」
「はぁ~…メディーさん大変うれしくは思いますがセナ様には気を使ってくださって」
「使ってます!皆さんにも使ってますが変に使うのをやめただけです!」
「メディーさんって何かすごいですね……」
「ええ、メディーさんですから……」
マウアが驚いてつぶやくように言った言葉に目線をそらしアイリーンが答えると周りで聞いていたヴァルキューレの面々もそれぞれがかみしめるようにうなずいていた。
10
お気に入りに追加
6,944
あなたにおすすめの小説
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
勇者に恋人寝取られ、悪評付きでパーティーを追放された俺、燃えた実家の道具屋を世界一にして勇者共を見下す
大小判
ファンタジー
平民同然の男爵家嫡子にして魔道具職人のローランは、旅に不慣れな勇者と四人の聖女を支えるべく勇者パーティーに加入するが、いけ好かない勇者アレンに義妹である治癒の聖女は心を奪われ、恋人であり、魔術の聖女である幼馴染を寝取られてしまう。
その上、何の非もなくパーティーに貢献していたローランを追放するために、勇者たちによって役立たずで勇者の恋人を寝取る最低男の悪評を世間に流されてしまった。
地元以外の冒険者ギルドからの信頼を失い、怒りと失望、悲しみで頭の整理が追い付かず、抜け殻状態で帰郷した彼に更なる追い打ちとして、将来継ぐはずだった実家の道具屋が、爵位証明書と両親もろとも炎上。
失意のどん底に立たされたローランだったが、 両親の葬式の日に義妹と幼馴染が王都で呑気に勇者との結婚披露宴パレードなるものを開催していたと知って怒りが爆発。
「勇者パーティ―全員、俺に泣いて土下座するくらい成り上がってやる!!」
そんな決意を固めてから一年ちょっと。成人を迎えた日に希少な鉱物や植物が無限に湧き出る不思議な土地の権利書と、現在の魔道具製造技術を根底から覆す神秘の合成釜が父の遺産としてローランに継承されることとなる。
この二つを使って世界一の道具屋になってやると意気込むローラン。しかし、彼の自分自身も自覚していなかった能力と父の遺産は世界各地で目を付けられ、勇者に大国、魔王に女神と、ローランを引き込んだり排除したりする動きに巻き込まれる羽目に
これは世界一の道具屋を目指す青年が、爽快な生産チートで主に勇者とか聖女とかを嘲笑いながら邪魔する者を薙ぎ払い、栄光を掴む痛快な物語。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
異世界でチート能力貰えるそうなので、のんびり牧場生活(+α)でも楽しみます
ユーリ
ファンタジー
仕事帰り。毎日のように続く多忙ぶりにフラフラしていたら突然訪れる衝撃。
何が起こったのか分からないうちに意識を失くし、聞き覚えのない声に起こされた。
生命を司るという女神に、自分が死んだことを聞かされ、別の世界での過ごし方を聞かれ、それに答える
そして気がつけば、広大な牧場を経営していた
※不定期更新。1話ずつ完成したら更新して行きます。
7/5誤字脱字確認中。気づいた箇所あればお知らせください。
5/11 お気に入り登録100人!ありがとうございます!
8/1 お気に入り登録200人!ありがとうございます!
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる