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第8章 救出編
どちらが闇の住人かという話
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「馬鹿正直に正面から乗り込んできやがった!」
「はっ!これだけの数に俺らがいるんだぜ?無謀すぎるだろ!」
「セナ様ここは我らが…いでませいヒュドラ」
「おいでなさいコカトリス」
セナ達の前には数万の魔物や魔族、人など様々な混成軍が待ち構えていてその先頭に二人の大男がたち不敵な笑いをうかべていた。
「おいおい、魔物たちがおびえてちまってるぜ?」
「あの3つ首の蛇と鳥がでるまえにはもうそんな感じだったぜ」
「まぁいい!おめぇら!敵だ!やっちまえ!」
グラニールや迅風、そしてセナが近づくにつれ魔物たちが統制をみだすほどおびえ始めていたところにヤオとタオがそれぞれの従魔をザラタンから呼び寄せるとさらに混乱したため大男たち勢いで押し切ろうと仕掛けてきた。
「アイリーン、私たちであの大男たちを倒しましょうか」
「それはかまいませんがマインさん大丈夫ですの?」
「ええ任せて セナ様、ヤオさんタオさんよろしいですか?」
「いいですけど大丈夫ですか?あれくらいの数ならグラニールか迅風だけでも大丈夫ですよ?」
「ここはアイリーンもおりますしヒュドラもコカトリスも居てくれますからお任せください」
「わかりました、無理はしないようにおねがいします」
「はい!」
自信ありげなマインがサーペントを召喚しその頭の上にアイリーンとともに降り立ち、セナ達が乗る迅風とグラニールが先に行けるようヒュドラが炎を吐き行く手を阻む敵を邪魔した。
「それでマインさん何か策でもおありなのかしら?」
「ええ、もちろん!サーペントおねがい!」
アイリーンに尋ねられたマインが自信満々でサーペントに指示を出すとサーペントは自身達と敵との間に一直線に水を吐き出した。
「ヒュドラ!コカトリス!ブレスよ!」
マインは自身のマジックバッグからいくつもソフトボールサイズの球を取り出し続けざまに2体に毒と化石化の息をあたり一面に吐き出させそれに次々と球をなげいれ一緒に飛ばしてもらった。
「こんなものかしらね?ヒュドラ!炎を!」
「なっ!?」
毒の息を吐きながら真ん中の頭で炎を吐き出した瞬間、充満していた毒と化石の息にバチバチと引火し大爆発をおこし余りの規模の爆発に後ろを振り返ったメディーが驚いていたがマインのとなりにいたアイリーンは驚きすぎて固まっていた。
「これでどれくらい残るかしらね」
「そ、そうですわね……」
大爆発をおこし未だ燃え続けているあたり一面をみつめたままアイリーンが何とか答えた。
「あら、結構すくないわね」
「あれをいきなり食らった割には残っていると思いますわ……」
「そうかしら?けどアイリーンなら大丈夫だと思うけど一応まだ近寄らないでね?」
「え?」
「さっきの球、引火性の高い毒粉を固めたものなの、あれが燃えた煙を吸っても猛毒がまわっちゃうのよね」
「な、なるほど……わかりましたわ……」
ヒュドラの毒で苦しみながら焼け死んだり、コカトリスの息を浴び化石化し粉々に吹き飛んだもの、そして単純に大爆発で吹き飛んで死んだものそして爆発と炎上がおさまったあとアイリーンの目の前には急に苦しみだして息絶えていく敵が広がっていた。
「さきにサーペントに水をはきださせたのは爆発の熱で蒸発することでできる気流であの煙がこちらにこないようにするためなのよ」
「そこまでお考えに……」
「私の親友に手を出してそれを助けにきたセナ様の邪魔までするんですもの最低限これくらいは当然でしょ?」
どす黒く笑うマインの笑顔にアイリーンは恐怖を感じながら必死に首を縦に振ってこたえた。
「あら、あの方々はご無事のようですわね」
「周りの魔物を盾にして爆発を防いだようね、毒は……効いてなさそうね」
惨劇が広がる中、顔を蒼に染めたアイリーンが盾にした魔物の死骸をイライラしながら蹴とばしよけている男2人をみつけいうとマインはすっと目を細め観察していた。
「どうなさいますか?」
「あの二人以外いないようだし毒ももう消え去っているから私たちで直々に倒してしまいましょ」
「私はそれでかまいませんが」
「言いたいことはわかるわ、けど大丈夫よ……私の師匠、誰だと思ってるの?」
「そうでしたわね」
マインの挑発的な笑顔を見てアイリーンはため息交じりに頷いた。
「おいおい…まさかてめぇらがこれやったのか?」
「はぁ~……マジかよ………どうすんだよこれ」
サーペントから降り近寄ってくるマインとアイリーンを睨みながら二人の男がげんなりしていた。
「お取込み中申し訳ありません、こちらを通りたいので少々道を譲ってくださいませんか?」
「あぁ?、今こっちはてめぇらがやったことをどうやって誤魔化すか考え中だ!」
「おい、とりあえずこいつらをやっちまって責任を取らせようぜ!」
ふわりと優雅にカーテシーをきめ言ったアイリーンに男たちはイライラしながら戦斧と剣をそれぞれ構えた。
「マインさんはどちらを?」
「あら、私が先に選んでいいの?悪いわね、じゃあ私は斧を」
「では、私は剣の方を」
「おいおい!舐めすぎだろ!」
二人を無視して話し合うマインとアイリーンに二人は激昂した。
「まぁ落ち着けよ、よくみりゃぁ二人ともかなりの上玉だ!適当になぶって奴隷にしてやろうぜ!」
「ん?ああ…それもいいな!奴隷にしたら交換だ」
「いいねぇ!」
「ねぇアイリーン、どうしてモテない下品な男ってどいつもこいつもみんな同じことをいうのかしら?」
「さぁ?下衆の考えなどわかりかねますわ」
品定めするような下衆な微笑みをうかべる男二人にげんなりしながら言ったマインの言葉にまったく興味なさそうにアイリーンが深いため息交じりに答えた。
「いってろよ!すぐにヒィヒィ言わせてやっからな!」
「はぁ~…時間の無駄ね」
「そうですわね、一刻も早くセナ様の元へむかいましょう」
「かはっ!」
「なっ!?お、おい!てめっ!」
「よそ見していいの?」
「ぐっ!?がっはっ…………」
いうと同時にアイリーンが指さすと剣を持った男の胸の真ん中にこぶし大の穴があき一瞬で絶命し、驚いている斧の男にマインはヒールをまとった拳を打ち込むと男はガタガタと震え吐血し息絶えた。
「…………」
「アイリーン、今のって闇の魔力を打ち込んだの?」
「え、ええ…それよりもマインさん今のはヒールなのでは?」
「え?ああ、そうよ?ただのヒールじゃないけどね」
「そ、そうなのですのね」
「ええ、アディオン様とスターシャ様と3人で作りだした……なんて言えばいいのかしら…そうねぇ、しいて言えば反転ヒールね」
「反転?」
「ええ、セナ様から頂いたこのアクセに色々な猛毒を仕込んでね、それを特殊なヒールをつかって一瞬で相手の体に打ち込んで毒を回すのよ」
「え゛…」
「私、いろいろな毒を研究しててね、それをもとにアディオン様とスターシャ様にお知恵とお力添えをいただいて作っているの」
「そ、そうなのですか」
「ええ、まだ未完成だけど……セナ様の時のようなことがあっても治せるように研究しているのよ」
「…………そうですか」
「ええ、治療師としての矜持と意地よ……さぁ、セナ様をおいかけましょ」
「そうですわね、ですが私少々やることができましたので先にマインさん向かってくださいませ」
「え?ええ、わかったわ。すぐにきてね」
「もちろんですわ」
マインの芯に触れたような気がしたアイリーンは自身がなせることを考えその場にとどまると原型をとどめて死してる魔物や兵たちを次々と自らの死兵へと作り替え自身の仲間以外すべての生き物を襲い仲間にしろと命令しマインの後を追いセナの元へと向かった。
========================================
「グラニールが飛べるほどの通路ってすごいですよね」
「身動きがとれませぬがな」
「歌姫様をお救いしたら塵にしてしまいますしそれまでの辛抱ですわ」
「セナ様、アリアの反応はまだありませんか?」
「いくつか大きい反応があるんですがアリアのは感じ取れないんですよね」
「そうですか…」
「んー…ではセナ様、感じ取れる中で一番数が多い場所へ向かってみませんか?」
「ん?それはいいけど」
「もしかしたらアリアはシャットダウンされていてそれを集まってみている可能性もありますよね?」
「ああ、なるほど。じゃあメディーのいうとおりにしてみようか」
「御意!」
メディーの言葉に多数の魔力などを感知した場所を目指し始めた。
「セナ様!近辺に生物はいないですか?」
「いないようだよ」
「そうですか!ではグラニール!お願いします!!」
「グルワァ!」
「なっ!?」
セナの言葉を受けメディーが優しくグラニールを撫でながらいうとグラニールはセナ達が目指している場所に向かいヤオ達が驚く中、壁を破壊しながら一直線に向かい始めた。
「どうせアリアを救った後は破壊するんですからわざわざ道どおり進む必要なんてありませんよ!」
「しかしもしもということがあっては!」
「大丈夫ですよ!もし幽閉されていたとしても一部が壊れたらアリアをセナ様が感じ取れますし感じ取ったらすぐにお救いしてくださいますもん」
「そ、それはそうですが……」
相変わらずセナを信頼しきっているメディーの言葉にさしもの二人も冷や汗をかきながら言葉を失っていた。
「あそこだね、グラニールたのむよ」
少し進むと巨大で重厚そうな扉のある場所に到達し、セナの指示でグラニールはドアをちぎり捨てた。
「もう気やがった!!」
「む、向かい撃て!!」
『雷霆』
「ぐはっ!!」
グラニールが扉をやぶると迅風にのったセナが部屋の中へ入るとホールのように広い場所に30名ほど他の兵たちとは違う立派な装備をした兵たちがいてセナ達に攻撃を仕掛けようとした瞬間、セナが左手を振り下ろし攻撃すると全員が雷に打たれ倒れた。
「すみませんがアリアは?リネアの歌姫はどちらに?」
「がはっ!誰が貴様などに!」
「自害などさせない!」
一人だけ生かしておいた兵にセナが尋ねると兵は自ら命を立とうとしてコルネに意識を刈り取られヤオとタオが蛇をつかいいつもどおり必要な情報を聞き出した。
「…………なんということを…………」
「セナ様!!」
情報を聞き出しあまりのことにヤオが怒りに震えているところにコニーやマインたちが合流し手に入れた情報を伝えた。
「……セナ様はそいつを倒しに向かってくださいますか?」
「ん?」
「話を聞く限り、そのアリアをさらったここの主を倒さなければすぐにアリアを無傷で救うことができないと思います」
「そうですわね、セナ様はそちらにまっすぐお向かいになられてくださいませ」
「そうですね!アリアの居場所が分かった今、そちらにまっすぐむかってください」
「その間に我らがアリアの元へ行き、そこを制圧しセナ様がお越しになられるまで守って見せます!」
「そうね!セナ様一刻の猶予も命取りになりかねません!やりましょう!」
メディーの言葉をかわきりにカトリーヌ、コニー、エリスそしてスカーレットが言った。
「わかりました!ではアリアのことは皆さんにお任せします!ヤオさんタオさんもそちらに!」
「御意」
「かしこまりました」
「では、セナ様ご武運を!」
「皆さんに今さら無理せずなどとは言いません……必ずみんな無事にやり遂げてくれると信じてますしね……なので今回は…………邪魔する敵はすべて薙ぎ払いアリアを一緒に救ってください!ヴァルキューレ出陣を!」
「!!はっ!!」
セナの真剣な視線をうけ全員が使命に命をかける決意を秘めそれぞれの獣魔とグラニールに乗りアリアのいる場所をめざしはじめ、それを見送ったセナは迅風を一撫でしアリアをさらった張本人のいるほうへと向かった。
「はっ!これだけの数に俺らがいるんだぜ?無謀すぎるだろ!」
「セナ様ここは我らが…いでませいヒュドラ」
「おいでなさいコカトリス」
セナ達の前には数万の魔物や魔族、人など様々な混成軍が待ち構えていてその先頭に二人の大男がたち不敵な笑いをうかべていた。
「おいおい、魔物たちがおびえてちまってるぜ?」
「あの3つ首の蛇と鳥がでるまえにはもうそんな感じだったぜ」
「まぁいい!おめぇら!敵だ!やっちまえ!」
グラニールや迅風、そしてセナが近づくにつれ魔物たちが統制をみだすほどおびえ始めていたところにヤオとタオがそれぞれの従魔をザラタンから呼び寄せるとさらに混乱したため大男たち勢いで押し切ろうと仕掛けてきた。
「アイリーン、私たちであの大男たちを倒しましょうか」
「それはかまいませんがマインさん大丈夫ですの?」
「ええ任せて セナ様、ヤオさんタオさんよろしいですか?」
「いいですけど大丈夫ですか?あれくらいの数ならグラニールか迅風だけでも大丈夫ですよ?」
「ここはアイリーンもおりますしヒュドラもコカトリスも居てくれますからお任せください」
「わかりました、無理はしないようにおねがいします」
「はい!」
自信ありげなマインがサーペントを召喚しその頭の上にアイリーンとともに降り立ち、セナ達が乗る迅風とグラニールが先に行けるようヒュドラが炎を吐き行く手を阻む敵を邪魔した。
「それでマインさん何か策でもおありなのかしら?」
「ええ、もちろん!サーペントおねがい!」
アイリーンに尋ねられたマインが自信満々でサーペントに指示を出すとサーペントは自身達と敵との間に一直線に水を吐き出した。
「ヒュドラ!コカトリス!ブレスよ!」
マインは自身のマジックバッグからいくつもソフトボールサイズの球を取り出し続けざまに2体に毒と化石化の息をあたり一面に吐き出させそれに次々と球をなげいれ一緒に飛ばしてもらった。
「こんなものかしらね?ヒュドラ!炎を!」
「なっ!?」
毒の息を吐きながら真ん中の頭で炎を吐き出した瞬間、充満していた毒と化石の息にバチバチと引火し大爆発をおこし余りの規模の爆発に後ろを振り返ったメディーが驚いていたがマインのとなりにいたアイリーンは驚きすぎて固まっていた。
「これでどれくらい残るかしらね」
「そ、そうですわね……」
大爆発をおこし未だ燃え続けているあたり一面をみつめたままアイリーンが何とか答えた。
「あら、結構すくないわね」
「あれをいきなり食らった割には残っていると思いますわ……」
「そうかしら?けどアイリーンなら大丈夫だと思うけど一応まだ近寄らないでね?」
「え?」
「さっきの球、引火性の高い毒粉を固めたものなの、あれが燃えた煙を吸っても猛毒がまわっちゃうのよね」
「な、なるほど……わかりましたわ……」
ヒュドラの毒で苦しみながら焼け死んだり、コカトリスの息を浴び化石化し粉々に吹き飛んだもの、そして単純に大爆発で吹き飛んで死んだものそして爆発と炎上がおさまったあとアイリーンの目の前には急に苦しみだして息絶えていく敵が広がっていた。
「さきにサーペントに水をはきださせたのは爆発の熱で蒸発することでできる気流であの煙がこちらにこないようにするためなのよ」
「そこまでお考えに……」
「私の親友に手を出してそれを助けにきたセナ様の邪魔までするんですもの最低限これくらいは当然でしょ?」
どす黒く笑うマインの笑顔にアイリーンは恐怖を感じながら必死に首を縦に振ってこたえた。
「あら、あの方々はご無事のようですわね」
「周りの魔物を盾にして爆発を防いだようね、毒は……効いてなさそうね」
惨劇が広がる中、顔を蒼に染めたアイリーンが盾にした魔物の死骸をイライラしながら蹴とばしよけている男2人をみつけいうとマインはすっと目を細め観察していた。
「どうなさいますか?」
「あの二人以外いないようだし毒ももう消え去っているから私たちで直々に倒してしまいましょ」
「私はそれでかまいませんが」
「言いたいことはわかるわ、けど大丈夫よ……私の師匠、誰だと思ってるの?」
「そうでしたわね」
マインの挑発的な笑顔を見てアイリーンはため息交じりに頷いた。
「おいおい…まさかてめぇらがこれやったのか?」
「はぁ~……マジかよ………どうすんだよこれ」
サーペントから降り近寄ってくるマインとアイリーンを睨みながら二人の男がげんなりしていた。
「お取込み中申し訳ありません、こちらを通りたいので少々道を譲ってくださいませんか?」
「あぁ?、今こっちはてめぇらがやったことをどうやって誤魔化すか考え中だ!」
「おい、とりあえずこいつらをやっちまって責任を取らせようぜ!」
ふわりと優雅にカーテシーをきめ言ったアイリーンに男たちはイライラしながら戦斧と剣をそれぞれ構えた。
「マインさんはどちらを?」
「あら、私が先に選んでいいの?悪いわね、じゃあ私は斧を」
「では、私は剣の方を」
「おいおい!舐めすぎだろ!」
二人を無視して話し合うマインとアイリーンに二人は激昂した。
「まぁ落ち着けよ、よくみりゃぁ二人ともかなりの上玉だ!適当になぶって奴隷にしてやろうぜ!」
「ん?ああ…それもいいな!奴隷にしたら交換だ」
「いいねぇ!」
「ねぇアイリーン、どうしてモテない下品な男ってどいつもこいつもみんな同じことをいうのかしら?」
「さぁ?下衆の考えなどわかりかねますわ」
品定めするような下衆な微笑みをうかべる男二人にげんなりしながら言ったマインの言葉にまったく興味なさそうにアイリーンが深いため息交じりに答えた。
「いってろよ!すぐにヒィヒィ言わせてやっからな!」
「はぁ~…時間の無駄ね」
「そうですわね、一刻も早くセナ様の元へむかいましょう」
「かはっ!」
「なっ!?お、おい!てめっ!」
「よそ見していいの?」
「ぐっ!?がっはっ…………」
いうと同時にアイリーンが指さすと剣を持った男の胸の真ん中にこぶし大の穴があき一瞬で絶命し、驚いている斧の男にマインはヒールをまとった拳を打ち込むと男はガタガタと震え吐血し息絶えた。
「…………」
「アイリーン、今のって闇の魔力を打ち込んだの?」
「え、ええ…それよりもマインさん今のはヒールなのでは?」
「え?ああ、そうよ?ただのヒールじゃないけどね」
「そ、そうなのですのね」
「ええ、アディオン様とスターシャ様と3人で作りだした……なんて言えばいいのかしら…そうねぇ、しいて言えば反転ヒールね」
「反転?」
「ええ、セナ様から頂いたこのアクセに色々な猛毒を仕込んでね、それを特殊なヒールをつかって一瞬で相手の体に打ち込んで毒を回すのよ」
「え゛…」
「私、いろいろな毒を研究しててね、それをもとにアディオン様とスターシャ様にお知恵とお力添えをいただいて作っているの」
「そ、そうなのですか」
「ええ、まだ未完成だけど……セナ様の時のようなことがあっても治せるように研究しているのよ」
「…………そうですか」
「ええ、治療師としての矜持と意地よ……さぁ、セナ様をおいかけましょ」
「そうですわね、ですが私少々やることができましたので先にマインさん向かってくださいませ」
「え?ええ、わかったわ。すぐにきてね」
「もちろんですわ」
マインの芯に触れたような気がしたアイリーンは自身がなせることを考えその場にとどまると原型をとどめて死してる魔物や兵たちを次々と自らの死兵へと作り替え自身の仲間以外すべての生き物を襲い仲間にしろと命令しマインの後を追いセナの元へと向かった。
========================================
「グラニールが飛べるほどの通路ってすごいですよね」
「身動きがとれませぬがな」
「歌姫様をお救いしたら塵にしてしまいますしそれまでの辛抱ですわ」
「セナ様、アリアの反応はまだありませんか?」
「いくつか大きい反応があるんですがアリアのは感じ取れないんですよね」
「そうですか…」
「んー…ではセナ様、感じ取れる中で一番数が多い場所へ向かってみませんか?」
「ん?それはいいけど」
「もしかしたらアリアはシャットダウンされていてそれを集まってみている可能性もありますよね?」
「ああ、なるほど。じゃあメディーのいうとおりにしてみようか」
「御意!」
メディーの言葉に多数の魔力などを感知した場所を目指し始めた。
「セナ様!近辺に生物はいないですか?」
「いないようだよ」
「そうですか!ではグラニール!お願いします!!」
「グルワァ!」
「なっ!?」
セナの言葉を受けメディーが優しくグラニールを撫でながらいうとグラニールはセナ達が目指している場所に向かいヤオ達が驚く中、壁を破壊しながら一直線に向かい始めた。
「どうせアリアを救った後は破壊するんですからわざわざ道どおり進む必要なんてありませんよ!」
「しかしもしもということがあっては!」
「大丈夫ですよ!もし幽閉されていたとしても一部が壊れたらアリアをセナ様が感じ取れますし感じ取ったらすぐにお救いしてくださいますもん」
「そ、それはそうですが……」
相変わらずセナを信頼しきっているメディーの言葉にさしもの二人も冷や汗をかきながら言葉を失っていた。
「あそこだね、グラニールたのむよ」
少し進むと巨大で重厚そうな扉のある場所に到達し、セナの指示でグラニールはドアをちぎり捨てた。
「もう気やがった!!」
「む、向かい撃て!!」
『雷霆』
「ぐはっ!!」
グラニールが扉をやぶると迅風にのったセナが部屋の中へ入るとホールのように広い場所に30名ほど他の兵たちとは違う立派な装備をした兵たちがいてセナ達に攻撃を仕掛けようとした瞬間、セナが左手を振り下ろし攻撃すると全員が雷に打たれ倒れた。
「すみませんがアリアは?リネアの歌姫はどちらに?」
「がはっ!誰が貴様などに!」
「自害などさせない!」
一人だけ生かしておいた兵にセナが尋ねると兵は自ら命を立とうとしてコルネに意識を刈り取られヤオとタオが蛇をつかいいつもどおり必要な情報を聞き出した。
「…………なんということを…………」
「セナ様!!」
情報を聞き出しあまりのことにヤオが怒りに震えているところにコニーやマインたちが合流し手に入れた情報を伝えた。
「……セナ様はそいつを倒しに向かってくださいますか?」
「ん?」
「話を聞く限り、そのアリアをさらったここの主を倒さなければすぐにアリアを無傷で救うことができないと思います」
「そうですわね、セナ様はそちらにまっすぐお向かいになられてくださいませ」
「そうですね!アリアの居場所が分かった今、そちらにまっすぐむかってください」
「その間に我らがアリアの元へ行き、そこを制圧しセナ様がお越しになられるまで守って見せます!」
「そうね!セナ様一刻の猶予も命取りになりかねません!やりましょう!」
メディーの言葉をかわきりにカトリーヌ、コニー、エリスそしてスカーレットが言った。
「わかりました!ではアリアのことは皆さんにお任せします!ヤオさんタオさんもそちらに!」
「御意」
「かしこまりました」
「では、セナ様ご武運を!」
「皆さんに今さら無理せずなどとは言いません……必ずみんな無事にやり遂げてくれると信じてますしね……なので今回は…………邪魔する敵はすべて薙ぎ払いアリアを一緒に救ってください!ヴァルキューレ出陣を!」
「!!はっ!!」
セナの真剣な視線をうけ全員が使命に命をかける決意を秘めそれぞれの獣魔とグラニールに乗りアリアのいる場所をめざしはじめ、それを見送ったセナは迅風を一撫でしアリアをさらった張本人のいるほうへと向かった。
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