290 / 323
第7章 大陸編
豚は足が速い
しおりを挟む
「アディオンお願い」
「おっけぇ!おいっしょーーーー!!」
リレイの言葉でアディオンが思いっきり飛び上がり魔力を両足にあつめ緑に輝くまま地面にストンピングをするとまるで地震が起こったかのように地面が揺れ直径5メートル以上のクレーターを作った。
「うぉ!なんなんだ!」
「サイ裏から逃げられないでね」
「わかっている」
「がはっ!」
地面が揺れている中、なにごともないように雷属性をまとい敵の後ろに回り込んだサイが最後尾にいた一番でかい男に渾身の拳を叩き込むと男はブスブスと焦げながら吐血をし倒れ動かなくなった。
「どうやら君は…私と同族みたいだね」
「な、なに?」
「隠さずともわかるんだ…君はなにを研究しているんだい?」
「なっ!?なぜそれを!?」
「私の目がね?君が一番うまそうだといっているんだよ」
「だから貴様はなにを!う、うわぁぁぁ!!」
アキラが一人の細身の男のまえにゆったりと近づき寒気がするような笑顔を浮かべながら右手をその男にかざすと敵の男が光に変わっていきアキラの目に吸い込まれていった。
「ほぅ…ベルフェゴ君はそのような才能があるのか…んー、悩ましいがしかたない」
吸いこんだ男の記憶をたしかめたアキラがベルフェゴをみて一瞬ニタリと笑ったが目が合ったエイコが顔を横に振ったたため惜しそうにしながらも諦めたようだった。
「貴様らいったい何者なのだ!いい加減にしろ!!」
「俺らが何者かさっき説明しただろ?」
「私たちは貴様らを皆殺しにする者たちだ、理解したのならば貴様らが誰になにをしたのか後悔しながら狩られてしね」
「どいつもこいつも愚弄しおって!!!」
「うっさい!もういい!私が全員塵も残さず消してやる!」
激怒するベルフェゴだったがずっと我慢していたエイコがとうとう我慢の限界を超え魔核が2つになった憤怒の力を一気にたぎらせた。
「おい!なんだこのふざけた魔力は!」
「おぃおぃおぃおぃ…どこまであがるんだよ!」
ベルフェゴと隣にいた威勢のいい兵が留まるところがないエイコの魔力に驚きから恐れおののき後ずさりをした。
「ベルフェゴ様これはやばいですよ!」
「に、にげま…がっ……」
「ひぃ!」
逃げ出そうとした女の兵が一歩動いた瞬間、サイが超高速で拳を打ち付けると全身が細かく振動し体中から血が噴き出し倒れそれをみた隣の兵が短い悲鳴をあげ腰を抜かした。
「おい、デブ。ご自慢の兵が30人きっちまったんじゃねぇか?」
「私はデブではないわ!ふくよかとよべ!」
「うるさい、がなるなデブ」
「くっ!」
「げっ…もういいだろ、全員やっちまおうぜ」
「そうだな」
さげすむ目でサイにみられながらののしられたベルフェゴは少しほほを染めながら言葉だけは悔しそうにした、そしてそれをみたエイケンは気持ち悪そうに終わらせることを提案した。
「ちっ!こんな野蛮な奴らなど相手にできん!」
「あ!ベルフェゴ様!!」
ベルフェゴが威勢よく言うと近くにいた兵数名がベルフェゴの元にいった瞬間、ベルフェゴが転移していった。
「そんな!ベルフェゴ様!!」
取り残された兵の数は半数以上で全員が絶望した顔でへたり込んでしまった。
「あなた」
「ああ、なぁ君たちこちらの魔王に忠誠を誓うのであれば助けてあげるがどうする?ちなみにうちの魔王様は部下を見捨てるようなことはしないよ?」
エイコの言葉にアキラが頷き取り残された兵たちに声をかけた。
「断ればどうなる…」
「んー、君たちにめぼしいものを感じないからただの無駄死にか、よくて実験台か餌になるかかな」
「くっ!」
「自害は止めないし戦って死にたいのであれば塵も残さず殺してあげよう、さぁ選びたまえ」
ニタリとわらったアキラの顔を見た敵兵たちは顔を蒼くし全員がエイコへ忠誠を誓った。
「じゃあ、その背中に刻んだ紋章が魔王エイコへの忠誠の証だ」
「裏切ればどうなる…」
「その紋章は思考と行動に連動していてね…頭で裏切りや逃走を考えるだけで全身に激しい痛みが襲い、最終的に爆発して死んでしまうくらいだね」
「そうか…では…主に捨てられた我らをお救い頂きありがとうございます。我ら19名これより魔王エイコ様に終生お仕えすることをここに誓います」
「あっそ、せいぜい死なないように頑張りなさい。とりあえずあとは城のものにきいて あなたお願いね」
「ああ」
アキラの返事を聞いたエイコが指を鳴らすと忠誠を誓った兵とアキラが魔王城へと転移していった。
「ちっ!不完全燃焼だな」
「うむ」
「大丈夫よ、さっき手に入れた駒から詳しい話をきけば場所はあの人がしってるもの」
「ああ、そうか」
「あのデブのちんけな魔力で転移できる距離ならすぐにいって壊滅してやるわ」
「俺らも連れてけよ?」
「その時の状況と気分次第ね」
エイコとアキラが淡々と話し合いセナとヴァルキューレたちは取り残されたようにたたずんでいた。
「まぁいいや、一回仕切り直しだ帰ろうぜ」
「うむ、そうだな。さらばだセナ殿」
「おう!セナまたな!」
「セナ様またお会いしましょう」
「それじゃセナ君、マインもお疲れ様!」
「じゃあ、戻るわよ?あ、セナちゃんまたね!」
「う、うん。エイコお姉さん、叔父さんも皆さんもありがとうございました」
「はぁ~~ん!!来たかいがあったわ!」
エイコがセナを抱きしめ別れの挨拶をするとセナもエイコを抱きしめエイコは蕩けながらナンバーズとともに転移していった。
「セナ様…とりあえずブレイダーへご報告を」
「そ、そうですね」
我に返ったヤオに催促されるようにセナはギルスたちの元へともどっていった。
=========================================
「そ、そうか…ではすでに帰ってしまわれたのか」
「はい」
「礼もできずに心苦しいがひとまず被害が最小限に戦がおわってなによりだ」
セナから報告を聞きギルスが笑顔で戦いの終わりを集まったブレイダー兵たちに伝えその日マルンはお祭り騒ぎになっていた。
=========================================
「アルドラの教皇はどれほどの他大陸とのつながりがあるのですかね」
「わかりませぬが全大陸とお考えいただき動くのがよいかと」
「そうですよね、でも魔王ばかりきてますが人族などはどうなってるんですかねぇ」
「それは我らも不思議におもっておりまする」
「まぁ今回なによりも驚いたのが魔王ですのにあっさりお逃げになられたことですわ」
「カトリーヌ一つ教えてあげましょう」
「なんですの?コニー」
「本来、豚さんは足が速い生き物なんですよ!」
「そうなんですの!?ってなんのお話をなさってるのよ!」
「え?ああ、そうですね!あの魔王は豚さん以下ですよ!豚さんだって群れや子を守りますからね!」
「いえ、そういうことではなくってですわね…はぁ~…まぁいいですわ」
マルンでの戦いの翌日、セナ達全員は一度リストニアにある邸宅へともどってきており夕食を全員で食べながら色々な話をしていた。
「それで皆は明日からどうなさるおつもりか」
「私は一度国に戻りお父様に此度の戦いのことをお知らせしようと思っておりますわ」
「私は明日スターシャ様のところに行きアディオン様との修行の経緯をお伝えして少しの期間、治療院も手伝いたいと思っております」
「私はグラニールとともにドラニスタへ戻ります」
「では私は迅風とホーシーを通ってジルネイへ行きます!」
「メディー、荷馬車でいいから用意してくれるなら一緒にジルネイに連れて行っててもらいたいんだけど?」
「私は当然、先生と魔王様の元へ向かいますよ!」
「じゃあ、カトリーヌとコニーは明日僕が送るね」
「お願いします!」
「セナ様とヤオさんタオさんはどうなさいますの?」
「んー……」
「セナ様、一度ごゆっくりなさってはいかがかと」
「そうですわね、セナ様一度荷の整理などもございますしごゆっくりいたしたらいかがでしょう」
「たしかにそうですね、では少しゆっくり休憩しましょう」
それぞれの予定を聞いた後、時間の許す限りみんなで近況を報告しあったり談笑していた。
===================================
「え?逃げられたの?」
「そうじゃないわよ、逃がしてあげたのよ。ね?」
「ええ、お義理母さん僕が取り込んだ男の記憶に色々なことがありましてね、あそこで倒してしまうより本拠地に我々が乗り込んだほうがいいと判断したんですよ」
「そう、アキラさんがそういうのなら仕方ないわね」
ドラニスタではエイコとアキラそしてエイケンがエイシャへと顛末を説明していた。
「乗り込むときは当然俺も行くぜ?」
「本当だったら私だって行きたいわ」
「さすがにおふくろはダメだろ!」
「わかってるわよ、行けるならさっきだってラミと先陣きっていってるわよ!」
「マルンが焼け野原になるじゃねぇか!」
「うるさいわね、セナちゃんが悲しむことをするわけないじゃない!エイコ、エイケン、アキラさんも誰がなんて言おうと私達とセナちゃんは家族なのそしてセナちゃんは天使なの…その可愛い天使のセナちゃんをあそこまでやった相手なの…わかってるわね?」
「わかってるぜおふくろ…きっちり落とし前付けてくっからよ」
「ええ、母さんの気持ち痛いほどわかるわ……安心して?……あいつら塵も残さないから!」
「塵どころか魂さえも残してあげるつもりはありませんよ!あはははは」
「そうそれでいいの、あなたたちなら私の気持ちがわかってくれて必ずやりとげてくれると信じてるわ」
「お、おう」
エイシャとエイコそしてアキラとのやり取りを見たエイケンはドン引きしながらもなんとか頷くことができた。
「エイケン君、僕の記憶では向こうはこちらの魔大陸ほどの魔素ではないようだ、それに大した距離でもなさそうだし連れて行きたい子がいたら僕が視て大丈夫そうなら連れて行くがどうする?」
「ああ、ならサイたちと小娘どもに声をかけてみるか」
「急ぎなさいよ?聞いたわねアイリーン」
「はい!」
エイコの言葉に慌てて出てきたアイリーンがカーテシーを決め消えていった。
「あ!サイたちにも連絡してもらえばよかったな」
「あんたじゃないんだからあの子がちゃんと連絡してるわよ」
「お、おう」
「エイコ、グラニールも連れて行ってほしいそうよ」
「いいわよ、どうせならまとめて面倒見るわ」
「そうだね、向こうについて移動の手段があるのなら助かります」
こうして数日後、魔王エイコひきいるのちのセナ親衛隊の初陣がきまった。
「おっけぇ!おいっしょーーーー!!」
リレイの言葉でアディオンが思いっきり飛び上がり魔力を両足にあつめ緑に輝くまま地面にストンピングをするとまるで地震が起こったかのように地面が揺れ直径5メートル以上のクレーターを作った。
「うぉ!なんなんだ!」
「サイ裏から逃げられないでね」
「わかっている」
「がはっ!」
地面が揺れている中、なにごともないように雷属性をまとい敵の後ろに回り込んだサイが最後尾にいた一番でかい男に渾身の拳を叩き込むと男はブスブスと焦げながら吐血をし倒れ動かなくなった。
「どうやら君は…私と同族みたいだね」
「な、なに?」
「隠さずともわかるんだ…君はなにを研究しているんだい?」
「なっ!?なぜそれを!?」
「私の目がね?君が一番うまそうだといっているんだよ」
「だから貴様はなにを!う、うわぁぁぁ!!」
アキラが一人の細身の男のまえにゆったりと近づき寒気がするような笑顔を浮かべながら右手をその男にかざすと敵の男が光に変わっていきアキラの目に吸い込まれていった。
「ほぅ…ベルフェゴ君はそのような才能があるのか…んー、悩ましいがしかたない」
吸いこんだ男の記憶をたしかめたアキラがベルフェゴをみて一瞬ニタリと笑ったが目が合ったエイコが顔を横に振ったたため惜しそうにしながらも諦めたようだった。
「貴様らいったい何者なのだ!いい加減にしろ!!」
「俺らが何者かさっき説明しただろ?」
「私たちは貴様らを皆殺しにする者たちだ、理解したのならば貴様らが誰になにをしたのか後悔しながら狩られてしね」
「どいつもこいつも愚弄しおって!!!」
「うっさい!もういい!私が全員塵も残さず消してやる!」
激怒するベルフェゴだったがずっと我慢していたエイコがとうとう我慢の限界を超え魔核が2つになった憤怒の力を一気にたぎらせた。
「おい!なんだこのふざけた魔力は!」
「おぃおぃおぃおぃ…どこまであがるんだよ!」
ベルフェゴと隣にいた威勢のいい兵が留まるところがないエイコの魔力に驚きから恐れおののき後ずさりをした。
「ベルフェゴ様これはやばいですよ!」
「に、にげま…がっ……」
「ひぃ!」
逃げ出そうとした女の兵が一歩動いた瞬間、サイが超高速で拳を打ち付けると全身が細かく振動し体中から血が噴き出し倒れそれをみた隣の兵が短い悲鳴をあげ腰を抜かした。
「おい、デブ。ご自慢の兵が30人きっちまったんじゃねぇか?」
「私はデブではないわ!ふくよかとよべ!」
「うるさい、がなるなデブ」
「くっ!」
「げっ…もういいだろ、全員やっちまおうぜ」
「そうだな」
さげすむ目でサイにみられながらののしられたベルフェゴは少しほほを染めながら言葉だけは悔しそうにした、そしてそれをみたエイケンは気持ち悪そうに終わらせることを提案した。
「ちっ!こんな野蛮な奴らなど相手にできん!」
「あ!ベルフェゴ様!!」
ベルフェゴが威勢よく言うと近くにいた兵数名がベルフェゴの元にいった瞬間、ベルフェゴが転移していった。
「そんな!ベルフェゴ様!!」
取り残された兵の数は半数以上で全員が絶望した顔でへたり込んでしまった。
「あなた」
「ああ、なぁ君たちこちらの魔王に忠誠を誓うのであれば助けてあげるがどうする?ちなみにうちの魔王様は部下を見捨てるようなことはしないよ?」
エイコの言葉にアキラが頷き取り残された兵たちに声をかけた。
「断ればどうなる…」
「んー、君たちにめぼしいものを感じないからただの無駄死にか、よくて実験台か餌になるかかな」
「くっ!」
「自害は止めないし戦って死にたいのであれば塵も残さず殺してあげよう、さぁ選びたまえ」
ニタリとわらったアキラの顔を見た敵兵たちは顔を蒼くし全員がエイコへ忠誠を誓った。
「じゃあ、その背中に刻んだ紋章が魔王エイコへの忠誠の証だ」
「裏切ればどうなる…」
「その紋章は思考と行動に連動していてね…頭で裏切りや逃走を考えるだけで全身に激しい痛みが襲い、最終的に爆発して死んでしまうくらいだね」
「そうか…では…主に捨てられた我らをお救い頂きありがとうございます。我ら19名これより魔王エイコ様に終生お仕えすることをここに誓います」
「あっそ、せいぜい死なないように頑張りなさい。とりあえずあとは城のものにきいて あなたお願いね」
「ああ」
アキラの返事を聞いたエイコが指を鳴らすと忠誠を誓った兵とアキラが魔王城へと転移していった。
「ちっ!不完全燃焼だな」
「うむ」
「大丈夫よ、さっき手に入れた駒から詳しい話をきけば場所はあの人がしってるもの」
「ああ、そうか」
「あのデブのちんけな魔力で転移できる距離ならすぐにいって壊滅してやるわ」
「俺らも連れてけよ?」
「その時の状況と気分次第ね」
エイコとアキラが淡々と話し合いセナとヴァルキューレたちは取り残されたようにたたずんでいた。
「まぁいいや、一回仕切り直しだ帰ろうぜ」
「うむ、そうだな。さらばだセナ殿」
「おう!セナまたな!」
「セナ様またお会いしましょう」
「それじゃセナ君、マインもお疲れ様!」
「じゃあ、戻るわよ?あ、セナちゃんまたね!」
「う、うん。エイコお姉さん、叔父さんも皆さんもありがとうございました」
「はぁ~~ん!!来たかいがあったわ!」
エイコがセナを抱きしめ別れの挨拶をするとセナもエイコを抱きしめエイコは蕩けながらナンバーズとともに転移していった。
「セナ様…とりあえずブレイダーへご報告を」
「そ、そうですね」
我に返ったヤオに催促されるようにセナはギルスたちの元へともどっていった。
=========================================
「そ、そうか…ではすでに帰ってしまわれたのか」
「はい」
「礼もできずに心苦しいがひとまず被害が最小限に戦がおわってなによりだ」
セナから報告を聞きギルスが笑顔で戦いの終わりを集まったブレイダー兵たちに伝えその日マルンはお祭り騒ぎになっていた。
=========================================
「アルドラの教皇はどれほどの他大陸とのつながりがあるのですかね」
「わかりませぬが全大陸とお考えいただき動くのがよいかと」
「そうですよね、でも魔王ばかりきてますが人族などはどうなってるんですかねぇ」
「それは我らも不思議におもっておりまする」
「まぁ今回なによりも驚いたのが魔王ですのにあっさりお逃げになられたことですわ」
「カトリーヌ一つ教えてあげましょう」
「なんですの?コニー」
「本来、豚さんは足が速い生き物なんですよ!」
「そうなんですの!?ってなんのお話をなさってるのよ!」
「え?ああ、そうですね!あの魔王は豚さん以下ですよ!豚さんだって群れや子を守りますからね!」
「いえ、そういうことではなくってですわね…はぁ~…まぁいいですわ」
マルンでの戦いの翌日、セナ達全員は一度リストニアにある邸宅へともどってきており夕食を全員で食べながら色々な話をしていた。
「それで皆は明日からどうなさるおつもりか」
「私は一度国に戻りお父様に此度の戦いのことをお知らせしようと思っておりますわ」
「私は明日スターシャ様のところに行きアディオン様との修行の経緯をお伝えして少しの期間、治療院も手伝いたいと思っております」
「私はグラニールとともにドラニスタへ戻ります」
「では私は迅風とホーシーを通ってジルネイへ行きます!」
「メディー、荷馬車でいいから用意してくれるなら一緒にジルネイに連れて行っててもらいたいんだけど?」
「私は当然、先生と魔王様の元へ向かいますよ!」
「じゃあ、カトリーヌとコニーは明日僕が送るね」
「お願いします!」
「セナ様とヤオさんタオさんはどうなさいますの?」
「んー……」
「セナ様、一度ごゆっくりなさってはいかがかと」
「そうですわね、セナ様一度荷の整理などもございますしごゆっくりいたしたらいかがでしょう」
「たしかにそうですね、では少しゆっくり休憩しましょう」
それぞれの予定を聞いた後、時間の許す限りみんなで近況を報告しあったり談笑していた。
===================================
「え?逃げられたの?」
「そうじゃないわよ、逃がしてあげたのよ。ね?」
「ええ、お義理母さん僕が取り込んだ男の記憶に色々なことがありましてね、あそこで倒してしまうより本拠地に我々が乗り込んだほうがいいと判断したんですよ」
「そう、アキラさんがそういうのなら仕方ないわね」
ドラニスタではエイコとアキラそしてエイケンがエイシャへと顛末を説明していた。
「乗り込むときは当然俺も行くぜ?」
「本当だったら私だって行きたいわ」
「さすがにおふくろはダメだろ!」
「わかってるわよ、行けるならさっきだってラミと先陣きっていってるわよ!」
「マルンが焼け野原になるじゃねぇか!」
「うるさいわね、セナちゃんが悲しむことをするわけないじゃない!エイコ、エイケン、アキラさんも誰がなんて言おうと私達とセナちゃんは家族なのそしてセナちゃんは天使なの…その可愛い天使のセナちゃんをあそこまでやった相手なの…わかってるわね?」
「わかってるぜおふくろ…きっちり落とし前付けてくっからよ」
「ええ、母さんの気持ち痛いほどわかるわ……安心して?……あいつら塵も残さないから!」
「塵どころか魂さえも残してあげるつもりはありませんよ!あはははは」
「そうそれでいいの、あなたたちなら私の気持ちがわかってくれて必ずやりとげてくれると信じてるわ」
「お、おう」
エイシャとエイコそしてアキラとのやり取りを見たエイケンはドン引きしながらもなんとか頷くことができた。
「エイケン君、僕の記憶では向こうはこちらの魔大陸ほどの魔素ではないようだ、それに大した距離でもなさそうだし連れて行きたい子がいたら僕が視て大丈夫そうなら連れて行くがどうする?」
「ああ、ならサイたちと小娘どもに声をかけてみるか」
「急ぎなさいよ?聞いたわねアイリーン」
「はい!」
エイコの言葉に慌てて出てきたアイリーンがカーテシーを決め消えていった。
「あ!サイたちにも連絡してもらえばよかったな」
「あんたじゃないんだからあの子がちゃんと連絡してるわよ」
「お、おう」
「エイコ、グラニールも連れて行ってほしいそうよ」
「いいわよ、どうせならまとめて面倒見るわ」
「そうだね、向こうについて移動の手段があるのなら助かります」
こうして数日後、魔王エイコひきいるのちのセナ親衛隊の初陣がきまった。
8
お気に入りに追加
6,944
あなたにおすすめの小説
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
辺境で魔物から国を守っていたが、大丈夫になったので新婚旅行へ出掛けます!
naturalsoft
ファンタジー
王国の西の端にある魔物の森に隣接する領地で、日々魔物から国を守っているグリーンウッド辺境伯爵は、今日も魔物を狩っていた。王国が隣接する国から戦争になっても、王国が内乱になっても魔物を狩っていた。
うん?力を貸せ?無理だ!
ここの兵力を他に貸し出せば、あっという間に国中が魔物に蹂躙されるが良いのか?
いつもの常套句で、のらりくらりと相手の要求を避けるが、とある転機が訪れた。
えっ、ここを守らなくても大丈夫になった?よし、遅くなった新婚旅行でも行くか?はい♪あなた♪
ようやく、魔物退治以外にやる気になったグリーンウッド辺境伯の『家族』の下には、実は『英雄』と呼ばれる傑物達がゴロゴロと居たのだった。
この小説は、新婚旅行と称してあっちこっちを旅しながら、トラブルを解決して行き、大陸中で英雄と呼ばれる事になる一家のお話である!
(けっこうゆるゆる設定です)
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
勇者に恋人寝取られ、悪評付きでパーティーを追放された俺、燃えた実家の道具屋を世界一にして勇者共を見下す
大小判
ファンタジー
平民同然の男爵家嫡子にして魔道具職人のローランは、旅に不慣れな勇者と四人の聖女を支えるべく勇者パーティーに加入するが、いけ好かない勇者アレンに義妹である治癒の聖女は心を奪われ、恋人であり、魔術の聖女である幼馴染を寝取られてしまう。
その上、何の非もなくパーティーに貢献していたローランを追放するために、勇者たちによって役立たずで勇者の恋人を寝取る最低男の悪評を世間に流されてしまった。
地元以外の冒険者ギルドからの信頼を失い、怒りと失望、悲しみで頭の整理が追い付かず、抜け殻状態で帰郷した彼に更なる追い打ちとして、将来継ぐはずだった実家の道具屋が、爵位証明書と両親もろとも炎上。
失意のどん底に立たされたローランだったが、 両親の葬式の日に義妹と幼馴染が王都で呑気に勇者との結婚披露宴パレードなるものを開催していたと知って怒りが爆発。
「勇者パーティ―全員、俺に泣いて土下座するくらい成り上がってやる!!」
そんな決意を固めてから一年ちょっと。成人を迎えた日に希少な鉱物や植物が無限に湧き出る不思議な土地の権利書と、現在の魔道具製造技術を根底から覆す神秘の合成釜が父の遺産としてローランに継承されることとなる。
この二つを使って世界一の道具屋になってやると意気込むローラン。しかし、彼の自分自身も自覚していなかった能力と父の遺産は世界各地で目を付けられ、勇者に大国、魔王に女神と、ローランを引き込んだり排除したりする動きに巻き込まれる羽目に
これは世界一の道具屋を目指す青年が、爽快な生産チートで主に勇者とか聖女とかを嘲笑いながら邪魔する者を薙ぎ払い、栄光を掴む痛快な物語。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
異世界でチート能力貰えるそうなので、のんびり牧場生活(+α)でも楽しみます
ユーリ
ファンタジー
仕事帰り。毎日のように続く多忙ぶりにフラフラしていたら突然訪れる衝撃。
何が起こったのか分からないうちに意識を失くし、聞き覚えのない声に起こされた。
生命を司るという女神に、自分が死んだことを聞かされ、別の世界での過ごし方を聞かれ、それに答える
そして気がつけば、広大な牧場を経営していた
※不定期更新。1話ずつ完成したら更新して行きます。
7/5誤字脱字確認中。気づいた箇所あればお知らせください。
5/11 お気に入り登録100人!ありがとうございます!
8/1 お気に入り登録200人!ありがとうございます!
家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから
ハーーナ殿下
ファンタジー
冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。
だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。
これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる