239 / 323
第7章 大陸編
リネア③ パラドイネ2
しおりを挟む
「改めまして皆さんよくおいでくださいました」
「こちらこそ急に訪問してしまいお忙しい中、時間を取っていただきありがとうございます」
応接室のソファを進められ挨拶を返しセナたちは座った。
「いえいえ、おきになさらず。ところで話は聞いておりますが今回は観光が目的とか」
「はい。アリアがすこし自由な時間をつくれたことと、カトリーヌが行動を共にすることになったので回れる範囲でリネアを回ってみようかと思いまして」
「そうですか」
「はい。それでどうせだったら学校設立でお世話にもなり、その後も色々手助けしていただいた皆さんの所にお礼もかねて訪問させて頂こうと思いまして」
「ふふふっセナ殿は変わらず律儀な方ですね。ただ礼には及びませんよ、ブレイダーをはじめとしランスロットにスレイヤーそしてランドリーフとの繋がりは我が領にも大いに恩恵がありますからね」
「そうなんですか?」
「はい。ランスロットとは合同軍事訓練を定期的におこなえるようになりましたし、そのおかげで近辺の治安もよくなりましたからスレイヤーへの観光などをする者たちや商売をする者たちが良く通るようになりましたからね」
「はぁ~さすがですねぇ皆さん」
「あははははっ!セナ殿のおかげですよ」
「私はただギルス様や国王様、それに皆さんに自分のやりたいことをやっていただけないかお願いしただけですよ」
「いいえ、セナ様のおかげでジルネイをはじめとする大陸4大国がいい繋がりをもてているんです。そのおかげでブレイダーから帝国方面へ行く商人なども増えましたし、逆にランドリーフ側から共和国や帝国にいく商人も増えました。すべてがうまく絡んで回っているという感じです」
「それは皆さんの手腕によるものが大きいと思いますが」
「欲のない方だ」
「ほんとのことですから」
セナの反応を見てアムートは終始笑顔をうかべていた。
「それで本日はどちらにおとまりに?」
「まだきまってないんです」
「そうですか、本当なら我が家でぜひおもてなしさせていただきたいところですが…観光というのなら宿の方がよろしそうですね」
「リネアでも有数の宿場町にせっかくきていますから、お気持ちだけありがたく受け取らせてください」
「いえ、こちらこそ我が領に英雄セナ様と歌姫アリア様がおこしになられ宿泊や観光をしていただけるのはここに住む者たちも喜ぶと思います。それに第1皇姫カトリーヌ様までいらっしゃているとしれば帝国との同盟はほんとうでなおさらランスロットやスレイヤーに行くものの安心も得られましょう」
「ありがとうございます」
「いえ、セナ様なら街を散策して自ら宿をお決めになられたいと思うのですが、防犯などの問題もありますから今回は私に宿をお勧めさせていただけますか?」
「え?いいんですか?そんなご迷惑をおかけしても」
「もちろんです!では私の方で宿をおさえます。あ、セナ様、この街にはいつまでご滞在をご予定しておりますか?」
「では宿は申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。んー、そうですね。今日は時間も時間で街をゆっくりみれないので明日も1泊して明後日の朝に出発しようと思っております」
「そうですか、では明日の夕食は我が家にお越し願いませんか?王の開く晩さん会などには到底及びませんが我が領の名物などぜひご賞味していただきたいのですが」
「え?そんなことまでさせてしまうのはさすがに悪いですよ」
「いえ、パラドイネのお心遣い我ら一同感謝いたしますわ。ぜひ参加させていただきます」
「ありがとうございます。馬車で待機なさっているおつきの方々も是非ご参加ください」
「お招きありがとうございます。必ず我ら一同参加させていただきますわ。セナ様?アムート様のお立場もありますのでこういう場合はご厚意に甘えさせていただかなければなりませんわ」
「お立場ですか?」
「そうですわ、セナ様やアリアが領の中心にご滞在してらっしゃるのにもてなしもしなかったでは他に、パラドイネはそのようなこともわからないのか、もしくはもてなす力がなかったのではと笑われてしまうのですわ」
「ええぇ!?」
「ふふふっ、お心遣い感謝申し上げます皇姫様」
「いえ、それとできれば今後は帝国もセナ様どうよう懇意にさせていただきたく、できればカトリーヌとおよびくだされば幸いですわ」
「それは心強い。では私もアムートとおよびくださいカトリーヌ様」
「こちらこそパラドイネと懇意にできるのは今後の帝国にも喜ばしいことですから、今後ともよろしくお願いいたしますわアムート様」
驚くセナと世界が違いすぎて口をだすこともできないアリアをよそにカトリーヌとアムートが笑顔で握手を交わした。
「カトリーヌが一緒にいてくれて助かったね」
「う、うん。私そういうことぜんぜんわからないからカトリーヌがいてくれて本当によかったよ」
セナがアリアにつぶやくとアリアも困惑しながらもうれしそうに答えた。
「これが私の役目ですから、ですからヤオさんもタオさんも馬車に残っているのですわ」
「ほえぇ、あの二人からセナを任せられてるなんてやっぱりカトリーヌはすごいんだね」
「役目とかは特に考えないで一緒に楽しんでくれたらいいんだけど、しっかりしなきゃとは思ってるんだけど残念ながら僕もそういうのからっきしダメだからなぁ…なさけない話なんだけどね」
「セナ様はそのままでいいのですわ」
「ふふふっ、そうですね」
「いやいや、そういうわけにはってアムート様まで」
アリアが感心する中、セナの言葉を聞きカトリーヌとアムートはセナに笑顔をむけ言った。
「セナ様なんでもおひとりでやろうとなさらず、できるものにできることをお願いすればいいのです。皆セナ様の仲間なのでございましょう?仲間にたよられるというのも認められていると実感できうれしいものなのですよ?」
「なんか申し訳なくって」
「なんでも頼られるのは迷惑ですが、逆にセナ様は頼らなすぎるのですわ」
アムートの言葉に頭をかき気まずそうにいったセナにカトリーヌは不満げにすねたようにほほを膨らませいった。
「さて、宿も確保できたようですし私がご案内いたしますのでいきましょうか」
「え?そんなことまでしていただかなくても」
「ふふふっ大丈夫です、それにパラドイネはブレイダーとはお仲間だと思っておりましたが?」
「え!?はぁ~…ではご厚意に甘えさせていただきます。案内よろしくお願いいたします」
「はははははっ!おまかせください」
いたずらっぽくわらったアムートにセナが降参し頭を下げると嬉しそうに本来の姿でアムートが豪快に笑った。
=======================================
先導する馬車をとめるとアムートの執事がセナたちの馬車にきて宿屋についたことをつげ一同が馬車からおりると5階建ての立派な宿の前に褐色でどこか色気があるが品のある美しい女性を中心に大勢の従業員が綺麗に並んでセナたちを迎えた。
「セナ様、ここが本日お泊りになる宿です」
「はぁ~…立派ですねぇ。こんないい宿をとっていただきありがとうございます」
アムートが笑顔で宿を紹介するとセナはホテルをみあげ感嘆の声と感謝を口にした。
「英雄セナ様、歌姫アリア様並びにストラトス帝国第1皇姫カトリーヌ様ご一行様、本日は当宿にお越しいただき誠にありがとうございます。私当宿を営んでおりますカイナと申します。今宵は当宿出来る限りのおもてなしをさせていただきたいと思っておりますので、どうぞごゆるりとお休みいただければ幸いでございます」
カイナが流暢に挨拶をし恭しく一礼した。
「セナと申します。アムート様のご厚意でこのような素晴らしい宿を用意していただき感謝しております。この人数での急な宿泊をお受け頂きカイナさんはじめ宿屋従業員の皆さんにも感謝申し上げます」
「アリアです。その…本日から数日、よろしくお願いいたします」
「ストラトス帝国皇姫カトリーヌですわ。此度のパラドイネのご厚意、感謝しております」
セナが笑顔でつたないながらも礼を言い頭を下げ、アリアは緊張した面持ちで勢いよく頭を下げる中カトリーヌは優雅にカーテシーをきめた。
「ご丁寧にありがとうございます。ではお部屋へご案内いたしますのでどうぞこちらへ」
「あ、セナ様、私は迅風と馬車を」
「もしやご立派だとおもっておりましたがそちらのバトルホースは」
「はい!セナ様の御愛馬の迅風です!!」
「そうでしたか、では当館さいこうの厩舎をご用意いたしますのでご足労おかけいたしますがそちらへ」
「はい!大きいですが馬車もおかせていただいていいですか?」
「もちろんにございます。倉庫で厳重に」
「いえ、簡易結界をはりますのでその辺においておいても大丈夫なので広い場所をご用意していただればと思います」
「は、はぁ。馬車に結界ですか…さすが英雄様の馬車にございますね…ではこの者が案内いたします」
「よろしくおねがいします!」
宿の中に向かおうとしたセナたちをひきとめたメディーが驚くカイナ達をよそに迅風を引き連れ宿の裏に向かった。
「で、では改めましてこちらに」
「はい。おねがいします」
身綺麗な格好をした細身の男性が声をかけセナたちを宿の中へ案内していった。
「いつまで笑ってるのよアム」
「くっくっく…、すまない。どうだ?実際に見た英雄殿は」
くすくすと笑いをかみしめるアムートがジト目で声をかけたカイナにセナの第一印象をたずねた。
「はぁ~、どうっていわれても普通は話に尾ひれがついて大げさなものじゃない?」
「ふむ。そうだな」
「でもあの方、聞いてるお話以上のお力をお持ちになってるわよ?お会いしてみて温厚で穏やかなお人柄だとわかっていても対面すると生きた心地がしないわ」
「あっはっはっは!やはり気づいたか!」
「面白がらないでよね!こっちはご滞在中粗相してお気を悪くさせないか気が気じゃないんだから!」
「セナ様はそのような方ではないよ」
「言われなくてもわかるわよそれくらい!でももしものことがあるでしょ!」
「はははは、では他に移ってもらうか?」
「冗談でしょ!?英雄様ご一行に気に入っていただければ大陸中に名が伝わる。名宿の仲間入りのチャンスなのよ!?」
「あはははは、リリには後れを取りたくないか」
「当然でしょ!アディオンもリリの所じゃなくまず私の所につれてきてくれればよかったのに!じゃあ、私は英雄様をおもてなししなくちゃならないからもう行くわ!とりあえず感謝しておいてあげる。さっさといくわよ」
「ああ、わかった。まぁがんばれよカイナ」
親しげに挨拶を交わし二人はセナたちの元を追い宿の中へと消えて行った。
「こちらこそ急に訪問してしまいお忙しい中、時間を取っていただきありがとうございます」
応接室のソファを進められ挨拶を返しセナたちは座った。
「いえいえ、おきになさらず。ところで話は聞いておりますが今回は観光が目的とか」
「はい。アリアがすこし自由な時間をつくれたことと、カトリーヌが行動を共にすることになったので回れる範囲でリネアを回ってみようかと思いまして」
「そうですか」
「はい。それでどうせだったら学校設立でお世話にもなり、その後も色々手助けしていただいた皆さんの所にお礼もかねて訪問させて頂こうと思いまして」
「ふふふっセナ殿は変わらず律儀な方ですね。ただ礼には及びませんよ、ブレイダーをはじめとしランスロットにスレイヤーそしてランドリーフとの繋がりは我が領にも大いに恩恵がありますからね」
「そうなんですか?」
「はい。ランスロットとは合同軍事訓練を定期的におこなえるようになりましたし、そのおかげで近辺の治安もよくなりましたからスレイヤーへの観光などをする者たちや商売をする者たちが良く通るようになりましたからね」
「はぁ~さすがですねぇ皆さん」
「あははははっ!セナ殿のおかげですよ」
「私はただギルス様や国王様、それに皆さんに自分のやりたいことをやっていただけないかお願いしただけですよ」
「いいえ、セナ様のおかげでジルネイをはじめとする大陸4大国がいい繋がりをもてているんです。そのおかげでブレイダーから帝国方面へ行く商人なども増えましたし、逆にランドリーフ側から共和国や帝国にいく商人も増えました。すべてがうまく絡んで回っているという感じです」
「それは皆さんの手腕によるものが大きいと思いますが」
「欲のない方だ」
「ほんとのことですから」
セナの反応を見てアムートは終始笑顔をうかべていた。
「それで本日はどちらにおとまりに?」
「まだきまってないんです」
「そうですか、本当なら我が家でぜひおもてなしさせていただきたいところですが…観光というのなら宿の方がよろしそうですね」
「リネアでも有数の宿場町にせっかくきていますから、お気持ちだけありがたく受け取らせてください」
「いえ、こちらこそ我が領に英雄セナ様と歌姫アリア様がおこしになられ宿泊や観光をしていただけるのはここに住む者たちも喜ぶと思います。それに第1皇姫カトリーヌ様までいらっしゃているとしれば帝国との同盟はほんとうでなおさらランスロットやスレイヤーに行くものの安心も得られましょう」
「ありがとうございます」
「いえ、セナ様なら街を散策して自ら宿をお決めになられたいと思うのですが、防犯などの問題もありますから今回は私に宿をお勧めさせていただけますか?」
「え?いいんですか?そんなご迷惑をおかけしても」
「もちろんです!では私の方で宿をおさえます。あ、セナ様、この街にはいつまでご滞在をご予定しておりますか?」
「では宿は申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。んー、そうですね。今日は時間も時間で街をゆっくりみれないので明日も1泊して明後日の朝に出発しようと思っております」
「そうですか、では明日の夕食は我が家にお越し願いませんか?王の開く晩さん会などには到底及びませんが我が領の名物などぜひご賞味していただきたいのですが」
「え?そんなことまでさせてしまうのはさすがに悪いですよ」
「いえ、パラドイネのお心遣い我ら一同感謝いたしますわ。ぜひ参加させていただきます」
「ありがとうございます。馬車で待機なさっているおつきの方々も是非ご参加ください」
「お招きありがとうございます。必ず我ら一同参加させていただきますわ。セナ様?アムート様のお立場もありますのでこういう場合はご厚意に甘えさせていただかなければなりませんわ」
「お立場ですか?」
「そうですわ、セナ様やアリアが領の中心にご滞在してらっしゃるのにもてなしもしなかったでは他に、パラドイネはそのようなこともわからないのか、もしくはもてなす力がなかったのではと笑われてしまうのですわ」
「ええぇ!?」
「ふふふっ、お心遣い感謝申し上げます皇姫様」
「いえ、それとできれば今後は帝国もセナ様どうよう懇意にさせていただきたく、できればカトリーヌとおよびくだされば幸いですわ」
「それは心強い。では私もアムートとおよびくださいカトリーヌ様」
「こちらこそパラドイネと懇意にできるのは今後の帝国にも喜ばしいことですから、今後ともよろしくお願いいたしますわアムート様」
驚くセナと世界が違いすぎて口をだすこともできないアリアをよそにカトリーヌとアムートが笑顔で握手を交わした。
「カトリーヌが一緒にいてくれて助かったね」
「う、うん。私そういうことぜんぜんわからないからカトリーヌがいてくれて本当によかったよ」
セナがアリアにつぶやくとアリアも困惑しながらもうれしそうに答えた。
「これが私の役目ですから、ですからヤオさんもタオさんも馬車に残っているのですわ」
「ほえぇ、あの二人からセナを任せられてるなんてやっぱりカトリーヌはすごいんだね」
「役目とかは特に考えないで一緒に楽しんでくれたらいいんだけど、しっかりしなきゃとは思ってるんだけど残念ながら僕もそういうのからっきしダメだからなぁ…なさけない話なんだけどね」
「セナ様はそのままでいいのですわ」
「ふふふっ、そうですね」
「いやいや、そういうわけにはってアムート様まで」
アリアが感心する中、セナの言葉を聞きカトリーヌとアムートはセナに笑顔をむけ言った。
「セナ様なんでもおひとりでやろうとなさらず、できるものにできることをお願いすればいいのです。皆セナ様の仲間なのでございましょう?仲間にたよられるというのも認められていると実感できうれしいものなのですよ?」
「なんか申し訳なくって」
「なんでも頼られるのは迷惑ですが、逆にセナ様は頼らなすぎるのですわ」
アムートの言葉に頭をかき気まずそうにいったセナにカトリーヌは不満げにすねたようにほほを膨らませいった。
「さて、宿も確保できたようですし私がご案内いたしますのでいきましょうか」
「え?そんなことまでしていただかなくても」
「ふふふっ大丈夫です、それにパラドイネはブレイダーとはお仲間だと思っておりましたが?」
「え!?はぁ~…ではご厚意に甘えさせていただきます。案内よろしくお願いいたします」
「はははははっ!おまかせください」
いたずらっぽくわらったアムートにセナが降参し頭を下げると嬉しそうに本来の姿でアムートが豪快に笑った。
=======================================
先導する馬車をとめるとアムートの執事がセナたちの馬車にきて宿屋についたことをつげ一同が馬車からおりると5階建ての立派な宿の前に褐色でどこか色気があるが品のある美しい女性を中心に大勢の従業員が綺麗に並んでセナたちを迎えた。
「セナ様、ここが本日お泊りになる宿です」
「はぁ~…立派ですねぇ。こんないい宿をとっていただきありがとうございます」
アムートが笑顔で宿を紹介するとセナはホテルをみあげ感嘆の声と感謝を口にした。
「英雄セナ様、歌姫アリア様並びにストラトス帝国第1皇姫カトリーヌ様ご一行様、本日は当宿にお越しいただき誠にありがとうございます。私当宿を営んでおりますカイナと申します。今宵は当宿出来る限りのおもてなしをさせていただきたいと思っておりますので、どうぞごゆるりとお休みいただければ幸いでございます」
カイナが流暢に挨拶をし恭しく一礼した。
「セナと申します。アムート様のご厚意でこのような素晴らしい宿を用意していただき感謝しております。この人数での急な宿泊をお受け頂きカイナさんはじめ宿屋従業員の皆さんにも感謝申し上げます」
「アリアです。その…本日から数日、よろしくお願いいたします」
「ストラトス帝国皇姫カトリーヌですわ。此度のパラドイネのご厚意、感謝しております」
セナが笑顔でつたないながらも礼を言い頭を下げ、アリアは緊張した面持ちで勢いよく頭を下げる中カトリーヌは優雅にカーテシーをきめた。
「ご丁寧にありがとうございます。ではお部屋へご案内いたしますのでどうぞこちらへ」
「あ、セナ様、私は迅風と馬車を」
「もしやご立派だとおもっておりましたがそちらのバトルホースは」
「はい!セナ様の御愛馬の迅風です!!」
「そうでしたか、では当館さいこうの厩舎をご用意いたしますのでご足労おかけいたしますがそちらへ」
「はい!大きいですが馬車もおかせていただいていいですか?」
「もちろんにございます。倉庫で厳重に」
「いえ、簡易結界をはりますのでその辺においておいても大丈夫なので広い場所をご用意していただればと思います」
「は、はぁ。馬車に結界ですか…さすが英雄様の馬車にございますね…ではこの者が案内いたします」
「よろしくおねがいします!」
宿の中に向かおうとしたセナたちをひきとめたメディーが驚くカイナ達をよそに迅風を引き連れ宿の裏に向かった。
「で、では改めましてこちらに」
「はい。おねがいします」
身綺麗な格好をした細身の男性が声をかけセナたちを宿の中へ案内していった。
「いつまで笑ってるのよアム」
「くっくっく…、すまない。どうだ?実際に見た英雄殿は」
くすくすと笑いをかみしめるアムートがジト目で声をかけたカイナにセナの第一印象をたずねた。
「はぁ~、どうっていわれても普通は話に尾ひれがついて大げさなものじゃない?」
「ふむ。そうだな」
「でもあの方、聞いてるお話以上のお力をお持ちになってるわよ?お会いしてみて温厚で穏やかなお人柄だとわかっていても対面すると生きた心地がしないわ」
「あっはっはっは!やはり気づいたか!」
「面白がらないでよね!こっちはご滞在中粗相してお気を悪くさせないか気が気じゃないんだから!」
「セナ様はそのような方ではないよ」
「言われなくてもわかるわよそれくらい!でももしものことがあるでしょ!」
「はははは、では他に移ってもらうか?」
「冗談でしょ!?英雄様ご一行に気に入っていただければ大陸中に名が伝わる。名宿の仲間入りのチャンスなのよ!?」
「あはははは、リリには後れを取りたくないか」
「当然でしょ!アディオンもリリの所じゃなくまず私の所につれてきてくれればよかったのに!じゃあ、私は英雄様をおもてなししなくちゃならないからもう行くわ!とりあえず感謝しておいてあげる。さっさといくわよ」
「ああ、わかった。まぁがんばれよカイナ」
親しげに挨拶を交わし二人はセナたちの元を追い宿の中へと消えて行った。
0
お気に入りに追加
6,944
あなたにおすすめの小説
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
異世界でチート能力貰えるそうなので、のんびり牧場生活(+α)でも楽しみます
ユーリ
ファンタジー
仕事帰り。毎日のように続く多忙ぶりにフラフラしていたら突然訪れる衝撃。
何が起こったのか分からないうちに意識を失くし、聞き覚えのない声に起こされた。
生命を司るという女神に、自分が死んだことを聞かされ、別の世界での過ごし方を聞かれ、それに答える
そして気がつけば、広大な牧場を経営していた
※不定期更新。1話ずつ完成したら更新して行きます。
7/5誤字脱字確認中。気づいた箇所あればお知らせください。
5/11 お気に入り登録100人!ありがとうございます!
8/1 お気に入り登録200人!ありがとうございます!
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
勇者に恋人寝取られ、悪評付きでパーティーを追放された俺、燃えた実家の道具屋を世界一にして勇者共を見下す
大小判
ファンタジー
平民同然の男爵家嫡子にして魔道具職人のローランは、旅に不慣れな勇者と四人の聖女を支えるべく勇者パーティーに加入するが、いけ好かない勇者アレンに義妹である治癒の聖女は心を奪われ、恋人であり、魔術の聖女である幼馴染を寝取られてしまう。
その上、何の非もなくパーティーに貢献していたローランを追放するために、勇者たちによって役立たずで勇者の恋人を寝取る最低男の悪評を世間に流されてしまった。
地元以外の冒険者ギルドからの信頼を失い、怒りと失望、悲しみで頭の整理が追い付かず、抜け殻状態で帰郷した彼に更なる追い打ちとして、将来継ぐはずだった実家の道具屋が、爵位証明書と両親もろとも炎上。
失意のどん底に立たされたローランだったが、 両親の葬式の日に義妹と幼馴染が王都で呑気に勇者との結婚披露宴パレードなるものを開催していたと知って怒りが爆発。
「勇者パーティ―全員、俺に泣いて土下座するくらい成り上がってやる!!」
そんな決意を固めてから一年ちょっと。成人を迎えた日に希少な鉱物や植物が無限に湧き出る不思議な土地の権利書と、現在の魔道具製造技術を根底から覆す神秘の合成釜が父の遺産としてローランに継承されることとなる。
この二つを使って世界一の道具屋になってやると意気込むローラン。しかし、彼の自分自身も自覚していなかった能力と父の遺産は世界各地で目を付けられ、勇者に大国、魔王に女神と、ローランを引き込んだり排除したりする動きに巻き込まれる羽目に
これは世界一の道具屋を目指す青年が、爽快な生産チートで主に勇者とか聖女とかを嘲笑いながら邪魔する者を薙ぎ払い、栄光を掴む痛快な物語。
ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる