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第7章 大陸編

リネア①

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 「以上にございます」

 「う、うむ。遠路はるばる足を運んでいただき感謝する。帝国の感謝の意しかとお受け取りいたす」

 「ありがとうございます」

 してやったり顔のギルスとともに王城へ報告に来たセナ達の中にカトリーヌがいることに内心驚いたゲオルグだったが何とか表情にだすこともなくカトリーヌから帝国でのできごとの詳細と感謝の言葉を受け取った。

 「国王陛下がご退室いたします」

 ゲオルグがちらっとエルリックとゲオルグに目線をおくりエルリックがうなずき、ギルスが笑いをこらえてうなずいたのをみて立ち上がり一度玉座の間をあとにした。

 「では行こうかセナ殿」

 「はい。あれ?ギルス様どちらに?」

 ゲオルグが退室し終えると頭を上げ立ち上がったギルスにセナがうなずいたが変える方向と違う方へ歩き出したギルスにセナが不思議そうにたずねた。

 「ああ、俺が住んでいた時につかっていた部屋があるんだが、スマンが皆もそこにきてくれ」

 「はぁ、わかりました」

 セナとカトリーヌにヤオとタオの4人がギルスの後につづいて移動した。

 「ここだ。入ってくれ」

 「はい。失礼いたします」

 城の奥へ進みさらに階段を上った3階にあった部屋に案内され中に入ると広々とした部屋に高級だとわかるソファーやテーブル、そしてキングサイズはあろうかという大きなベッドなどが置かれていた。

 「適当にすわってくれ、もうすぐ焦ってやってくるはずだ」

 「はい。え?だれがですか?」

 「ギルス入るぞ!」

 「ああ」

 にやりとわらっていうギルスのことばにギルスと向かい合うように座ろうとしたセナがたずねるとほぼ同時にゲオルグがギルスの言葉をまたずドアをあけアレストラとともに入室した。

 「国王様と王妃様!?」

 「ああ、セナ殿も皆も挨拶はいい楽にしてくれ」

 「セナ様、お久しぶりですね。此度は我が祖国の危機にご助力いただき感謝いたしますわ」

 ゲオルグ達をみて驚き立ち上がったセナが膝をついて挨拶しようとするのを片手をふり断ったゲオルグがしたり顔でふんぞり返りソファーに座ったままのギルスを睨み付けながら向かい合うようにすわり、それをみたアレストラがくすくすとわらったあとセナに感謝の言葉をのべた。

 「い、いえ!本来ならば国王様の許可をいただいた後、向かうのが筋だったのでしょうが焦りのあまりまたギルス様にまでご迷惑をおかけする結果となってしまいました。申し訳ありませんでした」

 アレストラの言葉を受け本来王の許可をとってから行かなければならいことはしっていたこととギルスにまた報告などをおしつけてしまったことをセナは申し訳なさそうな顔をしつたえた。

 「セナ殿きにするな。帝国はもはや同盟国だ。そこの窮地にいち早く英雄をおくりだし勝利したと民が国王の手腕をほめたたえるだろう。兄上も漁夫の利を得て内心うはうはしておるわ」

 「しておらんわ!貴様と一緒にするな!」

 「ふふふっ!最近ではもうあなたよりギルスのほうが民の評判は上でしょうからね」

 ギルスが本当に気にしなくてもいいという態度でゲオルグを顎でクイクイさしながらいうとゲオルグは顔をあかくし否定をしそれをみてアレストラがおかしそうに笑いをこらえながらいった。

 「はぁ~ギルス様すごいですねぇ。リネアだけじゃなくてジルネイでも国王様は人気が高いのに」

 「ふふふっ、そうですわね。ゲオルグ叔父様は帝国でも人気が高いですからね」

 「ああ、そうみたいだね」

 セナが感心したようにつぶやくと答えるようにカトリーヌがいった。

 「はい。あの謀反による内乱の時、叔父様が敵国だった帝国の民たちも平等に助け不当な扱いなどしなかったこととお父様をお助けし不当な占拠などもせず混乱を収めたとしてリネアの善王と帝国では言われておりますわ」

 「へぇ、そこまでは知らなかったよ。ああ、でも確かにゲオルグ様を善王っていわれると確かにと納得はするね」

 「ふふふ。そうですわね」

 「よかったな!善王陛下殿!」

 「うるさいわ!!」

 セナとカトリーヌ言葉を照れながらも黙って聞いていたゲオルグにギルスがからかうようにいった。

 「笑っておられますがギルス叔父様のお名前も大陸中に広がっておりますわよ?」

 「なに?それはどういうことだ?」

 カトリーヌの言葉にギルスが自分は国外での活動はほぼしていないため不思議そうな顔をした。

 「帝国を武力で負かした王国。なかでも王国の剣は世界最強だと」

 「ぶっ!それは俺ではなくブレイダーの名だ!セナ殿の名声もあるしな!」

 「いいえ?確かにセナ様は有名すぎるほど有名ですが、そのセナ様を従えているブレイダーの長がギルス様だとそう皆はみておりますからね」

 「セナ殿は家臣ではなく家族だ!家族を従えるわけないだろう!」

 「そのように言われましても、民が思っている世界最強はリネアのブレイダーだというのは覆しようがありませんわ」

 「なんと…」

 「ふっ!貴様の方がセナ殿に便乗しているではないか」

 「うっさい!今は申し訳なさいっぱいで余裕がないわ!」

 ゲオルグがやり返すようににやりと笑って言うとギルスは興奮のあまり立ち上がった。

 「ギルス叔父様おちついてくださいませ。ブレイダーの名が響いているのは、セナ様がブレイダーの旗印をかかげているからですわ」

 「あ、すいません…グラニールをみて皆おどろいたり攻撃してこようとするのでつい…」

 「それは…し、しかたないな…俺も許可してしまっていることだ…」

 気まずそうにカトリーヌの言葉に返したセナだったがセナに旗をおくった張本人はさらに何も言えなくなった。

 「セナ殿の旗はまだできんのか?」

 「メディーにまとめてもらってるんですが…すいません」

 「セナ殿の旗印ができれば我が家も落ち着くであろう」

 「王国の剣殿、セナ様の旗印はブレイダーのものをベースにしておりますゆえ」

 「民はブレイダーの分家あつかいするやもしれませんな」

 「ふふふ、民の認識はそうそう変わらないと思いますわ」

 「セ、セナどのぉ~!」

 ゲオルグの問いに答えたセナにギルスが安堵の息を吐きかけた時、ヤオとタオ、カトリーヌがそれを許さなかった。

 「すいません…一応色々かんがえたんですが」

 「街の人々やセナ様にゆかりある方々のお話をお聞きいたしたところ、やはりセナ様と言えばブレイダーとのお答えが一番多かったためそのようなデザインに決まった次第にございます」

 「いや、それは嬉しい事柄だが!それとこれとは分けて考えねばセナ殿が損をしてしまうだろう!」

 「ギルス叔父様?セナ様がそのようなことをお気になさる方だと?」

 「おもっておらんから周りがやってやらねばんらんだろうと言っておるのだ!」

 カトリーヌの言葉にギルスが興奮気味にいった。

 「ギルス落ち着きなさいな。今後はカトリーヌも御側にいるようですからその辺はうまくやると思いますわ」

 「はい。そちらの方面は私が責任を以って今後は対応するつもりですわ」

 「はぁ~…カトリーヌすまぬが頼むぞ?セナ殿はそのあたりまったく無防備ゆえ」

 「ギルス叔父様おまかせくださいませ」

 アレストラの言葉にギルスが深いため息をつき言うとカトリーヌは胸を張りしっかりと頷いて見せた。

 「やっぱりカトリーヌはレオ様や皇妃様ってよりアレストラ様に似ているね」

 「そ、そうですか?」

 「うん。いつも穏やかで優しいんだけど、どこか凛としてるというかピシッとしてるところとかもよく似てる気がするよ」

 「はははっ!セナ殿それは芯が帝国の女だからであろう」

 アレストラに似ているといわれ少し照れながら嬉しそうにするカトリーヌにセナが理由を述べるとギルスが面白そうに笑って答えた。

 「帝国の女ですか?」

 「ああ、見た目の麗しさと凶暴さをもちあわせてるのが帝国の女というやつさ!下手な男どもでは逆に食われてしまうぞ?気を付けられよ!がははは…は」

 「言いたいことは終わったのかしら?ギルス」

 「あは…ははは…セナ殿これだ…」

 疑問を口にしたセナにギルスが饒舌に語っていたがアレストラの細めた目線にきづき冷や汗をながした。

 「セナ殿、帝国の女というのはしっかりした芯をもった心の強い女性が多かったことで今ではそのような女性を総していうようになったのだ」

 「え?ではエミル様も帝国の女ってことですか?」

 「ぶっ!エミルはリネア生まれのリネア育ちだぞ!」

 ゲオルグの言葉を聞き、セナが答えるとギルスが用意されたお茶を吹き出し驚いた。

 「え?でもお二人の話を聞くと見た目麗しく芯の通った強い女性を総じてと…アレストラ様とどこか持っている雰囲気も似てらっしゃるしそうなのかと…すいません」

 「ふっ!たしかにそういわれればエミルも帝国の女であるな」

 「おいおいおい!」

 セナの言葉を聞きゲオルグ笑って答えた。

 「ふぅ~とりあえずカトリーヌから事情はきいておるがカトリーヌもお前のところで面倒を見るのか?」

 「セナ殿をしたって仕えるというんだから当然我が家で面倒を見るだろ?」

 「ほかの貴族のこともあるのでな、できればこっちで面倒をみたかったんだが」

 「はぁ?カトリーヌは姪っ子だぞ!問題ないであろう!そんなもの無視だ無視!」

 「そうはいってもな?」

 「文句があるなら直にきいてやると言ってやれ!」

 「はぁ~どうしてお前はそう血の気がおおいのか…」

 ブレイダーに戦力や富、権力が集まりすぎているといわれ始めていたゲオルグの言葉にギルスが激高した。

 「差し出口もうしわけありませぬが、セナ様の邸宅が完成なされば問題は解決するのでは?」

 「おお!ヤオ殿の言う通りだな!」

 「お前のところとくっついておるだろうが!」

 「それでも表向きは別だろうが!」

 「ふふふっ、こうなったギルスに何を言っても無駄ですわ」

 「はぁ~、アレスそういうがな?」

 「その方々に、あまり刺激してブレイダーが王国をぬけ独立してしまってもいいのかときいてみるのも一興ですわよ?」

 「アレス!」

 おもしろそうに人差し指を唇に当ててニヤリと笑っていったアレストラの言葉にゲオルグが驚いて立ち上がった。

 「なんか私のせいで申し訳ありません」

 「セナ殿のせいではないぞ。家族を守れんというのは家長の俺のせいだ。最悪あまりにもグダグダいうようであればセナ殿達はドラニスタにでも住んでもらえばいいだけだからな!」

 「えぇ!?」

 「ギルス!おまえは何を言っておるのだ!」

 「ブレイダーうちはセナ殿が元気で幸せならどこに住んでいても関係ないからな。俺がグダグダと文句をいわれ窮屈な思いを家族にさせるわけないだろう?」

 驚くゲオルグにギルスが当然のように答えた。

 「ふふふっ、なぜセナ様がギルス叔父様の元にいるのかよくわかりましたわ」

 「さすが王国の剣とまでいわれるお方にございますな」

 「そうですわね」

 ギルスの言葉と態度を見たカトリーヌたちが笑顔でいった。

 「あなたの負けですわ」

 「アレス…はぁ~、わかった貴族どもはこちらでなんとかする」

 「おう!さすが兄上だ!あぁ迷惑ついでにもう一つ頼まれてくれ」

 「なんだまだあるのか?この際だ言うだけいってみよ」

 クスクス笑うアレストラの言葉にゲオルグが肩を落とすと満足げなギルスがいった。

 「この部屋だが俺はもう使うことがない。カトリーヌにやるからたまにカトリーヌをとめてやってくれ」

 「わかった」

 「ギルス叔父様、ありがとうございます!ゲオルグ叔父様、アレストラおば様よろしくお願いいたします」

 「ええ、気軽にいつでも顔をみせにきて頂戴ね?」

 「はい!」

 ギルスの申し出にゲオルグが笑顔を浮かべ了承するとカトリーヌとアレストラも嬉しそうに頷いた。

 「とりあえずレオ殿からの情報を待つしかないな」

 「数日後に私が転移してきましょうか?」

 「いや、それには及ばんよ。たまにゆっくりするといい」

 セナの申し出にゲオルグが笑顔で顔を横に振った。

 「そうですか、では私もゆっくり回ったことがありませんしアリアの自由に過ごせる期日もまだ残ってますしカトリーヌも来たことなので案内がてらリネア国内を少しまわってみてもいいですかね?」

 「そうか、あいわかった。許可しよう国内にとどまるというのであればこちら側はそれに越したことがないからな」
 
 「うちは何も問題はない。ゆっくり楽しんできて土産話でもきかせてくれればいい」

 「ありがとうございます」

 セナの申し出にゲオルグとギルスが笑顔でこたえた。

 「でも転移なさるならあっという間に終わってしまいますわね」

 「いえ、今回は急ぎではありませんし、途中の景色や村などもみてみたいので迅風にお願いして馬車で旅をしてみようと思ってます」

 「そうか英雄と歌姫がよるとなれば皆よろこぶであろうな」

 セナの言葉を聞きゲオルグが嬉しそうに答え、その後もカトリーヌから帝国での出来事や、ライラがしでかして国が消し飛ぶのではないかと冷や冷やした話など色々な話をしリストニアの1日が過ぎていった。
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