188 / 323
第6章 エターニャ神皇国編
行ったり来たり
しおりを挟む
「ちょっと!カトリーヌ!セナから離れてよ!」
「嫌ですわ、セナ様は命の恩人ですもの私がおもてなししてなんら問題はございませんわ」
「あの…何度か行ったことがあるので僕は大丈夫ですよ?」
「ほら!セナだって迷惑してるじゃない!」
「そんなはずはありませんわ!」
帝国の王都へ着き城の中をレオの元へと歩くセナ達だったが、カトリーヌはセナに助けられ王都に着くまでの間、ことあるごとにセナにくっつき、アリアをはじめとしたメンバーは最初は気を使っていたが1日たつ頃には呼び捨てで呼び合いこのような状態となっていた。なお、エリス達は今日の宿などの確保に動き、エイケンとサイは興味ないようでスカーレットと共に街にむかった。
「お父様!」
「カトリーヌ!無事でなによりであった!」
レオの私室で入室の許可がおりるとカトリーヌは勢いよく部屋へはいるとベッドから起き上がったレオへ涙を流しながら抱き着いた。
「よくぞ無事だった」
「はい…リネアの方々のおかげですわ…」
「そうか…少し話はきいておるが……セナ殿、此度の件感謝申し上げる」
「いえ!たまたま出会って本当によかったです」
うっすら涙をうかべ礼を言うレオにセナは嬉しそうに柔らかな笑顔をうかべた。
「カトリーヌ、すまんが詳しくおしえてくれ…あぁセナ殿たちも聞いてくれるか」
カトリーヌが落ち着きを取り戻したのを見計らいレオがいうと、気を利かせて退室しようとしていたセナたちにレオは一緒に聞いてくれと言ってきた。
「はい…今回の一連の出来事は第2皇子の手引きによるものでした……」
「えっ!」
「ふむ…」
「数年かけ入念に準備をしていたようで…お兄様の手引きによりお母さまの洗脳も…」
カトリーヌの言葉にセナは驚いていたが、その部分の報告をうけていたのかレオは取り乱すことなく話を聞いていた。
「王国への侵攻が失敗に終わり…教皇と教皇派と呼ばれていた人たちは一気に衰退し…追放や色々な罪を着せられ処罰されていっております」
「ふむ…して?トーラスは」
「お兄様は側近と残り少ない教皇派をひきつれアルドラへと亡命いたしました」
「そうか…」
「はい…それで私はお兄様も居なくなり…エターニャ側としては今回の件は帝国のせいとすることになったようで…私は帝国にそれを認めさせるための人質となるところだったのです」
「ふむ…」
「牢に幽閉される前日に…リネアの騎士団長ジェノス様のお手引きにより脱出するとができ…国境では潜入していたカイン様という方の部下の神官騎士がうまく抜けさせてくださいました」
「そうか…リネアには国としても父親としても返せぬほどの恩を受けてしまったな」
「あの…それでジェノス様達は?」
「大丈夫です!今まで通りリネアからの使者しとして滞在なさっておられます」
「そうですか…よかったです」
「リネアにはセナ様がおられますからね」
「ん?僕ですか?」
ジェノスが無事だと聞きセナが安堵の息を吐いたがカトリーヌの言葉を聞くと不思議そうな顔をし首をかしげた。
「シルティアにもリネアのブレイダー領での戦いの情報などがはいっていたようですし、そもそも武力で帝国をお一人で沈めたお方と向こうも認識していますから、下手にリネアの使者を扱うとセナ様がでてくると恐れているのですわ」
「一人で沈めるとか…鎮めるじゃないんですよね?」
「はい、沈めたと」
「……そんな馬鹿な……」
カトリーヌの言葉にセナが肩を落としショックをうけた。
「まぁ…あの戦いを見た者はそう思うだろうな」
「そんなにすごいのですか?」
レオがセナの戦いを思い出し納得するとカトリーヌが興味津々で尋ねた。
「あの…それで神皇国は今どのような感じに」
「え?えぇそうですわね…今は新しい教皇を選ぶため候補者同士が水面下で色々動きあっている状態のようですわ」
露骨にセナが話題をかえるとカトリーヌが我に返り答えた。
「そもそもエターニャだけではなくアルドラも神皇国と名乗っているのがよくわからないのですが」
「あぁ、それはこの世界の神は元々2柱でな」
「え?アマリウス様だけじゃないんですか?」
「ああ、もう一人の神アルドラだ」
「元々は2柱を祀る宗教だったんだが互いの勢力が実権を握ろうと争いになってな」
「その結果二つの宗教に別れ、争いに負けたアルドラ派の人々はアルドラの聖地とよばれる火山のある島に逃げ延び独立国家を名乗ったのです」
「まぁ、しかし王国、帝国がそれを認めず未だ正式な独立国家としてはみられておらんのが現状だ」
「なるほど…それがなぜ…」
「わからん」
話を聞いたセナの問いにレオも二つの宗教が接触したことに困惑していた。
「お兄様はたぶんですが……アルドラ派に便乗してこの国を手に入れるおつもりだったのかもしれません」
「だろうな…」
カトリーヌが悲しそうな顔でいうとレオも思い当たる節があったのか頷き同意した。
「だとするならば今のエターニャは王国や帝国の動きは気になるが対応できないというのが実情でございますな」
「だろうな」
「ふむ…セナ様?このことをリネアの国王へお伝えせねばなりませぬな」
「そうですね…グラニールにお願いするのが一番早いですし…僕が直接話した方がいいですよね」
ヤオの言葉にレオが頷くとヤオとセナはリネアに一度戻る決断をした。
「アレスももうすぐ王国についている頃だろう」
「え?王妃様戻られたんですか?」
「あぁ、アディオンとリレイと共にな」
「そうですか…では私たちも明日の朝にリネアへと戻ります」
「うむ」
レオからアレストラたちがセナがエターニャへ向かった翌日エルシーダが王国より遣わされそれにのりそれぞれの国へ一度もどったと聞いた。
「お待ちになってください!」
「どうした?カトリーヌ」
「セナ様私もお連れください!」
「え?」
「叔父様と叔母様には私からも詳細を説明させてください!」
「え?でもせっかく戻ったばかりじゃ」
「そうだよ!セナにまかせてカトリーヌはゆっくりここで休んだ方がいいよ!」
セナ達が退室しようとするのを引き留めカトリーヌが願い出るとアリアが嫌そうな顔をし言った。
「お願いいたします!」
「え?でも…」
「セナ殿…すまんがつれていってやってくれんか」
「え?私はいいですが…」
「お父様!セナ様ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
「えぇーー」
レオからも頼まれセナは困りながらも了承するとアリアは露骨に嫌そうな顔をした。
「というわけで一度リネアに戻ります」
「了解しました。それでアリアはどうするの?」
「私も一度戻るよ!」
「わかりました。では我々もですね」
宿屋にもどり明日からの予定をエリス達に伝えた。
「俺はここに残るぜ?」
「え?そうなの?」
「あぁ、サイとスカーレットおめぇらも残れ」
「ん?」
「なぜですか?」
夕食時に宿屋の食堂で合流したエイケンたちに明日からの行動を知らせるとワインを瓶で飲みながらエイケンが言った。
「セナわりぃが食ったらあの力のコツを教えろ」
「それはいいけど」
「おめぇらがリネアに行って戻ってくる間、俺らはそれの特訓だ」
「なるほど…貴様にしてはいい考えだ」
「そういうことでしたら!」
エイケンの考えを聞きサイとスカーレットも納得をしめした。
「あ、あの!」
「ん?なんだコニー」
「その修行にエリスもまぜてくれませんかっ!」
エイケンたちとセナの話に意を決したようにコニーが割って入り修行にエリスも混ぜることを願い出た。
「なにをいってるの?コニー」
「ここで修行して力をつけてもらうのよ!エリスはまだ強くなれるんでしょ?」
「そういうことね?あのサイ様、私からもお願いします」
「ちょっと!マインまで!」
「私とコニーだって強さをあきらめたわけじゃないけど、私たちの中で今一番一気に強くなれる状況にあるのよ?」
「しかし…アリアの」
「王国まで行けば大丈夫!」
「このままじゃ私たちのパーティーは確実にセナ様の足を引っ張るわ。強くなれる機会があるのならやるべきよ」
「私たちは友達を守りたい!このままじゃ私達まで守られっぱなしじゃない!」
いまだ納得いかないエリスにコニーとマインが自分たちの気持ちを伝えた。
「ふむ、よく言ったお前たち。よかろう私が責任をもってこいつを強くしてやろう」
「あぁそうだな。俺もおめぇらの心意気気に入った!一端の剣士にしてやっから安心しろ」
「ありがとうございます!サイ様、エイケン様」
コニーとマインの言葉を聞き二人が感心しエリスの修行を引き受けた。
「頑張ってくださいね?エリスさん」
「無理しちゃだめだよ?」
いまだ決心がつかないエリスにセナとアリアが声をかけた。
「わかりました。サイ様、エイケン様よろしくお願いいたします。コニー、マインありがとう。セナ様アリアご迷惑をおかけします」
皆の気持ちに答えるかのように決意を秘めた目をしたエリスが全員に礼をし食事を終えた全員でレオから借りた闘技場へと向かった。
「嫌ですわ、セナ様は命の恩人ですもの私がおもてなししてなんら問題はございませんわ」
「あの…何度か行ったことがあるので僕は大丈夫ですよ?」
「ほら!セナだって迷惑してるじゃない!」
「そんなはずはありませんわ!」
帝国の王都へ着き城の中をレオの元へと歩くセナ達だったが、カトリーヌはセナに助けられ王都に着くまでの間、ことあるごとにセナにくっつき、アリアをはじめとしたメンバーは最初は気を使っていたが1日たつ頃には呼び捨てで呼び合いこのような状態となっていた。なお、エリス達は今日の宿などの確保に動き、エイケンとサイは興味ないようでスカーレットと共に街にむかった。
「お父様!」
「カトリーヌ!無事でなによりであった!」
レオの私室で入室の許可がおりるとカトリーヌは勢いよく部屋へはいるとベッドから起き上がったレオへ涙を流しながら抱き着いた。
「よくぞ無事だった」
「はい…リネアの方々のおかげですわ…」
「そうか…少し話はきいておるが……セナ殿、此度の件感謝申し上げる」
「いえ!たまたま出会って本当によかったです」
うっすら涙をうかべ礼を言うレオにセナは嬉しそうに柔らかな笑顔をうかべた。
「カトリーヌ、すまんが詳しくおしえてくれ…あぁセナ殿たちも聞いてくれるか」
カトリーヌが落ち着きを取り戻したのを見計らいレオがいうと、気を利かせて退室しようとしていたセナたちにレオは一緒に聞いてくれと言ってきた。
「はい…今回の一連の出来事は第2皇子の手引きによるものでした……」
「えっ!」
「ふむ…」
「数年かけ入念に準備をしていたようで…お兄様の手引きによりお母さまの洗脳も…」
カトリーヌの言葉にセナは驚いていたが、その部分の報告をうけていたのかレオは取り乱すことなく話を聞いていた。
「王国への侵攻が失敗に終わり…教皇と教皇派と呼ばれていた人たちは一気に衰退し…追放や色々な罪を着せられ処罰されていっております」
「ふむ…して?トーラスは」
「お兄様は側近と残り少ない教皇派をひきつれアルドラへと亡命いたしました」
「そうか…」
「はい…それで私はお兄様も居なくなり…エターニャ側としては今回の件は帝国のせいとすることになったようで…私は帝国にそれを認めさせるための人質となるところだったのです」
「ふむ…」
「牢に幽閉される前日に…リネアの騎士団長ジェノス様のお手引きにより脱出するとができ…国境では潜入していたカイン様という方の部下の神官騎士がうまく抜けさせてくださいました」
「そうか…リネアには国としても父親としても返せぬほどの恩を受けてしまったな」
「あの…それでジェノス様達は?」
「大丈夫です!今まで通りリネアからの使者しとして滞在なさっておられます」
「そうですか…よかったです」
「リネアにはセナ様がおられますからね」
「ん?僕ですか?」
ジェノスが無事だと聞きセナが安堵の息を吐いたがカトリーヌの言葉を聞くと不思議そうな顔をし首をかしげた。
「シルティアにもリネアのブレイダー領での戦いの情報などがはいっていたようですし、そもそも武力で帝国をお一人で沈めたお方と向こうも認識していますから、下手にリネアの使者を扱うとセナ様がでてくると恐れているのですわ」
「一人で沈めるとか…鎮めるじゃないんですよね?」
「はい、沈めたと」
「……そんな馬鹿な……」
カトリーヌの言葉にセナが肩を落としショックをうけた。
「まぁ…あの戦いを見た者はそう思うだろうな」
「そんなにすごいのですか?」
レオがセナの戦いを思い出し納得するとカトリーヌが興味津々で尋ねた。
「あの…それで神皇国は今どのような感じに」
「え?えぇそうですわね…今は新しい教皇を選ぶため候補者同士が水面下で色々動きあっている状態のようですわ」
露骨にセナが話題をかえるとカトリーヌが我に返り答えた。
「そもそもエターニャだけではなくアルドラも神皇国と名乗っているのがよくわからないのですが」
「あぁ、それはこの世界の神は元々2柱でな」
「え?アマリウス様だけじゃないんですか?」
「ああ、もう一人の神アルドラだ」
「元々は2柱を祀る宗教だったんだが互いの勢力が実権を握ろうと争いになってな」
「その結果二つの宗教に別れ、争いに負けたアルドラ派の人々はアルドラの聖地とよばれる火山のある島に逃げ延び独立国家を名乗ったのです」
「まぁ、しかし王国、帝国がそれを認めず未だ正式な独立国家としてはみられておらんのが現状だ」
「なるほど…それがなぜ…」
「わからん」
話を聞いたセナの問いにレオも二つの宗教が接触したことに困惑していた。
「お兄様はたぶんですが……アルドラ派に便乗してこの国を手に入れるおつもりだったのかもしれません」
「だろうな…」
カトリーヌが悲しそうな顔でいうとレオも思い当たる節があったのか頷き同意した。
「だとするならば今のエターニャは王国や帝国の動きは気になるが対応できないというのが実情でございますな」
「だろうな」
「ふむ…セナ様?このことをリネアの国王へお伝えせねばなりませぬな」
「そうですね…グラニールにお願いするのが一番早いですし…僕が直接話した方がいいですよね」
ヤオの言葉にレオが頷くとヤオとセナはリネアに一度戻る決断をした。
「アレスももうすぐ王国についている頃だろう」
「え?王妃様戻られたんですか?」
「あぁ、アディオンとリレイと共にな」
「そうですか…では私たちも明日の朝にリネアへと戻ります」
「うむ」
レオからアレストラたちがセナがエターニャへ向かった翌日エルシーダが王国より遣わされそれにのりそれぞれの国へ一度もどったと聞いた。
「お待ちになってください!」
「どうした?カトリーヌ」
「セナ様私もお連れください!」
「え?」
「叔父様と叔母様には私からも詳細を説明させてください!」
「え?でもせっかく戻ったばかりじゃ」
「そうだよ!セナにまかせてカトリーヌはゆっくりここで休んだ方がいいよ!」
セナ達が退室しようとするのを引き留めカトリーヌが願い出るとアリアが嫌そうな顔をし言った。
「お願いいたします!」
「え?でも…」
「セナ殿…すまんがつれていってやってくれんか」
「え?私はいいですが…」
「お父様!セナ様ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
「えぇーー」
レオからも頼まれセナは困りながらも了承するとアリアは露骨に嫌そうな顔をした。
「というわけで一度リネアに戻ります」
「了解しました。それでアリアはどうするの?」
「私も一度戻るよ!」
「わかりました。では我々もですね」
宿屋にもどり明日からの予定をエリス達に伝えた。
「俺はここに残るぜ?」
「え?そうなの?」
「あぁ、サイとスカーレットおめぇらも残れ」
「ん?」
「なぜですか?」
夕食時に宿屋の食堂で合流したエイケンたちに明日からの行動を知らせるとワインを瓶で飲みながらエイケンが言った。
「セナわりぃが食ったらあの力のコツを教えろ」
「それはいいけど」
「おめぇらがリネアに行って戻ってくる間、俺らはそれの特訓だ」
「なるほど…貴様にしてはいい考えだ」
「そういうことでしたら!」
エイケンの考えを聞きサイとスカーレットも納得をしめした。
「あ、あの!」
「ん?なんだコニー」
「その修行にエリスもまぜてくれませんかっ!」
エイケンたちとセナの話に意を決したようにコニーが割って入り修行にエリスも混ぜることを願い出た。
「なにをいってるの?コニー」
「ここで修行して力をつけてもらうのよ!エリスはまだ強くなれるんでしょ?」
「そういうことね?あのサイ様、私からもお願いします」
「ちょっと!マインまで!」
「私とコニーだって強さをあきらめたわけじゃないけど、私たちの中で今一番一気に強くなれる状況にあるのよ?」
「しかし…アリアの」
「王国まで行けば大丈夫!」
「このままじゃ私たちのパーティーは確実にセナ様の足を引っ張るわ。強くなれる機会があるのならやるべきよ」
「私たちは友達を守りたい!このままじゃ私達まで守られっぱなしじゃない!」
いまだ納得いかないエリスにコニーとマインが自分たちの気持ちを伝えた。
「ふむ、よく言ったお前たち。よかろう私が責任をもってこいつを強くしてやろう」
「あぁそうだな。俺もおめぇらの心意気気に入った!一端の剣士にしてやっから安心しろ」
「ありがとうございます!サイ様、エイケン様」
コニーとマインの言葉を聞き二人が感心しエリスの修行を引き受けた。
「頑張ってくださいね?エリスさん」
「無理しちゃだめだよ?」
いまだ決心がつかないエリスにセナとアリアが声をかけた。
「わかりました。サイ様、エイケン様よろしくお願いいたします。コニー、マインありがとう。セナ様アリアご迷惑をおかけします」
皆の気持ちに答えるかのように決意を秘めた目をしたエリスが全員に礼をし食事を終えた全員でレオから借りた闘技場へと向かった。
0
お気に入りに追加
6,940
あなたにおすすめの小説
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります
まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。
そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。
選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。
あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。
鈴木のハーレム生活が始まる!
3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜
I.G
ファンタジー
神様と名乗るおじいさんに転生させられること3521回。
レベル、ステータス、その他もろもろ
最強の力を身につけてきた服部隼人いう名の転生者がいた。
彼の役目は異世界の危機を救うこと。
異世界の危機を救っては、また別の異世界へと転生を繰り返す日々を送っていた。
彼はそんな人生で何よりも
人との別れの連続が辛かった。
だから彼は誰とも仲良くならないように、目立たない回復職で、ほそぼそと異世界を救おうと決意する。
しかし、彼は自分の強さを強すぎる
が故に、隠しきることができない。
そしてまた、この異世界でも、
服部隼人の強さが人々にばれていく
のだった。
一人だけ竜が宿っていた説。~異世界召喚されてすぐに逃げました~
十本スイ
ファンタジー
ある日、異世界に召喚された主人公――大森星馬は、自身の中に何かが宿っていることに気づく。驚くことにその正体は神とも呼ばれた竜だった。そのせいか絶大な力を持つことになった星馬は、召喚した者たちに好き勝手に使われるのが嫌で、自由を求めて一人その場から逃げたのである。そうして異世界を満喫しようと、自分に憑依した竜と楽しく会話しつつ旅をする。しかし世の中は乱世を迎えており、星馬も徐々に巻き込まれていくが……。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
無属性魔法を極めた俺は異世界最強!?
ないと
ファンタジー
異世界に行きたい
ずっとそんな事を願っていたある日、俺は集団転移に遭ってしまった。
転移すると周り中草木が生い茂っている森林の中で次々とモンスターが襲ってくる。
それに対抗すべく転移した人全員に与えられているらしいチート能力を使おうとしたのだが・・・・・
「魔法適正が『無』!?」
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる