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第5章 ストラトス帝国編
非常識
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「う…ううう」
アリア達が呪いを解除して少し経った頃、ライラから声が聞こえアディオンが反応を見た。
「ライラ大丈夫かい?」
「ううう…こほっ」
「混乱しているのはわかるけどまずは水分を少し取ってもらおうかな」
混乱し現状が呑み込めていないライラの口に水を少しづついれながらアディオンがこれまでのことをゆっくり話始めた。
「そんな…私のせいでこの国が…帝国が負けるなんて…」
「義理姉様…大丈夫ですか?」
「アレストラ…体も心もいいわけないじゃない…帝国が王国程度に負けたのよ?…いえ、そんなことより迷惑をかけてしまったわね…ごめんなさいね」
頃合いを見て声をかけたアレストラを一瞬睨みつけた後、ライラは首を横に振り頭をさげた。
「めずらしいね君が人に頭をさげるなんて!まぁいいけど、とりあえず彼らが君を助けた者たちだよ」
アディオンの言葉にライラはセナ達を見渡し力のない笑顔で礼を伝えるとアディオンはライラはまだ不安定な状態だといいレオの元へ詳細を伝えに行くことを頼み病室から全員を追い出した。
「お兄様、義理姉様が目を覚まされましたわ」
「おぉ…そうか。皆には感謝しかないな…」
レオの元へもどったアレストラが伝えるとレオは目を見開き驚きながらもセナ達に礼を言った。
「ところでセナ様は全然へっちゃらそうに見えますけどお身体は大丈夫ですか?」
少々疲れの見えているアリア達をみたあと、けろっとしているセナを見ながらあアレストラが尋ねた。
「はい?あぁ私は大丈夫です。3人ともそこまで枯渇してなかったようでそこまで消費しませんでしたから回復済みです」
「まぁそうなのね」
「アレストラ真に受けるな」
「え?」
「3人とも見た感じ7割は消費していた。それが今は逆に7割ほど回復している」
「えぇ!?」
「まぁ汗もかかずにこなされたときはさすがの俺も引いたぜ」
サイやエイケンの言葉を聞きアレストラが周りを見るとリレイは目を閉じ頷き、ほかの者たちは目をそらした。
「セナ様がその気になったら一振りでこの街くらい吹き飛ばしてしまいそうですわね」
「できると思うぞ」
「え゛…」
「いや、そこまでの広範囲への攻撃手段を持ってませんから、さすがに一振りでは無理ですよ」
「…一振りじゃなかったら…できるのね…」
冗談めかして言ったアレストラにサイが腕を組み真顔で答え、それをうけたセナの言葉を聞きアレストラは言葉を濁した。
「しかし…そこまでの力が…いったいどのような鍛錬を積めばそんな…」
「えっ?別に特別なことはしてないですよ?色々な方から教わったことを基本に個人でやれる鍛錬と組手を少々やってるだけです」
「…普通…あれが普通…」
「セナ様…さすがにあれは普通とは…」
「スカーレットやタオの反応が物語ってるわね…」
セナの言葉を聞き、スカーレットがブツブツとうつむきながらつぶやき、タオが額に汗を浮かべ苦悶の表情を浮かべた。
「ヤオ殿?セナ殿は日頃どのような鍛錬をしておるんだ?」
「それは…でございますな…」
様子を見ていたサイが尋ねるとヤオは言いづらそうに話し始めた。
「まず…朝の鍛錬としょうしランニングや素振りなどをこなし、ご予定がない場合は朝食後、我らと組手をしております」
「ふむ…普通だな」
「甘いぞレオ。それで?どんな強度でやっている?」
「そ…それはでございますな…」
「スカーレット教えろ」
「えっ!?私ですか…」
言い淀むヤオにかわりサイがスカーレットを指名するとスカーレットは目線をそらしながら気まずそうに話し始めた。
「たぶん私では5分もたない強度でこなしておりました…」
「えっ!?もうそんなの想像できないじゃない!」
スカーレットの言葉を聞きリレイが眼鏡を落としそうになるほど驚いた。
「やはりな…それで?夜はどうなのだ」
「最近セナ様はご自身の中で魔力・燐気・龍気を練り上げ属性変化をしたりバランスを調整する鍛錬やそれらを全身めぐらせたり体の1部に集めるなどをお身につけになられまして…」
「セナおめぇって、ほんと器用だなぁ」
サイの問いにタオがこたえエイケンが感心したようにいった。
「馬鹿か貴様は…そのようなことができること自体が異常であり非常識だ」
「そ、そうよ!それにそこまでの力をどうやって消してるの?」
「いや、よくわかんねぇわ」
サイとリレイが驚く中、理解できないエイケンが興味無さそうに答えた。
「ちょっとまってくれ…話を聞いているとまるで彼が魔力のほかに燐気や龍気も併せ持っているようにとれるのだが…」
「とれるもなにもその通りだが?」
「馬鹿な!そんなことあるわけがっ!…っう…」
「落ち着いてくださいませ、傷にさわりますわお兄様」
「すまん」
レオの疑問にアディオンが素っ気なく答えると驚きのあまり勢いよく起き上がってしまい痛みにより悶絶する中、アレストラに支えられレオは再びベッドに横になった。
「セナわかりやすく説明してくれ」
「ん?えっと寝る前に瞑想しながら魔力と龍気・燐気を同じ強さまでどれくらい早く発動できるかを練習してそれを今度は属性変化させる練習をしてそれぞれ違う属性にして色々な組み合わせを試したりしてるだけだよ」
「あぁ発動練習か」
「うん、そう」
エイケンがめんどくさそうにセナに言うとセナは淡々と答えた。
「エイケンあなた…凄さがわかってないわ」
「無駄だリレイ馬鹿にはわからん」
「そうね、それでセナ様?その練り上げた力はどこで消化されてるかしら?」
「あぁそれはこいつが吸ってくれています」
リレイの言葉にセナは刀に手をかけ答えた。
「ほぅ。それでどれくらいの力を吸わせてるのだ?」
「全てです」
「へっ?」
「いや…ですからすっからかんになるだけの全力分です」
面白そうに尋ねたサイだったが帰ってきた答えに目を見開き言葉を失いリレイは驚き間抜けな声を上げた。
「もうしあげますと…毎日就寝する前にすべての力を使い切り気絶した状態で眠りにつき翌朝をむかえられるという日々にございます」
「馬鹿かおめぇ!」
ヤオの言葉にエイケンがセナを心配するあまり声を荒げた。
「エイケン殿おちついてくださいませ。当初は長時間回復せず朝方までかけておりましたが最近では枯渇した状態から15分ほどでほぼ回復しておりますわ」
「そんな話じゃねぇだろ!無警戒な時間があるってのと毎日死にかけてるって話じゃねぇか!」
「あぁ!それは大丈夫だよ。ヤオさんとタオさんが結界を張ってくれてるし、枯渇も慣れると意外と大したことないから、あはははは」
必死な形相でセナへつめよるエイケンに苦笑いをうかべセナが答えた。
「あははははじゃねぇ!って…ちょっとまてよ…たしかおめぇの刀って切れば切るほど、吸えば吸うほど強くなるよな?」
「うん」
「毎日おめぇの全力を吸ってるって…その刀どんだけ…」
エイケンが思い出したように尋ねセナがあっけらかんと答えるとエイケンだけではなくその場にいた全員が言葉を失うほど驚いた。
「エイケン殿…お気づきになられましたか…セナ様の刀は毎日驚異的な強化がなされていっておるのでございます」
「ゆえに…昨日切れなかったものが今日は切れるという可能性も…」
ヤオとタオがこたえた。
「セナ?なんでそんな危ない事してるの…」
「ん?そんなに危なくはないんだけど、ほらアリアと初めて会った時も、東の森でエリスさん達を助けた時も死にかけてみんなに迷惑をかけちゃったから、安心して任せてもらえるように強くなろうと思って」
セナの鍛錬法を聞いたアリアが涙を浮かべながら尋ねるとセナは恥ずかしそうに答えた。
「でも!もうそんなに強くなったじゃない!」
「そんなことないよ?叔父さんやサイさんのように剣だけとか拳だけでどんな状況でも戦える強さが僕にはないんだ…それにタオさんやヤオさんのように知識もない、リレイさんのように状況をみて先の先を予測することもできないんだ」
「セナ…」
「そして…アディオンさんやスターシャさんのように傷ついた人を癒す力もない…だから僕は少しでも仲間や助けたいと思った人がケガをせず安心して任せてくれるような強さを自分の中に作らなきゃと思って…あははは…なんかはずかしいな」
「セナ君足りないものを数えちゃいけないよ」
「アディオンさん!?」
「アリア?どんなに強くなっても人をやめてもセナ様らしい理由で強くなったんだから…あきらめよっ!」
「えぇ…納得できない…」
「ひどっ!コニーさん僕は人をやめてないよっ!」
セナの思いをきいていると戻ってきたアディオンがたしなめる様に声をかけてきて、それぞれが色々な表情をする中、コニーが少し暗い感じで話始め最後にはなぜか笑顔でサムズアップきめるとアリアは若干引きながら納得できずに、セナは辛辣な言葉に心を痛めた。
「エリスどうしたの?」
「ん?スカーレットどうした」
マインとサイがそれぞれが何かを思いつめたような表情でいたので尋ねると意を決したように答えた。
「いざとなった時…師匠たちはセナ様に頼られる存在です…」
「私たちは…たぶん守られる側…」
スカーレットの言葉にエリスが続いた。
「師匠、私たちはセナ様の横に立とうなどとは思っていませんが、いざとなったとき任せてもらえる…信頼を得るくらいの強さが欲しいです…」
「ふむ。わかった…では明日からまた修行だな」
「よろしくお願いします」
「そこのお前も一緒に来い」
「私もいいんですか!?」
「かまわん」
「ありがとうございます!よろしくお願いいたします」
スカーレットとエリスの思いを聞き、サイが二人に修行をつけることになった。
「ふぅ…アレスよ…リネアの英雄が非常識な強さだということがよくわかったよ…」
ドン!
「父上!我が帝国が王国ごときに負けたとはどういうことでございますか!」
レオが疲れたように目頭を押さえアレストラにつぶやいたとき、急に部屋のドアが勢いよく空き、綺麗な白銀の鎧をまとい短くかりあげられた金髪にきつそうな碧眼でガタイのいい若者が叫ぶように飛び込んできた。
アリア達が呪いを解除して少し経った頃、ライラから声が聞こえアディオンが反応を見た。
「ライラ大丈夫かい?」
「ううう…こほっ」
「混乱しているのはわかるけどまずは水分を少し取ってもらおうかな」
混乱し現状が呑み込めていないライラの口に水を少しづついれながらアディオンがこれまでのことをゆっくり話始めた。
「そんな…私のせいでこの国が…帝国が負けるなんて…」
「義理姉様…大丈夫ですか?」
「アレストラ…体も心もいいわけないじゃない…帝国が王国程度に負けたのよ?…いえ、そんなことより迷惑をかけてしまったわね…ごめんなさいね」
頃合いを見て声をかけたアレストラを一瞬睨みつけた後、ライラは首を横に振り頭をさげた。
「めずらしいね君が人に頭をさげるなんて!まぁいいけど、とりあえず彼らが君を助けた者たちだよ」
アディオンの言葉にライラはセナ達を見渡し力のない笑顔で礼を伝えるとアディオンはライラはまだ不安定な状態だといいレオの元へ詳細を伝えに行くことを頼み病室から全員を追い出した。
「お兄様、義理姉様が目を覚まされましたわ」
「おぉ…そうか。皆には感謝しかないな…」
レオの元へもどったアレストラが伝えるとレオは目を見開き驚きながらもセナ達に礼を言った。
「ところでセナ様は全然へっちゃらそうに見えますけどお身体は大丈夫ですか?」
少々疲れの見えているアリア達をみたあと、けろっとしているセナを見ながらあアレストラが尋ねた。
「はい?あぁ私は大丈夫です。3人ともそこまで枯渇してなかったようでそこまで消費しませんでしたから回復済みです」
「まぁそうなのね」
「アレストラ真に受けるな」
「え?」
「3人とも見た感じ7割は消費していた。それが今は逆に7割ほど回復している」
「えぇ!?」
「まぁ汗もかかずにこなされたときはさすがの俺も引いたぜ」
サイやエイケンの言葉を聞きアレストラが周りを見るとリレイは目を閉じ頷き、ほかの者たちは目をそらした。
「セナ様がその気になったら一振りでこの街くらい吹き飛ばしてしまいそうですわね」
「できると思うぞ」
「え゛…」
「いや、そこまでの広範囲への攻撃手段を持ってませんから、さすがに一振りでは無理ですよ」
「…一振りじゃなかったら…できるのね…」
冗談めかして言ったアレストラにサイが腕を組み真顔で答え、それをうけたセナの言葉を聞きアレストラは言葉を濁した。
「しかし…そこまでの力が…いったいどのような鍛錬を積めばそんな…」
「えっ?別に特別なことはしてないですよ?色々な方から教わったことを基本に個人でやれる鍛錬と組手を少々やってるだけです」
「…普通…あれが普通…」
「セナ様…さすがにあれは普通とは…」
「スカーレットやタオの反応が物語ってるわね…」
セナの言葉を聞き、スカーレットがブツブツとうつむきながらつぶやき、タオが額に汗を浮かべ苦悶の表情を浮かべた。
「ヤオ殿?セナ殿は日頃どのような鍛錬をしておるんだ?」
「それは…でございますな…」
様子を見ていたサイが尋ねるとヤオは言いづらそうに話し始めた。
「まず…朝の鍛錬としょうしランニングや素振りなどをこなし、ご予定がない場合は朝食後、我らと組手をしております」
「ふむ…普通だな」
「甘いぞレオ。それで?どんな強度でやっている?」
「そ…それはでございますな…」
「スカーレット教えろ」
「えっ!?私ですか…」
言い淀むヤオにかわりサイがスカーレットを指名するとスカーレットは目線をそらしながら気まずそうに話し始めた。
「たぶん私では5分もたない強度でこなしておりました…」
「えっ!?もうそんなの想像できないじゃない!」
スカーレットの言葉を聞きリレイが眼鏡を落としそうになるほど驚いた。
「やはりな…それで?夜はどうなのだ」
「最近セナ様はご自身の中で魔力・燐気・龍気を練り上げ属性変化をしたりバランスを調整する鍛錬やそれらを全身めぐらせたり体の1部に集めるなどをお身につけになられまして…」
「セナおめぇって、ほんと器用だなぁ」
サイの問いにタオがこたえエイケンが感心したようにいった。
「馬鹿か貴様は…そのようなことができること自体が異常であり非常識だ」
「そ、そうよ!それにそこまでの力をどうやって消してるの?」
「いや、よくわかんねぇわ」
サイとリレイが驚く中、理解できないエイケンが興味無さそうに答えた。
「ちょっとまってくれ…話を聞いているとまるで彼が魔力のほかに燐気や龍気も併せ持っているようにとれるのだが…」
「とれるもなにもその通りだが?」
「馬鹿な!そんなことあるわけがっ!…っう…」
「落ち着いてくださいませ、傷にさわりますわお兄様」
「すまん」
レオの疑問にアディオンが素っ気なく答えると驚きのあまり勢いよく起き上がってしまい痛みにより悶絶する中、アレストラに支えられレオは再びベッドに横になった。
「セナわかりやすく説明してくれ」
「ん?えっと寝る前に瞑想しながら魔力と龍気・燐気を同じ強さまでどれくらい早く発動できるかを練習してそれを今度は属性変化させる練習をしてそれぞれ違う属性にして色々な組み合わせを試したりしてるだけだよ」
「あぁ発動練習か」
「うん、そう」
エイケンがめんどくさそうにセナに言うとセナは淡々と答えた。
「エイケンあなた…凄さがわかってないわ」
「無駄だリレイ馬鹿にはわからん」
「そうね、それでセナ様?その練り上げた力はどこで消化されてるかしら?」
「あぁそれはこいつが吸ってくれています」
リレイの言葉にセナは刀に手をかけ答えた。
「ほぅ。それでどれくらいの力を吸わせてるのだ?」
「全てです」
「へっ?」
「いや…ですからすっからかんになるだけの全力分です」
面白そうに尋ねたサイだったが帰ってきた答えに目を見開き言葉を失いリレイは驚き間抜けな声を上げた。
「もうしあげますと…毎日就寝する前にすべての力を使い切り気絶した状態で眠りにつき翌朝をむかえられるという日々にございます」
「馬鹿かおめぇ!」
ヤオの言葉にエイケンがセナを心配するあまり声を荒げた。
「エイケン殿おちついてくださいませ。当初は長時間回復せず朝方までかけておりましたが最近では枯渇した状態から15分ほどでほぼ回復しておりますわ」
「そんな話じゃねぇだろ!無警戒な時間があるってのと毎日死にかけてるって話じゃねぇか!」
「あぁ!それは大丈夫だよ。ヤオさんとタオさんが結界を張ってくれてるし、枯渇も慣れると意外と大したことないから、あはははは」
必死な形相でセナへつめよるエイケンに苦笑いをうかべセナが答えた。
「あははははじゃねぇ!って…ちょっとまてよ…たしかおめぇの刀って切れば切るほど、吸えば吸うほど強くなるよな?」
「うん」
「毎日おめぇの全力を吸ってるって…その刀どんだけ…」
エイケンが思い出したように尋ねセナがあっけらかんと答えるとエイケンだけではなくその場にいた全員が言葉を失うほど驚いた。
「エイケン殿…お気づきになられましたか…セナ様の刀は毎日驚異的な強化がなされていっておるのでございます」
「ゆえに…昨日切れなかったものが今日は切れるという可能性も…」
ヤオとタオがこたえた。
「セナ?なんでそんな危ない事してるの…」
「ん?そんなに危なくはないんだけど、ほらアリアと初めて会った時も、東の森でエリスさん達を助けた時も死にかけてみんなに迷惑をかけちゃったから、安心して任せてもらえるように強くなろうと思って」
セナの鍛錬法を聞いたアリアが涙を浮かべながら尋ねるとセナは恥ずかしそうに答えた。
「でも!もうそんなに強くなったじゃない!」
「そんなことないよ?叔父さんやサイさんのように剣だけとか拳だけでどんな状況でも戦える強さが僕にはないんだ…それにタオさんやヤオさんのように知識もない、リレイさんのように状況をみて先の先を予測することもできないんだ」
「セナ…」
「そして…アディオンさんやスターシャさんのように傷ついた人を癒す力もない…だから僕は少しでも仲間や助けたいと思った人がケガをせず安心して任せてくれるような強さを自分の中に作らなきゃと思って…あははは…なんかはずかしいな」
「セナ君足りないものを数えちゃいけないよ」
「アディオンさん!?」
「アリア?どんなに強くなっても人をやめてもセナ様らしい理由で強くなったんだから…あきらめよっ!」
「えぇ…納得できない…」
「ひどっ!コニーさん僕は人をやめてないよっ!」
セナの思いをきいていると戻ってきたアディオンがたしなめる様に声をかけてきて、それぞれが色々な表情をする中、コニーが少し暗い感じで話始め最後にはなぜか笑顔でサムズアップきめるとアリアは若干引きながら納得できずに、セナは辛辣な言葉に心を痛めた。
「エリスどうしたの?」
「ん?スカーレットどうした」
マインとサイがそれぞれが何かを思いつめたような表情でいたので尋ねると意を決したように答えた。
「いざとなった時…師匠たちはセナ様に頼られる存在です…」
「私たちは…たぶん守られる側…」
スカーレットの言葉にエリスが続いた。
「師匠、私たちはセナ様の横に立とうなどとは思っていませんが、いざとなったとき任せてもらえる…信頼を得るくらいの強さが欲しいです…」
「ふむ。わかった…では明日からまた修行だな」
「よろしくお願いします」
「そこのお前も一緒に来い」
「私もいいんですか!?」
「かまわん」
「ありがとうございます!よろしくお願いいたします」
スカーレットとエリスの思いを聞き、サイが二人に修行をつけることになった。
「ふぅ…アレスよ…リネアの英雄が非常識な強さだということがよくわかったよ…」
ドン!
「父上!我が帝国が王国ごときに負けたとはどういうことでございますか!」
レオが疲れたように目頭を押さえアレストラにつぶやいたとき、急に部屋のドアが勢いよく空き、綺麗な白銀の鎧をまとい短くかりあげられた金髪にきつそうな碧眼でガタイのいい若者が叫ぶように飛び込んできた。
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