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88話
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「なるほど…しかし我が国は国土のほとんどが砂ゆえ植物がまともに育つのか…」
「セイジュどうだ?」
「はい、砂といっても育つ植物はありますのでそれを調べて育ててみるつもりです」
「しかし、驚きですな……伐採する木材を決めるなど考えたこともなかったですぞ」
「そうですな」
5国会議にておおまかな話がまとまったのちセイジュが言ったことを切り出しさらに詳細をきいた面々が驚きの声をあげていた。
「山の日当たりなど気に留めたことはなかったが確かに言われてみればと思うな」
「ええ、しかし伐採する木を選ぶ職人を用意し国が管理するのはいいことかもしれませぬな」
「我が国は海に面しておるゆえ川の栄養が海に関係しておると言われるのであれば考えてみたい」
「とりあえず我が国で実施してみますゆえ、その成果は逐一報告いたしますゆえ皆様には長い目で見ていただきたい」
自身の娘たちの進言もあり好意的に話がすすみ順調に協力体制を築くことになった。
==========================================
「お父様……」
「エヴァ元気そうでなによりだ、安心しなさいオリビアからも話は聞いておるし内々で調査もすすめておる」
「お父様お体は大丈夫ですの?」
「ああ、大丈夫だアメリアよエヴァを守ってくれてすまんな」
「いえ!また昔のようにお姉さまとご一緒できてすごくうれしく過ごしておりますわ!」
「はははは!そうかそうか!」
「国王様、アメリア様とエヴァ様に何かありましたら必ず我らが守って見せます」
「ハンス殿すまんな頼りにしている」
「いえいえ、お気になさらず。なにより我が妹たちがやる気なので空回りしないよう気を付けますよ」
「ほ?」
「お兄様!エヴァお姉さまはもはや私たちのお姉さまでもあるのですわ!お姉さま方には色々よくしていただいておりますもの!必ずお守りしてみせますわ!」
会議が終わりそれぞれが各国の元へむかったあとアメリアの父の元に向かったホルマトロ家とセイジュたちだったが、深刻そうな表情で話し始めたエヴァをかばうように立ち上がり堂々というアンジェリーナの言葉に他のセイジュの婚約者たちも力強くうなずきエヴァを見ていた。
「ふふふ、ありがとうございますアンジェちゃん、皆さんも本当に心強いわ」
「私たちの夫はセイ様ですから!なにがあってもご安心なさってほしいです!」
「ええ、おじい様しか身寄りのいない私にもお姉さま方が実の姉のように接してくださっておりますから私にできることならなんでもお手伝いさせていただきたいです」
柔らかく微笑み礼を言うエヴァにメリダとマーリンが力強くも優しく声をかけた。
「裏にいる西への対応も含めさきほどいったとおり5国での情報共有と対策をしていきましょう」
「そうですな…それで申し訳ないが我が国でのことが収まるまでそちらでエヴァを預かっていただきたいのだが」
「それは国としてはもちろん国賓として迎え入れたいのですが…」
「我らホルマトロ家が責任を持ち歓迎させていただきたい」
「ええ、リカルド国王様のご厚意はまことにありがたいのですが私も妹たちとともに暮らしたいと思っております」
「ほっほっほ!リカルド様申し訳ないが娘たちの言う通りにしてやってくだされ」
「ええ、ただ何かありましたら国も率先し対応させていただきますゆえご安心ください」
国王の願いにこたえようとしたリカルドはぎゅっとエヴァの手をそれぞれにぎったアメリアとアンジェリーナに気づき苦笑しながらこたえ、ハンスは当然のように申し出ると国王もその光景を見てほほえましくうなずいていた。
========================================================
「娘のおかげであのセイジュ様とお近づきになれ私もうれしく思う」
「い゛っ!?大変光栄ですが、そ、そのようなことをおっしゃっていただくような者ではございません」
「お父様セイジュ様はご自身のお立場と価値をご理解なさっておらず素朴で謙虚な方ですわ」
「あはははは、ソフィアの言う通りだな」
「そんなリカルド様もソフィア様までそのようなことを」
「そこがセイ様の魅力です!」
ソフィアの父に礼を言いに行ったセイジュがリカルドとソフィアそしてメリダの言葉にがっくりとしながらいくつかの話をした。
=============================================
「はっはっは!ドミニクの先見の明はさすがだな!我が国の宰相はやりおるわ!!」
「ありがとうございます」
「娘の嫁ぎ先があのグラドスであるのに驚いたがさらにセイジュ様まで懇意にできるとはおもわなんだ!」
「さすがグラドスですね、他国にまで名が知られているのですね」
「闘技大会には各国から視察が観戦しておるのだ、他国の武力をしるためにな」
「なるほど…」
「あの一騎当千のエドワード様を一目見たとき、私は決めたのです」
「お父様から言われたときはエドワード様がお受けしてくださるとは思いませんでしたが高揚したのを覚えておりますわ!」
「選んでいただき感謝しております」
「私もブランカ様がお姉さまになってくださって心よりうれしく思っております!」
「あっはっは!」
エドワードの言葉にエドワードとマチルダにブランカが嬉しそうに腕を絡ませそれをみた父のドミニクと国王が嬉しそうに豪快にわらった。
===============================================
「エミリーのおかげで私の株もうなぎのぼりさ。国王様からの信頼も勝ち取りうれしい限りだ」
「まぁ!お父様ったら現金ですわね」
「はははは!すまんすまん。しかし事実国の主要な会議にも呼ばれ、今回も同行をみとめられたのだそれもこれもスターク様にエミリーを選んでいただいたおかげですよ」
「私はエミリー様に選んでいただいてうれしくおもっておりますよ?」
「まぁ!スターク様ったらお人が悪いわ」
「本心ですよ、ダメもとで留学してラッキーでした」
「私は聡明でお優しく可憐なお姉さまができてうれしく思っております」
「カリンちゃん、ありがとう」
苦笑するスタークに笑顔ながらジト目でいうエミリーだったが嘘偽りがないカリンの言葉に感激したように優しく抱擁した。
===============================================
「それでは5国とここマリアンヌ教会総本部今後ますます良好な関係を築けるようよろしくおねがいもうしあげます」
会談がはじまり1週間、教皇の言葉で閉められ各国の王たちはそれぞれの国に帰った。
===============================================
「ふむ、では未だアキュオス達の目立った動きはないのか」
「国王様がうまくやってくれている証拠ですね」
「ああ、それよりもいよいよ始まるんだ。そこで邪魔が入らないようにしなければいけないね」
「こちらからの物資にしついては我が家の威信にかけ必ずお守りし届けてみせます」
国にもどり早1か月、セイジュの家の会議室とかした部屋でリカルド、ハンス、スターク、エドワードがこれから始まる5国間の貿易とアメリアとエヴァの祖国の動きについて話し合っていた。
「失礼いたします」
「ん?セルジュこれは?」
「セイジュ様からのお差し入れにございます」
「色々忙しいと言っていたのはこれの準備をしていたのか」
「さようにございます。セイジュ様が是非に皆様にご試食していただきたいと申しておられました」
「そうか、それは感謝するが肝心のセイジュ君はどうした?」
「奥様方の元へお呼び出しをうけておいでです」
「くっくっく!ご愁傷様だね!ではせっかくだし頂こうじゃないか」
話がひと段落ついたところにセルジュが飲み物といくつかつまめる程度の料理を持ってきた。
「スターク!!」
「リカルド!!」
「リカルド様!」
「ふぐっ!?どうしたんです!?カリン、エミリーまで」
「メリダもおちつけ、ソフィアきみがそんなにとりみだすなんて何があった?」
料理と飲み物に舌鼓をうっていたリカルド達の元に息を切らせたカリンとエミリー、そしてメリダとソフィアが入室してきた。
「お兄様!そちらを食されましたか?!」
「ん?え、ええ。大変美味しいとおもいますよ?」
「そちらの飲み物はジュースもお酒も我が領の材料でつくられているのです!」
「ぶっ!?ほ、ほんとですか!?」
「はい!」
カリンの言葉にさすがのスタークも噴き出すほど驚きをあらわにした。
「では…メリダ…ソフィアまさか…」
「お兄様…そのまさかです…そちらの薄切りのお肉と濃厚なチーズという食べ物はおじいさまの領で…」
「なんと…」
「リカルド様、こちらの食べ物と飲み物…私の祖国でも作れるそうなのですが……」
「ん゛ん!?ほんとうか!?」
「はい…セイジュ様がおっしゃられておりました…」
「はぁ~セルジュ、すまないがセイをよんでくれないか?」
「ハンス様申し訳ございません、セイジュ様は先ほどご不在になられましたわ」
「カリンそうなのですか?セイジュ様はどちらに?」
「実はこれと同じものを各家にもお届けになってなさったようで、ハスク様をはじめとした方々にダムズ様の家にくるようにと先ほど知らせが」
「な、なるほど、では我々も行こう」
カリンの言葉を聞きリカルドたちはダムズの元へと向かった。
=============================================
「セイジュ様、この葡萄酒は我が領のもので作られたとは本当なのですか?」
「セイちゃん!この生っぽいハムとチーズという食べ物はダイナンで作れるのは本当なのですか!?」
「は、はい。どちらもそうにございます」
呼び出されセイジュが現れるとブルリックとエスメラルダが物凄い血相で近寄り興奮したように尋ねた。
「まず葡萄酒ですが寒暖差がある場所でとれるブドウで造ると美味しいものが作られますし、今までの葡萄酒とは作り方をかえてあります」
「な、なんと…そうなのですか」
「それとハムとチーズですがこのハムはチーズは一定の温度と湿度を保つことでできるので温泉もあり畜産業が盛んなこちらで作りました」
「そ、そうなのね」
「はい、どちらも日持ちするものなので他国にも売れるのではないかと思いまして」
「そうなのね!さすがセイちゃんだわ!!」
「うわっ!?ハムの他にもいくつかの加工品を試作中なので完成しましたらご報告させていただきますぅ」
「もう!いうことなしだわ!セイちゃん!!」
「んーー!!??」
興奮したエスメラルダに抱きしめられほほに濃厚なキスをされセイジュは顔を真っ赤にし驚いて固まっていた。
「あ、…ハスク様、加工食品なのですが」
「ふむ、なんだ?」
「ホルマトロ領でもいくつか実験しているものがありまして……」
「あいわかった、完成したら対応する」
「ありがとうございます!あれが完成したら料理の幅が格段に増えますから!」
「そ、そうか」
「はい!まだまだグラドスにも眠っている食材をいくつか発見したのでやれることがたくさんありそうです!」
「!!」
ダムズに言われ離れたエスメラルダをよそにセイジュが話しかけるとさすがのハスクも驚きを隠せずダンも腕を組んだままおどろいていた。
そして各家は色々話をもちかえり今後の産物について対応に追われることになった。
「セイジュどうだ?」
「はい、砂といっても育つ植物はありますのでそれを調べて育ててみるつもりです」
「しかし、驚きですな……伐採する木材を決めるなど考えたこともなかったですぞ」
「そうですな」
5国会議にておおまかな話がまとまったのちセイジュが言ったことを切り出しさらに詳細をきいた面々が驚きの声をあげていた。
「山の日当たりなど気に留めたことはなかったが確かに言われてみればと思うな」
「ええ、しかし伐採する木を選ぶ職人を用意し国が管理するのはいいことかもしれませぬな」
「我が国は海に面しておるゆえ川の栄養が海に関係しておると言われるのであれば考えてみたい」
「とりあえず我が国で実施してみますゆえ、その成果は逐一報告いたしますゆえ皆様には長い目で見ていただきたい」
自身の娘たちの進言もあり好意的に話がすすみ順調に協力体制を築くことになった。
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「お父様……」
「エヴァ元気そうでなによりだ、安心しなさいオリビアからも話は聞いておるし内々で調査もすすめておる」
「お父様お体は大丈夫ですの?」
「ああ、大丈夫だアメリアよエヴァを守ってくれてすまんな」
「いえ!また昔のようにお姉さまとご一緒できてすごくうれしく過ごしておりますわ!」
「はははは!そうかそうか!」
「国王様、アメリア様とエヴァ様に何かありましたら必ず我らが守って見せます」
「ハンス殿すまんな頼りにしている」
「いえいえ、お気になさらず。なにより我が妹たちがやる気なので空回りしないよう気を付けますよ」
「ほ?」
「お兄様!エヴァお姉さまはもはや私たちのお姉さまでもあるのですわ!お姉さま方には色々よくしていただいておりますもの!必ずお守りしてみせますわ!」
会議が終わりそれぞれが各国の元へむかったあとアメリアの父の元に向かったホルマトロ家とセイジュたちだったが、深刻そうな表情で話し始めたエヴァをかばうように立ち上がり堂々というアンジェリーナの言葉に他のセイジュの婚約者たちも力強くうなずきエヴァを見ていた。
「ふふふ、ありがとうございますアンジェちゃん、皆さんも本当に心強いわ」
「私たちの夫はセイ様ですから!なにがあってもご安心なさってほしいです!」
「ええ、おじい様しか身寄りのいない私にもお姉さま方が実の姉のように接してくださっておりますから私にできることならなんでもお手伝いさせていただきたいです」
柔らかく微笑み礼を言うエヴァにメリダとマーリンが力強くも優しく声をかけた。
「裏にいる西への対応も含めさきほどいったとおり5国での情報共有と対策をしていきましょう」
「そうですな…それで申し訳ないが我が国でのことが収まるまでそちらでエヴァを預かっていただきたいのだが」
「それは国としてはもちろん国賓として迎え入れたいのですが…」
「我らホルマトロ家が責任を持ち歓迎させていただきたい」
「ええ、リカルド国王様のご厚意はまことにありがたいのですが私も妹たちとともに暮らしたいと思っております」
「ほっほっほ!リカルド様申し訳ないが娘たちの言う通りにしてやってくだされ」
「ええ、ただ何かありましたら国も率先し対応させていただきますゆえご安心ください」
国王の願いにこたえようとしたリカルドはぎゅっとエヴァの手をそれぞれにぎったアメリアとアンジェリーナに気づき苦笑しながらこたえ、ハンスは当然のように申し出ると国王もその光景を見てほほえましくうなずいていた。
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「娘のおかげであのセイジュ様とお近づきになれ私もうれしく思う」
「い゛っ!?大変光栄ですが、そ、そのようなことをおっしゃっていただくような者ではございません」
「お父様セイジュ様はご自身のお立場と価値をご理解なさっておらず素朴で謙虚な方ですわ」
「あはははは、ソフィアの言う通りだな」
「そんなリカルド様もソフィア様までそのようなことを」
「そこがセイ様の魅力です!」
ソフィアの父に礼を言いに行ったセイジュがリカルドとソフィアそしてメリダの言葉にがっくりとしながらいくつかの話をした。
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「はっはっは!ドミニクの先見の明はさすがだな!我が国の宰相はやりおるわ!!」
「ありがとうございます」
「娘の嫁ぎ先があのグラドスであるのに驚いたがさらにセイジュ様まで懇意にできるとはおもわなんだ!」
「さすがグラドスですね、他国にまで名が知られているのですね」
「闘技大会には各国から視察が観戦しておるのだ、他国の武力をしるためにな」
「なるほど…」
「あの一騎当千のエドワード様を一目見たとき、私は決めたのです」
「お父様から言われたときはエドワード様がお受けしてくださるとは思いませんでしたが高揚したのを覚えておりますわ!」
「選んでいただき感謝しております」
「私もブランカ様がお姉さまになってくださって心よりうれしく思っております!」
「あっはっは!」
エドワードの言葉にエドワードとマチルダにブランカが嬉しそうに腕を絡ませそれをみた父のドミニクと国王が嬉しそうに豪快にわらった。
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「エミリーのおかげで私の株もうなぎのぼりさ。国王様からの信頼も勝ち取りうれしい限りだ」
「まぁ!お父様ったら現金ですわね」
「はははは!すまんすまん。しかし事実国の主要な会議にも呼ばれ、今回も同行をみとめられたのだそれもこれもスターク様にエミリーを選んでいただいたおかげですよ」
「私はエミリー様に選んでいただいてうれしくおもっておりますよ?」
「まぁ!スターク様ったらお人が悪いわ」
「本心ですよ、ダメもとで留学してラッキーでした」
「私は聡明でお優しく可憐なお姉さまができてうれしく思っております」
「カリンちゃん、ありがとう」
苦笑するスタークに笑顔ながらジト目でいうエミリーだったが嘘偽りがないカリンの言葉に感激したように優しく抱擁した。
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「それでは5国とここマリアンヌ教会総本部今後ますます良好な関係を築けるようよろしくおねがいもうしあげます」
会談がはじまり1週間、教皇の言葉で閉められ各国の王たちはそれぞれの国に帰った。
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「ふむ、では未だアキュオス達の目立った動きはないのか」
「国王様がうまくやってくれている証拠ですね」
「ああ、それよりもいよいよ始まるんだ。そこで邪魔が入らないようにしなければいけないね」
「こちらからの物資にしついては我が家の威信にかけ必ずお守りし届けてみせます」
国にもどり早1か月、セイジュの家の会議室とかした部屋でリカルド、ハンス、スターク、エドワードがこれから始まる5国間の貿易とアメリアとエヴァの祖国の動きについて話し合っていた。
「失礼いたします」
「ん?セルジュこれは?」
「セイジュ様からのお差し入れにございます」
「色々忙しいと言っていたのはこれの準備をしていたのか」
「さようにございます。セイジュ様が是非に皆様にご試食していただきたいと申しておられました」
「そうか、それは感謝するが肝心のセイジュ君はどうした?」
「奥様方の元へお呼び出しをうけておいでです」
「くっくっく!ご愁傷様だね!ではせっかくだし頂こうじゃないか」
話がひと段落ついたところにセルジュが飲み物といくつかつまめる程度の料理を持ってきた。
「スターク!!」
「リカルド!!」
「リカルド様!」
「ふぐっ!?どうしたんです!?カリン、エミリーまで」
「メリダもおちつけ、ソフィアきみがそんなにとりみだすなんて何があった?」
料理と飲み物に舌鼓をうっていたリカルド達の元に息を切らせたカリンとエミリー、そしてメリダとソフィアが入室してきた。
「お兄様!そちらを食されましたか?!」
「ん?え、ええ。大変美味しいとおもいますよ?」
「そちらの飲み物はジュースもお酒も我が領の材料でつくられているのです!」
「ぶっ!?ほ、ほんとですか!?」
「はい!」
カリンの言葉にさすがのスタークも噴き出すほど驚きをあらわにした。
「では…メリダ…ソフィアまさか…」
「お兄様…そのまさかです…そちらの薄切りのお肉と濃厚なチーズという食べ物はおじいさまの領で…」
「なんと…」
「リカルド様、こちらの食べ物と飲み物…私の祖国でも作れるそうなのですが……」
「ん゛ん!?ほんとうか!?」
「はい…セイジュ様がおっしゃられておりました…」
「はぁ~セルジュ、すまないがセイをよんでくれないか?」
「ハンス様申し訳ございません、セイジュ様は先ほどご不在になられましたわ」
「カリンそうなのですか?セイジュ様はどちらに?」
「実はこれと同じものを各家にもお届けになってなさったようで、ハスク様をはじめとした方々にダムズ様の家にくるようにと先ほど知らせが」
「な、なるほど、では我々も行こう」
カリンの言葉を聞きリカルドたちはダムズの元へと向かった。
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「セイジュ様、この葡萄酒は我が領のもので作られたとは本当なのですか?」
「セイちゃん!この生っぽいハムとチーズという食べ物はダイナンで作れるのは本当なのですか!?」
「は、はい。どちらもそうにございます」
呼び出されセイジュが現れるとブルリックとエスメラルダが物凄い血相で近寄り興奮したように尋ねた。
「まず葡萄酒ですが寒暖差がある場所でとれるブドウで造ると美味しいものが作られますし、今までの葡萄酒とは作り方をかえてあります」
「な、なんと…そうなのですか」
「それとハムとチーズですがこのハムはチーズは一定の温度と湿度を保つことでできるので温泉もあり畜産業が盛んなこちらで作りました」
「そ、そうなのね」
「はい、どちらも日持ちするものなので他国にも売れるのではないかと思いまして」
「そうなのね!さすがセイちゃんだわ!!」
「うわっ!?ハムの他にもいくつかの加工品を試作中なので完成しましたらご報告させていただきますぅ」
「もう!いうことなしだわ!セイちゃん!!」
「んーー!!??」
興奮したエスメラルダに抱きしめられほほに濃厚なキスをされセイジュは顔を真っ赤にし驚いて固まっていた。
「あ、…ハスク様、加工食品なのですが」
「ふむ、なんだ?」
「ホルマトロ領でもいくつか実験しているものがありまして……」
「あいわかった、完成したら対応する」
「ありがとうございます!あれが完成したら料理の幅が格段に増えますから!」
「そ、そうか」
「はい!まだまだグラドスにも眠っている食材をいくつか発見したのでやれることがたくさんありそうです!」
「!!」
ダムズに言われ離れたエスメラルダをよそにセイジュが話しかけるとさすがのハスクも驚きを隠せずダンも腕を組んだままおどろいていた。
そして各家は色々話をもちかえり今後の産物について対応に追われることになった。
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