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57話
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「はいってよいですわ」
「は、はい!し、失礼します!」
着替えが終わったアンジェリーナがセイジュを部屋へと招き入れた。
「あ…」
「気づきましたか…私もさきほど着替え終わって冷静になった時にきづきましたわ…」
二人は部屋に1つしかないベッドを見つめながら決まづそうにした。
「僕は床で大丈夫なのでご安心してお眠りください」
「そんな!私が同室にといったせいなのですよ?」
「僕は平民ですしなにより男ですから大丈夫です!」
二人が照れながらもワイワイ話す中、部屋の前で待機している兵から声をかけられた。
「アンジェリーナ様、セイジュ様、エヴァ様がお越しになられております」
「このような夜分になにようかしら?とおして」
「はっ!」
アンジェリーナが兵に伝えパジャマの上からガウンのようなものを羽織りまるでこれから戦でもあるのではないかという獰猛な瞳をしながらエヴァが入室するのを待った。
「夜分遅く申し訳ありません。失礼いたします」
「い、いえ、どうぞこちらにお座りください」
「ありがとうございます。明日こちらを立つと伺いましたのでお礼とご挨拶をとおもいまして」
「お礼など!大変良くしていただきお礼をさせていただくのはこちらのほうでございます」
「そういっていただけると嬉しいですわ。まさかアンジェリーナ様までお越しになられているとは思いませんでしたがお二人にご挨拶できうれしく思いますわ」
「本日、私はセイジュとこちらで過ごす予定ですので」
「え?」
にっこり微笑みセイジュの手を取ろうとしたエヴァだったがアンジェリーナの言葉で驚き固まってしまった。
「こちらとは?セイジュ様のお部屋でお二人がお過ごしになられるということでございますか?」
「はい、そうにございますわ」
「お二人はそのようなご関係だったのですね…」
「?よくわかりませんがそうですわ」
「まぁ、よくおっしゃいますわ。この部屋にベッドはお一つだけ…そういうご関係ということですわ」
「うっ…そ、そうですわ!」
「!?…あは、あはははは…ま、まだ正式には公表しておりませんのでこのことはご内密にお願いいたします」
「そう…ですか。わかりましたわ、これ以上こちらにいてもお邪魔なようですしこれで失礼いたします。旅のご無事をお祈りいたしておりますわ」
「ありがとうございます」
エヴァの言ったことを理解したアンジェリーナは一瞬恥ずかしさのあまり否定しそうになったが、ここで否定するとセイジュへアプローチされると思い咄嗟に肯定し、驚いていたセイジュだったがアンジェリーナに足をつねられ我に返り咄嗟に適当な言い訳をしエヴァはまだ疑うような目をしながらも部屋を出て行った。
「ふぅ~…危なかったですわぁ~」
「あのようなことをおっしゃって大丈夫なのですか?」
「せ、背に腹はかえられませんわ…」
「公爵令嬢様が貴族でもない平民の男となどと噂になってしまったらどうお詫びをしたらいいのか…」
セイジュは胃のあたりをおさえぐったりした。
その後、寝れなくなったセイジュは本を読み、最初こそアンジェリーナがベッドに横になりながら色々聞いてきたがいつのまにか寝息を立てていたためセイジュはソファーにすわって本を読んで夜を明かした。
========================================
「……ということですわ」
「ぶふぉっ!!」
「お父様大丈夫ですか?」
「ごほっごほっ!アンジェそれはやりすぎであろう!」
昨日の出来事を伝えたアンジェリーナの言葉に朝のコーヒーをハスクは盛大に噴出しむせていた。
「まぁあなた、少し落ち着きになって」
「しかしだなぁ!」
「もう言ってしまわれたんですもの仕方ありませんわ」
「カリーナ!」
「それにもし本当にそうなってもセイちゃんなら問題ありませんわ」
「うぐっ!…それはそうだが!」
涼しい顔でいうカリーナにハンスが何か言いたげだったがちょうどそこにハスクとアメリアそしてセイジュが現れた。
「朝から随分にぎやかですね」
「あら、アンジェちゃんお顔がまっかですよ?体調でも崩してしまわれたの?」
「だ、大丈夫ですわ!」
「それで?何があったんですか?」
「……ということらしい」
「あっはっはっはっは!アンジェ!随分おもいきったじゃないか!!」
「ハンス笑い事ではない!」
「そうおっしゃられてももう言ってしまっては仕方ありませんね!あっはっは!」
「ハスク様…申し訳ありません…僕なんかをかばっていただいたせいで…」
「はぁ~…気にせずともよい、言ったのはアンジェなのだセイのせいではない」
「しかし…このような話がまかり間違って外にでてしまったらアンジェリーナ様の…」
「んー、婚期については今さらさ!なんてったって自国の王族まで振ってしまったんだからね!」
「ですが!アンジェリーナ様はびっくりするくらいお優しくお綺麗なんですよ?」
「ふぇっ!?」
「それにホルマトロ家にいる皆さんだって働いてらっしゃる方々までみなさん平民の僕にですらおやさしくせっしてくれる本当に心の優しい素晴らしい方々じゃないですか!良縁などどこからでもどんどんきますよ!」
「くっくっく!セイ気持ちはありがたいが少し落ち着こうじゃないか、まだ話が広がったというわけじゃない」
「それはそうですが!」
「大概のことなら今のお父様なら握りつぶせるし問題ないよ」
「ああ、そうだな!任せておきなさい」
セイジュの言葉を聞き、ハスクは満更でもなさそうに笑顔で頷いた。
「それよりも今一番の問題は…」
「な、なんですか?」
「これから挨拶をし旅立つのに我が家の麗しの姫が倒れそうだ」
「え!あぁ!アンジェリーナ様大丈夫ですか?い、医者を!すぐにお医者様をおよびしなければ!!」
「くっくっく!医者でもそれは治せない、それにもうすぐ収まるから安心していいよ」
「えぇ!?お医者様でも治せないのですか!?そんな…」
「セイ、私は病気ではないので安心なさって、ちょっと暑くてのぼせただけなので」
「そうそう!おあつくて、のぼせあがってしまっただけだから気にしなくてもいいんだよ?」
「!?お兄様!!」
「あっはっはっはっは!」
不治の病だと勘違いするセイジュだったが二人のやり取りを見てますます混乱する姿をハスク、カリーナ、アメリアが苦笑しながらながめていた。
=========================================
「それでは旅の無事を祈っておるよ」
「ありがとうございます」
「式のことについては随時ふみを出す故よろしくたのむ」
「はい」
「アメリア体にきをつけてな」
「ありがとうございます!」
王たちに挨拶をしアメリアの祖国をあとにした。
=======================================
「はぁ~…やっと帰ってこれた…」
帰りの旅も順調に進み、セイジュは無事にかえってきて両親に土産と向こうでの話をし一緒に食事をしたのち工房へときて椅子に腰かけた。
=======================================
「ご報告いたします。セイジュ様はご両親とお食事をなさり工房へ無事に」
「そうかご苦労、今後も護衛をたのむ」
「はっ!それでは失礼いたします!」
「ふぅ~…やっと一息付けるな」
「そうですね…しかし行く先々で大変でしたね」
「ああ…向こうもそれほどあの子を欲しいのだろう」
帰りの道中、ずっとセイジュとの接触を図ろうとする人物たちをうまく遠ざけていた二人は屋敷にもどり執務室で安堵の息をはいていた。
こうして新年早々ぐったりとつかれた旅は一応の終わりを迎えた。
「は、はい!し、失礼します!」
着替えが終わったアンジェリーナがセイジュを部屋へと招き入れた。
「あ…」
「気づきましたか…私もさきほど着替え終わって冷静になった時にきづきましたわ…」
二人は部屋に1つしかないベッドを見つめながら決まづそうにした。
「僕は床で大丈夫なのでご安心してお眠りください」
「そんな!私が同室にといったせいなのですよ?」
「僕は平民ですしなにより男ですから大丈夫です!」
二人が照れながらもワイワイ話す中、部屋の前で待機している兵から声をかけられた。
「アンジェリーナ様、セイジュ様、エヴァ様がお越しになられております」
「このような夜分になにようかしら?とおして」
「はっ!」
アンジェリーナが兵に伝えパジャマの上からガウンのようなものを羽織りまるでこれから戦でもあるのではないかという獰猛な瞳をしながらエヴァが入室するのを待った。
「夜分遅く申し訳ありません。失礼いたします」
「い、いえ、どうぞこちらにお座りください」
「ありがとうございます。明日こちらを立つと伺いましたのでお礼とご挨拶をとおもいまして」
「お礼など!大変良くしていただきお礼をさせていただくのはこちらのほうでございます」
「そういっていただけると嬉しいですわ。まさかアンジェリーナ様までお越しになられているとは思いませんでしたがお二人にご挨拶できうれしく思いますわ」
「本日、私はセイジュとこちらで過ごす予定ですので」
「え?」
にっこり微笑みセイジュの手を取ろうとしたエヴァだったがアンジェリーナの言葉で驚き固まってしまった。
「こちらとは?セイジュ様のお部屋でお二人がお過ごしになられるということでございますか?」
「はい、そうにございますわ」
「お二人はそのようなご関係だったのですね…」
「?よくわかりませんがそうですわ」
「まぁ、よくおっしゃいますわ。この部屋にベッドはお一つだけ…そういうご関係ということですわ」
「うっ…そ、そうですわ!」
「!?…あは、あはははは…ま、まだ正式には公表しておりませんのでこのことはご内密にお願いいたします」
「そう…ですか。わかりましたわ、これ以上こちらにいてもお邪魔なようですしこれで失礼いたします。旅のご無事をお祈りいたしておりますわ」
「ありがとうございます」
エヴァの言ったことを理解したアンジェリーナは一瞬恥ずかしさのあまり否定しそうになったが、ここで否定するとセイジュへアプローチされると思い咄嗟に肯定し、驚いていたセイジュだったがアンジェリーナに足をつねられ我に返り咄嗟に適当な言い訳をしエヴァはまだ疑うような目をしながらも部屋を出て行った。
「ふぅ~…危なかったですわぁ~」
「あのようなことをおっしゃって大丈夫なのですか?」
「せ、背に腹はかえられませんわ…」
「公爵令嬢様が貴族でもない平民の男となどと噂になってしまったらどうお詫びをしたらいいのか…」
セイジュは胃のあたりをおさえぐったりした。
その後、寝れなくなったセイジュは本を読み、最初こそアンジェリーナがベッドに横になりながら色々聞いてきたがいつのまにか寝息を立てていたためセイジュはソファーにすわって本を読んで夜を明かした。
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「……ということですわ」
「ぶふぉっ!!」
「お父様大丈夫ですか?」
「ごほっごほっ!アンジェそれはやりすぎであろう!」
昨日の出来事を伝えたアンジェリーナの言葉に朝のコーヒーをハスクは盛大に噴出しむせていた。
「まぁあなた、少し落ち着きになって」
「しかしだなぁ!」
「もう言ってしまわれたんですもの仕方ありませんわ」
「カリーナ!」
「それにもし本当にそうなってもセイちゃんなら問題ありませんわ」
「うぐっ!…それはそうだが!」
涼しい顔でいうカリーナにハンスが何か言いたげだったがちょうどそこにハスクとアメリアそしてセイジュが現れた。
「朝から随分にぎやかですね」
「あら、アンジェちゃんお顔がまっかですよ?体調でも崩してしまわれたの?」
「だ、大丈夫ですわ!」
「それで?何があったんですか?」
「……ということらしい」
「あっはっはっはっは!アンジェ!随分おもいきったじゃないか!!」
「ハンス笑い事ではない!」
「そうおっしゃられてももう言ってしまっては仕方ありませんね!あっはっは!」
「ハスク様…申し訳ありません…僕なんかをかばっていただいたせいで…」
「はぁ~…気にせずともよい、言ったのはアンジェなのだセイのせいではない」
「しかし…このような話がまかり間違って外にでてしまったらアンジェリーナ様の…」
「んー、婚期については今さらさ!なんてったって自国の王族まで振ってしまったんだからね!」
「ですが!アンジェリーナ様はびっくりするくらいお優しくお綺麗なんですよ?」
「ふぇっ!?」
「それにホルマトロ家にいる皆さんだって働いてらっしゃる方々までみなさん平民の僕にですらおやさしくせっしてくれる本当に心の優しい素晴らしい方々じゃないですか!良縁などどこからでもどんどんきますよ!」
「くっくっく!セイ気持ちはありがたいが少し落ち着こうじゃないか、まだ話が広がったというわけじゃない」
「それはそうですが!」
「大概のことなら今のお父様なら握りつぶせるし問題ないよ」
「ああ、そうだな!任せておきなさい」
セイジュの言葉を聞き、ハスクは満更でもなさそうに笑顔で頷いた。
「それよりも今一番の問題は…」
「な、なんですか?」
「これから挨拶をし旅立つのに我が家の麗しの姫が倒れそうだ」
「え!あぁ!アンジェリーナ様大丈夫ですか?い、医者を!すぐにお医者様をおよびしなければ!!」
「くっくっく!医者でもそれは治せない、それにもうすぐ収まるから安心していいよ」
「えぇ!?お医者様でも治せないのですか!?そんな…」
「セイ、私は病気ではないので安心なさって、ちょっと暑くてのぼせただけなので」
「そうそう!おあつくて、のぼせあがってしまっただけだから気にしなくてもいいんだよ?」
「!?お兄様!!」
「あっはっはっはっは!」
不治の病だと勘違いするセイジュだったが二人のやり取りを見てますます混乱する姿をハスク、カリーナ、アメリアが苦笑しながらながめていた。
=========================================
「それでは旅の無事を祈っておるよ」
「ありがとうございます」
「式のことについては随時ふみを出す故よろしくたのむ」
「はい」
「アメリア体にきをつけてな」
「ありがとうございます!」
王たちに挨拶をしアメリアの祖国をあとにした。
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「はぁ~…やっと帰ってこれた…」
帰りの旅も順調に進み、セイジュは無事にかえってきて両親に土産と向こうでの話をし一緒に食事をしたのち工房へときて椅子に腰かけた。
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「ご報告いたします。セイジュ様はご両親とお食事をなさり工房へ無事に」
「そうかご苦労、今後も護衛をたのむ」
「はっ!それでは失礼いたします!」
「ふぅ~…やっと一息付けるな」
「そうですね…しかし行く先々で大変でしたね」
「ああ…向こうもそれほどあの子を欲しいのだろう」
帰りの道中、ずっとセイジュとの接触を図ろうとする人物たちをうまく遠ざけていた二人は屋敷にもどり執務室で安堵の息をはいていた。
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