友情隊

ユウ渡界編

プロローグ

　戦乱の世のことだ
　突如生き物を喰らう化け物が現れた
　その異形はとくに悪しき感情を持つ人を好んで喰らっていた

　負の感情を喰らうモノ
　いずれこの世界を混沌へ導く

　次々と喰らう化け物は段々と数を増やした
　誰もが絶望した

　窮地に現れたのは精霊と武士たちであった
　その者たちは村の強い者たちでも敵わなかった化け物をいともたやすく斬っていた

【解読不能】

　抗えるのは【解読不能】の精鋭。
　【解読不能】に選ばれし異形のモノに対抗できる者たち

【解読不能】

　その者たちの総称は『友情隊』ー


　　　　　　　　　　　　　　　　現代語訳田神民話伝説『友情隊』より


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精霊とはどのような存在か。
ファンタジー上の存在と答えるものから神の使いと答えるものもいるだろう。

ただ、この世界において『精霊』とは『未練ある魂の成れの果て』を示す。
それは輝かしい栄光を手に入れた魂でも、悪逆非道を行った魂でも、全てに当たる。

神の戯れで施された『再生』。
代償は『前世の全て』。
精霊とは即ち『未練に動かされる形代』であると精霊の権力者は考えている。

これから見るははそんな『鏡の世界』と『現実世界』。『精霊界』と『人間界』の平穏を、『魂』を賭けた戦争だ。
　過去に囚われ、己を憎み、感情を捨て、家族を突き放し、周囲に迫害される人生を歩んだ者たちの『自由』の物語である。

君たちはそんな物語を最後まで見届けるかい？
あ、時間だね。また会おう

オレ？オレの名前は【聞き取り不可能】。

―果たして『彼ら』が【聞き取り不可能】【聞き取り不可能】【聞き取り不可能】