アンケートの相談に乗ったら異世界に行く事になりました。

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───────切っ掛けは、ちょっとした好奇心だった。



    会社帰りに、最新刊の小説を購入してアパートに帰宅した、金曜日の夜の事。

私が借りている1DKの部屋に入り、明かりを付けてヒーターのスイッチを入れ。
直ぐにキッチンに向かうと、インスタントコーヒーを入れ、ふう、と息を吹き掛け一口飲む。

「ん、美味しい」


コーヒーを飲みながら部屋が暖まるまで待ちつつ移動し、カップを持ったままテレビ前のソファに腰掛けた。

スマホの確認をすると、友人からのメールがきていたので確認。
来週の日曜日に開催される、薄い本の即売イベントの参加の有無の確認だった。

『Fromカナ

水樹～！おっつー！

来週のイベント、参加だよね？』


「モチロン参加で！」

ポチポチと返信を反し、通知音が再び。

『Fromカナ

やったー！水樹のコスプレ楽しみにしてるよー！』

「はーい！」

ついつい口に出してメールを返信してしまうと、今日買ってきた小説を開いた。

パラリ、と白い長方形の紙片が落ちる。


「何コレ？」

テーブルから拾って目を通す。

──────────────────

『書籍についてのアンケートです。下記URLへ御回答下さいますと、参考にさせて頂きます』

アンケート回答ＵＲＬ

Let’sgo：//xxx.kami.rakia-annketo-no-soudanni.notutekudasai-isekaini-gosyoutaisimasu.yo



──────────────────


と書かれていた。

「アンケートを参考に……か。何だか怪しいアドレスの気がするんだけど……。答えてみても問題ない……よね？」

クルクル表裏に返しながら、紙片を見る。一応、不審な感じはしない。

テーブルの上に紙片を戻すと、暫くじっと見つめた。


「文章、になってる……？」


変なアドレス。ゆっくりアドレスを声に出して読んでみる事にした。

「『レッツゴー、かみ、らきあ、アンケート、の、そうだんに、のつてください、いせかいに、ごしょうたいします、よ』ね……。本当かしら？」


  ちょっとした好奇心が出る。悪戯かも知れないし、嘘かもしれない。が、アクセスしてみたい気持ちが強かった。



「…………アクセスしてみるか」



興味本意でアクセスし、自分の取った軽率な行動で、まさか、今後の人生がガラリと変わることになるなんて──────思いもせずに。