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第2章 和国オウラ騒動編
3.こんな再会は驚きます!
しおりを挟む和国オウラ国境の重要門の前まで来た、リン達一行。
ジリアンに促されて、リリアナとレイナが先に門の中へ通される。
「リン・トウヤ様です!国境警備隊総隊長にお知らせ願います!」
検問の1人の兵士が、リンの確認を終え、直ぐに詰所へと案内された。
リリアナとレイナを、ジリアンが詰所へと連れてきた。
「ジルくん、リンちゃんに何かあるんですか?」
「俺もここの客室にその貴族様が待っているらしいってことくらいしか知らないんだ」
ガシガシと後頭部を掻きながら、済まなそうにするジリアンを見て、レイナは溜め息を吐いた。
「危なくないと、言い切れるんですか?」
「ああ、それは大丈夫。総隊長が言うには、身元がハッキリとした方だそうだ」
そんな会話をしていると、黒の執事服を身に付けた初老の男性が姿を現した。ピンと背筋が伸びた姿に、柔らかな笑みを浮かべ、リンの前に立つ。
「リン様ですね。私はガルクード公爵家の執事をしております、アンバーと申します。私の主が会いたいと仰ってこちらまで来ているのですが、同行願えますでしょうか?」
恭しく頭を垂れたアンバーの姿に、リンは少し気になる動作が窺えた。
紳士的な動きに隙がない。かなりの手練れだ。
「えっと……リリアナさんやレイナちゃん、従魔達は一緒で構いませんか?」
「───申し訳ありません。最初だけ、リン様と従魔たちのみでお願い致します。お話が終わり次第、他の方々にもお会いしたいと主が申しておりましたので」
申し訳なさそうにアンバーが答えると、リンは少し考え込む。会ったこともない公爵家の主。会わないで済むならそうしたいが、会った方がいいと言う勘が働いている。
「─────分かりました。お会いします」
「リン!?」
「リンちゃん!?」
リンの返事に、驚いたのはリリアナとレイナ。
「有り難うございます。では、こちらへ。ジリアン殿、お二人を客室に案内お願い致します」
ジリアンが頷いたのを確認すると、アンバーはリンを促す。その後ろを着いていく形で、リンは歩き出す。
「大丈夫。私の勘が、会った方がいいって感じているから」
一度足を止めたリンが振り向き、ニコリと笑ってアンバーの後ろをついていった。
「本当かしら……」
「確か、ガルクード公爵家はユイト様が懇意にされている方です。大丈夫だと思います」
心配そうに見送る2人を見たジリアンが、クスリと笑う。
「俺もガルクード公爵閣下が出てくるとは思わなかった。取り敢えず、レイナ達にも客室に案内するように言われたから大丈夫さ」
「そうですね。きっと大丈夫です」
レイナ達の表情が和らいだのを見たジリアンは、客室に案内するよと告げ、レイナとリリアナを連れて別の客室に案内していった。
△▲△▲△
ゆっくりとした足取りで歩くアンバーの後ろを、リンも同じようにゆっくりと歩く。赤い絨毯が敷き詰められた廊下を、ただ、ひたすら歩いているのだ。
アンバーの隙の無い歩き方に気を取られていたため、どのくらい歩いたかは分からない。
華美な装飾が施された、大きく重厚な黒い扉の前でアンバーが足を止めたので、リンも止まる。ノッカーに手を伸ばしてコンコンコンと音を立て、「リン様をお連れしました」と言うと、「入って」と中から男性の返事が返ってきた。
アンバーが静かに扉を開けて、リンを中へ入るように促し、コクンと小さく頷いてリコラ達を伴って中へと足を踏み入れる。
毛足の長い柔らかな絨毯の感触を感じながら、一歩一歩前へと進む。
後ろでアンバーが入室の後、扉が閉じられた。
「こんな所まで済まないね。初めまして…………じゃなくて、久し振りかなぁ?─────鈴霞」
聞き覚えのある声に、リンは視線を男性へと向ける。
振り返って柔らかく微笑んだ人物の姿を見たリンは、大きく目を見開いて、口許を片手で押さえる。
驚きを隠せないリンは、まじまじと観察してしまう。
肩甲骨の辺りまである黒髪を首の後ろで一つに束ね、肩より少し下にある、前髪を中分けにしてサイドに下ろしている、柔和な黒目のイケメン。
髪型や服装が違っていても、見間違うことの無い、リンが良く知っている顔。
────声が出ない。信じられない光景が、今、目の前に。
「聖史…………おじさん……!?」
リンが何とか絞り出した声は、掠れて小さい。体が震える。もう、リンには身内は居ないと思っていた。それが───いたのだ。しかも、異世界に。
リンの目に涙が溢れる。
聖史、と呼ばれた男性は小さく笑って頷いた。
「きっと、信じられないだろうと思って、会わないでおこうとも考えたよ。だけど、やっぱり家族には会いたくなるものだね。僕は我慢出来なかったよ」
叔父失格だね、と聖史が苦笑する。
涙をこぼしながら、リンは首を横に何度も振る。
微笑んで両腕を広げた聖史の胸へと、リンは思い切り飛び込んだ。
「こんな所で会えるなんて思わなかった……!聖史おじさんが行方不明になって、死んだって言われて。それから8年、私が高校1年生の時にお父さんとお母さんも死んじゃって!
───辛くて悲しくて…………っ。落ち着いてきたら、今度は涼達が魔法陣で飛ばされて……!お爺ちゃんと二人になって……生きているのが辛かった時期があったけど、何とか頑張ってきた。だけど、お爺ちゃんも死んで────…………っ!!」
リンは枷が外れたかのように、今まで我慢してきた気持ちを吐き出し、思い切り泣いた。聖史は、リンを優しく抱き締め、その背中をゆっくりとした動作で撫でる。
リンが落ち着きを取り戻したのは、30分後。
その間にソファへ移動して座り、落ち着いた所にアンバーが何も言わずに紅茶と茶請けをテーブルに置いて離れる。
「─────そうか。それは辛かったね。父さんが鈴霞の事を信じたのは…………たぶん、僕の事が関係しているよ」
「……え?」
「僕はね────父さんの目の前で、魔法陣に飲み込まれたんだ」
聖史からの衝撃の告白に、リンは何も言えず固まる。
その顔を見た聖史は、クスクスと笑った。
「もう、吹っ切れたよ。父さん達には会うことも叶わないって分かったのは、色んな所を旅して帰還方法が見付からなかったから。僕がこの世界に来て、200年。魔力が高いと老化が遅くて長生きって、この世界では当たり前なんだよね。これには驚いたかな。
今は、セージ・トウヤ・ガルクード。これが僕の名前だよ。──トウヤは普段使ってないけど」
だから、セージ叔父さんって呼んでね?と言葉を付け加えた。
「うん。私はリン・トウヤだから、リンね!」
泣き腫らした目のまま、リンがとびきりの笑顔で返事を返す。
「分かったよ、リン。これから和国オウラに向かうのかい?」
「うん、そうなんだけど……。歩きだから、時間かかるでしょ?だから暫く移動して、夕方にどこかで野営かなあ。リリアナさんとレイナもいるし」
顎に右手の人差し指を当てて考えるリンに、セージは微笑んだ。
「じゃあ、僕の馬車で移動すると良いよ。今からなら、馬車を飛ばせば日没くらいには僕の統治する公爵領の端の街に辿り着くから」
「えー……。馬車ってお尻痛くならない?」
ジト目のまま見てくるリンに、セージはニコリと笑う。
「大丈夫。車軸周辺と馬車内のクッションは完璧。更に、馬車は従魔が引くから速いよ!」
セージがウインクする。
セージはやはりイケメンだ。貴族服と併せて似合うなあ、とリンは苦笑する。
流石。叔父さん侮れません。車関係好きだもんね。
「じゃあ、リリアナさんとレイナちゃんも一緒に良い?」
「───ん?リリアナ……って、もしかしてリリアナ・フルーレかな?ユイトの婚約者の。レイナはガイの娘だから知ってる。アンバー、2人を連れてきて」
「畏まりました」
セージの言葉に、アンバーが直ぐに一礼して退出する。
「セージ叔父さんは、ユイト様って人を知ってるの?」
「まあね。僕がこの世界に来たときに仲良くなった冒険者であり、元SSランク冒険者。それと、僕の元パーティーメンバーでもあるよ」
─────はい?今、元SSランクと聞こえたんですけど。更に、セージとパーティー組んでいた?
理解が追い付いてきたリンの顔がみるみる驚きの顔に変わる。
「じゃあ、セージ叔父さんSSランクってこと!?」
「あ、そうなるね。だから護衛撒いちゃうんだけど」
足手まといなんだもん、てへっ。という感じに舌を出す。
セージのお茶目な性格は変わらないようだ。
「護衛を撒くとか、叔父さんらしいけど。道場の子達との模擬戦から逃げるのに良く撒いてたもんね。だけど、護衛の方もお仕事なんだから程ほどにね?」
右手人差し指を立てて、少し右眉を吊り上げて言うリンを見たセージは、微笑んだ。
「彩乃姉さんみたいだ」
─────彩乃はリンの母親で、セージの姉だ。リンの姿が変わっていても、自然に出る動作を見て懐かしむ。
「そうだ。リンの従魔たちの紹介お願い出来るかい?」
「あ……。すっかり忘れてた」
「リンは小さい頃からそう言ったところは変わってないね」
クスクス笑うセージの姿を見たリンは、ぷくりと頬を膨らます。
「どうせ変わらないですよーだ。……ふふっ。ちょっと今の年齢に精神が引っ張られてるかな」
リンは苦笑して小さく息を吐く。
「…………向こうで死んだ時の年齢を聞いても大丈夫かい?」
「────……28」
「…………そうか。向こうに帰りたいかい?」
「───向こうに未練は無いよ。涼たちの親とも疎遠になったし、身よりも無くなってたから。人との交流も避けてたしね。──でも、この世界でセージ叔父さんが生きていてくれたのは、本当に嬉しい。血の繋がりは無くなったけど、私の叔父さんだからね。今は転生して15歳だから……これから楽しもうかと思ってるの」
『ヒール』と魔法を掛け、瞼の腫れを治してしまうリンの姿を見たセージは、微笑んだ。
「そうだね。楽しむと良いよ。さあ、従魔を紹介して?」
柔らかく微笑んだセージの言葉に、リンの近くに伏せているリコラを呼び、ルチアとルアンを膝に乗せ、セージの方を向いた。
「こっちの黄色いチルチルが、『ルチア』。白いナイトメア(バトラー)・ホークが『ルアン』。お座りしているのが銀狼種の『リコラ』よ」
「ふむ…………。《擬態》してるのは、ルチアとルアンかな?」
「…………分かる?」
「僕はね。簡単には見破れないよ。稀少種と上位種を見るのは久し振りだよ。────で、ルアンの方なんだけど」
セージの黒い笑み。これは…………バレてますね。
「ん?ルアン?」
何気無い仕草で、リンが首を傾げる。
「そう…………。どこの誰がリンの相手かな?」
折角会えた大事な姪っ子を連れていこうとする奴は許さない。とセージが笑う。
────叔父さん、目が怖いです。
嘘をつくわけにもいかないので、リンは正直に答えることにした。
「アルクリア王国の諜報部隊に所属してる、アルディーって人……」
ルアンとルチアを抱き締めて、小さな声で答えたリンの言葉に、セージが思い切り溜め息を吐いた。
「よりにもよって…………!あの脳筋の三男坊か!!」
「うん?叔父さん知ってるの?」
首を傾げたリンに、遠い目をしたセージは殺気のこもった笑みを向ける。
(叔父さんが怖いです…………!)
「知っているなんて簡単な話じゃないんだよ!まあ、脳筋の息子たちは出来る奴らだから良いんだけど!…………ああ、だけどあの脳筋の顔が浮かぶとムカつくっ!!─────まあ、この話はまた後で。2人が来たみたいだし」
少し落ち着いたセージが言うと、
コンコンコン、とノック音の後にアンバーの声がする。
リリアナとレイナを連れてきたようだ。
「入ってくれ」
少し、セージの雰囲気が変わる。貴族としての立ち居振舞いになる。
リンも静かに待った。
「リリアナ様とレイナ様をお連れしました」
「ああ。お二人ともこちらへ座ってください」
セージの隣にリンが座り、その向かいの席へとリリアナ達を促す。
「「失礼致します」」
一礼して2人が席につくと、セージが柔らかく微笑んだ。
「わざわざ来てもらって済まないね。知っているとは思うが、私はガルクード公爵家当主、セージ・ガルクード。リンの叔父になります。リンが和国オウラに来ると言う知らせをユイトから貰いましてね。小さな頃に会ったきりだったもので早く会いたかったのです」
突然のセージの言葉に、リリアナとレイナがぽかんとした顔で暫く固まった。
「「ええええええええぇぇぇっ!?」」
驚きで思い切り叫ぶ2人を見たリンは、小さく溜め息を吐いた。
「セージ叔父様率直すぎ……」
「そうかい?この方が早いだろう?」
「そうなのですけどね。時と場合によりますよ。────私も驚きましたけどね」
リンも喋り方気を付けつつ、リリアナとレイナの方に向いて微笑んだ。
「はあぁー……。まさか、リンがガルクード公爵閣下の身内だなんて」
「ですね。私も驚きました」
「私も、叔父様が公爵になっているなんて思いもしませんでした」
リン達が話しているうちに、アンバーがリンとセージの紅茶を入れ替え、リリアナとレイナに紅茶を配ると、一礼して退出した。
「それは、また追々話しましょう。───リンから聞きましたが、お二人とリンは和国オウラに向かっているそうですね?」
お茶を一口飲んだセージの問いに、リリアナとレイナが頷く。
「はい。そうですけれど……?」
カチャリ、と紅茶の入ったカップを綺麗な所作で戻したリリアナが、首を傾げた。
「先程、私とアンバーと一緒に、リンに馬車で私の領地まで移動する事を提案したのですが…………一緒に行きませんか?」
セージはニコニコと、リンに気付かれぬよう目は有無を言わさぬ視線で、リリアナとレイナを見つめるのだった。
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